墓石・お墓のデザイン徹底解説!種類や費用相場、デザイン墓の具体例

墓石・お墓のデザイン徹底解説!種類や費用相場、デザイン墓の具体例
記事を先読み
  • 墓石・お墓のデザインは、和型墓石・洋型墓石・デザイン墓石の3種類
  • 日本で馴染み深いのは和型墓石だが、近年は洋型墓石やデザイン墓石も人気
  • デザイン墓とは、墓石の形や彫刻を自由にデザインできるお墓
  • デザイン墓の費用相場は150万円~300万円で、一般的なお墓より高価格

墓石・お墓の主なデザインは、和型墓石・洋型墓石・デザイン墓石の3種類。昔ながらの和型墓石は根強い人気ですが、最近は洋型墓石やデザイン墓石を選ぶご家庭も増えています。

実際に、霊園・墓地ではさまざまなお墓が建てられていて、墓石デザインにも多様性が見られます。ただしデザイン墓を建てるときは、建立する場所の制限や石材店、周囲への確認などが必要です。

この記事では、墓石・お墓デザインの種類やそれぞれの特徴、デザイン墓の費用、建立の注意点などを解説します。お墓のデザインを決めるときに、ぜひ参考にしてください。

墓石
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墓石・お墓のデザインの種類は3つ

  • 和型墓石
  • 洋型墓石
  • デザイン墓石

墓石・お墓のデザインは、和型墓石、洋型墓石、デザイン墓石、大きく3つに分けられます。

墓石の原形・ルーツは、お釈迦様(ブッダ)が入滅された後、埋葬された地に建てられた「ストゥーパ」(漢語:卒塔婆。江戸時代に角柱墓石が登場するまで、墓石は石造の供養塔であり、層塔のデザインを踏襲したお墓が主流でした。現在、一般的となっている「和型」の角柱墓石のデザインは、板碑もしくは位牌がルーツだと考えられています。

また戦後、墓石にさまざまな種類・形が現れ、東日本を中心に人気がある横長の「洋型墓」が登場。さらに、従来のお墓のスタイルに縛られず、故人や施主の心を反映した「オリジナルデザイン墓」という自由な形式の墓石も増えています。

和型墓石とは?特徴とデザイン

和型墓石のイラスト

和型墓石とは、縦長の細長い墓石を特徴とした、日本で一番馴染みのあるお墓です。お釈迦様の遺骨を納める仏塔「仏舎利塔(ぶっしゃりとう)」を起源としていて江戸時代中頃から広く普及し、現在も日本のお墓でもっとも一般的に用いられています。見た目の安定感や昔からの伝統がある和型墓石は、年齢層を問わず広く受け入れられています

また墓石の原型は、お釈迦様の遺骨などを安置した仏教建築「ストゥーパ」です。ストゥーパには多くの様式がありますが、日本の墓石は層塔デザインのストゥーパを踏襲していました。ただし霊園が普及するにつれて、日本人の墓石の好みも変化しています。モダンさを取り入れ、好きなデザインの墓石を選ぶという考え方も、広く浸透しつつあるようです。

和型墓石の構成

一般的な和型墓石は、三段あるいは四段の構成です。

四段の和型墓石は、上から「棹石(さおいし)」「上台石」「中台石」「芝石(芝台)」となっていて、棹石は「天(家庭円満)」、上台石は「人(人望・出世)」、中台石は「地(財産維持)」を表しています。なお、棹石のサイズは横幅によって分類されており、24㎝の八寸角、27㎝の九寸角、30㎝の尺角などがあります。

その他、和型墓石に備えられているのは、お線香をたくための「香炉(こうろ)」、生花を飾る「花立(はなたて)」、水をいれておく「水鉢(みずはち)」、墓石の前に置かれている「拝石(はいせき)」など。地下に納骨棺がある構造のお墓では、排石の下に納骨棺の入り口があります。

