墓石購入のポイント – お墓を買うとき、墓石を建てるときの注意点

墓石価格は石碑の種類や加工やデザイン、大きさなどで決まるので、なかなか総額がわかりにくいもの。ここでは、墓石の購入時に気を付けたい重要なポイントを紹介していきます。

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霊園ごとに変わる墓石の建て方

墓石を求めるにはいくつかの方法があります。現在では、霊園ごとに墓石建立の条件が違っています。そこで霊園の特徴を紹介していきます。

公営霊園

公営墓地とは、地方公共団体が管理、運営している墓地です。最終的な責任は地方自治体で持つものの管理、運営は指定管理業者に委託している場合もあります。基本的にはどのようなお墓を建立しても問題はありませんし、どの石材店に頼むのかについての規制もありません。
公営のため、㎡あたりの価格は低い設定になっています。しかし、1区画の㎡数が大きな霊園もあるため、墓石代が高額になる可能性もあります。管理、運営に対する不安がなく、比較的リーズナブルであり、宗教不問とメリットが多いため、競争率が高い傾向があります。

民営霊園

民営霊園とは、宗教団体や財団、社団法人などが事業主体の霊園です。管理、運営は民間の企業が受託している場合が多いです。
そもそも民営霊園のはじまりは、昭和30年代ごろ。寺院墓地や公営霊園だけでは墓地が不足する可能性があったことから、誕生したといわれています。寺院墓地と比べると申し込み時期の制限が少なく、さまざまな種類の墓地を選べることが特徴です。民営霊園は、石材の大きさや高さ、彫刻の内容など、墓石を建立するにあたって規制や条件がある程度決まっている場合が多く、石材店も自由に選べないことがあります。建立条件がある分
、霊園ごとに大体の価格相場がわかりやすいのも特徴です。宗教、宗旨宗派については不問なケースが多いです。

寺院墓地

寺院墓地は寺院の住職の意向によって、対応が大きく異なります。代々承継されるお墓が多いため、デザイン墓のような独特な形式のお墓は少ない傾向にあります。また、寺院墓地は石材店が指定される場合が多いので、最初にお寺の住職に相談することをおすすめします。

墓石はどこで買ったらいいの?

墓石はさまざまなルートで買うことができますが、ここでは代表的な買い方を紹介していきます。

石材店から墓石を買う

石材店ではお墓の建立に関する相談を随時受け付けています。販売展示場が併設されている石材店もあり、実際に実物を眺めながら、お墓の形態やデザイン、石種などを選定できるのはうれしいことです。しかし、民営霊園や寺院墓地のように、墓石の販売店が自由に選べない場合もありますので、あらかじめ確認をしておくことをおすすめします。

霊園から区画に合わせた墓石を買う

霊園で墓石の建立を請け負ってくれる場合があります。民営霊園は、石材の大きさや高さ、彫刻をする内容など、墓石を建立するにあたり規制や条件がある程度決まっている場合が多いため、石材店が指定されていることがあります。指定石材店制度と言いますが、この制度が導入されている霊園かどうかは確認したうえで、墓石をどの石材店にお願いをするのかを決める必要があります。

インターネット経由で墓石を買う

昨今では墓石を販売するインターネットサイトも増えてきています。価格別にデザインや石種が選べるようになっており、お墓を建てる流れや期間についての説明も記載されていたりします。インターネット経由の場合、基礎工事など施工費が含まれる場合とそうでない場合があったり、保証の有無もあるので、内容をしっかりと確認して決める必要があります。なお、民営霊園や寺院墓地では受け入れられない場合がありますので、事前に確認する必要があります。

墓石にはどんな種類がある?

墓石の形や大きさに法律などの決まりはありません。予算が許せば自由に形を決めることができます。
しかし、霊園や墓地には決められた区画があり、その霊園や墓地ごとに墓石施工に関するガイドラインが存在しています。
ただし、墓石の形態は大まかに分別することができます。

和型墓石

江戸時代に一般化した伝統的な墓石です。これは台石の上に、竿石(さおいし)と呼ばれる塔状の石を建てたものです。竿石とは、お墓の一番縦に長い部分の石です。ここに家名などの文字を刻みます。一般的にお墓といえば和型墓石をイメージする方が多いと思います。

洋型墓石

洋型とはいっても日本で造り出された墓石なので、和洋折衷型と考えることもできます。厚めの台石の上に、低く幅の広い石を載せた形が一般的で、最近は洋型墓石のタイプが増えてきています。洋型墓石には「オルガン」型という形態もあります。これは正面から見ると横長の長方形の形をしており、棹石が斜めに角度がついておりオルガンの形に似ていることから「オルガン」型と呼ばれています。

デザイン墓

従来の形式にとらわれない、個性的なデザインの墓石を求める方も増えてきました。この背景には家を基軸としていた墓地の在り方が、故人を主体としたものへと変化してきている事情があると考えられます。自由な形式を認める霊園などでは、故人の職業や趣味、世界観などを表した意匠的な墓石を見ることもできます。

墓石としては、上記3タイプが主流となりますが、宗旨宗派によって、墓石の種類に特徴があることもあります。

墓石に使われる石材の種類

お墓は何代にもわたって子孫に受け継がれていくものです。したがって硬度が高く、風化しにくい石を選ぶことが大切です。風化作用に強く、磨くと光沢が出る素材としてしられているのは、花崗岩、安山岩、閃緑岩、班れい岩などです。

