選択の自由度が広がる現代のお墓事情
超高齢社会を背景に需要が高まる「終活」に関するさまざまなサービスを提供する株式会社鎌倉新書(東京都中央区、代表取締役社長:小林 史生、東証プライム:6184、以下:当社)が運営する日本最大級のお墓に関するポータルサイト「いいお墓」は、2025年1月に実施した「第16回 お墓の消費者全国実態調査(2025年)」の調査結果を発表しました。
お墓の消費者全国実態調査について
■実施の背景
当社が運営する日本最大級のお墓に関するポータルサイト「いいお墓」は、お墓の購入を検討している方に、適切な霊園・石材店をご紹介しており、その実績は年間約80,000件以上(※2025年1月末時点)になります。日々お墓に関するご相談を承る中で、「お墓購入の手順がわからない」、「自分たち家族にはどんなお墓が合うのか知りたい」、「自宅の近くにあるお墓を比較検討したい」などの声が寄せられています。
一生に一度ともいえる大切なお墓の購入において、お墓探しの専門家である当社ができることは、お客様センターやWEBメディアを介した質の高い情報の提供と、個々の状況に合わせた適切な提案です。これらを追求することで、お墓を通じた「家族のつながり」や「心のよりどころ」を創出するお手伝いをしたいと考えています。当社では、「いいお墓」を利用し、既にお墓をご購入された方の声を届けることで、これからお墓探しを始める方の一助になりたいという思いから、毎年「お墓の消費者全国実態調査」を実施しています。
■調査概要
調査名 :第16回 お墓の消費者全国実態調査(2025年)
調査対象:2024年1月~同年12月にお墓に関するポータルサイト「いいお墓」経由でお墓を購入した方
調査期間:2025年1月17日(金)~1月31日(金)
調査方法:インターネット調査
有効回答数:1,475件
※回答結果(%)は小数点第2位を四捨五入し、小数点第1位までを表示しているため、合計数値が100%にならない場合があります。
※「いいお墓」経由でお墓を購入した方にアンケートを送付し、回答結果を集計しています。
調査トピックス
- 購入したお墓の種類は「樹木葬」が48.5%で前回に引き続き約半数を占める
― 次いで一般墓17.0%、納骨堂16.1%、合祀墓・合葬墓14.6% - お墓を購入する際に重視した点、「お墓の種類」が49.4%で最多、次いで「金額」41.9%、「継承者不要」36.7%
― 39歳以下は「金額」を重視、65歳以上は「アクセスの良さ」を優先 - 購入したお墓の平均購入金額は、一般墓155.7万円、樹木葬67.8万円、納骨堂79.3万円
― 一般墓は前年より微増、樹木葬・納骨堂は横ばい傾向
調査結果
1. 購入したお墓の種類は「樹木葬」が48.5%で前回に引き続き約半数を占める
― 次いで一般墓17.0%、納骨堂16.1%、合祀墓・合葬墓14.6%
購入したお墓の種類の質問では、48.5%の方が樹木葬と回答しました。これは、第15回調査の48.7%とほぼ同水準で、引き続き約半数の方に選ばれる結果となりました。
次いで、一般墓が17.0%、納骨堂が16.1%、合祀墓・合葬墓が14.6%となりました。一般墓は、従来からの供養の形として根強い支持がある一方で、全体の割合としては樹木葬と比べると低い水準にとどまっています。
合祀墓・合葬墓は、費用負担が少なく、継承の必要がない点が特徴であるため、経済的な要因や単身世帯の増加などが影響している可能性があります。
購入したお墓の種類の傾向を見ると、樹木葬や合祀墓・合葬墓、納骨堂といった継承を前提としない供養の形を選ぶ人が主流になりつつあります。

一般墓:墓地に区画を設けて設置する墓石型のお墓
樹木葬:墓域内を樹木や草花で飾ったお墓(自然葬、樹林墓地なども含む)
納骨堂:主に室内にある棚式やロッカー式のお墓(堂内陵墓も含む)
合祀墓・合葬墓:複数の遺骨をひとつのお墓に埋葬し、その墓所の管理、運営者が遺族に代わって永代にわたって供養をするお墓
その他:散骨・手元供養など
また、購入したお墓の種類を子どもの人数ごとに分析したところ、下記のような結果となりました。

子どもの人数が増えるほど一般墓の割合が高くなる傾向が見られました。子ども4人以上の層では35.3%が一般墓を選択しており、子ども1人(18.0%)や子どもなし(10.7%)の層と比較して高い結果となりました。
一方で、子どもがいない場合は、一般墓の割合が最も低く、樹木葬(49.1%)や納骨堂(19.9%)、合祀墓・合葬墓(18.5%) の選択率が相対的に高くなっています。子どもがいない世帯では、お墓の継承が難しくなることから、継承の必要がない供養の形を選ぶ人が多いことがうかがえます。
樹木葬は子どもの人数にかかわらず一定の割合で選ばれており、全体的に40%以上の支持を集めています。子ども4人以上の層でも52.9%と高い割合となり、家族の人数に関わらず支持されていることが分かります。
今後、少子化が進むことで、子どもがいない世帯の割合が増えることが予想されます。本調査の結果からも子どもがいない場合には一般墓の選択率が低く、樹木葬や納骨堂、合祀墓・合葬墓を選ぶ傾向が見られるため、今後もこの傾向が強まる可能性があると考えられます。
2. お墓を購入する際に重視した点、「お墓の種類」が49.4%で最多、次いで「金額」41.9%、「継承者不要」36.7%
― 39歳以下は「金額」を重視、65歳以上は「アクセスの良さ」を優先

