お墓を建てる際に、まず墓石カタログを入手する方は少なくありません。石材店で作成している墓石カタログを取り寄せ、比較検討することで、それぞれの石材店が得意としていることや、気を付けていることなどといった特徴が見えてきます。また、過去の建墓実績を見ることで、これまでどのようなお墓をつくってきたのかも見ることができ、希望するお墓に近いものを探す指針とすることもできます。
墓石カタログにはどんな種類がある?
石材店が作成している墓石カタログにはさまざまなものがあります。以下では、どのような種類の墓石カタログがあるのかを紹介していきます。
多くの墓石が紹介されたカタログ
購入できる多くの墓石がラインナップされたカタログです。デザインや石種から選ぶことができ、価格のガイドラインもしっかりと掲載されています。
なお、いいお墓では「定額墓石ブラン」と称し、「3つの定額価格ですべてが揃う、豊富なラインナップから選べるお墓」のカタログを無料進呈しています。たくさんの見本の中から選べるセミオーダーの墓石です。デザインや価格が明確なことで選びやすいと評判の墓石カタログとなっています。
石材店の総合カタログ
それぞれの石材店が用意している墓石カタログです。お墓のデザインや石種などの紹介もされていますが、その石材店の沿革や、基礎工事風景、彫刻などのデザイン処理、会社代表や営業マンの言葉、顔写真なども掲載されており、総合的にその石材店がわかる総合カタログとなっています。
墓石カタログの入手方法
墓石カタログを手に入れたいと思った場合、どのような方法があるのでしょうか。
お墓のポータルサイトで入手する
いいお墓など、お墓探しのポータルサイトに自らの要望を伝え、希望に適った墓石カタログを送付してもらう方法です。
お墓のポータルサイトでは特定の石材店に偏ることなく幅広い情報を有しているので、希望に合わせてカタログを見繕ってもらえて、一度に何種類も手に入れることができるのがメリットです。墓石とともに霊園・墓地の資料請求もできるので、多くの選択肢から検討したい方にはおすすめの方法です。また、石材店で用意しているカタログも請求できる場合があります。
石材店のホームページから入手する
ホームページなどから資料請求を行うことでカタログ入手できる石材店も多く存在します。複数の石材店からカタログを取り寄せ、比較検討できるようにするとよいでしょう。
石材店に直接訪問して入手する
お墓を建てる場所が決まっている場合は、そのお墓に近い石材店を選び、直接出向いてカタログをもらうということもできます。
その場合、事前に電話などでカタログの有無を確認しておくとよいでしょう。また、その石材店に依頼をするかどうかを決めていない場合は、比較検討する旨を明確に伝えておくことをおすすめします。
墓石カタログのチェックポイント
墓石カタログを入手した後のチェックポイントをご紹介します。
対応エリアの確認
墓石を建立する際には、墓石を運搬する必要などもあるため、サービスの対象エリアを設定している場合があります。気に入った石材店があったとしても、遠方にある場合などは、工事を請けてくれない可能性もありますので確認する必要があります。
墓石の使用量や広さ
お墓の大きさによって使用する石材の量が違ってきます。石材の量が変われば、価格にも反映されます。必ず現地を採寸して見積もりを出してもらいましょう。
墓石の原石の種類や産地
和型・洋型など墓石の形に関わらず、墓石に使われる原石の種類は、国産のもので約50種類、中国やインドなど外国産のもので100種類以上あります。
国産石のほうが外国産石と比べて価格が高くなる傾向があります。また、石材には等級があり、それにより価格も変化します。
色褪せることがない、吸水性が低い、硬度の高い石材が良いとされているので、価格だけではなく、品質も考慮して選ぶ必要があります。
墓石の彫刻、耐震加工などのオプション
デザイン性の高い墓石や、家名や家紋などの彫刻を竿石などに施工する場合や、墓石の磨き直し、耐震加工などオプションの作業が加わると、価格にも影響をおよぼします。
免振・耐震対策を施工しておくことで、墓石の倒壊などによる思わぬ出費を抑えることができるなど、先々にかかる費用も含めて検討する必要があります。
施工現場の状況
霊園・墓地の駐車場から墓所区画までの距離や、クレーン車が通れる車幅の有無などにより、石材を運ぶ工程が変わってきます。墓所区画まで石材を運ぶためのスペースを確保しづらい場合は、運搬方法を別途手配しなければならないため、施工価格は加算されることになります。
霊園ごとに変わる状況
公営霊園
基本的に公営霊園の墓地はどのようなお墓を建立しても問題はありません。また、どの石材店に施工を依頼するかについても特に規制はありません。
公営霊園では、平米あたりの価格は低い設定になっていますが、1区画の平米数が大きな場合もあるため、結果的に高額になる可能性もあるので注意をしましょう。
民営霊園
民営の霊園・墓地では、石材の大きさや高さ、彫刻をする内容など、墓石を建立するにあたり規制や条件がある程度決まっている場合が多いです。また、指定石材店が定められていて石材店を自由に選べない場合も多いです。
霊園・墓地ごとに大体の価格相場が決まっているため、霊園や石材店の担当者に聞くことをおすすめします。
寺院墓地
寺院墓地は、運営寺院の住職の意向によって対応が違ってきます。先祖代々受け継がれているお墓が多いため、デザイン墓のような独特な形式のお墓は少ない傾向にあります。また、墓地に建立できる石材店はその寺院に出入りをしている石材店が指定される場合が多いです。
墓石の価格を判断する際の注意点
さまざまな要素が集約されてお墓の価格は決まってくるので、購入検討時には価格以外にも注意しておく必要があります。
指定石材店制度
墓地や霊園によっては石材店が指定されている場合があり、これを指定石材店と言います。
自分で石材店を探して安い墓石を選ぶといったことができないので、お墓の値段が高くなる可能性があります。
一般的に、民営霊園の場合は石材店が指定されていることがほとんどです。寺院の場合はどちらの可能性もあるため、お寺に確認しましょう。
公営の霊園には石材店が指定されていないため自分で安い墓石を探すことができますが、その際には信頼できる石材店かどうか見極めたうえで依頼するようにしましょう。
改葬(お墓の引越し)の可能性
改葬(お墓の引越し)を行う場合、元ある墓所の墓じまいを行うとともに、引越し移転先の墓所を確保する必要があります。ゆくゆくのことではありますが、改葬する場合にも費用がかかることを頭に入れておきましょう。
リフォームや建て替えを行う可能性
お墓や墓石のリフォームや建て替えを行う場合にも費用がかかってきます。リフォームする内容にもよりますが、墓石の手入れをする際には基本的に費用が発生するので、その点も考慮に入れておきましょう。