【第2回】お墓の消費者全国実態調査/霊園・墓地・墓石選びの最新動向

お墓の消費者全国実態調査
「いいお墓」お墓の消費者全国実態調査

いいお墓」では、当サイトを利用し、実際にお墓を購入された方々に対して定期的にアンケート調査を行っています。そこで霊園・墓地・墓石のみならず、石材店に対する率直な意見や不満などたくさんの声をいただき、それらの一部を集計したものを「お墓の消費者全国実態調査」として公開しています。

お墓の消費者全国実態調査とは

いいお墓」をご利用いただき、お墓を実際に建てられた方へアンケートをお願いし、たくさんの回答をいただきました。今回は前回調査(2010年)の情報に加え、お墓を平均価格以上で購入した方の比率などを細かく調査し、気になる費用についてもデータをご用意いたしました。

  • 調査対象:「いいお墓」から資料請求・相談され、お墓を購入された方
  • 有効回答数:639名

お墓のニーズは多様化しており、従来のお墓に対する価値観も変化している中で、調査数字や経験者の声からは「今のお墓傾向」が読み取れます。
現在、霊園・墓地を探されている方、これからお墓を建てる方はぜひ参考にしてください。

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霊園・墓地の購入動向

霊園・墓地選びに抑えておきたい4項目(区画面積、永代使用料、墓石金額、お墓のタイプ)を聞きました。

「区画面積」多様化する墓地の面積…1m²未満と5m²以上の区画が人気増

前回、7割以上の方が1m²未満の区画を購入していましたが、今回は1m²未満の区画だけでなく5m²以上の大きな区画を購入なさる方が関東・中部地方以外で大幅に増えました。

特に中国・四国地方では5m²以上の大きな区画面積を購入したお客様が22.8%増、九州地方でも13.4%増と大きな変化を見せました。同時に関東地方では前回とほぼ同じ割合で推移。10人に8人以上のお客様が2m²以下の墓地を購入しており、地価の高さから大きな墓地を用意できない現状が予測されます。

「永代使用料」永代使用料を節約する人が大幅増

お墓の土地部分のことを「永代使用権」といい、その取得する費用のことを「永代使用料」といいます。永代使用料は、墓石の建墓に関わらず、墓地を取得した際に納入しなくてはなりません。永代使用料は全国で大きく差が出る傾向にあるため、今回は地域別にデータを集計いたしました。

9割以上の購入者が、100万円以下に永代供養料を抑えています。そのうちさらに半分以上が50万円以下の永代供養料でお墓を建てており、単に安いお墓を購入した方が増えたというよりは、販売価格が下がりつつあることも考えられます。

特に今までは永代供養料が高い金額で設定されていた九州地方、中国・四国地方でも大幅な値下げが起きており、これらの地域でお墓を新しく購入なさる方にとっては大きなチャンスとなるかもしれません。関東、近畿地方では価格が安定してやや高めになっており、永代供養料がオーナーの考えよりも、地価を忠実に反映した値段となっていることがわかります。

「墓石金額」品質のためには値段も同じ?一番変動が少ない分野

墓石金額は前回、100万円未満が九州・沖縄が36.4%に増加し、4人に1人が200~300万円のお墓を購入した中国・四国地方のお客様が0になった以外は大きな変動もなく、安定した価格で購入されていることが判明しました。

墓地の費用を節約しても、墓石の金額は同じままであることを分析すると、2つの可能性が出てきます。ひとつには、石材店を選ぶことができずに相手の言い値で買っているので、予算を下げられない可能性。もうひとつは、石の価格を下げるとお墓の品質や大きさが変わってしまうために節約しないことです。

近年では墓石を製作する石材店でもオリジナルデザインの要望に応えたり、より高品質な石を世界中から集められたりするようになりました。その成果が墓石にお金を出し惜しみしない姿勢につながっているのかもしれません。反面、石材店に対する接客態度へのクレームも届いており(詳細はこちらをご覧ください)、石材店によって大きな接客の差があることがわかっています。

[地域別/墓石金額] 400万円以上は関東、九州地方のみ?!

