お墓の購入前に必読!購入の流れや費用、7つのチェックポイント

お墓の購入前に必読!購入の流れや費用、7つのチェックポイント
記事を先読み
  • お墓を購入する大まかな流れは、霊園・寺院の決定→契約→墓石の決定
  • 購入前にお墓の種類や立地、デザインなどの条件を決めておくのが大切
  • お墓の購入では宗旨宗派・立地・環境・設備・管理状況などをチェック

人生でお墓を購入する機会はあまり多くありません。ですが、一度立てると簡単に建て直しや移転ができないので注意が必要。お墓を購入するときは、故人の宗旨宗派やお墓の種類、立地、費用など、さまざまなポイントをふまえて慎重に選びましょう。

この記事では、お墓を購入する流れや費用、失敗しない7つのチェックポイントを紹介します。

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お墓の選び方やチェックポイントがわかる

お墓を購入する流れと手順

  1. どんなお墓を建てるか決める
  2. お墓を建てる霊園・寺院を探す
  3. 墓地購入の契約をする
  4. 墓石を決める
  5. お墓を建てる

お墓を購入する流れは、大きく5つのステップにわけられます

まずは、どんなお墓を建てるかイメージして、具体的に落とし込んでいきましょう。購入するお墓の条件が固まったら、お墓を建てる霊園・寺院を探します。霊園・寺院を探すときは、資料やホームページだけでなく、必ず現地見学して雰囲気を確かめるのが大切。また、複数の霊園・寺院を比較検討すると、お墓の購入で後悔するリスクを減らせます。

霊園・寺院が決まったら契約に進み、墓石やデザインを決めたあと、お墓を建ててもらいます。

お墓の購入にかかる費用

一般墓の平均購入価格(2020年‐024年/いいお墓調べ)

いいお墓が2024年に実施した「第15回お墓の消費者全国実態調査」によると、一般的なお墓の購入にかかる費用は149.5万円。購入費用の内訳は、墓石代が平均97.4万円、土地利用料が平均47.2万円でした。

一般墓は、墓石の種類や量、区画の面積などによって価格が決まります。霊園・寺院ごとに費用や内訳は変わるので、比較検討して費用感をつかみましょう。

お墓の購入ポイント1:宗教・宗旨・宗派

霊園・墓地によって、受け入れることのできる宗旨や宗派があります。
今、属している「宗旨・宗派」は何であるか、承継する方を含めて先々どうしたいかということも検討する必要があります。

  • 宗教不問:宗教は一切問われない
  • 在来仏教:昔からある日本の代表的な仏教宗派
    ※天台宗・浄土宗・浄土真宗・真言宗・臨済宗・曹洞宗・日蓮宗など
  • 特定の宗派名:その宗旨・宗派に限られる
    ※別の宗教または属する宗教がない方は、その宗教に改宗・帰依する必要がある
    ※神道、キリスト教、新興宗教なども含む

お墓の購入ポイント2:お墓のタイプ

一昔前は伝統的なお墓を建てるのが当たり前でしたが、最近ではさまざまなタイプのお墓から選ぶことができるようになりました。主なお墓のタイプとしては、「一般墓」「納骨堂」「樹木葬」「永代供養墓」が挙げられます。

お墓の種類別

どのタイプのお墓がもっともよい、ということはありません。どのような形で故人を弔いたいのか、お墓の継承者はいるのか、お墓に当てられる予算はどれくらいなのかなどを考慮し、どのお墓のタイプが最適なのかを判断しましょう。

一般墓

「お墓」といったときに多くの人がイメージするものが、家墓とも呼ばれる一般墓です。お墓の在り方が多様化している昨今ですが、やはり故人を供養する大切なお墓だからこそ、伝統的な一般墓を持ちたいと考える人は多いようです。しかし、一般墓は代々受け継いでいくものです。お墓の継承者がいない場合は、一般墓を持つのは難しいといえるかもしれません。

