納骨堂は元々、遺骨を一時的に収蔵する施設でしたが、今では恒久的に遺骨を祭祀する施設として扱われています。納骨堂の種類は自動搬送式、ロッカー式、仏壇式、位牌式、墓石式の5種類です。
この記事では、納骨堂の種類別に特徴やメリット、価格などをまとめて紹介します。
納骨堂の種類は5つ!タイプ別の特徴や費用を紹介
- 自動搬送式納骨堂
- ロッカー式納骨堂
- 仏壇式納骨堂
- 位牌式納骨堂
- 墓石式納骨堂
納骨堂とは、主に建物内で遺骨を安置・供養する施設のこと。元々は遺骨を一時的に納めるための施設でしたが、最近は遺骨を祭祀する施設として認識されています。広大な敷地がいらないため、都市部を中心に増えていて、近年注目を集めている新しいタイプのお墓です。
納骨堂は、自動搬送式・ロッカー式・仏壇式・位牌式・墓石式の5種類に大きく分けられます。ここでは、それぞれの種類の特徴や費用、メリットを紹介します。
自動搬送式納骨堂
自動搬送式納骨堂 | |
特徴 | 参拝ブースまで遺骨が自動搬送される納骨堂 |
費用 | 約70万円~150万円 |
メリット | 駅から近くアクセスが良好 手ぶらでお墓参りできる 天候を気にせず過ごせる セキュリティ面が安心 |
自動搬送式納骨堂は、遺骨の自動搬送システムを導入した納骨堂です。ICカードをかざすと、バックヤードから参拝ブースまで遺骨が自動で運ばれてきます。
自動搬送式納骨堂は、「ビル型」「マンション型」とも呼ばれていて、都市部に多く存在しているのが特徴。駅から近く、アクセスしやすい施設が多いです。お墓の掃除・管理が不要なのはもちろん、コンピューター制御でセキュリティ面が万全なのがメリットです。ただし最新技術を使用しているため、費用相場は約70万円~150万円とやや割高になります。
ロッカー式納骨堂
ロッカー式納骨堂 | |
特徴 | 扉付きのお壇が並んだコインロッカーのような納骨堂 |
費用 | 約20万円~80万円 |
メリット | 他の種類より費用をおさえやすい 利便性のよい施設が多い 個人スペースに花や写真を置ける |
ロッカー式納骨堂は、扉付きで同じ大きさお壇が並んだ納骨堂で、コインロッカーのような外観が特徴です。参拝時に納骨壇を開くタイプと、納骨壇の前に参拝用のご本尊があるタイプの2種類あります。
ロッカー式納骨堂は、個々のお墓が不要でスペースも限られているぶん、他の種類より費用をおさえやすいのがメリット。実際に、ロッカー式納骨堂の費用相場は約20万円〜80万円で、100万円以下におさえられる施設が多いようです。
仏壇式納骨堂
仏壇式納骨堂 | |
特徴 | 個々の仏壇が用意された納骨堂 |
費用 | 約50万円~150万円 |
メリット | 個人スペースが広く、納骨数も多い 見栄えが良く、寂しい雰囲気がない 家族で代々受け継ぐことができる |
仏壇式納骨堂とは、契約単位ごとに仏壇が用意された納骨堂で、「霊廟(れいびょう)」とも呼ばれます。上段に仏壇、下段に収骨スペースがあり、仏壇の前に遺影やお花、お供え物などを置けるのが魅力。またスペースが広く納骨数も多いため、家族単位で利用できるのもメリットです。
仏壇式納骨堂の費用相場は、約50万円〜150万円。装飾が華美なため比較的割高で、個人単位は約50万円〜、家族単位は約100万円〜が目安です。
位牌式納骨堂
位牌式納骨堂 | |
特徴 | 個々の位牌を並べる納骨堂 |
費用 | 約10万円~30万円 |
メリット | 他の種類より費用をおさえられる 寺院内に多く、供養をまかせられる |
位牌式納骨堂とは、個々人の位牌を並べて供養する納骨堂。戒名や没年月日が書かれた位牌を、個人スペースのシンボルとして掲げます。位牌と遺骨を一緒に置くか、別々に置くかは、施設によって違います。位牌式納骨堂は、個々のスペースが少ないぶん、約10万円〜30万円と比較的安価です。
