近年、新しい供養のかたちとして注目されている納骨堂。一般墓より費用をおさえやすく、お墓の維持管理や後継者が不要なことから選ぶ人が増えています。一方で、納骨堂のデメリットをきちんと把握せずに購入して、トラブルに発展する方もいるため注意が必要です。
この記事では、納骨堂のデメリットやトラブル事例、失敗しない選び方などを紹介します。
納骨堂のデメリットとは?反対される理由
- 個別安置期間が決まっていて最終的に合祀される
- 納骨できる遺骨の数(人数)が限られている
- 花や線香、お供え物などの制限がある
- 従来のお墓とお墓参りの方法が違う
- 災害や老朽化で建物がなくなる可能性がある
- 周囲と意見や認識のズレが生まれやすい
個別安置期間が決まっていて最終的に合祀される
永代供養のできる納骨堂は、個別安置期間(契約期間)が決まっている施設がほとんど。個別安置期間が経過したあとは、他人の遺骨とまとめて納骨する合祀(ごうし)に移行します。一度合祀されると、他人の遺骨と混ざってしまうため、故人の遺骨は取り出せません。
納骨堂のなかには、個別安置期間の期限を設けず、永代にわたって使用できる施設もあります。他人と遺骨を一緒にしたくない人は、個別安置期間に制限のない納骨堂を選んでください。
納骨できる遺骨の数(人数)が限られている
納骨堂は、使用スペースが限られているため、納骨できる遺骨の数(人数)に制限があります。
通常のお墓(一般墓)は、遺骨を収蔵するカロートに6人〜8人分の骨壺を納められるお墓が一般的。また、先祖や家族の遺骨を、代々収蔵していくのが通例です。
納骨堂は、個人(1人)や夫婦(2人)など、少人数の納骨を基本に作られています。さらに、継承を目的としている仏壇式納骨堂を除き、多くの納骨堂は継承できません。一般墓のように継承を目的とし、納骨堂に先祖代々の遺骨を納めたかったり、納骨数が増えたりするご家庭には不向きです。
納骨堂を契約するときは、埋葬できる遺骨の数を確認しておくのが大切。あわせて、現在の納骨数だけでなく、今後納骨する可能性のある遺骨の数も確認しておきましょう。
花や線香、お供え物などの制限がある
納骨堂は屋内にある施設・建物が多く、お供え物に制限があります。火事を防ぐために線香やローソクが禁止されていたり、腐敗・悪臭をおさえるために生花や食べ物のお供えが制限されていたりする納骨堂が多いです。
一方で、線香を焚ける参拝スペースや専用の焼香を用意している納骨堂もあります。お供えのルールや規制は納骨堂によって違うので、契約前に確認しておくと安心です。
従来のお墓とお墓参りの方法が違う
納骨堂の種類によっては、従来と同じようなお墓参りができません。一般墓は、霊園の区画を購入してお墓を建てるため、家庭ごとに参拝用のスペースがあります。納骨堂にも墓石を建てる「墓石式納骨堂」がありますが、それ以外は、基本的に家庭ごとの墓石や参拝スペースはありません。
たとえば、「ロッカー式納骨堂」は、納骨スペースの前にある通路でお参りします。また、「自動搬送式納骨堂」は共同の参拝室に遺骨が運ばれてくるのが一般的です。
納骨堂によっては、参拝に待ち時間が発生したり、他のご家族に配慮が必要だったりするため注意が必要。お墓参りの方法や参拝スペース、混み合う時間などをチェックしておきましょう。
災害や老朽化で建物がなくなる可能性がある
納骨堂は屋内施設がほとんどなので、建物の災害や老朽化に伴い、納骨堂を使えなくなる可能性があります。また、経年劣化で建物の修復が必要になったとき、改修工事や建て替えの費用を請求されるかもしれません。
運営元が建物を修繕・建て替えをして、納骨堂を継続していくかは施設の方針によって違います。地震や火事などの災害で建物が倒壊したり、老朽化で修繕が必要になったりしたときの納骨堂の対応を必ず確認しておきましょう。契約書に記載がないなら、管理者に連絡して確認をとります。
周囲と意見や認識のズレが生まれやすい
