お墓の購入や買い替えは一生のうちに何度も行うことではないものの、これから新たに建てる場合は一定の金額が必要になってきます。建墓にかかる費用にはさまざまなものがあり、諸々を合わせると一括払いでは負担が大きくなりがちです。
そこで近年では、建墓専用の「メモリアルローン」などが注目されています。年金生活の方も利用できるものや、ボーナス払いに対応している銀行ローンなども人気です。
ここでは、お墓の新設やリフォームをお考えの方にぜひご一読いただきたい、お墓のローンに関して紹介します。
ローン対応している石材店は意外と多い
お墓の購入にはかなりのお金がかかります。そのため、一括払いができない人のために、墓石を買うときには利用できるローンがあります。
お墓に使えるローンは、「メモリアルローン」や「建墓ローン」などと呼ばれています。お墓に関するローンの金利の相場は6.0%~10%くらいですが、これより低金利で融資を行っている金融機関も存在します。
お墓のローンの対象は?
ローンの対象となるのは永代使用料、墓石代のほか、葬儀費や仏壇仏具の購入費などです。お墓や人の死に関わるものであれば、融資の対象になる可能性があります。
ただし、霊園の管理料のように毎年支払いが発生する料金は対象外であることが多いです。
ボーナス払いに対応しているローンがあるほか、年金で支払えるローンも存在します。また、団体信用生命保険にも対応しているローンもあります。
ローンの契約者が亡くなった場合、保険金が契約者の遺族にではなく、ローンの債権者である金融機関に支払われる生命保険です。
生命保険の保険金によってローンを完済することができるので、遺族にローンを引き継がせずに済み、お墓も手元に残ります。
このようなローンを利用すれば、お墓を建てるための費用的なハードルはかなり下がります。ローンに対応してくれる石材店は意外と多いので、お墓を購入する場合は石材店の担当者に相談してみましょう。霊園によっては石材店を指定されることがありますが、その場合は霊園の管理業者などに相談してみてください。
活用できるローンの形態
墓地や墓石の購入に当たっては、ローンを活用する方法もありますが、以下の形態があります。
- 石材店が提携している信販会社系のローン
- 金融機関(銀行など)が独自に企画した建墓ローン
ただし、ローンに関しては、全ての石材店や金融機関が取り扱っているわけではありません。完済期間は、最長5~10年としているところが多く、金利の算出方法も(実質年率方式/アドオン方式)がありますが、金利の高低だけで一概に判断しないようにすることが大事です。
また、金融機関では「多目的ローン」として借りられるケースもあります。(一般的には、銀行などの金融機関のローンの方が金利は低い傾向があります)ローンの仕組みや内容については、石材店や金融機関によって異なりますので、詳細はしっかり確認するようにしましょう。
初回支払額 20,700円
2回目以降支払額 18,700円
60回均等払い
※上記はあくまで一つの例に過ぎません。ボーナス併用ローンなどもありますので、詳細は窓口などで確認してみてください。
詳しくは石材店に確認を
意外と多くの石材店でお墓の購入にローンを使えますが、実際にローンを利用するときは細かい条件がある場合があります。
例えば永代使用料がローンの対象ではなく、墓石の購入費用のみを融資の対象としているローンがあります。永代使用料が高額な場合、ローンを使えないと資金的に厳しくなるかも知れません。
石材店に相談すれば、提携している金融機関を紹介してもらえて、通常より有利な条件でローンを組むことができるかもしれません。お墓の購入にローンを使いたい場合は、損をしないためにも、墓石を購入する石材店に相談してみるのがおすすめです。
また、ローンである以上、融資の前に審査があります。
意外とかかるお墓の費用
ここからは、お墓がどのくらいの値段なのか確認しておきましょう。
【第12回】お墓の消費者全国実態調査(2021年)によると、一般墓の平均購入価格は169.0万円です。この平均購入価格とは、下で説明する「墓石費用」+「永代使用料」となります。お墓購入の際の目安としてみてください。
墓石のある一般的なお墓を作る場合、以下のような費用がかかります。
墓石費用
墓石そのものの購入や、「◯◯家之墓」などの彫刻、墓石の設置工事などにかかる費用です。
一般的な墓石を購入して設置した場合の平均費用は、約114万円です。100万円以上のお金がかかるため、一括で支払うのは難しいと感じ、墓石の購入を諦める人もいるかもしれません。
永代使用料
お墓を建てる土地を確保するために必要な代金が永代使用料です。お墓を建てるときは霊園の土地の一部を買うのではなく、通常は霊園の土地の一部を使用して建てるので、土地代ではなく永代使用料という名目になります。
永代使用料の金額は千差万別です。例えば、東京にある有名な青山霊園は、永代使用料が400万円以上に設定されています。民営ではなく公営墓地の永代使用料であっても、都会の一等地にある場合は100万円を超えることがあります。しかし地方に行けば、永代使用料が2万円台の墓地を見つけることもできます。
こういった差異はありますが、永代使用料の平均金額を算出すると約62万円になります。墓石に関する平均費用と合算すると180万円近い金額です。
※墓石、永代使用料の平均は「第9回 お墓の消費者全国実態調査」より
管理料
墓石の代金と永代使用料は一時的に支払うお金です。
管理料は毎年支払うお金で、管理料は霊園の維持管理などのために必要です。支払いを怠ると最悪の場合その霊園を使えなくなり、お墓を撤去されることがあります。
値段はやはり霊園によって異なります。参考までに、寺院墓地・民営霊園・東京都の公営霊園の平均値を記載します。
- 寺院墓地の管理料…6,000円~25,000円程度
- 民営霊園の管理料…5,000円~15,000円程度
- 都立霊園の管理料…1,440円~4,900円(2020年度募集時)
管理料は毎年発生するランニングコストなので、無理なく支払える価格が設定された霊園を選ぶことをおすすめします。
おわりに
お墓は、多くの人にとって一生に一度の大きな買い物です。決して安い買い物ではありませんので、ローンを必要とする場合もあるでしょう。ローンの活用を検討するのであれば、墓石を購入する石材店に相談してみるのがおすすめです。
また、「いいお墓」では石材店のご紹介も行っています。信頼できる石材店の選定にお困りでしたら、ぜひご相談ください。