墓石式納骨堂
墓石式納骨堂 | |
特徴 | 個々の墓石が用意された納骨堂 |
費用 | 約50万円~150万円 |
メリット | 一般墓のように専用のお墓を持てる 花や供物を供えるスペースがある |
墓石式納骨堂とは、一般的なお墓と同じように、墓石を用意する納骨堂。雨や風、汚れなどによる影響を受けにくく、お墓をキレイな状態に保てます。お花やお線香をお供えできる納骨堂もあり、伝統的なスタイルのお墓参りが可能です。
墓石式納骨堂の費用相場は、約50万円〜150万円。墓石代が別途発生するため、納骨堂のなかでも高額になりやすいです。
納骨堂の費用相場は?平均購入価格は80.3万円
2020年(n=777) | 2021年(n=455) | 2022年(n=859) | 2023年(n=585) | 2024年(n=1620) | |
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納骨堂 | 87.7万円 | 91.3万円 | 83.6万円 | 77.6万円 | 80.3万円 |
「第15回お墓の消費者全国実態調査(2024年)」によると、納骨堂の平均購入価格は80.3万円。過去5年間の推移を見ると、納骨堂の費用は75万円〜85万円前後になっています。同調査での一般墓の平均購入価格は149.5万円で、納骨堂は一般墓より69.2万円も安価です。
納骨堂にかかる費用の主な内訳は、永代供養料と年間管理費。その他、銘板彫刻料や戒名料、お布施代など追加費用がかかる場合もあります。納骨堂の種類や立地、管理費などで価格が異なるため、気になる施設は見積もりをとって価格を確認してください。
納骨堂と永代供養墓の違いは?供養方法の一種
- 納骨堂:遺骨を保管・管理するための屋内施設(お墓の一種)
- 永代供養:遺族の代わりに霊園・寺院がお墓を管理すること(供養方法の一種)
そもそも永代供養(えいたいくよう)とは、霊園・寺院が遺族に代わってお墓の管理をすること。永代供養は供養方法の一種とされ、永代供養のついたお墓を「永代供養墓(えいたいくようぼ)」と呼びます。
納骨堂は、遺骨を保管・管理するための屋内施設で、お墓の一種です。永代供養のついた納骨堂も多く、「納骨堂は永代供養墓の中のひとつ」だといえます。
納骨堂を選ぶメリットは?費用・立地・自由度の高さ
- 一般墓と比較して費用が抑えられる
- 比較的アクセスのよい立地にある
- 宗教不問の納骨堂が多い
- ペットと一緒に入れる納骨堂もある
種類とあわせて、納骨堂の代表的なメリットや購入される理由を紹介します。
一般墓と比較して費用が抑えられる
一般墓の全国平均購入価格は、墓石代と墓地の使用料を含めて149.5万円。対して納骨堂は、80.3万円と約半分の費用で購入できます。納骨堂によっては年間管理費がかからず、初期費用のみで利用できる施設もあり、負担が少ないのも魅力です。
比較的アクセスのよい立地にある
とくに都心の納骨堂は、駅から徒歩圏内にある施設が多く、天気や雨風の影響を受けずに定期的なお参りができます。冷暖房も完備されており、暑い夏や寒い冬も快適です。
宗教不問の納骨堂が多い
近年では、経営主体が寺院でも檀家義務がなかったり、宗旨宗派を問わなかったりする納骨堂が増えています。施設によっては、葬儀式場として利用できる納骨堂もあります。
ペットと一緒に入れる納骨堂もある
大切な家族である、わんちゃんや猫ちゃんと入れる納骨堂が増えています。一般的なお墓はペットと一緒に埋葬できませんが、時代のニーズとともに柔軟に変化しています。
全国の納骨堂ランキング
全国の納骨堂のランキングをご紹介します。納骨堂をご検討の場合は参考にしてみてください。