また、和型の墓石には、家名が入れられるのが一般的です。宗派によっては「南無阿弥陀仏」「南無妙法蓮華経」などの文字が入れられることもあります。

和型の供養塔

現在主流となっている和型墓石が生まれる前、日本には、五輪塔」「宝篋印塔」「多宝塔」「無縫塔」など、さまざまな形をした墓石がありました。

五輪塔(ごりんとう)

五輪塔

五輪塔は、平安時代に生まれた弘法大師の発案と言われる墓石で、鎌倉時代から室町時代にかけて最も多く建てられました。五輪塔は、故人を自然の五大元素に回帰させることを表す供養塔です。

墓石は仏教(特に密教)の宇宙観である五大を表す「五輪」によって構成されています。上から宝珠形の「空輪」、半月形の「風輪」、三角形の「火輪」、円形の「水輪」、方形の「地輪」からなり、それぞれの石に梵字が書かれます。五輪塔には小スペースで建てられる「一石五輪塔」「略式五輪塔」もあります。

宝篋印塔(ほうきょういんとう)

宝篋印塔

宝篋印塔宝篋印塔は、「一切如来心秘密全身舎利宝篋印陀羅尼経」の写経を納めて建立する仏塔です。中国から伝来した石塔で、鎌倉時代に供養塔として盛んに建立されました。江戸時代には支配階級の墓石として、現在では主に法人の供養塔として用いられています。

多宝塔(たほうとう)

多宝塔

多宝塔多宝塔は、円筒型の竿石の上に笠石を積み上げた仏塔で、平安時代以降に建立されるようになりました。現在では個人の墓石、または供養塔として建立されます。

無縫塔(むほうとう)

無縫塔

無縫塔無縫塔は、「卵塔(らんとう)」と呼ばれる台座の上に卵型の塔身を載せた墓石で、僧侶の墓石に多く用いられます。

神道の墓石・お墓デザイン

神道の墓石(兜巾加工)

神道のお墓の基本的な構成は、仏式の和型墓石と同じ。ただ、神道では焼香をしないため香炉がなかったり、玉串を奉げるための八足台が必要だったりします。

神道の墓石は、竿石が細長い角柱型で、頭部を四角錘状にした「兜巾(トキン)」加工が施されたお墓が多いです。兜巾の形は、修験者の被る黒色の頭巾の形や、三種の神器の一つである「天叢雲剣(あまのむらくものつるぎ)」を表していると言われています。

また、神道の墓石には「◯◯家之奥都(津)城」と刻まれるのが一般的。「奥都(津)城(おくつき)」とは上代の墓のことで、神道式の墓もそう呼ばれています。「都(津)」は、万葉仮名で「~の」の意味で、「都」は神官や氏子など、「津」は一般の信徒の墓に使われます。その他、神道では戒名ではなく霊名が用いられ、霊名は姓名の下に「之霊・命・命霊・霊位」を付けるのが通例です。

通常神社は墓地を所有していないため、神道・神式のお墓を建立する場合は、公営・民営霊園の墓地を購入する必要があります。

洋型墓石とは?特徴とデザイン

洋型墓石のイラスト

洋型墓石は、和型墓石と比べて横長で背の低いお墓です。小さいスペース・少ない墓石量で建墓でき、背が低いぶん地震に強いのが特徴。外柵工事や土盛りが不要なお墓も多いため、和型墓石より低価格なのも魅力です。

また、洋型墓石はもともと、キリスト教式の墓石から派生したとされていますが、現在は宗教・宗派を問わず使用できます。現代的な外観と背の低い形状の洋型墓石は親しみやすく、首都圏や東日本を中心に人気です。ガーデニング霊園や民営の霊園・墓地、芝生墓地などの出現により、洋型墓石は急速に普及しました。

洋型墓石の構成

洋型墓石の主な形式は、「ストレート型」「オルガン型」「プレート型」など。棹石の部分が垂直になっているのが「ストレート型」、棹石の部分がオルガンのように斜めになっているのが「オルガン型」、芝生や地面に直接プレートを埋め込むのが「プレート型」です。