代表的な石種の紹介

よく御影石という名前を耳にしますが、御影石とは花崗岩の総称です。六甲山嶺の神戸市御影付近が産地として有名だったのでそのように呼ばれるようになりました。御影石は墓石として最も人気があり、国内産地としては茨城県(稲田御影、真壁御影)、福島県(浮金石)、山梨県(甲州御影)、愛知県(三州御影)、香川県(庵治石)、山口県(徳山御影)などが有名です。現在では石材の多くを海外から輸入をしています。その中でも中国からの輸入割合が大きいです。中国で墓石などの製品化が本格化したのは1990年代で、福建省で日本の業者との合弁工場が作られたのがきっかけとなります。そのほか、黒系の花崗岩「クンナム」が採掘されるインドも石材の産地として有名です。

お墓の構造と各付属部分の名称

お墓の構造に決まりはありませんが、一般的な構造における各付属部分の名称を紹介しておきます。

墓誌

墓誌は、そのお墓に埋葬されている先祖の戒名生年月日・没年月日など「銘」を刻むものです。功績などを刻むこともあります。

納骨室(カロート)

芝台の地下に納骨室を作ったものや、地上に納骨室を作ったものがあります(陸・丘カロート)。石やコンクリートで作られています。納骨室(カロート)の形式は地域によって異なります。

水鉢

水鉢とは、先祖に水を供えるための鉢のことで、墓石の手前に作られることが多いです。

香炉

お盆や彼岸などのお墓参りの時や法要などの際に、線香を立ててお供えする「立ち置き型」と、線香を寝かせてお供えする「くりぬき型」があります。

卒塔婆立て

卒塔婆を立てておくためのものです。卒塔婆とは、先祖を供養するためにお墓を建てる木の長い板です。石製や金属製のものなでさまざまな種類がありますが、機能に変わりはありません。宗派によっては使用しない場合もあります。

花立て

墓石に備え付けられている、供養する時に花を立てるものが花筒を有する花立てです。

蓮華台

蓮華とは蓮の花のことで、通常は竿石の根本に設置される場合が多いです。

灯篭

灯篭とは、その中にろうそくを立てて火を付けることで明るくなる、日本の伝統的な照明機器ですね。

スリン

竿石(一番上の石)のすぐ下、ざぶとんのように敷かれた飾り部分のことで、 蓮の葉や猫の足のような渦巻き型の飾りなどがある。

よくある墓石のトラブル

建立場所の不備

お墓は屋外に建てられるものです。そのため建てる墓所ではさまざまなことを想像しておく必要があります。ここでいう墓所(墓所環境)とは広さや土壌だけではなく、周囲の植物の生え方や落ち葉の影響、雨の日の水の溜まり方・流れ方なども含まれます。例えば、大きな樹木の近くなどで建墓すると、近くの幹の根の成長にともないお墓の地盤が傾いてしまい、お墓自体も傾いてしまうことがあるので、そういった将来根がどのように広がるか分からない樹木の近くでの建墓はできる限り避けるなど、場所選びにはポイントがあります。

基礎工事の不備

お墓は石でできているのでかなりの重さになります。これを普通に土の上に置くと当然重さで少しずつ沈んでいき、いずれバランスを崩し倒れてしまいます。そのため、お墓を建立する際には墓所環境に応じた深さで土を掘り、コンクリートで基礎を打ってからお墓を建てます。この基礎工事が十分でないと、お墓が傾いてしまいます。

墓石の錆

お墓に使われる石の多くは大なり小なり鉄分を含んでいます。そして石の表面には細孔と呼ばれる小さな穴が開いています。この小さな穴から水分が入り込み中の鉄分を錆びさせ、それが表面に浮いてくるとお墓の表面が錆びることになります。

墓石のシミ

濡れた石の色が変わるのを誰もが見たことがあると思いますが、お墓も水を吸います。これを数値化したものが吸水率です。吸水率の高い石は多くの水分を吸収します。お墓が吸収する水分には汚れなども含まれるため、色落ちやツヤ落ちの原因となります。そのため、水はけの悪い場所にお墓を建てる場合には十分注意する必要があります。

墓石工事の流れ

国内、国外の採石場から採石された石材は、加工場に運ばれ、墓石に加工されます。その間に墓地では基礎工事などの準備を始めます。
石材店の工事開始から墓石の据え付けが終わるまでは数週間ほど掛かるのが一般的です。

基礎工事

基礎工事とは、図面に従い外柵や石碑を据え付けるためにコンクリートの基礎を打つ施工工事のことです。耐久性と強度を向上させるため、外柵の基礎工事には鉄筋を配していきます。

外柵据え付け

基礎工事を終えたら、外柵の据え付けを行います。外柵とは周囲との境界を分けるために墓地の回りを囲んだものでさまざまな形式があります。墓所や霊園によっては、外柵はないケースもあります。土台石→階段→玉垣の順番で据え付けを行います。

石碑据え付け

外柵工事を終えたら、石碑の据え付けを行います。芝台→中台→上台→竿石→付属品の順番で」据え付けを行います。石碑にはあらかじめお客様の依頼に従った、家名などの文字や、家紋など基礎彫刻がなされています。文字の書体は、業者が書体見本を見せてくれるので、その中から選びます。

完成検査

墓所完成後は完成検査を行います。

引き渡し

お客さまへの引き渡しを行います。

墓石は代々受け継いでいくものなので、壊れやすかったり、水がしみ込み色が変化してしまうような石材を選ぶことは避けたいものですが、普段から石材に接している専門家でない限り、実際に墓石を見ても、その品質の良し悪しはなかなか判断できるものではありません。
そこで、墓石選びのプロである石材店の目利きが必要になるのですが、価格が安くても品質が悪ければ墓石選びは失敗といえますし、品質が良くてもあまりに高価だと、それも満足いく結果とはいえません。そのため、どの石材店にお願いするかは墓石選びやお墓の購入では非常に重要なポイントとなります。