お墓のサイズは、「墓石」と「墓所」、2つの観点から考えます。墓所は㎡・坪・聖地・霊地、墓石は寸・尺・号などの単位を用いてサイズを表すのが基本。一般的なお墓の大きさは、墓所が1.5㎡未満、墓石は8寸〜9寸です。
この記事では、お墓のサイズの考え方や単位、お墓の大きさの決め方などを解説します。
お墓のサイズの考え方と単位
お墓のサイズは、「墓石」と「墓所」、2つの観点から考える必要があります。
「墓石」とはお墓の本体、「墓所」とはお墓を建立する土地のこと。墓所の面積が広ければ大きな墓石を立てられますし、墓所が狭ければそのぶん墓石も小さくなります。墓石と墓所の考え方を理解していないと、広い墓所を購入したせいで墓石にお金をかけられなくなったり、立派な墓石を購入したのに墓所が狭くて入らなかったりするかもしれません。
そのため、まずは総合的なお墓のイメージを固めておくのが大切。どのくらいの大きさの墓石を建立したいか、予算を含めて具体的にイメージして墓所の広さを決めていきましょう。ちなみに、一般的なお墓の大きさは、墓所が1.5㎡未満、墓石は8寸〜9寸が主流です。
墓石のサイズ
墓石のサイズを表す単位
- 寸(1寸=約3.03cm)
- 尺(1尺=約30.3cm)
- 号(1号=約3.03cm)
墓石には「和型墓石」「洋型墓石」「デザイン墓石」の3種類があり、それぞれサイズを測る単位が異なります。
和型墓石は、竿石(縦長の石)の幅を基準にして「寸」や「尺」で計測するのが基本。1寸は約3.03cm、1尺は約30.3cmです。洋型墓石は、和型より横に長い竿石の幅を基準にして「号」で計測します。1号は約3.03cmで、1寸と同じ長さです。デザイン墓石は、オーダーメイド方式のお墓で、自由に形式・サイズを選べます。
墓石のサイズは、墓所の広さや霊園の規定にあわせて決定するのが一般的です。霊園によっては、墓石の幅や高さに制限があるため、事前の確認が必須。また、周囲の墓石との調和も考慮しながら、サイズやデザインを決めましょう。
墓所のサイズ
墓所のサイズを表す単位
- ㎡
- 坪(1坪=約0.81㎡)
- 聖地(1聖地=約0.81㎡)
- 霊地(1霊地=約0.81㎡または約1㎡)
墓所のサイズは、基本的に「㎡」や「坪」で表されます。ただ、「聖地」や「霊地」など墓地独自の単位を使っている霊園もあるので注意してください。1聖地は「0.9×0.9=約0.81㎡」で、畳半畳ほどの広さです。1霊地は約0.81㎡または約1㎡で、霊園によってどちらを基準としているか違います。
また、墓所のサイズは地域や霊園によっても異なります。土地価格の高い都市部では、墓所のサイズは0.6㎡〜1.5㎡ほどが一般的。一方、土地に余裕のある郊外・地方では、10㎡を超える区画も見られます。人気が高く土地単価の高い霊園ほど、墓所のサイズが狭くなる傾向が強いです。
墓石の一般的なサイズ
和型墓石
和型墓石は、縦長の竿石に上台石・中台石を組み合わせた日本の伝統的な墓石です。
和型墓石のサイズは、「寸」や「尺」という単位で表され、「8寸角」「9寸角」「尺角」の3つが一般的。それぞれ竿石の幅を指していて、「8寸角」は約24.2cm、「9寸角」は約27.3cm、「尺角」は約30.3cmです。竿石の幅が広がると、墓石全体の大きさも比例して大きくなります。
洋型墓石
洋型墓石は、横長の竿石を特徴とした西洋風の墓石。和型墓石は3段構造ですが、洋型墓石は竿石と台石の2段構造で設計されるのが一般的です。
洋型墓石のサイズは「号」か「cm」で表わされ、和型墓石のような標準的なサイズはありません。「号」を用いないときは、「高さ×横幅×奥行」でサイズを表します。洋型墓石は、墓所の広さや設置場所にあわせてサイズを調節できるため、小さい区画でも設置しやすいです。
デザイン墓石
デザイン墓石は、既存の形式に縛られず、オーダーメイドで製作される墓石のこと。デザイン墓石のサイズは「尺」や「cm」の単位で計測されますが、洋型墓石と同じく、一般的な基準はありません。墓所の広さや霊園の規定にあわせて調整できます。
デザイン墓石は、故人の好みや家族の希望を反映でき、形状や色彩を自由に選べると近年人気を集めています。
墓所(区画)の一般的な広さ
墓所(区画)の一般的な広さは、1.5㎡未満が全国的に主流とされています。
東京都をはじめとする人口密度が高く土地が限られた地域では、1㎡未満の区画が一般的です。一方、土地に余裕のある地方都市では、3㎡~5㎡と広めの区画もよく見られます。ただ、土地単価に差があるため、1区画あたりの価格は広さに比例しないようです。
お墓のサイズの決め方
- 墓所(区画)
- 墓石
- カロート
- 費用(予算)
お墓のサイズは、「墓所(区画)」「墓石」「カロート」「費用(予算)」の4つをもとに決めていくのが一般的です。どのようにお墓のサイズを決めるのか、詳しく解説します。