納骨堂は、納骨方法やお供え、お墓参りなど、通常のお墓とは違う部分がたくさんあります。そのため、馴染みのある伝統的なお墓やお墓参りの方がよいと、周囲に反対されるかもしれません。
また、納骨堂はもともとお墓を建てるまでの間、お寺の境内で一時的に遺骨を預かる場所でした。永代供養つきの納骨堂が増えていますが、年配の方だとまだ「一時預かり」のイメージが強い可能性があります。供養のかたちについて周囲と意見や認識のズレが生じやすいので、よく相談したうえで納骨堂と契約するようにしてください。
種類別に見た納骨堂のデメリット
- ロッカー式:外観が簡素・参拝スペースが狭い
- 仏壇式:宗教・宗派の制限がある
- 位牌式:遺骨・骨壺を参拝できない
- 墓石式:一般墓並みの費用がかかる
- 自動搬送式:システム費で高額になりがち
ロッカー式:外観が簡素・参拝スペースが狭い
ロッカー式納骨堂は、同じ大きさで扉付きのお壇が並んだ納骨堂で、コインロッカーのような外観が特徴。個々の区画が狭いため、納骨堂のなかでもっとも価格をおさえやすいです。
納骨堂によりますが、装飾がなく簡素だと本物のコインロッカーのようだと抵抗を感じる人もいます。また参拝スペースが狭く、位牌やお供え物を置けない納骨堂が多いです。ロッカー式納骨堂は、区画が窮屈で外観も味気ないため、遺骨を粗末に扱っていると感じるかもしれません。
仏壇式:宗教・宗派の制限がある
仏壇式納骨堂は、区画・契約単位ごとに仏壇が用意されている納骨堂。上段に仏壇、下段に遺骨を納めるスペースがあり、遺影やお花、お供え物などを設置できます。
仏壇式は、納骨堂の利用にあたって宗教・宗派の制限があるため注意が必要。基本的に、納骨堂を運営している寺院の宗旨宗派にあわせなければなりません。また、ご家庭の仏壇より装飾が美麗で、比較的割高になりやすいのもデメリットです。
位牌式:遺骨・骨壺を参拝できない
位牌式納骨堂とは、個人スペースの墓標(シンボル)として位牌を設置する納骨堂。位牌式納骨堂は、位牌と遺骨を一緒におくか、別々におくか、2種類の施設に分かれます。
位牌と遺骨を別々におく納骨堂だと、お墓参りのときに遺骨・骨壺に手をあわせられません。遺骨・骨壺に手をあわせて故人を偲びたい方には、位牌式納骨堂は不向きです。
墓石式:一般墓並みの費用がかかる
墓石式納骨堂は、一般的なお墓と同じように、屋内に墓石を建てる納骨堂。家庭ごとに墓石を建立するため、従来のお墓と外観やお墓参りの方法が変わらないのがメリットです。
ただし、他の納骨堂では不要な「墓石代」が別途発生するため、高額になりがち。一般墓並みの費用がかかるため、金額をおさえるために納骨堂を検討している方は避けましょう。
自動搬送式:システム費で高額になりがち
自動搬送式納骨堂は、参拝ブースに遺骨が自動搬送される納骨堂。参拝スペースでICカードをかざすと、バックヤードから遺骨が運ばれてきます。「ビル型」「マンション型」とも呼ばれていて都心部に多く、アクセスしやすい立地なのが魅力です。
コンピューター制御でセキュリティは万全ですが、システムに費用がかかるため料金が高額。とくに年間管理費は、機械のメンテナンス費用がかかるぶん高くなりがちです。
納骨堂を購入して後悔している方の意見
納骨堂の管理会社に不満があった
納骨堂の管理会社が、納骨日の約束を把握していませんでした。付け焼き刃でお骨を粉砕されて、不安・不快な気持ちになりました。納骨堂を管理している会社をしっかり調べておけばよかったです。
遺骨の洗骨にお金が必要だった
屋内の納骨堂では、故人の遺骨を洗浄する洗骨が必要だと知りませんでした。洗骨するために5万円かかりました。
予想外のコストが発生した
納骨堂は、一般的なお墓より安いと思っていましたが、付属の費用が想定以上にかかりました。納骨堂の予算は2割増しを想定するとよいかもしれません。また、納骨堂には色々種類があり、それぞれかかる費用も違うようでした。
