永代供養墓とは? メリット・デメリット、費用、種類をわかりやすく解説!

お墓のことについて調べていると、「永代供養墓」という単語をよく見かけますよね?

昨今、家族形態の変化や少子化により、永代供養墓を利用する人も多くなっています。永代供養墓があることをアピールしている霊園も多く、永代供養墓がお墓選びのひとつの基準になっているとも言えます。

ところで、永代供養墓とはどのようなお墓なのでしょうか?

永代供養墓とは、お墓を承継する人がいなくなってしまった際に、寺院や霊園が遺族に代わって供養してくれるお墓のことです。少子化や高齢化が進んだ現在では、子どもや家族への負担を減らしたいという考えから、承継者がいても永代供養墓を選ぶケースも増えてきています。

ここでは永代供養墓の意味をはじめ、メリットやデメリット、永代供養墓が向いている人、お墓の種類、費用の相場などをまとめてご紹介しますお墓選びに悩んでいる人、永代供養墓を検討中の方はぜひ参考にしてください。

小冊子
お墓探しハンドブック

もれなく
全員に

お墓探しの資料をプレゼント!

お墓の選び方やチェックポイントがわかる

永代供養墓とは?

近年、お墓の広告などでも「永代供養墓」という言葉を目にすることが多くなりました。このように永代供養墓が注目され、利用する人が増加する理由として、核家族化、少子化、高齢化などが挙げられます。「子どもがいない」「子どもや残された配偶者に負担をかけたくない」という人の増加に伴い、昭和60年に滋賀県大津市にある比叡山延暦寺大霊園にできた「久遠墓」という永代供養墓が始まりとされています。

「永代供養墓」という言葉には、実は法的な定義はなく、一般的には霊園や寺院が遺族に代わって供養・管理をしてくれるお墓という意味で使われています。

これまでのお墓は、家で代々受け継いでいくものでした。しかし核家族化や少子高齢化などで家族形態が変化したことや、「子どもがいない」「子どもに負担をかけたくない」という人が増えたことから、後を継いでくれる人がいなくても購入できるお墓が望まれるようになりました。

永代供養墓であれば後継ぎがいない人でも契約でき、永続的に供養と管理が受けられますそのため「自分の死後は誰が供養してくれるのだろう」と心配する必要はありません。

また、一般的に永代供養墓には、遺骨の有無に関係なく生前に申し込みができるという特長もあります。

永代供養墓の特長

お参りする人がいなくても無縁仏無縁墓にならない

少子化や高齢化が進んだ現在、残された家族だけでお墓を管理することは大きな負担になる場合も多くなってきています。永代供養墓は、法要なども寺院・霊園が執り行うので、お参りする人がいなくても無縁仏や無縁墓になる心配がありませんこの先、家族の負担をなくしたい、承継する人がいなくなるかもしれないという方におすすめの方法です。

永代供養墓のメリットとデメリット

永代供養墓のメリット

永代供養墓のメリットは、先にご紹介したように後を継ぐ人の有無に関わらず申し込みできることです。子どもがいない場合や子どもが離れて暮らしているといった場合でも、お墓の継承を心配することなく申し込むことができます。

また、供養・管理は霊園や寺院が行ってくれるため、定期的な供養や管理をしなくて済むこともメリットだといえます。

ほかにも、一般的なお墓を建てるよりも費用が比較的安い点もメリットでしょう。お墓を建てる費用は200万円前後といわれていますが、永代供養墓は30万円から100万円程度が相場です。金銭的な面でもメリットを感じ、永代供養墓の購入を検討する人が多いようです。

永代供養墓のデメリット

永代供養墓の一番のデメリットはいずれは遺骨が合祀されることでしょう。合祀とは、ほかの人たちの多数の遺骨と一緒に埋葬すること。一度合祀をすると、個人の遺骨を取り出すことはできなくなります。

さらに永代供養墓は、一般のお墓に比べてお参りの仕方に制限が設けられている場合もあります霊園や寺院にもよりますが、墓石の前で手を合わせるのでなく、定められた場所でお参りしなければならない場合もあります。屋内の納骨堂では線香が禁止されていることもあるため、永代供養墓を見学する際には、この点も確認しておくと良いでしょう。

永代供養墓の供養期間

永代供養墓に納骨する際には、納骨時にほかの遺骨と一緒に合祀する場合と、一定期間個別に納骨した後に合祀する場合があります

個別に納骨する期間は寺院や霊園、契約の内容によって違いますが、17回忌、33回忌、50回忌を区切りとして、中でも33回忌まで遺骨を安置する場合が多いようです。 永代供養墓を検討する際は、寺院や霊園に供養してもらえる期間を確認しておきましょう。

永代供養墓はどんな人に向いている?

