都立霊園は、東京都が運営する霊園です。
都立霊園にお墓を建てるためには、毎年行われている使用者募集に応募し、当選する必要があります。
2024年(令和6年度)の申し込み期間は、6月14日(金)~7月5日(金)です。
本記事では、都立霊園の2024年(令和6年度)の募集要項や応募の流れ、過去の倍率を解説します。ぜひ参考にしてみてください。
都立霊園の募集要項【2024年(令和6年度)】
都立霊園では毎年1回、新規使用者の募集を行っており、申込区分ごとに居住年数など申込資格が定められています。以下では、2024年の情報をご紹介いたします。
募集区画・使用料
霊園名 | 種別 | 募集数 | 使用料 | 年間管理料 |
---|---|---|---|---|
青山霊園 | 一般埋蔵施設 (1.60~3.65 ㎡) | 60カ所 | 4,752,000~10,840,500 円 | 1,500~3,000 円 |
谷中霊園 | 一般埋蔵施設 (1.50~3.70 ㎡) | 65カ所 | 2,817,600~6,515,700 円 | 1,500~3,000 円 |
雑司ヶ谷霊園 | 一般埋蔵施設 (1.55~1.65 ㎡) | 60カ所 | 3,138,750~3,341,250 円 | 1,500 円 |
染井霊園 | 一般埋蔵施設 (1.50~2.00 ㎡) | 75カ所 | 2,434,500~3,246,000 円 | 1,500 円 |
立体埋蔵施設 | 25カ所 | 597,000 円 | なし | |
多磨霊園 | 一般埋蔵施設 (1.75~7.95 ㎡) | 300カ所 | 1,613,500~7,329,900 円 | 1,500~6,000 円 |
合葬埋蔵施設 (合葬式墓地) | 640体 | 60,000円/体 | なし | |
樹林型合葬埋蔵施設 (樹林墓地3号基) | 2,360体 | 91,0000円/体 ※粉骨の場合は 30,000円/体 | なし | |
八柱霊園 | 一般埋蔵施設 (1.50~5.90 ㎡) | 315カ所 | 307,500~1,209,500 円 | 1,500~4,500 円 |
合葬埋蔵施設 (合葬式墓地) | 1,440体 | 117,000 円/体 | なし | |
小平霊園 | 一般埋蔵施設 (1.85~5.85 ㎡) | 95カ所 | 1,561,400~4,937,400 円 | 1,500~4,500 円 |
芝生埋蔵施設 (4.00 ㎡) | 5カ所 | 3,504,000 円 | 3,720 円 | |
合葬埋蔵施設 (合葬式墓地2号基) | 300体 | 53,000 円/体 | なし | |
八王子霊園 | 芝生埋蔵施設 (4.00 ㎡) | 120カ所 | 1,288,000 円 | 3,720 円 |
募集期間/手続きの流れ【令和6年度(2024年)】
申し込み | 6月14日(金)~7月5日(金) | インターネットもしくは郵送で申し込みます。 |
受付番号の通知 | 8月頃 | インターネットで申し込みした場合はメールで、郵送で申し込みした場合ははがきで受付番号が通知されます |
抽選 | 8月16日(金) | 都庁で公開抽選会が実施されます。結果は、翌日都立霊園の公式サイトなどに掲載されます。 |
抽選結果の通知 | 9月2日(月)以降 | インターネットで申し込みした場合はメールで、郵送で申し込みした場合ははがきで抽選結果が届きます。 |
書類審査 | 9月頃 | 申込資格を満たしているかの確認のため、書類審査が行われます。 |
使用料・管理料を納入 | 11月頃 | 書類審査を通過したら、納入通知書が送付されます。期限までに、指定の使用料と管理料を納入します。 |
使用許可証の交付 | 12月頃 | 期限までに、指定の使用料と管理料を納入したら、墓地の使用許可証が交付されます。 |
申込資格 (申込み条件)
霊園名 | 種別 | 居住要件 | その他の主な要件 |