納骨堂のトラブル事例と対処法
- 個別安置期間を把握していなかった
- 遺骨を取り出せなくなった
- 管理会社の対応に不満を感じた
- 予想外の追加費用が発生した
- 家族・親族と相談せずに契約した
個別安置期間を把握していなかった
デメリットで紹介した通り、納骨堂は遺骨の個別安置期間が決められています。個別安置期間を知らずに納骨堂を契約すると、遺骨が合祀されるのに抵抗を感じたり、知らない間に遺骨を取り出せなくなったりするかもしれません。
遺骨の個別安置期間は、十七回忌や三十三回忌、五十回忌など、節目の法要にあわせる納骨堂が多いです。一方、年単位で契約する納骨堂や個別安置期間の制限がない納骨堂も存在します。遺骨の扱いをどうするか決めたうえで、希望に沿った個別安置期間の納骨堂を探しましょう。
遺骨を取り出せなくなった
一度合祀されると、遺骨が混ざってしまうため、個々の遺骨を取り出せません。また、遺骨をそのまま納骨するか、粉骨するかといった扱いは納骨堂によって違います。
納骨堂に収骨したあと、お墓の引越しや手元供養で遺骨を取り出したくなっても、希望を叶えられないかもしれません。個別安置期間とあわせて、遺骨の収骨方法も確認しておいてください。
管理会社の対応に不満を感じた
納骨堂の管理会社の対応に不満があり、トラブルに発展した事例もあります。
ひとくに管理会社といってもさまざまで、すべての納骨堂が優良とは限りません。極端に価格が安かったり、契約の即決を求めたりする管理会社は危険な可能性大。また、曖昧な受け答えだったり、必要な情報を説明してくれなかったりと、対応が悪く信頼できない管理会社は避けましょう。
さらに契約はすぐに決めず、管理会社の口コミを調べたり、現地見学で納骨堂の雰囲気を確かめたりと、慎重に判断するのが大切です。
予想外の追加費用が発生した
インターネットやチラシに表記されている納骨堂の金額は、オプションなしの最低料金がほとんどです。セット価格に必要な費用がすべて含まれているとは限りません。必ず見積もりを取得して、費用の内訳はもちろん、オプション料金や今後かかる年間管理費の金額も確認してください。
見積もり費用や内訳の確認を怠ると、予期しない費用が発生して不満を感じるかもしれません。
家族・親族と相談せずに契約した
納骨堂は、従来のお墓とは外観や納骨方法、お墓参りなどが違う、新しいスタイルのお墓です。そのため、家族・親族によっては、納骨堂に抵抗があったり反対されたりするかもしれません。
家族・親族と相談せずに納骨堂を購入し、契約後に反対されると、キャンセルや中途解約が必要です。納骨堂の購入にかかった費用や時間、手間などがすべて無駄になってしまいます。
納骨堂を購入するときは、自分1人で判断せず、必ず家族・親族に相談するのが重要。納骨堂を選ぶ理由をきちんと説明して、周囲の理解を得たうえで購入を進めましょう。
納骨堂のメリットとは?選ばれる理由
- 一般墓より費用をおさえられる
- 都心部に多く、アクセスしやすい
- 屋内施設が多く、快適にお墓参りできる
- お墓の掃除や草抜きなどの手入れが不要
- 永代供養つきで生前契約できる納骨堂が多い
- 宗旨宗派不問の納骨堂が多い
- 檀家義務のない納骨堂が多い
一般墓より費用をおさえられる
納骨堂は、墓石を建てない種類が多く、一般墓より費用をおさえられます。
実際に2024年にいいお墓が実施した「第15回お墓の消費者全国実態調査」では、一般墓の平均購入価格149.5万円に対して、納骨堂の平均購入価格は80.3万円でした。納骨堂は、一般墓より約70万円も費用が低くなっています。もちろん、種類や立地、納骨数などにもよりますが、一般墓より安価な納骨堂が多いようです。
都心部に多く、アクセスしやすい
収骨スペースが小さく、屋内施設が多い納骨堂は、自動搬送式を中心に都心部で増加しています。交通アクセスが良好で利便性が高いのは、お墓選びで多くの方が重視するポイント。実際に、高齢になって一般墓にお墓参りへ行くのが難しくなり、駅近でアクセスが良好な納骨堂に引越しする方も多いです。