墓所(区画)
そもそもお墓のサイズは、区画の広さに応じて決めるのが基本。たとえば、8寸角の墓石には2㎡、9寸角なら3㎡、10寸角なら4㎡ほどの土地が望ましいとされています。墓石が区画に対して小さすぎると目立たず、大きすぎると隣のお墓に影響を及ぼす可能性があるため、適切なサイズ選びが重要です。
墓所(区画)を基準にお墓のサイズを決めるときは、まずお墓を建てる霊園・墓地を選び、区画の広さを確認します。区画の広さは地域や霊園の規模によって異なり、都心部では1㎡以下、郊外や地方では3㎡以上の広い区画も多いです。また、お墓の位置や日当たり、バリアフリーなど、区画内の条件も考慮して選ぶとよいでしょう。
さらに、周囲のお墓との調和にも配慮する必要があります。霊園内にあるお墓と統一感を保つことで、他の利用者とのトラブルを避けられます。景観や隣接するお墓に配慮しながら、墓所の広さに見合ったサイズを選んでください。
墓石
希望している墓石の石材やデザインに合わせて、お墓のサイズを決める方法もあります。
お墓の形状やデザインによっては、ある程度の大きさの墓石が必要です。また、国内産の石材は、希少で耐久性に優れているぶん高額なので、使用できる量が限られるかもしれません。外国産の石材は比較的手頃な値段のため、費用をおさえて大きなサイズのお墓を建てられます。
その他、お墓の周辺に設置する外柵や灯篭などは、墓所のサイズを決める基準になります。墓所を囲む外柵を設けるなら、0.81㎡以上の広さが必要。灯篭や参道、植栽を設置するなら、より広い区画を選びましょう。
カロート
お墓のサイズを決めるときは、カロートの大きさも考慮しなければなりません。カロートとは、お墓の下にある遺骨を納めるスペースで、「納骨室」「石棺」とも呼ばれます。カロートの大きさによって、納められる遺骨の数が変わるので注意が必要です。
一般的なカロートは、幅60〜70cm、奥行き80〜90cm、深さ70〜80cmほど。骨壺だと6〜8人ぶんの遺骨を納められます。納骨人数が多い場合は、カロートに棚を設けて2段・3段構造にすれば収骨数を増やせます。また、地上に設置する「丘カロート」の利用を検討してもよいでしょう。
一方、個人や夫婦で利用するお墓なら、0.5㎡以下の小型区画でも問題ありません。カロートが大きくなるほど費用も高くなるため、人数や予算に応じたサイズ選定が大切です。
費用(予算)
お墓のサイズは、費用(予算)をふまえて決めるのも重要です。
お墓にかかる費用には、「墓石代」と「永代使用料」があります。「墓石代」は墓石の製作・設置にかかる費用で、使用する石材の量や種類によって価格が変動。「永代使用料」は、墓地を使用する権利を取得するための費用で、墓所の広さや立地条件によって変動します。
また、同じ霊園内でも、入口に近かったりアクセスしやすかったりする区画は、値段が高くなるのが一般的です。事前に予算を決め、墓石や墓所の条件に優先順位をつけて費用を配分することで最適な選択につながります。
お墓のサイズと値段
項目 | 平均購入価格 |
---|---|
墓石代 | 平均97.4万円 |
永代使用料(土地利用料) | 平均47.2万円 |
一般墓の購入費用 | 平均149.5万円 |
「第15回お墓の消費者全国実態調査(2024年)」によると、一般墓の平均購入価格は149.5万円。墓石代は平均97.4万円、永代使用料(土地利用料)は平均47.2万円です。
墓石のサイズは墓石代に、墓所のサイズは永代使用料にかかわり、お墓の値段を大きく左右します。大きなお墓の方が高額になりやすく、サイズが1寸大きくなると5〜6割価格上昇するのが一般的です。
さらにお墓の値段は、大きさだけではなく墓石に使う石材やデザインによっても変動します。希少な石材を使ったり、細かい施工が必要なデザインを選んだりすると、お墓の価格が高騰します。また、オーダーメイドでお墓を作る場合は、石材の他にデザイン料もかかるため、価格が上昇しやすいです。
墓石や墓所のご相談は「いいお墓」へ
お墓のサイズは、「墓石」と「墓所」の2つをもとに考えるのが大切。まずは全体的なイメージと予算を決め、墓石と墓所にかけるお金の配分や大きさ、場所を検討してください。
墓石・墓所の条件が決まったら、次は霊園や石材店を探します。それぞれ特徴や価格が違うので、複数の霊園・石材店を比較検討したうえで選択するのが重要です。
「いいお墓」では、エリアや条件にあわせて、全国各地の霊園を一覧でチェックできます。また、霊園の資料請求や現地見学も無料で申し込めるので、お墓探しをよりスムーズに進められます。
さらに「いいお墓」では、お墓を建立する石材店の無料見積もりサービスもご提供中です。墓石や墓所、お墓のお悩みがある方は、ぜひ「いいお墓」をご活用ください。