お墓を購入する際に重視した点を尋ねたところ、最も多かったのは「お墓の種類」(49.4%)でした。次いで、「金額」(41.9%)、「継承者不要」(36.7%)が続きました。これらの項目は、お墓選びの際に基本的な条件として考慮される傾向があることが分かります。
「お墓参りにアクセスのよいエリア」(35.8%)も比較的高い割合を示しており、お墓の立地条件も重要視されていることがうかがえます。また、「管理状況、管理内容、アフターサービス」(23.9%)、「園内の雰囲気」(27.5%)といった管理面や環境に関する項目も一定の関心を集めました。
一方で、「他の購入者の口コミ、評価」(2.6%)や「施工会社・販売会社の信頼度」(2.7%)は低い割合にとどまりました。これは、お墓の購入においては口コミや販売元よりも、立地や維持管理のしやすさといった実質的な要因が優先されることを示しているといえます。

年代別に見ると、39歳以下では「お墓の種類」(57.9%)が最も多く、次いで「金額」(50.0%)が続きました。若い世代では、他の年代と比べても金額を重視する割合が高く、経済的な負担を考慮したお墓選びをする傾向が見られます。
40~64歳では、「お墓の種類」(49.5%)が最多で、「金額」(44.7%)、「継承者不要」(37.1%)が続きました。また、39歳以下の順位と比較すると「園内の雰囲気」(27.8%)よりも「お墓参りにアクセスのよいエリア」(35.8%)を重視していることがわかります。
65歳以上では、「お墓の種類」(48.0%)に次いで、「お墓参りにアクセスのよいエリア」(37.1%)が2位となり、他の年代と異なる特徴が見られました。この年代では、お墓の立地やアクセスのしやすさを重視する傾向が高く、「管理状況、管理内容、アフターサービス」(26.2%)の割合も比較的高いことから、購入後の維持管理のしやすさにも関心を持っていることが分かります。
3. 購入したお墓の平均購入金額は、一般墓155.7万円、樹木葬67.8万円、納骨堂79.3万円
― 一般墓は前年より微増、樹木葬・納骨堂は横ばい傾向
今回の調査では、購入したお墓の平均購入金額は種類によって大きな差があることが分かりました。最も高額だったのは一般墓で155.7万円、次いで納骨堂が79.3万円、樹木葬が67.8万円となりました。