納骨堂

納骨堂は遺骨を納めるための建物で、最近では都心を中心に納骨堂の数が増えてきています。一般墓に比べて費用が抑えられること、屋内のため管理や手入れに手間がかからないこと、便利な立地にあるためお参りしやすいことなどが、納骨堂のニーズが増加した理由だといえるでしょう。

樹木葬

近年注目を集めているのが、自然の中に遺骨を埋葬する樹木葬です。日本では比較的歴史の浅い埋葬方法ですが、継承者が必要ないことや費用を安く抑えられることから多くの人が樹木葬を選んでいます。また、「最後には自然に還りたい」という思いから樹木葬を選ぶ人も多いようです。

永代供養墓

永代供養墓とは、お墓を継ぐ人がいなくなってからも、お寺などが責任をもって供養を続けてくれるお墓のことです。継承者が必要なく、また多くの場合で管理料が不要なのがメリットだといえるでしょう。しかし、合祀の永代供養墓に埋葬してしまうと後から遺骨を取り出すことはできません。埋葬するときには、よく考えるようにしてください。

お墓の運営主体別

お墓は、一度建てたら代々受け継がれていくものです。しかし、運営主体が予算不足になると十分な管理ができなくなる場合もあります。そのため、運営主体を選ぶときには将来性や永続性についてもしっかりと見極めることが大切です。また、寺院墓地を選んだ場合には法要もそのお寺でお願いすることになります。長いお付き合いになることを考えると、住職の人柄もお墓を選ぶうえでの大事なポイントだといえるでしょう。

寺院墓地

寺院墓地は、寺院の一角にある墓地のことです。お寺により宗教・宗派が決まっており、お墓を建てた後もお寺とのお付き合いが続くことになります。

民営霊園

民営霊園は、財団法人や宗教法人などが運営している霊園です。管理が行き届いていることが多く、施設も近代的です。ただし料金はやや高めとなります。

公営霊園

市町村などの自治体が運営しているのが公営霊園で、民営霊園より安い金額でお墓を建てることができます。ただし、申し込むためには応募資格を満たしている必要があります。また多くの場合は抽選となっており、人気の公営霊園は非常に倍率が高くなっています。

お墓の購入ポイント3:立地(交通アクセス)

「お墓参りしやすいかどうか」はとても大事な要素です。健康な時は気にならなくても、足腰が弱ってきたり、車に乗れなくなったりした場合、お墓参りは大きな負担になります。お盆やお彼岸は言うまでもなく、お墓参りはできるだけ多く行いたいものです。先々のことも考えて、霊園周辺の交通の便・アクセスをしっかり確認をしましょう。また、現在は車に乗らないという人も、状況が変わったときのために念のため駐車場の大きさをチェックしておくといいでしょう。

  • 自宅からの距離
  • 公共交通機関:電車、バス(路線、乗換回数など)
  • 徒歩で行った場合の道路状況(坂道の勾配、車の往来など)
  • 車でのルートと所要時間
  • 駐車場の有無、駐車台数

初回の現地見学の際など、霊園送迎サービスがあっても、実際の立地やアクセスを体感するため、公共交通機関などを利用することをおすすめします。

お墓の購入ポイント4:価格・費用

お墓の価格・費用は一番気になることだと思うので、価格体系やお支払い方法も含めてしっかりと把握しておきましょう。

お墓を建てるときに必要になる主な費用は、永代使用料」「管理料」「墓石代」の3つです。特に永代使用料と墓石代はかなり高額になるので、実際にお墓を購入する前に念入りに確かめる必要があります。