台石は1つまたは2つで、和型墓石と同様に香炉や花立、水鉢などが備えられているお墓がほとんど。色や種類を問わず、幅広い石種にマッチしやすく、自由な形式のお墓を建てられます。

和型墓石は家名を入れますが、洋型墓石は故人への想いを込めたメッセージを彫るのが一般的です。思い思いの文字を刻めるのも、洋型墓石が人気を集めている理由のひとつ。また、オリジナルの文字やレリーフを彫刻したい方にも向いています。

キリスト教の墓石・お墓デザイン

キリスト教の墓石

日本のキリスト教のお墓は、明治初期につくられた外国人墓地が起源。現在は、カトリックでは教会ごとに墓地・納骨堂を、プロテスタントでは日本キリスト教団各地区ごとに墓地を所有しています。

キリスト教のお墓は、墓石に必ず十字架が刻まれ、形や構成が自由なのが特徴です。敷石の上に十字架を載せたお墓や墓石の前面が傾斜しているオルガン型、前面が垂直になっている平型など、お墓の形式はさまざま。くわえて線香を焚かず蝋燭を立てるため、香炉の代わりに蝋燭立てを設置します。

またキリスト教では、これまで墓石用として使われなかった大理石や赤御影石などの石材を使用したお墓が多く作られています。そのため、日本のお墓に黒御影石が使われるようになったのは、キリスト教のお墓が要因だと言われているようです。

日本では、キリスト教徒の方も、火葬してお墓に埋葬するのが一般的。さらにキリスト教のお墓は単独墓が基本ですが、家族で入れるお墓もあります。単独墓には、碑銘として洗礼名が刻まれます

デザイン墓石とは?特徴とデザイン

デザイン墓石のイラスト

デザイン墓石とは、和型墓石でも洋型墓石でもない、オリジナルのデザインが施された墓石。自由な発想で作られた、オリジナルの個性的なデザインのため、「ニューデザイン墓石」とも呼ばれます。

デザイン墓石は、石種はもちろん、形や彫刻にこだわり、故人の個性やご家族への想いを表現したお墓がほとんどです。いずれのお墓も「故人への想いを表現したい」「在りし日の故人を感じたい」という心から生まれます。

またデザイン墓石には、セミオーダー式とフルオーダー式、2種類あります。石材店がデザインを開発していて、ある程度パターンが決まっているのがセミオーダー式。完全オリジナルで、デザインを一から作り上げるのがフルオーダー式です。費用や耐久性の問題から、完全オリジナルのフルオーダー式より、セミオーダー式のデザイン墓石を選ぶご家庭が多く見られます。

昨今は核家族化が進み、実家が遠くお墓参りが難しいため、先祖代々のお墓を墓じまいされるご家庭が増えています。お墓の改葬をするときに、宗旨宗派・地域などの決まりに縛られず、自由にお墓をデザインできるデザイン墓を選択する方も多いです。

デザイン墓石の構成

デザイン墓石は、構成にも大きな決まりはありません。故人の生前の生きざまを墓石で象徴したり、趣味・好きだったものをデザインしたりとさまざまです。墓石の形はもちろん、イラストや言葉、家紋の彫刻など、自由に表現できます。

たとえば、故人が将棋好きなら将棋盤や将棋駒の形をしたお墓、お酒好きなら徳利やワインボトル型のお墓、愛煙家だったなら煙草の形状のお墓など、故人の嗜好や人生をお墓で表現しているのが特徴。「在りし日の故人をお墓から感じたい」という気持ちが込められていて、お墓参りのたびに故人の存在を感じられます。

また、デザイン墓石の彫刻モチーフはお花や漢字、メッセージなどが定番です。お花の彫刻モチーフで人気なのは、桜や百合、蓮華など。漢字1文字では、「偲(しのぶ)」「悠(はるか)」「想(おもい)」「絆(きずな)」「心(こころ)」「和(わ)」「憩(いこい)」などがよく彫刻されています。その他、「ありがとう」「あなたに逢えてよかった」「心やすらかに」「また会う日まで」など、故人への短いメッセージも彫刻できます。