▼一般墓
一般墓の平均購入金額は155.7万円で、前年(149.5万円)より6.2万円増加しました。 過去の推移を見ると、一般墓は2020年の176.2万円から年々減少していましたが、今回は増加に転じています。
一般墓の価格の内訳を見ると、墓石価格(工事費用含む)の平均は100.1万円、土地の使用料(区画代金・永代使用料・永代供養料)の平均は47.9万円を占めており、墓石の価格が全体の約64%を占めています。一般墓は、墓石の種類やデザイン、使用する石材のランクによって価格が大きく変動します。また、区画が広いほど費用が高くなり、都市部では土地代の影響で価格が上昇する傾向があります。
また、一般墓は一見すると高額ですが、家族で利用することが前提のため、長期的な視点では、複数人が永代供養墓を購入するよりも総額が抑えられる場合があります。
▼樹木葬
樹木葬の平均購入金額は67.8万円で、前年(63.7万円)より4.1万円増加しました。 価格の推移を見ると、大きな変動はなく、安定した価格帯を維持しています。樹木葬は、墓石を使用しないことが多く、一般墓と比べて低価格で購入できる点が特徴です。また、需要が安定しているため、一般墓のような価格変動は少ないと考えられます。
樹木葬には「合同供養タイプ」「個別区画タイプ」などのバリエーションがあり、個別区画の樹木葬では、永代供養料や専用プレートの設置費用などが加算されるため、価格が高くなるケースもあります。一方、合同供養の場合は、比較的安価に購入できる傾向があります。
また、樹木葬の大きな特徴として、年間管理費について「かからない」と回答した割合は、83.0%と非常に高く、一般墓(28.5%)、納骨堂(46.7%)と比較しても維持費の負担が少ないことが分かります。このことから、一度購入すればその後の管理費が不要な点が、多くの人に選ばれる理由の一つになっていると考えられます。
▼納骨堂
納骨堂の平均購入金額は79.3万円で、前年(80.3万円)とほぼ同水準でした。 過去数年間の推移を見ても、納骨堂の価格は75~85万円前後で安定しており、大きな変動は見られません。
納骨堂は「ロッカー式」「仏壇式」「墓石式」「自動搬送式」などの種類があり、種類よって価格が大きく異なるのが特徴です。例えば、墓石型の納骨堂では一般墓と同様に墓石代が発生するため、価格が高くなる傾向があります。一方で、比較的コンパクトなロッカー型は、価格が抑えられるケースが多いです。
納骨堂の特徴として、都市部を中心に人気が高く、近年では継承不要のプランが増えていることが挙げられます。特に、個人での契約が増加している傾向があり、家族単位でお墓を持つ一般墓とは異なる需要があると考えられます。また、屋内に設置されることが多いため、天候に左右されずにお参りできる点も利便性の一つとされています。
一般墓はここ数年で初めて価格が上昇し、樹木葬と納骨堂は横ばい傾向となっています。一般墓は墓石や区画の面積による価格変動が大きく、今回の増加はその影響を受けた可能性があります。一方、樹木葬は比較的安価な価格帯で安定し、維持費の負担が少ない点で支持されていることが分かります。納骨堂は都市部を中心に一定の需要があり、安定した価格推移を見せています。
まとめ
本調査は、日本全国の消費者のお墓選びに関する実態を明らかにするために毎年実施しており、今年で16回目を迎えました。社会の変化とともに、お墓のあり方も大きく変わりつつあります。かつては「家族が代々受け継ぐもの」として一般墓が主流でしたが、ライフスタイルの変化や価値観の多様化により、個人単位で選ばれるお墓の比率が高まっていることが今回の調査でも明らかになりました。
特に、「樹木葬」の選択率が48.5%と、依然としてお墓の主流となっている点は象徴的です。次いで、一般墓が17.0%、納骨堂が16.1%、合祀墓・合葬墓が14.6%と続きます。この結果からも、継承を前提としない供養の選択肢が主流となりつつあることが読み取れます。家制度の変化や核家族化の進行、単身世帯の増加といった社会構造の変化が、お墓のあり方にも大きく影響を及ぼしていることは明らかです。
また、お墓を選ぶ際に重視するポイントとして、「お墓の種類」(49.4%)、「金額」(41.9%)、「継承者不要」(36.7%)が上位を占めており、経済的な合理性や負担の少なさを求める傾向が強まっていることが分かりました。一方で、「他の購入者の口コミ、評価」(2.6%)や「施工会社・販売会社の信頼度」(2.7%)は低く、消費行動において「他者の評価よりも、自らの条件や事情を優先する傾向」が見られました。
購入価格に関しては、一般墓が155.7万円と前年より増加し、樹木葬(67.8万円)や納骨堂(79.3万円)は横ばいという結果になりました。一般墓の価格が上昇傾向にあるのは、土地価格や原価高騰の影響も考えられます。一方で、樹木葬や納骨堂は比較的安定しており、特に樹木葬は「維持管理の手間が少ない」「継承者不要」という点から、多くの人に支持されていることが分かります。
このように、お墓選びは単なる「埋葬の場」の選択ではなく、「これからの生き方や家族のあり方」を反映する重要な意思決定となっています。かつて「家ごとに代々引き継ぐもの」として位置付けられていたお墓は、今や「個人が選ぶもの」へと変わりつつあります。これは、社会全体の価値観の変化を象徴する動きでもあるといえます。
本調査を通じて、こうした社会の変化を読み解くとともに、お墓のあり方が今後どのように進化していくのか、引き続き注目していきます。本調査の結果が、これからお墓の購入を検討する方々にとって、より良い選択の一助となることを願っています。
回答者について

鎌倉新書の「いいお墓」とは
日本最大級のお墓に関するポータルサイトです。経験豊富な専門相談員が、予算や口コミ、地域やアクセスなどの希望に沿ったお墓を案内。全国の墓地・霊園情報やお客様の口コミを掲載し、お客様へのお墓の年間紹介件数は80,000件以上、掲載霊園数は1万件以上になります。
「いいお墓」公式サイト:https://www.e-ohaka.com/
鎌倉新書について
1984年創業の日本の高齢社会に向けた「終活」をテーマに出版やインターネット事業を行う東証プライム上場企業です。「介護施設探し」「相続の準備や手続き」「生前の整理や片づけ」「葬儀の準備」「仏壇」「お墓選び」をはじめとした多数の終活関連WEBメディアを運営しており、お客様センター等を通しての相談・情報提供も行っております。高齢社会がますます進展していく中で、多くの人々の希望や課題の解決をお手伝いすることで明るく前向きな社会づくりに貢献してまいります。
会社名 :株式会社鎌倉新書
設立 :1984年4月17日
市場区分 :東京証券取引所プライム市場(証券コード:6184)
本社所在地:東京都中央区京橋2丁目14-1 兼松ビルディング3階
代表者 :代表取締役社長COO 小林 史生
資本金 :10億5,802万円(2025年1月31日現在)
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