墓石へ400万円以上かけているのは関東地方と九州地方のみという結果が出ました。九州では区画面積の大きい墓地を購入する傾向があることから、お墓のサイズに合わせた墓石をオーダーした結果と言えそうです。

関東地方では人件費が高くなって価格が上がっているだけでなく、高級至高のお客様が多いことが予想されます。

「お墓のタイプ」洋型のお墓が人気

整備された公園墓地や芝生墓地が増えているからか、洋型のお墓が多く、半数近い47.1%を占めています。次いで38.1%のオーソドックスな和型のお墓となっています。故人の人となりを表したデザイン墓が人気傾向にあると思われていましたが、意外に少なく、5.8%という結果に。

一方で、納骨堂・永代供養墓は、9.0%とデザイン墓を上回る数になりました。納骨堂・永代供養墓の内訳としては、屋内自動搬送型の墓所に人気が集中しているようです。アクセスが良く、法要などもすべて館内で執り行なうことができ、かつ、費用に関しても永代供養料が100万円以下、墓石も平均100万円で提供されるという明確な料金設定などが人気の要因となっているようです。

[地域別/お墓のタイプ] 地域により、千差万別

お墓のタイプは、地域によってはっきりとした違いが出ています。北海道・東北、関東、九州は洋型の割合が圧倒的に多く、近畿、中国・四国では和型が多数を占めています。唯一、中部だけは偏ることのない墓所形態の傾向があらわれました。

霊園・墓地選びの本音/決め手となったポイント

霊園や墓地を購入する際に決め手となった条件を、1位から3位まで選んでいただきました。みなさまからのご意見や不満など、「良かった・悪かった」を両方掲載いたします。どうしてこの霊園にしたのか?普段は質問しづらい内容もお届けいたします!

第1位「交通・アクセスの良さ」

なんと、ほとんど全ての回答者が「交通/アクセス」の良さを1位として挙げていることがわかりました。2位以下には「価格・予算」や「園内の雰囲気」が並んでいますが、交通の便が良ければそれらは妥協できる部分だということがわかります。

ほとんど全ての方が選択した「交通・アクセス」のよさ。自分が年をとってからもお墓参りできることからバリアフリー、駅近物件を選ばれる方もいらっしゃいました。また、ご家族の家から近くして将来親戚の方が苦労せずお参りできるようにと、配慮を示されたコメントも見られました。

良かった点

  • 駅から墓地内までバスが出ているので、いつでも行きたい時に人の手を借りずに行くことができる(東京)
  • 霊園の両サイドが神社であったことは良いことだと思う(福岡)
  • アクセスの良い場所で納骨堂としたため高齢になっても一人でお参りに行きやすいと考えています。また、管理も楽で、年数回、行きたい時にだけ天候を気にせずに行けます(大阪)

悪かった点

  • バス停を下車してから墓地までの歩く際、歩道がなく自動車の通る危ない道を歩かなくてはいけないというところです。歩道がないということは墓参りにはとても危険です。(大阪)
  • 引越しをしたため遠くなってしまった(千葉)
  • あまりにアクセスが悪く、段々行きにくくなりました(神奈川)

これらのコメントを見ると、交通アクセスのよさと一言に言っても駅から近いといったことだけでなく、近隣に便利な休憩所があるかどうかや、高齢者にとっても歩きやすい道であるかなどこまかなチェックが必要なことがわかります。これらのことは資料を見るだけではありませんから、見学をしてしっかりと見ることが大切です。詳しくは、霊園探しのポイント(立地)をご覧ください。

第2位「価格・予算」

金額や予算は、お墓をトータルで考えた時に、必ず直面する問題です。ご回答くださった方で価格を重要視なさった方も、むやみに「安ければよい」とコメントなさった方はごく少数で「納得のいく買い物になっているかどうか」を考慮していました。

金額や予算は、お墓をトータルで考えた時に、必ず直面する問題です。ご回答くださった方で価格を重要視なさった方も、むやみに「安ければよい」とコメントなさった方はごく少数で「納得のいく買い物になっているかどうか」を考慮していました。

良かった点

  • 墓地管理会社がお墓の施工も行っており、まとめて安くしてもらえた(兵庫)
  • 卒塔婆に書く戒名について故人の人格をよく聞いていただき、予算についても相談にのっていただきました。(長野)
  • 常にきれいなお花や線香もあるので、手ぶらでお参りできる(神奈川)

