2021年(令和3年)の都立霊園の抽選結果(および補欠番号)は、8月19日(木)に発表されました。本年度の抽選会は、応募倍率の最も高い人気区画が約17倍、平均倍率が6.1倍となりました。都立霊園は狭き門であることが知られています。
募集が行われたのは7霊園で、「多磨霊園」「小平霊園」「八王子霊園」「八柱霊園」「青山霊園」「谷中霊園」「染井霊園」でした。
そこで当社では、過去に都立霊園の申込みを検討したことがある方を対象に、都立霊園申し込みの実態についての調査を実施しました。本記事では、その調査の結果や最新年度の応募状況、補欠だった場合の対応、都立霊園を断念した人の霊園の探し方について解説します。
調査の結果 – 応募した人はどう考えている?
「第1回都立霊園に関する実態調査」(2019年6月・鎌倉新書調査)では、都立霊園に応募した経験がある人の次のようなことが明らかになりました。
- 次回の申し込みの意欲
- 次回の申し込みをしない理由
- 都立霊園契約者と民営霊園契約者、双方の満足度
①都立霊園落選者の約半数は「次回の申し込みをしない」
都立霊園落選者のうち、「次回も申し込む」と回答した人は37%にとどまりました。また、「次回の申し込みをしない」と回答した人はそれを上回る約半数の45%となりました。
納骨したい時期が決まっている、早めにお墓を決めて安心したいという場合などには、落選した時のために都立霊園以外の選択肢をあらかじめ検討しておく必要があるでしょう。
②次回の申し込みをしない一番の理由は「民営霊園のお墓を購入したから」7割超が民営霊園を選択
都立霊園の抽選会に「次回申し込まない」と回答した人のうち、71.1%が「民営霊園でお墓を購入したから」と回答しています。また、「どうせ当たらない」と半ばあきらめている人は、16.7%いることがわかりました。
③都立霊園契約者の満足度は95%、民営霊園契約者の満足度は87%といずれも約9割が満足
狭き門である都立霊園の抽選会に応募し見事当選して契約を終えた人と、都立霊園を検討したものの民営霊園を契約した人の双方に満足度を聞いたところ、いずれも約9割の方が「満足」であると回答をしました。
調査からは、都立霊園に落選して民営霊園を契約しても、満足を得られている人が多いという結果になりました。
都立霊園の抽選結果が補欠だったときは?
都立霊園の抽選結果が補欠だった場合、当選者が何らかの事情で辞退した場合などに限り、繰り上がり当選することがあります。ですが、その可能性はあまり高いとは言えません。繰り上げ当選の結果がわかるまでの間、近くの民営霊園をいくつか見学して次の候補を見つけておくことをおすすめします。
民営霊園を選択肢に入れるにあたり、その特徴や費用相場について確認しておきたい方は、下記の記事をご覧ください。

公営霊園と民営霊園の違いについては下記でご紹介しています。

霊園別の募集状況と周辺霊園の見つけ方
ここでは霊園別に募集要項と周辺にどのような霊園があるかを確認してみましょう。
多磨霊園
一般埋蔵施設(1.80~7.95平方メートル)【申込区分1】
- 募集数:286か所
- 使用料:1,661,400~7,337,850 円
- 年間管理料:1,460~5,840円
- 申込者は、都内に5年以上継続して居住していること
一度も埋蔵(葬)、収蔵したことがない遺骨を持ち、申込者は、申込遺骨の祭祀の主宰者であること(申込遺骨は改葬遺骨でないこと)
長期収蔵施設(みたま堂)【申込区分3】
- 募集数:62か所
- 使用料:6体用215,000円、4体用172,000円、2体用129,000円
- 年間管理料:6体用5,170円、4体用4,140円、2体用3,100円
- 申込者は、都内に5年以上継続して居住していること
申込者は、申込遺骨の祭祀の主宰者であること
樹林型合葬埋蔵施設【申込区分8~10】
- 募集数:2,220体
- 使用料:遺骨1体あたり86,000円、粉状遺骨1体あたり28,000円
- 年間管理料:なし
- 申込者(及び存命の埋蔵予定者)は、都内に3年以上継続して居住していること
<遺骨申込>
申込者は、申込遺骨の祭祀の主宰者であること。2体用の場合、申込遺骨2体が夫婦、親子又は兄弟姉妹であること
<遺骨・生前申込>
申込遺骨は申込者と夫婦、親子又は兄弟姉妹であること
<生前申込>
1体用の場合、申込者が埋蔵予定者であること。2体用の場合は、申込者及び埋蔵予定者は全員存命であり、夫婦、親子又は兄弟姉妹であること
※樹林型合葬埋蔵施設(樹林墓地)は、樹林の下に多くの遺骨を一緒に埋蔵します。
詳しい募集要項と倍率、周辺霊園を知りたい方はこちら

