お墓・墓地管理者とは?わからないときの調べ方や運営主体による違い

お墓・墓地管理者とは?わからないときの調べ方や運営主体による違い
記事を先読み
  • お墓の管理者(墓地管理者)とは、墓地の清掃や管理、事務処理などの実務者
  • 墓地管理者がわからないときは親族や石材店、葬儀社、自治体などに問い合わせる
  • お墓の管理者によって公営霊園・民営霊園・寺院墓地・共同墓地の4つに分かれる

お墓の管理者(墓地管理者)とは、墓地の清掃や管理、事務処理などの実務者のこと。霊園・墓地は、墓地管理者や運営・経営主体によって4つに分かれます。

この記事では、墓地管理者の概要やわからないときの調べ方、お墓の管理者別の霊園タイプなどを紹介します。

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お墓の責任管理者(墓地管理者)とは?

墓地管理者とは、墓地の清掃や管理、事務処理などを行っている実務者を指します。墓地利用者の窓口として業務を行っている人といったほうがイメージしやすいかもしれません。

墓地管理者は、「墓地、埋葬等に関する法律」に従い次のような業務を行っています。

  • 埋葬許可証、改葬許可証などの届出の対応
  • 墓地に関する図面や帳簿・書類の管理
  • 自治体への報告

納骨や改装をする場合には、届け出を墓地管理者に提出する必要があります。いざというときに困らないよう確認をしておきましょう。

墓地管理者がわからないときの調べ方

共同墓地や古くからあるお墓の場合、墓地管理者が不明ということもありえます。上記で説明した通り、納骨や改装には墓地管理者への届け出が必要となります。

もし墓地管理者が不明な場合は、次のような方法で確認してみてください。

  • 地元の親族や知り合いに聞いてみる
  • 石材店に聞いてみる
  • 近隣の葬儀社やお寺に聞いてみる
  • 自治体に問い合わせてみる
  • 登記簿などで確認してみる

墓地管理者が判明しない場合には、役所で事情を説明し相談をしてみるのがよいでしょう。

墓地管理者によって分かれる霊園・寺院のタイプ

公営霊園民営霊園寺院墓地
経営主体自治体公益法人など宗教法人
運営自治体宗教法人(寺院)
または公益法人
宗教法人(寺院)
窓口役所管理事務所お寺

霊園・墓地は、その利用目的から公益性や永続性が求められます。そのため、法律上経営できるのは、次の3つとなっています。

  1. 都道府県や市町村などの地方自治体
  2. 公益法人
  3. 寺院などの宗教法人

これらの経営主体と運営方法などから、墓地・霊園は大きく次の3つのタイプに分類されます。また、この3つとは別に、集落・村落など地域の共同体によって運営されている共同墓地もあります。

ここからは、お墓の管理者別に墓地・霊園の特徴とメリット・デメリットを解説します。

公営霊園:墓地管理者が自治体

都道府県や市町村などの自治体が管理・運営される墓地です。

宗教的な条件がない
石材店は自由に選べるが、お墓の形には制限がある
申し込みには制約が設けられている

公営霊園のメリット

  • 使用するにあたって宗教的な条件はない
  • 住民のための施設という位置づけから、永代使用料や管理費が低めに設定されていることが多い(ただし、都立霊園で一等地にある場合などは民営霊園より高額となる場合もある)
  • 石材店は自由に選ぶことができる
  • 公的機関による管理運営のため安心感があることが最大のメリット

公営霊園のデメリット

  • 申し込み資格として「霊園を所有する自治体に居住していること」「すでに手元に遺骨があること」などの制約が設けられている(条件は各自治体によって異なる)
  • 募集は年1回、または空きが出なければ募集自体がされない
  • 自治体によっては募集数が少ないこともある
  • 申し込みが多ければ抽選となり、人気がある都市部の公営霊園などでは当選が難しい場合もある
  • お墓の形状や大きさが指定されていることがある
  • 基本的に区画の場所を指定することができない