---|---|---|---|
青山霊園 | 一般埋蔵施設 | 【申込者】 都内に5年以上継続して居住していること | 申込者は、申込遺骨の祭祀の主宰者であること |
谷中霊園 | 一般埋蔵施設 | 【申込者】 都内に5年以上継続して居住していること | 申込者は、申込遺骨の祭祀の主宰者であること |
雑司ヶ谷霊園 | 一般埋蔵施設 | 【申込者】 都内に5年以上継続して居住していること | 申込者は、申込遺骨の祭祀の主宰者であること |
染井霊園 | 一般埋蔵施設 | 【申込者】 都内に5年以上継続して居住していること | 申込者は、申込遺骨の祭祀の主宰者であること |
立体埋蔵施設 | 【申込者】 都内に5年以上継続して居住していること | 申込者は、申込遺骨の祭祀の主宰者であること | |
多磨霊園 | 一般埋蔵施設 | 【申込者】 都内に5年以上継続して居住していること | ・申込者が申込遺骨の祭祀の主宰者であること ・一度も埋蔵(葬)、収蔵したことがない遺骨を持つこと (申込遺骨は改葬遺骨でないこと) |
合葬埋蔵施設 (合葬式墓地) | 【申込者及び存命の埋蔵予定者】 都内に3年以上継続して居住していること | <遺骨申込>※申込遺骨のある方 ・申込者が申込遺骨の祭祀の主宰者であること ・2体用の場合、申込遺骨2体が夫婦(事実婚関係を含む)、 パートナーシップ関係、親子又は兄弟姉妹であること | |
<遺骨・生前申込>※申込遺骨のある方で、生前申込もする方 ・2体用の場合、申込遺骨は申込者と夫婦(事実婚関係を含む)、 パートナーシップ関係、親子又は兄弟姉妹であること ・3体用の場合、申込遺骨及び(申込者以外の)埋蔵予定者は、 申込者と夫婦(事実婚関係を含む)、パートナーシップ関係、 親子または兄弟姉妹であること | |||
<生前申込>※生前申込のみの方 ・1体用の場合、申込者が埋蔵予定者であること ・2体用及び3体用の場合は、申込者及び(申込者以外の)埋蔵予定者は 全員存命であり、申込者と夫婦(事実婚関係を含む)、 パートナーシップ関係、親子又は兄弟姉妹であること | |||
樹林型合葬埋蔵施設 (樹林墓地2号基) | 【申込者及び存命の埋蔵予定者】 都内に3年以上継続して居住していること | <遺骨申込>※申込遺骨のある方 ・申込者が申込遺骨の祭祀の主宰者であること ・2体用の場合、申込遺骨2体が夫婦(事実婚関係を含む)、 パートナーシップ関係、親子または兄弟姉妹であること | |
<遺骨・生前申込>※申込遺骨のある方で、生前申込もする方 ・申込遺骨は申込者と夫婦(事実婚関係を含む)、 パートナーシップ関係、親子または兄弟姉妹であること | |||
<生前申込>※生前申込のみの方 ・1体用の場合、申込者が埋蔵予定者であること ・2体用の場合は、申込者及び埋蔵予定者は全員存命であり、 夫婦(事実婚関係を含む)、パートナーシップ関係、 親子または兄弟姉妹であること | |||
八柱霊園 | 一般埋蔵施設 | 【申込者】 都内または千葉県松戸市に5年以上継続して 居住していること | 申込者が申込遺骨の祭祀の主宰者であること |
芝生埋蔵施設 | 【申込者】 都内または千葉県松戸市に5年以上継続して 居住していること | 申込者が申込遺骨の祭祀の主宰者であること | |
合葬埋蔵施設 (合葬式墓地) | 【申込者及び存命の埋蔵予定者】 都内または千葉県松戸市に3年以上継続して 居住していること | <遺骨申込>※申込遺骨のある方 ・申込者が申込遺骨の祭祀の主宰者であること ・2体用の場合、申込遺骨2体が夫婦(事実婚関係を含む)、 パートナーシップ関係、親子または兄弟姉妹であること | |
<遺骨・生前申込>※申込遺骨のある方で、生前申込もする方 ・申込遺骨は申込者と夫婦(事実婚関係を含む)、 パートナーシップ関係、親子または兄弟姉妹であること | |||