なお、墓石に文字やデザインを詰め込み過ぎると、バランスが悪くなるかもしれません。最近は、CADや3Dシミュレーターを駆使してお墓を設計するので、完成品に近いデザイン墓を事前に確認できます。最終的な仕上がりをイメージしながら、墓石のデザインを考えるといいでしょう。

デザイン墓石の費用相場とコストを安くする方法

デザイン墓石の費用相場
  • セミオーダー式のデザイン墓石:150万円~200万円
  • フルオーダー式のデザイン墓石:250万円~300万円
デザイン墓石のコストが上がる要因
  • 墓石の種類(石種)
  • 墓石・石材の使用量
  • お墓デザイン・形状
  • 彫刻デザイン・方法
  • 製作期間の長さ

デザイン墓石の費用相場は、150万円~300万円ほど

石材店があらかじめ用意したパターンから選ぶ「セミオーダー式」のデザイン墓石なら、費用の相場は150万円~200万円、完全オリジナルの「フルオーダー式」のデザイン墓石なら、250万円~300万円が目安です。

ただし、こちらで紹介した費用の相場はあくまで平均的な目安。実際には、墓石の種類・使用量やお墓・彫刻のデザイン、製作期間の長さなどによって金額が変わります。希少な石種を選んだり、凝ったデザインや彫刻を希望したりすると、結果的に製作期間も伸びて費用が高額になりやすいです。とくに墓石の彫刻方法は、単純に石材を彫り込む「彫込み」以外に、「グラデーション彫り」「浮かし彫り」「中彫り」「線彫り」などさまざま。彫刻に要する技術の難しさはもちろん、特別な素材や道具を必要とする特殊な彫刻方法を選択すると、そのぶん彫刻費用も上がります。

そのため、墓石の種類やデザイン、彫刻方法などの選び方に注意すれば、デザイン墓石のコストはおさえられるでしょう。

デザイン墓石の具体例

デザイン墓石には、国内・海外問わずさまざまなお墓があります。

たとえば、墓石が車やバイク、ビリヤード、本、サッカーボールなどの形をしているお墓。墓石にイラストが彫られているのではなく、墓石そのものがこれらの形をしています。故人が生前に愛した思い出の品や趣味を、全力で表現したお墓といえるでしょう。

また、故人をそのままかたどった墓石も存在します。等身大の墓石だと、もはやお墓というより銅像のよう。墓石量も相当になるため、本人をかたどったお墓を建てるほど、遺族に慕われていた人だとわかります。

従来のお墓のイメージとあまりに違うため、周囲が驚いてしまうようなデザイン墓も存在します。個性的なお墓を建てるほど、故人への深い愛情が込められているのかもしれません。

ここでは、著名人のお墓を中心に、日本国内にあるデザイン墓石の具体例を紹介します。

大瀧詠一のお墓

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hide(元X JAPAN)の墓

元X JAPAN hideの墓

ガッツ石松の生前墓

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デザイン墓石を建てる流れ

  • 墓石・お墓デザインの打ち合わせ
  • 現地計測
  • 墓石の種類・彫刻の決定
  • 見積もり取得・契約
  • お墓の完成・引き渡し

デザイン墓石を建立する流れ・プロセスの例を紹介します。

墓石・お墓デザインの打ち合わせ

まず、墓石・お墓をどのようなデザインにするのか、石材店の担当者と打ち合わせをしましょう。

墓石・お墓デザインの希望を伝えると、石材店が図面を起こしてくれます。実際に図面を見ながら修正を加えていき、墓石・お墓のデザインを詰めていくのが一般的です。

ただし、お墓は後世に残される大切な場所なので、デザインの良さだけでは不十分。地震がきても壊れない免振施工を納骨室(カロート)に施したり、掃除がしやすい形状にしたりする視点も必要です。外観やデザインだけでなく、墓石の欠けを防止して汚れを目立たなくする「墓石の角の面取り」や安全のための「外柵階段の滑り止め」など、一見気がつかない工夫にも配慮してください。