悪かった点

  • 価格が不明な点が多かった。(埼玉)
  • 価格を第一に考えていたため、交通が不便になった(東京)
  • 契約時でのセット価格では最低材料なのでグレードアップしていくとかなりの予算オーバー(東京)

こうして比較すると、価格と共に妥協することとなるのは「交通/アクセス」や「墓石の材質」などになるようです。特に交通の便が良い地域は霊園の値段が上がってしまいやすく、どうしても予算が限られている場合には遠い霊園にせざるをえなかったが、その後お参りに不便を感じている……といった事例をたくさん頂きました。

墓所を見学する際にはつい値段へ目が行ってしまいがちですが、歩きやすさや後のお参りについて考える必要がありそうです。

第3位「園内の雰囲気」

園内の雰囲気といっても、回答者の方によって条件は多岐にわたりました。特に今回特徴的だったのは「携帯電話が圏外でないこと」「周囲にご飯を食べられる場所があること」といった、霊園の中ではなく周囲に関するコメントを頂いたことです。

景観のよさも前回の調査から引き続き重要度が高く、多くの方が満足した理由に景色の美しさを挙げていらっしゃいました。

良かった点

  • 洋風のガーデンスタイルなので、お墓参りに行く時にも公園に行くような明るい気持ちで足が向く所が気に入りました(東京)
  • 由緒正しい寺院内にあり、子、孫の代になっても安心である(大阪)
  • 新しくバリアフリーで足が不自由な人でもお参りがしやすいところ(大阪)

悪かった点

  • 管理事務所が石材店の人たちの”たまり場”になっていて入りにくい(千葉)
  • 肥料の匂いがする(近くは農地が多い)(熊本)
  • お墓の近くの駐車場は砂利地のため、車椅子を押すのが大変なところ(神奈川)

地域別には、暑い地域ではお花がすぐ痛んでしまうこと、寒い地域では道路の凍結を心配する声が届きました。地域によって要望も異なるため、さまざまな季節を想定する必要性がありそうです。

購入したお墓の総合評価/満足度

「いいお墓」を利用してお墓を購入した方からの総合評価を集計したところ、全体の9割近いお客様が、良い評価をしていらっしゃることがわかりました。その中でも特に多くいただいた「良かった点」と「悪かった点」を一部掲載いたします。

墓地・霊園の良かった点/悪かった点

良かった点

  • 墓と墓の間に芝生が植えられて、墓石がぎっしりと林立していないのが良かった(神奈川)
  • 寄付金などの強要が全くなく良心的。一周忌などの法事を安心してお願いできるお寺であること(愛知)
  • 毎月お寺でイベントを行っており、いろいろ勉強になる(東京)· 夜でもお参りできる(大阪)

悪かった点

  • 石材業者を自由に選べない(群馬)
  • 洋型のデザイン墓を石材店が施工し、出来上がりは私達も気に入ったのに、石材組合が墓石の一部が高すぎると言ってお盆に納骨できず10月に許可が出て納骨したこと(東京)
  • 合計金額からサービスとして20万ほどお引きしますということで内心喜んだが、その分、墓のサイズが小さくなることとは理解できなかった。自分が悪いのか、ちょっとだまされた感じがした(福岡)

石材店と霊園管理者が共同で墓地を開発している場合、決められた石材店にしか墓石製作を依頼できないことがあります。特にオリジナルデザインの墓石を注文なさりたい場合は、霊園を決める段階でどの程度石材店が墓石のオーダーを引き受けてくれるか、調べておく必要があります。

また、施工中のトラブルもつきものです。どのような完成図になるのか、費用面で問題はないか全ての関係者に承諾を得ることがスムーズな取引の鍵となるでしょう。とはいえ、突然のトラブルは避けがたいもの。日取りに余裕を持ってお墓を建てるのが、一番のリスク回避となりそうです。

石材店の良かった点/悪かった点

良かった点

  • 購入後も担当者から連絡があり、アフターケアもきちんとしてくれること(神奈川)
  • ネットで検索して翌日にtelがあり、とてもすばやい対応でした。石についてもよく説明して頂きました。(兵庫)
  • 墓石を選ぶまでの選定に対する説明と墓所の見学に熱心だった(宮崎)

