天台宗のお墓 – その特徴とお墓参りの方法/墓所のご案内

比叡山延暦寺 浄土院
比叡山延暦寺 浄土院 - by photolibrary

天台宗とは、最澄によって開かれた比叡山延暦寺を総本山とする仏教の宗派で、法華経を中心にしながら千年以上の歴史を紡いできました。禅や戒、念仏、密教などの教えを包括する四宗兼学というスタイルをもち、さまざまな宗派のことを学べる総合宗派とされています。
今回は、そんな天台宗のお墓の特徴や、お墓の建て方、お墓参りの正しい順番など作法とマナーについて解説していきます。

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天台宗のお墓の特徴

天台宗の大きな特徴は、墓石に刻む文字について宗派としての明確な決まりがないことです。
基本的には、法華経に由来する南無阿弥陀仏や〇〇家之墓と彫刻することが多いですが、故人が好きだった言葉やデザイン性を重視した文字などを彫刻することもできます。それにより、今までのお墓の形にとらわれず、自由な発想でお墓を作ることができます。
そして、もう一つの特徴は、墓石と一緒に建立する五輪塔です。五輪塔に刻む文字は宗派によって異なり、天台宗では五輪塔の下から地・水・火・風・空の梵字が刻まれています。

お墓を建てる手順

お墓を建てるには、まず天台宗の受け入れが可能な霊園を見つける必要があります。

霊園には、大きく分けて寺院墓地公営霊園、民間霊園の三種類があります。
自治体が管理する公営霊園や、財団法人や宗教法人などの団体が運営する民間霊園では、ほとんどの場合で宗派不問で利用することができます。
寺院墓地では、利用できる宗派が限定されている場合が多いため、まず天台宗の寺院であることを確認しましょう。また、利用の条件として檀家になることなどが定められていることもあるので、その点でもしっかりとした下調べが必要です。

申し込みと支払い

利用を希望する霊園が決まったら、連絡の上で申し込みをし、年間管理料や永代使用料を支払います。申込方法などは霊園によって異なるので、事前に問い合わせるか、ホームページなどで確認しましょう。通年で募集されているとは限らず、空き状況によって不定期に募集が開始されつこともあります。

石材店を選ぶ

霊園の次は、石材店を選びます。その際、寺院墓地や民間霊園などでは石材店が指定されている場合もあります。そういった場合は、指定された石材店の中から墓石を購入することになります。利用したい石材店が決まっていたり複数の石材店を比較して決めたい場合、指定石材店がない霊園を選びましょう。また霊園によっては、使用を開始してから一定の期間内にお墓の建立を行わなければならないという規定を設けているところもあります。

納骨までの流れ

納骨を行うには、死亡届を自治体に提出するともらえる火葬(埋葬)許可証と墓地使用承諾書を霊園へ提出する必要があります。書類を提出したら、お寺に連絡をして開眼法要と納骨法要を行い、お墓に魂を入れてもらいます。納骨のために石を動かしたり、戒名や名前を新たに彫る場合は、石材店にも連絡する必要があります。無事に納骨を済ませると、お墓としての役割が果たせるようになります。

お墓を建てた後のご供養

お墓を建てた後は、お墓参りなどその後のご供養も大切です。お墓参りは、供養の気持ちが大切なため明確な規則はありません。しかし、一般的なお墓参りの作法やマナーを知っておくことも大切です。

お墓参りのタイミング

お墓参りに決められた時期はありません。季節や時間にかかわらず、いつお墓参りを行っても問題ありません。
一般的によくお墓参りが行われるのは、ご先祖様の年回法要をはじめ春や秋のお彼岸お盆、故人の命日や月命日のときです。また、年末年始などにお墓参りをされる方も多いようです。

お墓参りの作法

寺院墓地にお墓がある場合は、住職の方に挨拶をし、本堂にお参りを済ませた後で、お墓参りをはじめます。
お墓の前についたらいきなり掃除に取り掛からず、墓石に向かって挨拶(一礼)をします。挨拶が済んだら、墓石とお墓周辺の掃除です。
多くの霊園では、掃除に必要なひしゃくやほうき、手桶などは自由に使えます。雑巾やスポンジ、たわし、ごみ袋、植木用ばさみなど必要なものは持参しましょう。道具が揃ったら、墓石に水をかけてたわしで汚れを流したり、周辺の雑草を抜き清めます。
掃除で出たゴミは、持ち帰るか霊園内のごみ捨て場に捨てましょう。

花や食べ物をお供えするときの注意

掃除によってお墓を清めた後は、まずお花のお供えをします。お墓に供える花は、一般的に菊や樒(しきみ)などが使用された仏花です。ただし絶対に仏花でなくてはいけないというわけではなく、故人が好きだった花や、季節の花をお供えしても問題ありません。
また、果物や野菜などの生ものやお菓子は墓石に直接供えずに、紙のお皿や半紙を敷いてから供えましょう。また、お墓参りが済んだ後は、衛生面などからお供えした食べ物を持ち帰るのがマナーです。

お線香のあげ方、焼香の仕方

お焼香のあげ方なども、宗派によって異なります。天台宗のお焼香は回数についての定めはありませんが、一般的には1回や3回が主流です。額には押しいただいてもいただかなくてもどちらでもよいようです。そして、お線香は仏、法、僧の三宝を供養するという考えに基づき、3本立てるのがよいとされています。火をつけたら左手であおいで火を消しましょう。

まとめ

天台宗のお墓は比較的決まりが少なく、自由に彫刻する文字やデザインを選べます。また、墓石の掃除方法やお供え、線香のあげ方などお墓参りについての作法をご紹介させていただきました。これからお墓を建てようとする方は、一部の寺院墓地では宗派の制限があるなど、事前の確認やリサーチが大切です。墓地選びでお悩みの方やお見積りが必要な方、葬儀社についてのご相談など、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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