現地計測

墓石・お墓のデザインを進めていくにあたって、実際に墓所を計測。計測後の数字をもとに、物理的に可能なデザインに落とし込んでいきます。

墓石の種類・彫刻の決定

墓石・お墓のデザインにマッチする石種を選んでいきます。日本の墓石に使われる代表的な石種は御影石(みかげいし)ですが、最近は陶磁板や強化ガラスと石材を組み合わせたデザイン墓も多いです。強化ガラスは石材より多彩な色が選べて個性を表現しやすく、ラグジュアリー感もあるため、女性を中心に人気があります。

石種が決まったら、墓石の彫刻について打ち合わせしましょう。デザイン墓石には、言葉や文字だけでなく、モチーフも彫刻が可能です。モチーフの彫刻例には家紋・月・花・リボンなどがあり、彫刻技法や印象がまったく違います。また、亡くなったペットのお墓に、生前のペットの似顔絵をレーザー彫刻するお墓も人気のようです。

見積もり取得・契約

墓石・お墓のデザインや石種、彫刻などが決定したら、見積もりを取得します。内容と金額に納得できたら、契約を締結して納期を確認してください。

お墓の完成・引き渡し

契約後は、採石された石材をデザインに沿った形に加工・彫刻。墓石の加工が完了したら、墓地にて墓石を建てる施工工事を行います。墓石の他に、拝石や灯籠、塔婆立などを注文した場合は、墓石設置後に据え付けるのが一般的です。

お墓の建立が完了したら、完成したデザイン墓石が施主に引き渡されます

霊園タイプ別のデザイン墓の受け入れ

さまざまな形状のあるデザイン墓は、霊園によって受け入れ条件が違うため注意が必要です。公営霊園民営霊園寺院墓地、3つの霊園タイプ別に、デザイン墓の受け入れについて解説します。

公営霊園

公営霊園とは、都道府県や市区町村などの自治体が運営する霊園です。

公営霊園では、基本的にどのようなお墓を建立しても問題ありません。デザイン墓も受け入れていますが、墓石の高さや大きさが制限されている霊園もあるため、申し込み前に確認しておきましょう。

また、公営霊園では石材店を自由に選択できます。そのため、デザイン墓石を受け入れてくれる石材店を探すのも重要なポイントです。

民営霊園

民営霊園とは、財団・宗教法人などの団体や民間企業によって運営されている霊園

民営霊園は霊園によって制限が違い、石材の大きさや高さ、墓碑の彫刻内容など、墓石を建てるときの規制や供養方法の条件が決まっている霊園もあります。一方、建墓の規制や条件がほぼなく、自由にお墓を建てられる霊園もあるため、事前によく確認しておきましょう。

また、民営霊園では「指定石材店制度」があり、石材店を自由に選べない霊園が多いです。指定された石材店がデザイン墓石を扱っているか、あわせて確認してください。

寺院墓地

寺院墓地とは、お寺が管理・運営する墓地で、寺院の住職の意向によって対応が違います。ただ寺院墓地には代々承継されているお墓が多いため、デザイン墓のような独特な形式のお墓は少ないです。

また、出入りをしている石材店が指定されている寺院墓地がほとんど。デザイン墓を建てたいなら、民営霊園と同様、寺院墓地も事前の確認は欠かせないでしょう。

デザイン墓石を建てるときの注意点

  • デザイン墓の建立が認められている霊園か
  • デザイン墓を依頼できる石材店か
  • 家族・親族はデザイン墓を了承しているか
  • お墓のデザインは意匠権を侵害していないか

デザイン墓の建墓やデザインを進めるにあたって、注意したいポイントがあります。事前に確認しておかないと、デザイン墓を建てられないかもしれないため、必ず確かめておきましょう。