民営霊園:墓地管理者が公益法人

財団法人や社団法人、宗教法人またはそこから運営委託を受けた民間企業によって管理・運営される霊園です。

宗教的な制約は設けられないことがほとんど
墓石の建立は決められた石材店のみに限定されている
霊園内の施設が充実していおり、利便性に優れている

民営霊園のメリット

  • 宗教法人が経営主体であっても宗教的な制約は設けられないことがほとんど
  • 購入は早い者順(申し込み順)だが、公営霊園よりは区画が取得しやすい
  • 個性的な特色や雰囲気、サービスなど利便性向上のための工夫をしている所が多い
  • その規模や立地、価格、環境などの面から、好みで選択できる

民営霊園のデメリット

  • 公営霊園より割高となる傾向
  • 墓石の建立は決められた石材店のみに限定される

寺院墓地:墓地管理者が寺社

お寺の境内に墓地があり、寺院(宗教法人)が管理・運営する墓地です。

日頃からお寺で故人のための回向をしてもらえる
原則的に檀家になる必要があるが、法要などで優先してもらえる
費用は高め

寺院墓地のメリット

  • 日頃から回向(お寺による供養)が行われるという安心感が得られる
  • 法事・法要の際は、お墓と隣接したお寺で行えるため困ることはない
  • 墓地の継承者がいなくなった場合でも永代供養を受けられることが多い
  • 歴史や境内地の醸し出す風格や独特の雰囲気

寺院墓地のデメリット

  • 宗教面では制約があることがほとんど
  • 法要などもお寺の宗派のやり方となる
  • 檀家になること(入壇)を前提条件とする場合が多い
  • 入檀家支納金(檀家になるための費用)を納めることもある
  • 檀家としてお寺の経営を支えるメンバーとなり、ときには寄附金が求められることもある
  • 法要ごとにお布施を渡すなど、購入後の費用がかかる
  • 永代使用料や管理料は高め
  • 墓石を建立する石材店も決まっていることがほとんど

共同墓地(集落墓地):墓地管理者が地域の共同体

集落・村落など地域の共同体によって使用、管理・運営されている墓地のことを指します。地域の住民が共同で利用する墓地のことで、村落共同墓地・村墓地などと呼ばれることもあります。

「子どもの頃、実家から近い山の中にお墓参りに行ったけど、そこにはお寺もなかったし、管理事務所もなかったはずだけど…?」畑の中や山麓、道路沿いなどに見られるそうした墓地は、共同墓地かもしれません。

地域の住民が共同で利用する墓地を共同墓地という
新しく共同墓地を勝手に造ることはできない
管理状況や共有部分、災害で被害を受けた場合の修理などはよく確認しておくべき

共同墓地のほとんどは、現在のお墓に関する法律「墓地、埋葬等に関する法律」(1948年)の施行前からあった墓地です。そのため、上記3つの墓地・霊園とは異なりますが、施行前に許可を受けて経営していた墓地は、それぞれ許可をうけたものとみなす(第二六条)の決まりがあり、いわゆる「みなし墓地」となっています。以前からあった墓地を排除することなく、そのまま使用できるようにしたわけです。

なお、現在ではもちろん共同墓地を勝手に造ることはできません。法律の規制に則ることが前提となりますが、許可する自治体はごく限られているため新設されることはほとんどなく、募集の数は少なくなっています。共同墓地を探す場合は、地元の役所か、地域の人に尋ねましょう。

共同墓地のメリット

  • 地域に根付いた墓地のため、お参りが便利であることが多い
  • 開発費や宣伝費に費用がかからないため、永代使用料や管理料はかなり低く抑えられている
  • お寺との関わりがないため、宗旨宗派が問われることがない

共同墓地のデメリット

  • 共同墓地の使用者は地域の人に限定される
  • その地域の住民が共同で管理・運営する墓地のため、実際の自主運営の状況はさまざま
  • 「墓地の所有権が誰にあるのか」「それぞれの墓地区画はどのように決められているか」があいまいなところもある

お墓・墓地の管理者による霊園の違いを把握しておこう

墓地・霊園はその経営主体と運営方法によって大きく4つのタイプがあります。それぞれのタイプによってメリット・デメリットも異なってきます。

また、墓地管理者もタイプによって異なってきます。納骨や改装の際には、墓地管理者の方を通して手続きが必要となります。どのような方が実務を担っているかもあわせてチェックしておくとよいでしょう。

お墓さがしでお困りのことがあれば、いいお墓までお気軽にお問い合わせください。