<生前申込>※生前申込のみの方 ・1体用の場合、申込者が埋蔵予定者であること ・2体用の場合は、申込者及び埋蔵予定者は全員存命であり、 夫婦(事実婚関係を含む)、パートナーシップ関係、 親子または兄弟姉妹であること | |||
小平霊園 | 一般埋蔵施設 | 【申込者】 都内に5年以上継続して居住していること | ・申込者が申込遺骨の祭祀の主宰者であること ・一度も埋蔵(葬)、収蔵したことがない遺骨を持つこと (申込遺骨は改葬遺骨でないこと) |
芝生埋蔵施設 | 【申込者】 都内に5年以上継続して居住していること | ・申込者が申込遺骨の祭祀の主宰者であること ・一度も埋蔵(葬)、収蔵したことがない遺骨を持つこと (申込遺骨は改葬遺骨でないこと) | |
合葬埋蔵施設 (合葬式墓地) | 【申込者及び存命の埋蔵予定者】 都内に3年以上継続して居住していること | <遺骨申込>※申込遺骨のある方 ・申込者が申込遺骨の祭祀の主宰者であること ・2体用の場合、申込遺骨2体が夫婦(事実婚関係を含む)、 パートナーシップ関係、親子又は兄弟姉妹であること | |
<遺骨・生前申込>※申込遺骨のある方で、生前申込もする方 ・2体用の場合、申込遺骨は申込者と夫婦(事実婚関係を含む)、 パートナーシップ関係、親子又は兄弟姉妹であること ・3体用の場合、申込遺骨及び(申込者以外の)埋蔵予定者は、 申込者と夫婦(事実婚関係を含む)、パートナーシップ関係、 親子または兄弟姉妹であること | |||
<生前申込>※生前申込のみの方 ・1体用の場合、申込者が埋蔵予定者であること ・2体用及び3体用の場合は、申込者及び(申込者以外の)埋蔵予定者は 全員存命であり、申込者と夫婦(事実婚関係を含む)、 パートナーシップ関係、親子又は兄弟姉妹であること | |||
八王子霊園 | 芝生埋蔵施設 | 【申込者】 都内に5年以上継続して居住していること | ・申込者が申込遺骨の祭祀の主宰者であること ・一度も埋蔵(葬)、収蔵したことがない遺骨を持つこと (申込遺骨は改葬遺骨でないこと) |
※居住年数は、令和6年7月5日時点までの継続した期間のことです。
※祭祀の主宰者とは、申込遺骨に対して、将来にわたりご遺骨及び墓所を守っていく方のことです。
申し込み方法
申込期間(令和6年6月 14 日~7月5日)内に、下記のいずれかの方法により、申し込みます。
申し込みは、1人1か所の申込みに限ります。電話での申込みは受付していません。
①インターネット申込み
都立霊園公式サイト「TOKYO 霊園さんぽ」から申し込みします。
インターネット申込みには、申込者情報の登録が必要です。申込者情報の登録は令和6年6月14 日(金)から可能となります。
②郵送申込み
専用の「申込書」を郵送し、申し込みします。
「申込書」が含まれている「申込みのしおり」は令和6年6月14 日(金)から7月5日(金)まで、次の場所で配布されます。
- 都庁第一、第二本庁舎1階・2階の案内コーナー
- 各都立霊園および都立瑞江葬儀所の窓口
- 都内各区市町村及び千葉県松戸市役所の窓口(配布窓口は、区市町村にお問い合わせください。)
- 公益財団法人東京都公園協会 霊園課(〒160-0021 東京都新宿区歌舞伎町 2-44-1 東京都健康プラザハイジア9階)
都立霊園の抽選倍率
都立霊園には毎年、募集数以上の申し込みが殺到するため抽選が行われており、いずれも倍率は高い傾向にあります。令和6年度の都立霊園の公募受付数は、全体で28,108です。公募倍率は、一般埋蔵施設などは3.6倍、合葬埋蔵施設は7.1倍、樹林型合葬埋蔵施設は3.0倍となりました。
以下では、都立霊園の種別ごとの募集数に対する過去3年間の抽選倍率をご紹介します。
霊園名 | 種別 | 募集数 | 倍率 | 募集数 | 倍率 | 募集数 | 倍率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
2024年度 | 2023年度 | 2022年度 | |||||
