日蓮宗のお墓 – 特徴とお墓参りの方法/墓所のご案内

日蓮宗総本山 身延山久遠寺 日蓮聖人御墓・祖廟塔
日蓮宗総本山 身延山久遠寺 日蓮聖人御墓・祖廟塔

日蓮宗は鎌倉時代中期に日蓮聖人によって開かれた仏教宗派です。鎌倉仏教の一つに数えられ、日蓮法華宗あるいは法華宗とも呼ばれます。
日蓮宗では、法華経こそが唯一の釈迦の教えであるとし、「南無妙法蓮華経」を唱えることで救われると説いています。

この記事では、日蓮宗のお墓の特徴や、お墓を建てた際の供養、お墓参りの仕方などについてご紹介します。日蓮宗のお墓を建てようとお考え中の方は、ぜひ参考にしてください。

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日蓮宗とは

日蓮聖人が興した日蓮宗は、2017年時点で寺院数は約5,100カ寺、信者数は約350万人にも及ぶ、日本における主要な仏教宗派の一つです。
日蓮宗の総本山は、日蓮が晩年を過ごしたといわれる山梨県の「身延山久遠寺」です。
お釈迦様の言葉をまとめた経は、8万4,000もあるといわれていますが、日蓮宗では、法華経(正しくは「妙法蓮華経」)を唯一の釈迦の教えとして大切にしています。
日蓮聖人は、「法華経こそが、困難な時代を生き抜いていかなければならない人々を救う最も大切な教えである」と説き続けてきました。題目「南無妙法蓮華経」の「南無」とは「一心に仏を信じること、私は帰依します」を意味しており、「妙法蓮華経」の五字には、お釈迦様が多くの人を教え導いた知恵と慈悲の功徳、つまり法華経の功徳の全てが込められているとされています。
日蓮宗では、仏の心を信じ、題目「南無妙法蓮華経」を唱えることで、仏様のお慈悲により過去の罪や過ちが消し去られ、自分のなかにある「仏の心」を呼び現されて、即身成仏できると説いています。

日蓮宗のお墓の特徴

日蓮宗では題目「南無妙法蓮華経」が日々のお勤め、葬儀などの仏事において大切にされています。そして、その教えはお墓を建てる際にも大切にされているのです。

墓の正面に刻む文字

一般的に、他の宗派では墓石の正面に、「○○家先祖代々之墓」、「○○家之墓」などと刻みますが、日蓮宗では「南無妙法蓮華経」と刻むか、上部に「妙法」の文字を入れて、「妙法○○家先祖代々之墓」や「妙法○○家之墓」と刻みます。「妙法」とは、法華経の教えで最も優れている仏の教えを表しています。
「南無妙法蓮華経」と「妙法」の文字は、髭題目(ひげだいもく)と呼ばれる独特の字体で刻みます。「法」以外の6文字の端の部分を髭のように長く伸ばして書きます。法の光に照らされて万物が真理の活動に入る姿を表しているといわれています。

お墓の形態

日蓮宗では、お墓の形態として和型、洋型どちらを選んでも構いません。
和型のお墓で、宝珠形・半月形・三角形・円形・方形の5つの石を重ねた五輪塔を建てる場合は、上から「妙」・「法」・「蓮」・「華」・「経」または、「南無」・「妙」・「法」・「蓮華」・「経」と髭題目の字体で刻みます。

日蓮宗のお墓と供養

開眼供養

お墓を新しく建てた際や改葬した際には、開眼供養を行います。開眼供養とは、単なる石であった墓石に、仏様やご先祖様を招いて魂を入れ込む儀式です。
開眼供養では、お花やお供え物を用意し、僧侶に読経してもらいます。納骨する場合は、納骨供養とともに行います。生前墓または改葬の場合は、親族が集まりやすい時期がよいでしょう。
開眼供養での僧侶へのお布施の相場は、3~5万円とされることが多いです。僧侶のいる寺院ではなく、開眼供養のために霊園まで足を運んでもらう場合は、お車代も別に包みます。
寺院や地域によって相場が異なるので、初めてお墓を建てる場合など、分からないときは墓石・石材店などに相談してみることをおすすめします。

女性の法号には「妙」が入る

日蓮宗では、戒名のことを「法号」と呼びます。男性は法、女性には妙の字が含まれることが多いようです。

お塔婆(卒塔婆)

日蓮宗では、命日(年回忌)、春と秋のお彼岸、お盆などに際してはお塔婆を建てます。お塔婆には、「南無妙法蓮華経」と記されています。お塔婆は施主だけでなく、親戚や友人、お世話になった方のために建ててもよいとされています。

日蓮宗でのお墓参り

日蓮宗のお墓参りの仕方は、他の宗派との違いはあまりありません。持参するものは、花とローソク、線香、お供え物、数珠、掃除用具です。お供え物は、お菓子や果物など、故人の好物などを用意します。
掃除前にお墓に一礼し、墓石は水で洗い雑巾などできれいに拭いて汚れを落とします。周囲の雑草を抜いたり、ゴミを拾ったり、花立ても中まできれいに洗います。掃除が終わったら、花とお供え物を供えます。
墓石にきれいな水をかけて、線香を上げ、数珠を手に掛けて合掌礼拝して、題目「南無妙法蓮華経」を唱えます。
日蓮宗の数珠は、一般の信者は「勤行数珠」と呼ばれる108の普通珠、4つの中珠、2つの大珠を繋ぎあわせたものを二重に掛けて持ちます。また、お線香を上げる際、日蓮宗では線香を1本立てます。
お墓参りが終わったら、基本的にお供え物は持ち帰るのがマナーです。

まとめ

日蓮宗の教えやお墓の特徴、お参りの仕方などについてご紹介しました。
日蓮宗のお墓を建てる際には、文字の刻み方など他の宗派と異なる決まりがあります。日蓮宗のお墓を建てたい、あるいは改葬をしたいとお考えの方で、「どこかよい墓地はないか」「どのくらいの費用が必要なのだろうか」などのお悩みがございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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