小平霊園
一般埋蔵施設(1.80~5.95平方メートル)【申込区分1】
- 募集数:93か所
- 使用料:1,576,800~5,212,200円
- 年間管理料:1,460~4,380円
- 申込者は、都内に5年以上継続して居住していること
一度も埋蔵(葬)、収蔵したことがない遺骨を持ち、申込者は、申込遺骨の祭祀の主宰者であること(申込遺骨は改葬遺骨でないこと)
芝生埋蔵施設(4.00平方メートル)【申込区分1】
- 募集数:15か所
- 使用料:3,572,000円
- 年間管理料:3,680 円
- 申込者は、都内に5年以上継続して居住していること
一度も埋蔵(葬)、収蔵したことがない遺骨を持ち、申込者は、申込遺骨の祭祀の主宰者であること(申込遺骨は改葬遺骨でないこと)
合葬埋蔵施設【申込区分5~7】
- 募集数:800体
- 使用料(一定期間後共同埋蔵):遺骨1体あたり51,000円
- 使用料(直接共同埋蔵):遺骨1体あたり63,000円
- 年間管理料:なし
- 申込者(及び存命の埋蔵予定者)は、都内に3年以上継続して居住していること
<遺骨申込>
申込者は、申込遺骨の祭祀の主宰者であること。2体用の場合、申込遺骨2体が夫婦、親子又は兄弟姉妹であること
<遺骨・生前申込>
2体用の場合、申込遺骨は申込者と夫婦、親子又は兄弟姉妹であること。3体用の場合、申込遺骨及び埋蔵予定者は、申込者と夫婦、親子又は兄弟姉妹であること
<生前申込>
1体用の場合、申込者が埋蔵予定者であること。2体用及び3体用の場合は、申込者及び埋蔵予定者は全員存命であり、夫婦、親子又は兄弟姉妹であること
※合葬埋蔵施設の「一定期間後共同埋蔵」とは、使用許可日から20年間個別に保管した後に共同埋蔵するものであり、「直接共同埋蔵」とは、納骨時に速やかに共同埋蔵するものです。
樹木型合葬埋蔵施設【申込区分11】
- 募集数:300体
- 使用料:遺骨1体あたり191,000円
- 年間管理料:なし
- 申込者は、都内に3年以上継続して居住していること
<遺骨申込>
申込者は、申込遺骨の祭祀の主宰者であること。2体用の場合、申込遺骨2体が夫婦、親子又は兄弟姉妹であること
※樹木型合葬埋蔵施設(樹木墓地)は、樹木の周辺に遺骨を一体ずつ埋蔵します。
詳しい募集要項と倍率、周辺霊園を知りたい方はこちら