青山霊園 | 一般埋蔵施設 | 60 | 12.9 | 60 | 12.5 | 55 | 13.1 |
谷中霊園 | 一般埋蔵施設 | 65 | 6.0 | 70 | 6.0 | 66 | 7.0 |
染井霊園 | 一般埋蔵施設 | 75 | 3.6 | 82 | 3.6 | 80 | 4.6 |
立体埋蔵施設 | 25 | 13.2 | 25 | 12.0 | 40 | 6.4 | |
多磨霊園 | 一般埋蔵施設 | 300 | 2.1 | 300 | 1.7 | 286 | 1.7 |
樹林型合葬埋蔵施設 | 2,360 | 3.0 | 2,290 | 2.7 | 2,220 | 2.9 | |
合葬埋蔵施設 | 640 | 8.1 | 640 | 6.6 | ー | ー | |
八柱霊園 | 一般埋蔵施設 | 315 | 2.0 | 325 | 1.9 | 319 | 2.2 |
芝生埋蔵施設 | ー | ー | 30 | 7.2 | 33 | 6.5 | |
合葬埋蔵施設 | 1,440 | 1.6 | 1,440 | 1.1 | 2,000 | 0.6 | |
小平霊園 | 一般埋蔵施設 | 95 | 4.6 | 100 | 4.6 | 93 | 4.8 |
芝生埋蔵施設 | 5 | 12.8 | 10 | 6.5 | 15 | 5.7 | |
合葬埋蔵施設 | 300 | 31.2 | 210 | 39.6 | 800 | 13.5 | |
樹林型合葬埋蔵施設 | ー | ー | ー | ー | ー | ー | |
樹木型合葬埋蔵施設 | ー | ー | ー | ー | 300 | 1.7 | |
八王子霊園 | 芝生埋蔵施設 | 120 | 1.9 | 95 | 2.8 | 110 | 2.5 |
雑司ケ谷霊園 | 一般埋蔵施設 | 60 | 4.3 | 60 | 4.4 | ー | ー |
都立霊園一覧/見学予約・資料請求のご案内
各都立霊園の特徴を詳しく知りたい方はこちらからご確認ください。
霊園名 | 所在地 / 価格等 | お問い合わせ |
---|---|---|
青山霊園 | 東京都 / 港区 外苑前駅から526m #一般墓:462.8万円〜 募集情報はこちら 口コミはこちら | 見学予約無料資料請求無料 |
雑司ヶ谷霊園 | 東京都 / 豊島区 都電雑司ヶ谷駅から248m #一般墓:311.2万円〜 募集情報はこちら 口コミはこちら | 見学予約無料資料請求無料 |
谷中霊園 | 東京都 / 台東区 日暮里駅から555m #一般墓:271.3万円〜 募集情報はこちら 口コミはこちら | 見学予約無料資料請求無料 |
染井霊園 | 東京都 / 豊島区 巣鴨駅から810m #一般墓:252.4万円〜 募集情報はこちら 口コミはこちら | 見学予約無料資料請求無料 |
多磨霊園 | 東京都 / 府中市 多磨駅から510m #一般墓:161.5万円〜 #合葬墓:8.6万円~ 募集情報はこちら 口コミはこちら | 見学予約無料資料請求無料 |
八柱霊園 | 千葉県 / 松戸市 新八柱駅から1.7km #一般墓:35.1万円〜 #合葬墓:5.1万円~ 募集情報はこちら 口コミはこちら | 見学予約無料資料請求無料 |
小平霊園 | 東京都 / 東村山市 小平駅から638m #一般墓:153.3万円〜 #合葬墓:5.6万円~ 募集情報はこちら 口コミはこちら | 見学予約無料資料請求無料 |
八王子霊園 | 東京都 / 八王子市 高尾駅から2.5km #一般墓:123.2万円〜 募集情報はこちら 口コミはこちら | 見学予約無料資料請求無料 |
都立霊園の抽選に当たったらお墓探しが完了ではありません。使用者募集の当選は、あくまで墓地使用の権利を得ただけです。
一般埋蔵施設であれば整地工事・囲障の設置・墓碑の設置、芝生埋蔵施設であれば墓碑の設置などが必要となってきます。
当選区画でお墓を建てるには?