霊園や寺院に供養・管理を任せられる永代供養墓は、お墓を承継する人がいない人に向いています。

子どもがいる人でも、子どもが遠くに住んでいる、霊園や寺院へのアクセスが悪いなどの理由で、子孫にお墓を継承させることをためらう人もいるでしょう。そのように、「子孫にお墓の管理を負担させたくない」と感じている人に、永代供養墓は向いています。

また、家族関係の変化や生涯未婚率の増加などから、一人や夫婦のみでお墓に入りたいと思っている人にも永代供養墓はおすすめです。

永代供養墓を探してみる

浄土真宗・浄土宗の永代供養墓

浄土真宗や浄土宗では、故人は阿弥陀仏の導きによって死後すぐに成仏して極楽浄土へ旅立ち、そこで生まれ変わるという教えであるため、死者の成仏を願う追善供養という考え方がありません。そのため、浄土真宗や浄土宗では、お墓は故人の魂や霊が宿る場所ではないと考えられています。

「供養」という考え方のない浄土真宗や浄土宗ですが、永代供養墓を利用することは可能です。

現在では一般的に後継者がいない人のためのお墓を「永代供養墓」と呼ぶということもあり、浄土真宗や浄土宗のお寺でも永代供養墓を募集していることがあります。

浄土真宗や浄土宗の方で永代供養墓を希望される場合、永代供養墓を取り扱っている浄土真宗や浄土宗のお寺に依頼するか、永代供養墓を取り扱っている宗旨不問のお寺や民間の霊園、公営霊園を利用するとよいでしょう。

永代供養墓の種類

永代供養墓は、埋葬の仕方によって複数の種類に分けられます。ひとくちに「永代供養墓」といってもさまざまなので、その違いを見ていきましょう。

合葬型・個別型

合葬型は、他の故人の遺骨と一緒に、合葬墓(合祀墓)と呼ばれる共通のお墓に埋葬するタイプです。合葬墓の形態はさまざまで、墳丘や塔などの形のものやモニュメントタイプがあります。合葬型の場合、遺骨を取り出すことはできません。

個別型は、故人単位・夫婦単位で遺骨を埋葬するスタイルです。永代供養墓のタイプの中では費用が一番かかる形態のお墓です。

納骨堂型

納骨堂型は、納骨堂の中に、個別に遺骨を安置するタイプです。納骨堂にも種類が多数あり、遺骨を納める場所がロッカーのように仕切られているもの、仏壇のような形式のもの、個別に安置されている遺骨が自動で運搬されてきてお参りできるもの、位牌を安置するものなどがあります。

樹木葬型

樹木葬型は、墓石の代わりに樹木を墓標とするタイプ。個人ごとに樹木を1本ずつ植えるものと、1本のシンボル・ツリーのまわりに複数人の遺骨を埋葬するものがあります。

永代供養墓にかかる費用の相場は?

永代供養墓にかかる費用の相場は、種類、希望する供養の期間、供養期間後の遺骨の扱いなどによって大きく異なります。しかし一般的には30万~100万円程度が相場であるようです。

次からは、費用の相場を永代供養墓の種類別に見ていきましょう。

合葬型・個別型の場合

合葬型は永代供養墓の中でもっとも費用が安く、3万~10万円程度が相場です。一度合祀されると遺骨を取り出せないというデメリットはありますが、ほかの永代供養墓に比べて費用を格段に抑えられます。個別型になると価格が上がってきます。

納骨堂型の場合

納骨堂のタイプによって費用が異なりますが、2019年1月から12月までの1年間に「いいお墓」サイトを利用し、お墓を実際に建てられた方を対象として行った第11回「お墓の消費者全国実態調査」によると、納骨堂の全国平均購入価格は約87.6万円でした。

タイプ別に見ていくと、1人用のロッカー式や位牌式は10万~30万円、仏壇式は30万~100万円、自動搬送式は50万~100万円が相場です。家族用の納骨堂は納骨する人数にもよりますが、100万円前後が目安となります。

樹木葬型の場合

第11回「お墓の消費者全国実態調査」では、樹木葬の全国平均購入価格は約68.7万円という結果になりました。一般的に樹木葬型の費用は10万~80万円とされているので、ご自分の予算に合った霊園を探してみましょう。

永代供養墓を探してみる

永代供養にお布施は必要?