八王子霊園
芝生埋蔵施設(4.00平方メートル)【申込区分1】
- 募集数:110か所
- 使用料:1,232,000円
- 年間管理料:3,680円
- 申込者は、都内に5年以上継続して居住していること
一度も埋蔵(葬)、収蔵したことがない遺骨を持ち、申込者は、申込遺骨の祭祀の主宰者であること(申込遺骨は改葬遺骨でないこと)
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八柱霊園
一般埋蔵施設(1.75~6.00平方メートル)【申込区分2】
- 募集数:319か所
- 使用料:351,750~1,206,000円
- 年間管理料:1,460~4,380円
- 申込者は、都内又は千葉県松戸市に5年以上継続して居住していること
申込者は、申込遺骨の祭祀の主宰者であること
芝生埋蔵施設(4.00平方メートル)【申込区分2】
- 募集数:33か所
- 使用料:872,000円
- 年間管理料:3,680円
- 申込者は、都内又は千葉県松戸市に5年以上継続して居住していること
申込者は、申込遺骨の祭祀の主宰者であること
合葬埋蔵施設【申込区分5~7】
- 募集数:2,000体
- 使用料(一定期間後共同埋蔵):遺骨1体あたり125,000円
- 使用料(直接共同埋蔵):遺骨1体あたり51,000円
- 年間管理料:なし
- 申込者(及び存命の埋蔵予定者)は、都内又は千葉県松戸市に5年以上継続して居住していること
<遺骨申込>
申込者は、申込遺骨の祭祀の主宰者であること。2体用の場合、申込遺骨2体が夫婦、親子又は兄弟姉妹であること
<遺骨・生前申込>
2体用の場合、申込遺骨は申込者と夫婦、親子又は兄弟姉妹であること。3体用の場合、申込遺骨及び埋蔵予定者は、申込者と夫婦、親子又は兄弟姉妹であること
<生前申込>
1体用の場合、申込者が埋蔵予定者であること。2体用及び3体用の場合は、申込者及び埋蔵予定者は全員存命であり、夫婦、親子又は兄弟姉妹であること
※合葬埋蔵施設の「一定期間後共同埋蔵」とは、使用許可日から20年間個別に保管した後に共同埋蔵するものであり、「直接共同埋蔵」とは、納骨時に速やかに共同埋蔵するものです。
詳しい募集要項と倍率、周辺霊園を知りたい方はこちら

青山霊園
一般埋蔵施設(1.60~3.40平方メートル)【申込区分3】
区画面積 | 総額 | 年間管理費 | 募集数 | 倍率 |
---|---|---|---|---|
3.1~3.4㎡ | 8,968,300~9,836,200円 | 2,920円 | 30 | 12.0 |
1.6~2.0㎡ | 4,628,800~5,786,000円 | 1,460円 | 25 | 14.3 |
- 申込者は、都内に5年以上継続して居住していること
申込者は、申込遺骨の祭祀の主宰者であること
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谷中霊園
一般埋蔵施設(1.50~3.90平方メートル)【申込区分3】
- 募集数:66か所
- 使用料:2,713,500~7,055,100円
- 年間管理料:1,460~2,920円
- 申込者は、都内に5年以上継続して居住していること
申込者は、申込遺骨の祭祀の主宰者であること
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染井霊園
一般埋蔵施設(1.50~2.00平方メートル)【申込区分3】
- 募集数:80か所
- 使用料:2,524,500~3,366,000円
- 年間管理料:1,460円
- 申込者は、都内に5年以上継続して居住していること
申込者は、申込遺骨の祭祀の主宰者であること
立体埋蔵施設【申込区分4】
- 募集数:40か所
- 使用料:628,000円
- 年間管理料:なし
- 申込者は、都内に5年以上継続して居住していること
申込者は、申込遺骨の祭祀の主宰者であること
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雑司ケ谷霊園
令和4年度は雑司ヶ谷霊園での募集はございません。
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都立霊園の申し込みで注意したいこと
都立霊園は倍率が高いだけでなく、細かい要件が定められています。例えば、募集区画によっては改葬骨は不可(一度も埋蔵・収蔵したことのない遺骨のみ埋蔵可能)となります。また、墓所の場所が自由に選べないというデメリットもあります。
生前申込できる区画を除くと、すでに遺骨を所有していることが要件に含まれます。そのため、生前にお墓を準備しておくには不向きであったりと、人によっては自由度の高い民営霊園のほうが適している場合もあります。
キレイな花や緑に包まれて眠りたい、リゾート地にお墓を持ちたい、ペットと一緒にお墓に入りたいといった希望も民営霊園であれば実現可能です。
お墓を決めてしまってから後悔することはさけたいものです。後悔しないお墓選びには、さまざまな霊園の資料を取り寄せ、実際に見学に行って自分の目で確かめて購入を決めるということがとても大切です。民営霊園を視野に入れるということも選択肢のひとつであるといえるでしょう。