手元供養とは – 自宅で遺骨を保管する方法と注意点を解説!

遺骨を保管する方法として、お墓に納骨する以外に自宅で保管する方法があります。このような保管方法は手元供養とも呼ばれ、最近増えてきています。

遺骨の自宅保管は、故人の遺骨を形見として手の届くところに大切に保管したいという人におすすめの方法です。しかし、遺骨の保管を自分で行う必要があるため、保管について不安を感じる人もいるかもしれません。遺骨をご自宅で保管する際、そもそも保管をしてよいのか、どのように保管をすればよいのか、遺骨を入れる箱はどんなものを使用すればよいのかなど疑問が出てくるかと思います。

ここでは、自宅で遺骨をそのように保管すればよいかや、保管するときの注意点について紹介しています。手元供養をお考えの人はぜひ参考にしてみてください。

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そもそも手元供養とは?

あまり知られていませんが、遺骨をお墓やお寺に納骨しない場合は、どこに保管をしても問題はありません。その場合の選択肢として挙げられるのが、自宅などに遺骨を保管する手元供養という方法です。

一般的に、告別式が終わった後、火葬された故人の遺骨は骨壺に収められ、お寺や遺族の自宅に届けられます。そして、49日を目安にお墓やお寺に納骨されます。

しかし、大切な人が帰らぬ人になったとき、「なかなか気持ちの整理がつかない」「そばにいて欲しい」と思う人も多いでしょう。気持ちの切り替えができず、納骨を躊躇していることも考えられます。

また、先祖のお墓が遠くなかなかお墓参りに足を運ぶことが難しかったり、お墓そのもの自体をいらないと考える人も増えてきています。費用の面からお墓を準備することが難しい人もいるでしょう。

このような背景から、自宅等で遺骨を保管される人も増えてきています。現在では、さまざまな手元供養の仏壇やミニ骨壺、ペンダントやアクセサリーなどもあり、手元供養が広まってきているといえるでしょう。

分骨?遺骨全部ではなく一部を手元供養に

遺骨の大半はお墓に納め、一部分だけを自宅など身近なところにおいて手元供養するというケースもあります。この方法は、新しい形の手元供養として広まってきています。

手元供養のため分骨し、保管することに法律上の問題はありません。ただし、自宅以外の場所で遺骨を2ヵ所以上の場所に分けて保管したいという場合は、埋葬許可証が複数枚必要になる可能性があります。

遺骨を自宅で保管する方法は?

遺骨を自宅で保管する場合は、遺骨を適切に保管しなければいけません。遺骨は主にカルシウムでできていますが、高温多湿の場所で保管してしまうとカビが生えてしまいます。大切な故人の遺骨にカビを生やしてしまうのは大変残念なことです。

遺骨を自宅で保管する際は、遺骨の入っている骨壷と木製の木箱をそのまま使用する方法があります。

また、シンプルな骨壷やモダンな骨壷も販売されているため、骨壷を変えたい場合は購入しましょう。故人に対する感謝や想いを表す方法の1つとして、こうしたデザイン性の高い骨壷に移す人もいます。

遺骨は、直射日光のあたらない風通しのよいところに保管しましょう。湿気の多い水回りの近くや、押入れなど空気が滞留している場所は、カビが繁殖しやすいので注意が必要です。仏間が一番適していますが、マンションの場合は風通しのよい寝室やリビングルームなどに保管する人が多いようです。

遺骨を保管する際は、カビの流入を防ぐために必ず密閉できるケースを選びましょう。完全に密閉ができる容器であれば、内部の環境が保たれるため、湿気や気圧の変化などの影響を受けません。

また、最近では遺骨を安置できる仏壇も造られています。さまざまなデザインのものがありますので、探してみるのも良いでしょう。

こんな方法で手元供養ができます!

骨壺・ミニ骨壺

デザイン性に優れ、部屋のインテリアとして置けるものも。いつでも一緒にいられる安心感を得ることができます。

ペンダント

中に小さな空洞があり、そこに遺骨や遺灰を入れられる形のものと、遺骨や遺灰をダイヤモンドなどの人工の宝石や、樹脂などに加工するもの2種類があります。身につけて持ち運べるため人気です。

ブレスレット

中の空洞に遺骨や遺灰を納められるものや、遺骨や遺灰を直接加工してつくられるものがあります。男性の人でも比較的身に着けやすいデザインもあります。

ブローチ

普段は家の中に飾っておいて、特別なときに一緒に外出したい、という想いをかなえてくれます。金属アレルギーがありアクセサリータイプは難しいという方でも、身に着けやすいかたちです。

ミニ仏壇・ステージ・飾り台

仏壇がないご家庭でも、ミニ骨壺と、仏具、おりんがあれば、少しのスペースで準備することができます。手元供養品と一緒に故人の写真を飾るのもよいでしょう。

オブジェ

ミニ骨壺のように中に遺骨や遺灰を保管できるタイプのものと、遺灰や遺骨を加工して形をつくるタイプのものがあります。

宅墓

室内に設置できる小型のお墓。自宅で供養ができるお墓として、お墓参りに行かなくても自宅で毎日故人に手を合わすことができることから最近メディア等でも注目されています。

 

遺骨は砕くべきか?

