この記事はこんな方におすすめ:花立とは何か、素材や取り付け方法について知りたい方
- 花立とは、墓石に備え付けられている、墓前に花を供える筒状の仏具のこと
- 素材はステンレス、プラスチック、アルミ、陶器、銅など
- 取り付け方法はネジ式、落とし込み式、接着式の3種類
花立(はなたて)とは、墓石に備え付けられている、供花を供える筒状の仏具です。花立てとも記載されます。
お墓は何代にもわたって子孫に受け継がれていくものです。したがって硬度が高く、風化しにくい石を選ぶことが大切です。風化作用に強く、磨くと光沢が出る素材として知られているのは、御影石、花崗岩、安山岩、閃緑岩、班れい岩などです。
お墓に備わる花立は、なかなか単体で注目することもないかもしれませんが、彼岸やお盆、初春などの墓参りで花を手向ける際には、なくてなならない必需品です。花立は、仏壇や神棚にも備えられています。
この記事では、供花を供える意味から、花立の種類や選び方などについて紹介していきます。
なぜ花を供えるのか
仏教と花には、密接な関係があります。私たちが何気なく行っている、仏壇やお墓に花を供えるという行為も、実は仏教的な意味合いがあるのです。
野花は、厳しい自然の中で耐え抜き、美しく咲き続けます。その野花の姿が、厳しい修行に耐え悟りを開く、仏教の教えと重なるとされているようです。そのような考え方からお供えする花を仏花と呼び、仏壇やお墓などに花を供えるようになったといわれています。
また、残された人が死者の冥福を祈り、弔うためでもあります。仏教の儀式で用いる仏具の三具足では、花を供えるための花立ても入っており、仏教での花の重要度の高さが伺えます。
花立の素材と種類
花立には素材別にいくつかの用品の種類があります。
ステンレス
ステンレスは錆びにくく、雨風にも強く耐久性があり、軽量であることも特長となります。ラッパ型、セメントのコンクリートブロック型など形態もさまざまです。
プラスチック
プラスチックは軽量で比較的安価ですが、劣化しやすいという側面があります。
アルミ
アルミは古くから花立の素材として利用されています。耐久性はありますが、経年劣化することはあります。
陶器
陶器の花瓶なども花立の素材として利用されています。古くからのお墓で見かけることがあります。強い力が加わると破損しやすくなります。
銅
銅は重量感があり、やや高価な価格設定になります。銅板には殺菌効果があるといわれており、供えた花が長持ちするということがります。
花立の取り付け方法
花立には3種類の取り付け方法があります。
ネジ式
墓石の花立の台座が、ネジで花立とはめ込まれているタイプです。
落とし込み式
お墓の花立を入れる箇所に穴があいており、そこに花立を落とし込む、ねじこむ、差し込むタイプになります。取り外しやねじ込みが容易なタイプです。
接着式
墓石に接着剤などで花立が付けられ固定されているタイプです。
花立の選び方
花立は、素材の種類や取り付け方法などにより選択肢の幅が広がります。
ただし、お墓の花立がどのような取り付け方法のタイプかにより、素材やカタチ、全長や径(直径、口径)などが限定されていきます。
花立が破損したり、劣化したりした場合に交換をする際などには、しっかりと現状のお墓の花立の状態を把握しておくことが大切です。お墓のリフォームの際にも注意したいものです。
花立の掃除方法/適切なメンテナンスで劣化を防ぐ
花立は石材と同様に雨風にさらされるため経年劣化が目立つことにもなりますが、彼岸やお盆、初春などのお墓参りのタイミングなど定期的に掃除・メンテナンスを行うことで、劣化を防ぎ、ボウフラなど虫の発生を抑えることにもなります。
花立は、花筒の台座から一対一組の花立を墓前から着脱して掃除をします。その際、細長い花立専用ブラシを使用すると掃除が楽になります。ヌメリや垢などをきれいに取り除き、錆びがある場合には、花立の素材に合った錆び取り剤を使用することをお勧めします。
また、花立を掃除する時には、ろうそくを焚き線香を手向ける香炉も一緒にきれいにしたいものです。