屋内施設が多く、快適にお墓参りできる
納骨堂は屋内施設が多いため、天候や季節に左右されず、いつでも快適にお墓参りできます。雨風を避けられるのはもちろん、エアコンが完備されているので、暑い日や寒い日でも安心。さらに、バリアフリー設計の納骨堂も多く、環境が整備されているのもメリットです。
お墓の掃除や草抜きなどの手入れが不要
納骨堂は、墓石のない種類のお墓が大半。一般墓のように、墓石を磨いたり区画の草を抜いたりする必要はありません。
また基本的に屋内施設なので、一般墓のように風雨にさらされて汚れたり劣化したりする心配は不要。維持・管理の手間がかからず、いつでもキレイな状態のお墓にお参りできるのは魅力です。
永代供養つきで生前契約できる納骨堂が多い
納骨堂には、遺族の代わりに霊園・寺院が遺骨を管理・供養する「永代供養」というサービスがついている施設が多いです。永代供養つきの納骨堂は、基本的にお墓の後継者がいなくても購入できます。そのため納骨堂は、子どものいない単身の方や生前にお墓を準備したい方に向いています。
宗旨宗派不問の納骨堂が多い
近年は宗旨宗派不問の納骨堂が増えていて、どなたでもお墓に入れます。無宗教の方はもちろん、個人や夫婦だけのお墓や、友人やペットとの埋葬を希望されている方にもおすすめです。
檀家義務のない納骨堂が多い
寺院が経営する納骨堂は、お寺の檀家にならないと利用できないのが一般的でした。ですが最近は、経営主体が寺院でも、檀家義務やお布施が不要な納骨堂が増えています。入檀料やお布施が不要になるだけでなく、残された家族の負担が軽減されるのも魅力です。
納骨堂を購入して満足している方の意見
天候に左右されない・アクセスや雰囲気がいい
我が家は、子どもたちに代々お墓を引き継がせたくないため、墓石ではなく納骨堂を選びました。契約した納骨堂は都心にあり、交通の利便性がとても高く、天候に左右されずお墓参りできます。また、新しいだけあって施設が綺麗で、管理が行き届いているので園内の雰囲気もいいです。それと、分からないことは丁寧に教えてくれるので安心です。
核家族時代には最良のお墓だと思う
納骨当日は雨でしたが、納骨堂は屋内にあるため、悪天候が全然気になりませんでした。納骨堂は納める骨壷の数に限りがあるのが弱点ですが、問題にならないなら、施設の素晴らしさ・交通の利便性・管理の充実と、核家族時代には最良のお墓だと思います。
心配だったが、親戚から高評価を得られた
屋内の納骨堂に絞って見学を重ねました。どの納骨堂も、大変丁寧にゆっくり説明してくださるので助かりました。それぞれ雰囲気が違うので、納骨堂を購入するときは時間が許す限り見学することをおすすめします。
最終的に選んだのは、「搬送式納骨堂」という新しい形の納骨堂です。親せきに受け入れてもらえるか心配でしたが、全く問題なく評判も大変よかったです。とくに遠方の年配者には、駅から近い点が高評価でした。
継続コストが無く、将来の心配がなくなった
少子化で、昔のように代々墓守りをする後継者がいなくなり、毎年の管理料を支払えなくなる日が来るのが不安でした。ですが、今回申し込んだ納骨堂は、最初の支払い分だけで済み、将来の心配がなくなりました。
半個室で、ゆっくりお参りできるのがうれしい
契約した納骨堂は、まだできたばかりでとても綺麗です。日当たりがよく明るいところ、内装のお花が綺麗で明るい雰囲気が気に入りました。また、特別参拝室は半個室になっていて、ゆっくりお参りできるのも魅力的です。
使用期限がなく、継承できるから安心
使用期限の打ち切りがない納骨堂を選んだので、名義変更のみで継続して使用できます。管理者は曹洞宗の禅寺ですが、神道の神職を呼ぶことも可能で、法要も仕切りを使って貸し切れます。熱田神宮のそばという立地も決め手でした。