通常の骨壷はある程度の大きさがあるため、骨壷の大きさが問題になるケースがあります。旧式の日本家屋であれば仏間がありましたが、アパートやマンションで手元供養をする場合は骨壷の置き場所に困ることがあります。

その場合は、遺骨を粉砕するという手段があります。遺骨を粉砕することによって、通常の骨壷より小さい骨壷に入れ替えることができます。近年はデザイン性の高いコンパクトな骨壷も販売されているので、どの骨壷で手元供養をするのかを考えてから遺骨の粉砕を検討してもよいでしょう。

もちろん、そのままの骨壷で保管しても問題はありません。可能であれば故人の意見をあらかじめ聞いておいたり、家族と相談したりして決めるようにしましょう。

ただし、粉砕した全骨を骨壷にすべて納める場合は、通常の骨壷よりもコンパクトにできるものの、ある程度の大きさがあるので注意が必要です。

遺骨を粉砕するタイミングは?

遺骨は、葬式場での火葬が終わってから四十九日を過ぎたタイミングで納骨するのが一般的ですが、粉砕するタイミングは納骨後でも問題ありません。ただし、時間が経つほど遺骨にカビが生えやすくなるため、あらかじめ遺骨を粉砕する予定であれば、葬式場での処理が終わってからできるだけ早く遺骨を粉砕した方がよいと言えます。

骨壷に入らなかった遺骨の取り扱いについて

市販されている小型の骨壷は、一部を除いて、砕いた遺骨をすべて収納するようにはできていません。そのため、骨壷に入らなかった遺骨を海や空、山中等に散骨する人もいます。

小さいお子様がいる家庭では、子どもが怖がってしまう可能性もあるので、粉砕した遺骨の一部をペンダントやお守りにするケースもあります。いつでも故人を近くに感じたいとうことで、遺骨をアクセサリーにする人もいます。

また、手元供養を十分に行った後や気持ちの整理がついた際に、お寺や納骨堂などに納骨する人もいます。場所によっては粉砕された遺骨の納骨を断られる場合があるので、事前に調べておく必要があります。

残った遺骨の納骨先は?

お墓

すでにお墓のある人は一部を手元供養、残りをお墓へ納骨します。

火葬場で分骨する時は、分骨証明書または火葬証明書(分骨用)等の書類を受け取っておきましょう。今後、手元供養していた遺骨をお墓へ納骨する必要が生じた場合に必要となるからです。

散骨

海や山など、自然の中に遺骨を散骨するケースも増えてきています。散骨と手元供養と併用することで「散骨によって身近に手を合わす場所がなくなる」といった不安を回避できることも増えている理由のようです。

樹木葬

墓石の代わりに樹木を目印とした、自然が感じられるお墓の一種です。「自然に還りたい」という願いの叶う葬法で、近年注目を集めています。

納骨堂

個人や家族で遺骨を安置できる施設です。恒久的に遺骨を祭祀する施設としての役割も担うことが多くなり、選ぶ人が増えています。

合祀・合葬

見知らぬ多くの人たちの遺骨と一緒に埋葬します。費用は抑えられますが、お骨を取り出すことができなくなるため注意が必要です。

手元供養のメリット・デメリット

メリットがあればもちろんデメリットもあります。トラブルを事前に防ぐため、どんな特徴があるのか確認しておきましょう。

メリット

  • 常に故人が近くにいるように感じられる
  • 遠方へ出向かなくとも、自宅でお参りできる
  • 費用を抑え、墓地管理について子孫への負担を減らすことができる

デメリット

  • 考え方の違いによっては、親せきなど快く思わない人もいる可能性がある
  • 自宅で災害に見舞われた場合、紛失してしまう可能性がある
  • アクセサリーなど身に着けるタイプの場合、紛失してしまう可能性がある

まとめ

手元供養では、自宅など身近なところに骨壷を保管して供養します。

故人をいつでも近くに感じることのできる手元供養は、これからますます広まっていくでしょう。大切なのは、周りときちんと話し合い、理解しあうことです。供養をしたという気持ちに決まりはありません。

遺骨を手元供養したい人や、粉骨の流れがわからないという人、自宅での遺骨の保管の方法を知りたいという方は、ぜひお気軽にご相談ください。