詳しくは「お墓の価格・費用」で分かりやすく説明しています。
その他、彫刻費や、法要(開眼・納骨・年忌)に際しての諸経費も考えておきましょう。

お墓の費用の構成要素

  • 墓石費用:墓石の本体、外柵・納骨棺(カロート)、施工費の合計。お墓の立地・条件や石材店によって費用は大きく変わってきます。なお、公営霊園にお墓を建てる場合には自由に石材店を比較検討することができますが、民営霊園では石材店を指定している場合が多いので注意が必要です。
  • 永代使用料:お墓の土地の使用権料。お墓を建てる区画はあくまでも借りている土地なので、そこに所得税や相続税、固定資産税などは発生しません。また、当然ながら他人に譲渡することもできません。区画の大きさや向きによって価格が変動し、地価が高い都市部は永代使用料も高くなる傾向があります。
  • 管理費:お墓の維持経費。この管理費から、墓所の共有部分のメンテナンス代や水道代、電気代などが賄われます。管理費は数千円~数万円とそこまで高額ではありませんが、支払いが滞るとお墓がある区画の使用権をはく奪されてしまう恐れがあるので注意が必要です。

お墓の購入ポイント5:霊園・墓地内の環境/周辺環境

お墓は屋外の自然の中にあるものです。夏の日照り、冬の降雪、雨風など、時の推移によって周りの自然環境に溶け込んでいくものでもあります。あまり神経質になり過ぎないことも大事です。

また、霊園・墓地内の環境(区画・墓域)だけでなく、周辺環境もチェックしておきましょう。山や川、海などの自然の景観は心を和ませてくれます。お墓参りがてら立ち寄れるスポットがあれば、家族や親戚で団らんの一時も過ごせることでしょう。

  • 日当たりや風通し:
    日陰なのか日向なのかによって、時とともに環境が変化します。風通しが良いところは湿気がこもらず、お墓の手入れもしやすくなります。
  • 水はけ・地盤:
    土地や区画によって地盤がゆるい所や、水が溜まりやすいところがないかを確認しましょう。水はけが悪いと、地下部の納骨棺(カロート)に影響を及ぼすこともあります。
  • 樹木:
    樹木の根が墓域にまで及んで地盤が隆起するなどということもあります。また、落葉樹の下は清掃の負担が多くなります。
  • 害虫:
    蚊などの害虫が多いと、お墓参りにも難渋します。

お墓の購入ポイント6:施設・設備

霊園・墓地によって付帯する設備はさまざまです。
“備えあれば憂い無し”あらかじめ確認しておきましょう。

  • 管理事務所/売店
    お花やお線香が準備されているか確認をしておくと便利です。
  • 駐車場:
    街の中心部にある墓地では、お墓参り用の駐車スペースがない場合があります。
  • 休憩所:
    お墓参りの途中で立ち寄れる休憩所があるか確認をしましょう。
  • 法要施設(本堂・礼拝堂):
    寺院墓地では本堂がほぼ100%ありますが、民営・公営霊園ではまちまちです。
  • バリアフリー(平坦設計):
    お年寄りや車椅子の方でも無理なくお参りできるように配慮されているか確認をしましょう。
  • 水道施設:
    手桶や掃除用具などが用意されているか確認をしましょう。

お墓の購入ポイント7:管理体制・状況

お墓の購入後は、その霊園・墓地と長いお付き合いになります。管理体制がおざなりであれば、せっかくのお墓も荒れてしまいます。また、定期的に納める「管理費」は、主に墓地の維持管理に使われます。

特に管理状況について一番しっかりと確認したいのは、新しい霊園です。できたばかりの霊園であれば当然見た目はきれいですが、大切なのは時間が経ってもきれいな状態を維持できるかどうかです。管理事務所がなく、管理人も常駐していない霊園・墓地もあります。備品を置かない霊園もありますので、あらかじめ確認をしておきましょう。

  • 清掃状況
  • 墓参用具(手桶・ひしゃくなど)
  • 植込み・芝の手入れ、樹木剪定
  • 霊園・墓地(寺院)の対応

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お墓は、一度建てると簡単に建て直すことはできません。改葬する場合には、また数百万円という大金が必要になってしまいます。だからこそ、お墓選びは慎重に行うべきです。

最近ではお墓にも多くのタイプがあり、たくさんの選択肢があります。だからこそ迷ってしまうかもしれませんが、ぜひ一つひとつを検討してみてください。お墓の購入は一生に一度あるかないかの大イベントなので、ぜひ焦らずにゆっくりと考えてみてくださいね。