永代供養の場合でもお布施は必要です。お墓に遺骨を納骨する際に行われる納骨法要で僧侶にお渡しします。

納骨法要でのお布施の相場としては、3万~5万円が目安になりますが、開眼供養(魂入れ)が必要な場合には納骨法要と合わせて10万円ほどが目安になります。寺院や霊園によっては納骨法要のお布施代が永代供養料に含まれている場合もあるので、あらかじめ確認しておきましょう。

永代供養墓への改葬

手順、必要な手続き

一般のお墓から永代供養墓に改葬することができます。その場合、まず今お墓のある寺院や霊園などに改葬の申し出をし、改葬先と段取りを決めます。現在のお墓がある区域の役所でもらえる「改葬許可申請書」に、お墓の管理者の署名押印をもらいます。
その後、永代供養墓の申し込み手続きを済ませた後、「受入許可書」を受け取ります。そして、「改葬許可申請書」と一緒に現在のお墓のある区域の役所へ提出し、「改葬許可書」を受け取ります。最後に閉眼供養をしてから遺骨を取り出し、永代供養墓に埋葬します。
また、埋葬前に「改葬許可書」を改葬先に提出します。

墓じまいと永代供養

墓じまいとは、今あるお墓を片付けて更地にし、墓地の使用権を管理者に返還することを言います。一方、永代供養とは、故人の供養を永代に渡ってお寺や霊園にしてもらうことを言います。

墓じまいをした場合、今あるお墓は撤去してしまうため、遺骨を新しい場所に移す必要が生まれます。

墓じまい後の遺骨の供養方法は下記があります。

  • 墓石を購入して新しく故人のお墓を作る。
  • 永代供養墓や樹木葬、納骨堂に納める。
  • 手元供養や散骨などお墓を必要としない供養方法にする。

つまり、墓じまい後の供養方法のひとつに「永代供養」があり、墓じまいと永代供養はイコールではありません。

永代供養墓選びのポイント

永代供養墓を選ぶ際は、自宅からの交通の利便性費用施設のタイプ供養の方法宗派の制限があるかなどを基準にして検討することで、自分にとって最適な永代供養墓が見つかる可能性が高くなります。

永代供養墓を比較・検討してみよう

後継ぎがいない人や子どもに負担をかけたくない人が増えている昨今、永代供養墓の需要は高まっています。霊園や寺院に供養と管理と任せられるなどメリットの多い永代供養墓ですが、三十三回忌などのタイミングで合祀されることが多いなど、デメリットについてもしっかり検討が必要です。

ご紹介したように、永代供養墓にもさまざまな種類があります。それぞれのメリット・デメリットを把握し、どのタイプを選ぶべきか考えてみてください。

まとめ

私たちのライフスタイルに合わせて、さまざまな形態の永代供養墓が出てきています。しかし、管理の必要がなくなったとはいえ、お墓は故人と交流できる大切な場所であることに変わりはありません。よりお参りしやすいように、自分たちのニーズに合った永代供養墓を選ぶようにしましょう。
永代供養墓の利用を検討されている方や永代供養墓に改葬したい方は、お気軽にご相談ください。

永代供養墓についてのよくある質問

永代供養墓とは?

永代供養墓は、永遠墓、永代供養塔などとも呼ばれます。死を迎えた後、お墓を継ぐ人がいない場合、承継者に代わって墓地の管理者が遺骨を管理、供養してくれるのが特徴です。

永代供養墓のメリットとデメリットは?

永代供養墓のメリットは、後を継ぐ人の有無に関わらず申し込みできることです。子どもがいない場合や子どもが離れて暮らしているといった場合でも、お墓の継承を心配することなく申し込むことができます。

全国の永代供養墓ランキング

全国の永代供養墓のランキングをご紹介します。永代供養墓をご検討の場合は参考にしてみてください。

関東

関西

中部

北海道・東北

中国・四国

九州・沖縄