デザイン墓の建立が認められている霊園か

霊園・墓地によっては、オリジナル墓石の建墓に制限があるため、事前の確認は必須です。デザインだけでなく、石材の高さや彫刻のガイドラインが決まっている霊園・墓地もあります。

購入を検討している霊園・墓地で希望のデザイン墓を建てられるか、規約を確認してください。

デザイン墓を依頼できる石材店か

デザイン墓は、どの石材店でも建墓できるわけではありません。

デザイン墓は、一つひとつがオリジナルです。デザインはもちろん、使用する石材や彫刻用の道具を特別に発注するお墓もあります。そのため、デザイン墓を建てる一連の業務によっては、対応できない石材店もあるかもしれません。デザイン墓の施工を取り扱っている石材店に、建墓をお願いする必要があります。

家族・親族はデザイン墓を了承しているか

デザイン墓は、オリジナリティある独特な墓石の形態やデザインになりやすいです。なかには、亡くなった故人のためだけにデザインされたお墓もあるでしょう。

ですが、将来的に家族も一緒のお墓に入るのなら、個人的なデザイン墓は反対されるかもしれません。また、お墓参りで故人を偲ぶときにふさわしくないデザインにならないよう、注意が必要です。デザイン墓を建立するときは、家族・親族と相談して、あらかじめ理解を得ておきましょう

お墓のデザインは意匠権を侵害していないか

個性的なお墓が受け入れられるようになり、さまざまなデザイン墓に対応する石材店が増えていきました。同時に、お墓の「意匠」に関するトラブルが増加しているので、注意してください。

意匠とは、物品あるいは物品の外観に現れるデザインのことです。デザインが意匠登録されると「意匠権」が発生し、意匠権を得たデザインが使用された物品を独占販売できるようになります。

デザイン墓では、注文に応えるために、石材店が他社の墓石デザインを真似るケースもあります。ですが、意匠登録されている墓石のデザインを安易に真似ると法に抵触するので要注意。意匠権を侵害したと判断されると、損害賠償の請求や使用の差止請求などが行われます。

なお、類似のデザイン墓石があると知らなかった場合でも処置は同様です。霊園・墓地の見学で見かけた素敵な墓石を安易に真似ると、トラブルに発展するかもしれません。新しいデザインの墓石を作ろうと考えている方は、意匠・意匠権についても配慮してください。

意匠権を得るための条件

1.物品あるいは物品の部分における形状・模様・色彩に関するデザインであること

 意匠とは、物品あるいは物品の外観に関するデザインです。

 モチーフなど、物品でないものは意匠登録を得られません。

2.工業上利用できる(量産できる)もの

 意匠は、はっきり「工業上使用できる」と定義されていません。

 しかし、量産できないものは意匠登録の対象から除かれます。

3.視覚を通じて美感を起こさせるもの

意匠権を得るときは、特許庁に意匠登録を出願します。意匠権を得られるのは、出願内容が審査に合格したあとで、存続期間は20年です。

意匠登録を得るためには、3つの条件を満たしている必要があります。3つの条件をクリアしたうえで、これまで世の中で発表されていない新しいデザインのみが意匠登録の審査に合格できます。

デザイン墓石を建てるなら「いいお墓」へ

現在でも「馴染みのあるお墓がいい」「伝統を継承したい」という思いから、和型墓石を選ぶ方は多いです。一方で、時代や価値観の変化から、洋型墓石やデザイン墓を選ぶ方も増えています。

大切な家族への想いや故人の個性を象徴した、世界にたった一つのデザイン墓。故人らしいお墓を建てたいなら、オリジナルデザイン墓石を検討してみるのもおすすめです。

オリジナルの形状やデザインのあるデザイン墓を建てるときは、事前の確認が欠かせません。デザイン墓石を建立できる霊園・墓所を探し、対応可能な石材店を選定し、デザインも費用も納得できるデザイン墓を建てましょう。

いいお墓」では、墓石の無料一括見積もりをご提供しています。お墓の新規建立や修理・リファーム、建て替えなどを検討している方は、ぜひ一度ご活用ください。