お墓を建てるためには石材店を探して、墓石工事をお願いする必要があります。都立霊園には指定された石材店がないため、自分で自由に石材店を選ぶことができます。
しかし、お墓を初めて建てる人は「どこにお願いしたらいいのだろう」とお悩みになることでしょう。石材店によって、価格も対応も異なります。また、石材店はお墓を購入するときだけでなく、お墓を建てた後も修繕や法要などでお付き合いが長く続くことになります。そのため、できうる限り信頼のできる石材店を探す必要があります。
都立霊園の特徴をご紹介
全部で8つある都立霊園の特徴をそれぞれご紹介します。
青山霊園
アクセス良好で緑豊かな名門都立霊園です。東京の一等地にあり、非常に人気が高く、毎年の抽選倍率もとても高くなっております。約12万人が眠る、桜の名所として知られ、23区内では最も広い霊園です。園内中央にある約1.7キロの桜並木は桜の名所でもあり、花見の季節には大勢の見物客が訪れます。園内は古木が点在し、南北に貫通する道路は桜並木が秀麗です。また青山陸橋から園内に入る広い道路には、エンジュの並木が伸びています。交通の便に優れ、各界著名人のお墓があることでも知られています。
雑司ヶ谷霊園
1874年(明治7年)に開発された、多くの著名人が眠ることでも有名な都立霊園です。夏目漱石やジョン万次郎、東条英機など数多くの著名人・有名人が眠る場所としても知られています。平坦な園内にはケヤキの古木が多く植えられ、都心にもかかわらず静かで落ち着いた時間が流れています。管理事務所で著名人の墓所を示した散策マップを配布していますので、散策も楽しめます。
谷中霊園
明治時代に開設された都立霊園であり、旧称の谷中墓地としても知られています。その歴史は古く、徳川慶喜、渋沢栄一など多くの有名人や文化人が埋葬されています。桜の名所としても知られており、特に中央園路は通称「さくら通り」と呼ばれ、桜のトンネルが広がる美しい景観が楽しめます。周辺には「谷中銀座」と呼ばれる昔ながらの商店街があり、下町の情緒にあふれています。
染井霊園
1874(明治7)年に開園した都立染井霊園は、都立霊園の中では最も規模が小さい公営墓地です。周辺の交通量は少なく、園内は静かな環境が保たれています。周辺はお花見の桜として有名なソメイヨシノの発祥といわれており、春には満開の桜が咲き乱れ、豊かな自然を味わうことができます。
多磨霊園
日本で最初の公園墓地であり、1923(大正12)年に創設された都立多摩霊園は、都立霊園の中でも最大規模の公営墓地です。敷地面積は128ヘクタールで、その広さは東京ドーム約28個分に相当します。交通機関や幹線道路との接続がよく、霊園中央にはバスも通っていることから、交通アクセスの良い霊園としても人気です。
八柱霊園
千葉県松戸市に位置し、都立霊園の中で唯一東京都以外にある公営墓地で、東京都民だけでなく千葉県松戸市民の方々にもお申込みいただけます。都立八柱霊園はその立地から使用料が安く、都立霊園の中でも比較的安価なところが魅力です。特に一般埋蔵施設の使用料は35万1,750円からとなっており、全都立霊園の中でも最安値です。
小平霊園
1948年に開園した都立小平霊園は、東京都小平市・東村山市・東久留米市の3市にまたがる広大な公営霊園です。総面積65万3,000㎡のうち、約半分が墓所、残り半分が樹木や草地となっており、緑あふれる自然豊かな環境が魅力です。季節毎に咲く花木も多く、春には桜やハナミズキ、夏にはサルスベリ、秋にはモミジやイチョウ、冬には梅などが咲き、四季折々の風景が楽しめます。