見学に行って納骨堂のイメージが変わった
納骨堂にあまりいいイメージがなかったのですが、実際に行ってみると想像以上によかったです。どうかしらと思っているなら、まずは一度現地見学に行くことをおすすめします。
法要のお知らせをしてくれる
納骨堂の互助会に入ると、法要のお知らせを送っていただけるようなのでとても助かります。
そもそも納骨堂とは?一般墓や永代供養との違い
納骨堂とは、遺骨を安置・供養するための施設。元々は遺骨を一時的に納める施設でしたが、最近は永代供養つきの納骨堂が増え、遺骨を永続的に安置・保管する施設として認識されています。
主に建物内にあり、広大な敷地が不要なため、都市部を中心に注目されている新しいタイプのお墓です。また最近では、宗旨宗派不問で納骨が可能な納骨堂が増えています。
納骨堂と一般墓の違い
納骨堂 | 一般墓 | |
---|---|---|
お墓の場所 | 屋内 | 屋外 |
個別安置期間 | 一定期間経過後、合祀 | 半永久 |
お墓の継承者 | 不要 | 必要 |
墓石の有無 | 原則なし | あり |
掃除・維持管理 | 原則不要 | 必要 |
費用相場 | 80万円前後 | 150万円前後 |
納骨堂と一般墓の大きな違いは、遺骨を納骨する場所。一般墓は屋外が基本ですが、納骨堂は屋内施設が多いです。
また、個別安置期間が決まっていて、契約期間を経過すると合祀されます。合祀されると、個々の遺骨を管理する必要がなくなるので、お墓の後継者は不要。そのため、お墓の跡継ぎがいなかったり、子孫に維持管理の負担をかけたくなかったりする人からよく選ばれています。
さらに墓石がないので、お墓の掃除や維持管理は必要ありません。墓石代がかからないぶん、一般墓より費用をおさえやすいのも特徴です。
納骨堂と永代供養の違い
納骨堂 | 遺骨を保管・管理するための施設 |
永代供養 | 遺族の代わりに霊園・寺院が遺骨を管理・供養するサービス |
納骨堂は、遺骨を保管・管理するための施設。対して永代供養は、遺族の代わりに霊園・寺院が遺骨を管理・供養するサービスです。
納骨堂はお墓の一種、永代供養は供養方法・サービスの一種なので、まったくの別物。永代供養つきの納骨堂も多く、納骨堂は「永代供養のあるお墓=永代供養墓」の一種とも捉えられます。
納骨堂の費用相場は80.3万円
2020年(n=777) | 2021年(n=455) | 2022年(n=859) | 2023年(n=585) | 2024年(n=1620) | |
---|---|---|---|---|---|
納骨堂 | 87.7万円 | 91.3万円 | 83.6万円 | 77.6万円 | 80.3万円 |
2024年にいいお墓が実施した「第15回お墓の消費者全国実態調査」によると、納骨堂の平均購入価格は80.3万円。過去5年間の推移でも、80万円前後と金額が安定しています。
なお、一般墓の平均購入価格は149.5万円。納骨堂にかかる費用は、墓石がないぶん、一般墓より安価になりやすいです。また、費用の内訳は下記のようになっている納骨堂が多いです。納骨堂によってどこまでの費用がセットに含まれているか異なりますので、必ず確認しましょう。
- 納骨堂の使用料
- 永代供養料
- 戒名または法名料
- 銘板や墓誌への彫刻料
また、これらの費用のほかに年間管理費が発生する納骨堂が多く、おおよそ年間1万円前後が相場です。年間管理費の支払い方法は毎年だったり、前納だったりとさまざまです。
失敗を回避!納骨堂を選ぶときの5つの注意点
- 費用
- アクセス
- 個別安置期間
- 納骨数
- 種類
費用
納骨堂は、種類や立地、納骨人数などによって費用が大きく変わります。費用相場を参考に、金額がかけ離れていないか確認してください。また、同じ条件の納骨堂を複数比較して、相場感をつかむのもおすすめ。費用が高すぎても安すぎても、理由が明確でない納骨堂には注意が必要です。