悪かった点

  • 最終金が100万円を超える額にもかかわらず、現金でと言われたり、少しビックリ。後で振込みにしてもらったが、受領書が送られてこなかったので、母に確認を頼まれたことを電話すると振込票(銀行の)が領収書の代わりと言われて、母が憤慨(兵庫)
  • 石材店のホームページがなく不安に駆られた(東京)
  • 決算期が近いため、少し焦らされたこと(千葉)

石材店とのやりとりで目立つのは、特にお金をめぐるトラブル。慣習的に墓石の代金は現金で払うことになっていますが、近年カード決済、分割払いが一般的になってからは揉めることも多いようです。また、過剰な値引きをしてくる石材店は要注意。もともと高値で売りつけているか、石の品質を落としているかもしれません。

お墓にも寿命があり、低品質な石だとかえってお金がかかることにもなりかねません。安いからと決めてしまうのではなく、じっくり業者を見極めてください。

これからお墓を購入する方へのアドバイス

お墓を購入して、初めてわかったことや、これから購入なさる方へのご助言をお願いしたところ、大変多くの方からコメントをいただきました。これから購入なさる方は先輩方の言葉を参考にして、新しいお墓を検討なさってはいかがでしょうか。

交通・アクセスについて

  • 交通が不便であるとか、遠方にあると、墓参りもなかなか行きづらくなるものなので、1番は交通の便利さを重点として選びました。家族が将来離れていても1年に何度か必ず集まれる場所をと思い鎌倉の他、そして駅からも近い今の霊園を購入しました。
  • 盆・正月に行ってみて交通利便性を確認すべき。購入するときと盆正月では交通は全く違うから、マヒ状態になることもあるらしい。また、駐車場が広いか狭いかも調べる。

園内の雰囲気・周辺環境について

  • 何ヶ所も見学し、お天気の日だけでなく、雨水の水はけなども気にしたほうが良いと思います。
  • 動物も埋葬できるところもあるので、それが好みか嫌かを1つの基準に。

霊園管理・運営について

<何度か足を運ぶ>

  • 何度か足を運び管理状態や周辺環境をしっかり把握することが重要だと感じました(千葉)

<子どもへの負担を軽くする>

  • 維持、管理をしていくのは子どもや孫です。子どもや孫の負担が極力少なくすむ方法を選択することが大切だと思います(愛知)

設計・施工について

<品質の良い石材を選ぶべき>

  • 墓石の種類にも色々あって、価格が安いからといって飛びつくと、材質が悪いこともあります。少し高くても、将来のことを考えると、いい石で作った方がいいと思います。石材店の担当者とよくよく相談して、いろいろなアドバイスをしてもらいながら進めて下さい(滋賀)

<工事現場を見せてもらう>

  • 石の種類、特性、基礎の重要性、見栄えにとらわれず、石が建っていない区画の基礎工事を見せて頂くことが良いと思います(東京)

石材店について

  • 石材店にすすめられ、墓石本体に建立以降傷をつけたくないという意向から墓誌を作って頂きました。これは本当におすすめですので、是非ご検討下さい。
  • お墓は高い・・・と思っていたものの、内訳が分かったので知識も得られた。今は色々な墓石があるので、自分の思う墓石にするためには、石材店、営業の方の対応が重要だと思います。快く対応してくださる方が良いと思いました。

価格・予算について

  • 見積もりは複数取った方がいいと思う。墓石本体のほか、卒塔婆立て、墓誌碑、灯篭など付属品についてもチェックしておいた方が良い。事前に図面・写真などで実物の雰囲気は感じておくこと。
  • 墓石にはピンからキリまでの値段があります。素人には石の良し悪し、高級品などのことは分かりませんが、末代までのものなのであまり安価なのは、長い間にはまたお金を掛けなくてはいけないことになりかねないです。

お墓を建てる意味について

  • 日頃からよく親と話し合っておくことです。急に親が亡くなってからだと慌てるし、親族とも揉めます。お墓を探すのにとても苦労しました。
  • 名字が違っても一緒のお墓に入れること。娘一人の場合でも先祖代々のお墓としてお墓が建てられるということをアドバイスしたい。

取材依頼/掲載情報に関するお問い合わせ

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株式会社鎌倉新書/広報・PR担当
Mail:pr@kamakura-net.co.jp

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