八王子霊園
1971(昭和46)年に解説された都立八王子霊園は、都立霊園の中では最も新しい公園墓地です。64ヘクタールの広大な敷地は国立・都立の自然公園の峰続きにあり、その標高差は100メートルにものぼります。大きな特徴は、すべてが芝生墓地で、墓石のサイズも一辺60センチメートル以下に統一されていることです。緑一色の空間に墓石が規則正しく並んでいるため、視界が開けており、他の都立霊園にはない開放感があります。
都立霊園とは/お墓の種類、現地レポート
都立霊園は現在、青山霊園、雑司ケ谷霊園、谷中霊園、染井霊園、多磨霊園、八柱霊園、小平霊園、八王子霊園の8カ所にあり、その総面積は約416万㎡と広大な土地を有しています。また都立霊園は、運営の永続性や管理費の安さ、宗旨・宗派不問ということから人気も高く、毎年1回の募集の際には抽選によって入れるかどうかを決めることになります。
都立霊園では、従来型の一般埋蔵施設のほか、立体埋蔵施設や合葬埋蔵施設といった合葬式のお墓も用意されています。申込資格は申込区分や霊園ごとに違いがあるため、募集開始時に配布される「申込みのしおり」や公式サイト等で確認しておきましょう。なお、分骨した遺骨による申込みや、同一人物による複数の申込みはできません。
都立霊園の使用料や管理料は、青山霊園など高額なものもありますが、基本的には民営霊園よりも若干安い設定になっています。ただし、区画面積が広い墓所が多いため、大きな区画の場合は当然、墓石費用や工事費が高くなります。そのため、申し込みの際には区画面積の確認が必須といえます。
すべての区画が抽選方式となるため、当選した場合でもどの墓所になるのかは分からず、墓域が自由に選べないという側面もあります。墓所選びで失敗しないためには、価格のほか、区画面積、立地、利便性、継承面などの条件をじっくりと考慮した上で申し込むのをおすすめします。
都立霊園の歴史
明治7年、明治政府は当時の東京府のなかで埋蔵できる地域を指定しました。それまでは、寺院の墓地に埋葬していましたが、その地域を絞り込んだのです。東京府は、住民が埋葬に困ることのないように指定地域内に公共墓地の建造を進め、明治から大正にかけて、計画していた墓地はほぼ完成しました。それが都立霊園の始まりです。
そして戦後、小平霊園、八王子霊園が新たに加わり、現在の8カ所の都立霊園が使用されるようになりました。
都立霊園にあるお墓の種類
都内に8カ所ある都立霊園と、そこで取り扱っているお墓の種類(埋蔵施設の種別)を以下でまとめました。どの霊園にどんなお墓があるのか確認しておきましょう。
※お墓の種類についての説明は一覧の後に記載しています。
霊園名 | お墓の種類(埋蔵施設の種別) |
---|---|
青山霊園 | 一般埋蔵施設 / 立体埋蔵施設 |
雑司ケ谷霊園 | 一般埋蔵施設 / 短期収蔵施設(崇祖堂) / 一時収蔵施設 |
谷中霊園 | 一般埋蔵施設 / 立体埋蔵施設 |
染井霊園 | 一般埋蔵施設 / 立体埋蔵施設 |
多磨霊園 | 一般埋蔵施設 / 芝生埋蔵施設 / 壁型埋蔵施設 / 合葬埋蔵施設 / 樹林型合葬埋蔵施設(樹林墓地)/ 長期収蔵施設(みたま堂)/ 一時収蔵施設 |
八柱霊園 | 一般埋蔵施設 / 芝生埋蔵施設 / 壁型埋蔵施設 / 合葬埋蔵施設(合葬式墓地)/ 一時収蔵施設(八柱霊園納骨堂) |
小平霊園 | 一般埋蔵施設 / 芝生埋蔵施設 / 壁型埋蔵施設 / 合葬埋蔵施設(合葬式墓地)/ 樹木型合葬埋蔵施設(樹木墓地)/ 樹林型合葬埋蔵施設 |