くわえて、追加費用がかからないよう、セット費用の内訳や年間管理費を確認しておきましょう。
アクセス
納骨堂は、お盆やお彼岸、法要などで何度も足を運びます。自宅から納骨堂までの距離や移動手段を確認して、アクセスしやすい立地を選ぶのも大切です。
また高齢になる将来をふまえて、車を運転しなくてもお墓参りできるようチェックしていてください。公共交通機関や送迎シャトルバスの有無、最寄り駅からの徒歩分数を把握しておくと安心です。
個別安置期間
基本的に納骨堂では、遺骨の個別安置期間が決められています。契約期間が経過して合祀になると、個々の遺骨を取り出せません。
契約期間とあわせて、個別安置期間の延長が可能か確認しておくこと。また合祀に抵抗があるなら、個別安置期間の制限がない納骨堂を選びます。
納骨数
納骨堂は、個々のスペースに納骨できる収骨数に制限があります。契約後に納骨数を増やすのは難しいため、最初に納骨する数だけでなく、今後の納骨予定も視野に入れて収骨数を決めておきましょう。また、ペットと一緒の納骨を希望している方は、ペット受け入れ可の納骨堂を選ぶよう注意してください。
種類
納骨堂にはさまざまな種類があり、それぞれ目的やメリットが異なります。外観やお墓参りの方法も違うため、自分の希望に合った種類を選択してください。
納骨堂のデメリット・トラブルに関する質問
納骨堂を選んだ結果としてよく聞かれるのが、「遺骨」と「費用」に関するトラブル。
たとえば、納骨堂に遺骨を納めたあと、合祀されると個々の遺骨は取り出せません。本人が生前から合祀を望んでいて、遺族が理解せず選択したことで、問題に発展するご家庭も存在します。
ここでは、納骨堂トラブルでよくある「遺骨」や「費用」に関する疑問にお答えします。
Q.納骨堂では遺骨はどのように埋葬しますか?
遺骨の扱いは、納骨堂ごとに条件が異なります。骨壺に入れたまま納骨するのか、骨壺から遺骨を出すのか、また個別安置期間がどれくらいなのかもさまざまです。
骨壺のまま、どれくらい個別で安置できるかは納骨堂によって違うため、埋葬・納骨方法は必ず確認してください。
Q.納骨堂では遺骨はいくつまで納骨できますか?
納骨堂は、使用できるスペースが限られていて、納骨できる遺骨の数に制限があります。個人や夫婦なら問題ありませんが、墓じまいや改葬で先祖代々の遺骨と一緒に納骨したい方には不向きです。
当初の納骨数だけでなく、今後遺骨が増える可能性も視野に入れて納骨数を確認しましょう。
Q.納骨堂の購入にかかる費用の相場はいくら?
2024年にいいお墓が実施した「第15回お墓の消費者全国実態調査」によると、納骨堂の平均購入価格は80.3万円でした。
納骨堂の購入にかかる費用は、大きく「永代供養料」と「管理費」に分けられます。「管理費」は納骨堂によって異なりますが、おおよそ年間1万円前後です。また、「戒名または法名料」や「銘板や墓誌への彫刻料」などのオプションサービスを追加すると、別途費用がかかるかもしれません。オプションは契約する納骨堂ごとに異なるため、必ず確認してください。
デメリットを理解したうえで納骨堂を購入しよう
納骨堂には、メリットだけでなく、デメリットも存在します。納骨堂を購入するときは、事前にデメリットやトラブル事例、口コミなどを把握して、後悔のないお墓選びをしてください。
お墓選びで失敗しないためには、納得いくまで納骨堂を比較・検討し、時間をかけて判断するのが大切です。気になる納骨堂があったら、資料請求や現地見学をして比較すること。自分の足で訪れ、目で確かめ、気になる点は担当者に確認することが、納得のいく選択につながります。
「いいお墓」では、エリアや条件にあわせて、納骨堂を一覧でチェックできます。さらに、納骨堂の資料請求や見学予約の申し込みはすべて無料。納骨堂の購入を検討している方は、ぜひ「いいお墓」を活用して、後悔のないお墓選びをしてください。