八王子霊園 | 芝生埋蔵施設 |
お墓の種類/埋蔵施設の種別
- 一般埋蔵施設
一般的な平面墓地の形式で、区画割りされた土地を貸し付けるもの。墓石などは自分で設置する必要があります。八柱霊園の「一般埋蔵施設」 - 芝生埋蔵施設
芝生を敷きつめた平坦地に、等間隔に埋蔵施設を配置したもの。区画は分けられていますが、囲いなどを設置することはできません。八王子霊園の「芝生埋蔵施設」 - 壁型埋蔵施設
墓石が壁のように密接して配置された埋蔵施設。墓石とカロートはあらかじめ設置済みで、使用者は墓石に家名の表示が可能です。八柱霊園の「壁型埋蔵施設」 - 合葬埋蔵施設
一つのお墓に多くの遺骨を共同埋蔵する施設。年間管理料不要、生前申込可。使用許可日から20年間、個別保管後に共同埋蔵する「一定期間後共同埋蔵」と、納骨時に共同埋蔵する「直接共同埋蔵」の2種類があります。小平霊園の「合葬埋蔵施設」 - 立体埋蔵施設
使用許可日から20年間、地上カロート(納骨室)に個別埋蔵したのち、地下カロートに共同埋蔵する施設。3体分の遺骨を収蔵できます。谷中霊園の「立体埋蔵施設」 - 樹木型合葬埋蔵施設、樹林型合葬埋蔵施設
いわゆる樹木葬・樹林墓地のこと。死後は安らかに自然に還りたいという都民の思いに応えるために作られた墓地です。小平霊園の「樹林型合葬埋蔵施設」 - 長期収蔵施設
墓所として長期間使用することを目的とした納骨堂。使用期間は30年で更新が可能です。多磨霊園の「長期収蔵施設(みたま堂)」 - 短期収蔵施設
ある程度の長期にわたり収蔵することを目的とした納骨堂。使用期間は5年間で更新が可能です。雑司ヶ谷霊園の「短期収蔵施設(崇祖堂)」 - 一時収蔵施設
墓地を取得するまでの間、一時的な遺骨の保管を目的として使用する納骨堂。使用期間は1年で、更新は4回まで可能です。 - 東京都が管理する墓地なので、管理体制がしっかりしていて将来的にも不安がない
- 民間に比べて管理費が安い傾向にある
- 墓地自体に古い歴史があり、敷地は広大で自然が豊かなので、気持ちよくお墓参りができる
- 宗教や宗派に縛られない
- 指定の石材店がなく、自由に選べる
- 申し込みは、ほぼ抽選になり倍率が高い
- 墓地を建てる区画が選べない
- 生前には申し込みができない(一部できるところもあります)
- 宗教がある場合、僧侶や神主などに墓地まで来てもらう必要がある
- 法事施設を持たないところが多い
現地レポートで知る都立霊園
都立霊園のメリット・デメリット
都立霊園のメリット・デメリットには、以下のようなものがあげられます。
都立霊園のメリット
都立霊園のデメリット
公営霊園は安いというイメージを持っている方は多いですが、都立霊園に関しては区画が大きく立地もよいため、土地代や墓石工事が思っているより高額になることもあります。また、すべての区画が抽選方式となるため、当選した場合でもどの墓所になるのかは分からず、墓域が自由に選べないという側面もあります。申し込み後に後悔しないように、都立霊園以外の情報も確認することをおすすめします。
まとめ
都立霊園の募集についてみてきました。
都立霊園の募集は、1年に1回しか行われません。申込期間を逃さないために情報収集は定期的に行いましょう。
また、お墓の購入は、一生に一度ともいえる大きな買い物です。数多くあるお墓の中から後悔のない選択をするためには、まずしっかりと比較・検討をすることが大切です。都立霊園を検討している場合も例外ではありません。多くの霊園をチェックしておきましょう。