お墓参りのシーズンというと、夏のお盆や、春秋のお彼岸を思い浮かべる方は多いでしょう。そのほか、命日や誕生日など故人にゆかりのある日にお参りする方もいます。
この記事では、お墓参りに行く時期についてご紹介しています。
お墓参りは決まった時期に行くべきなのか、お盆やお彼岸、命日以外でも行っていいのか、仏滅の日にお墓参りをしてもいいのか、などと迷ったことのある方はぜひ参考にしてください。
お墓参りはいつ行くの?
お墓参りに行く時期に決まりはありません。頻度や回数にも決まりはなく、行きたい時に行くことが一番ですが、多くの方がお墓参りに行かれる時期について紹介いたします。
祥月命日
祥月命日は「しょうつきめいにち」と読み、故人がお亡くなりになったのと同じ月日のことを指します。3月1日にお亡くなりになった場合、毎年3月1日が祥月命日ということになります。
祥月命日は、お墓参りを行うだけでなく、祥月命日に合わせて、年忌法要を営むこともあり、一周忌(故人が亡くなってから1年経った日)、三回忌(故人が亡くなって2年経った日)に行います。三回忌以降の法要は、三と七がつく祥月命日に行われます。つまり、七回忌・十三回忌・十七回忌・二十三回忌・二十七回忌・三十三回忌・五十回忌と続きます。
月命日
月命日は、故人がお亡くなりになった日のみを指す命日のことです。月命日は、命日のある月を除いた毎月あります。例えば、3月1日が命日だった場合には3月1日を除いた全ての月の1日に訪れるので、1年間で11回訪れます。
31日が命日となっている場合には、2月や30日までしかない月には月末の日を命日とすることが一般的です。うるう年の2月29日も同様の扱いです。
ただし、絶対にそうしなければならないというルールはありません。
お彼岸
お彼岸とは、春分の日、秋分の日を中日(真中の日)とした前後3日、それぞれ7日間のことです。年間では14日間ということになります。7日間の初日を「彼岸の入り」、7日間の最終日を「彼岸の明け」と言います。
お彼岸の時には、ご先祖さまの供養をすることがとても大切です。そのために、お墓参りに行ったり、仏壇・仏具の手入れや掃除を行ったりします。
お彼岸の意味
「彼岸」という言葉はインドで使われている言語の一つ、サンスクリット語の「パーラミター」(波羅蜜多)の漢訳で「到彼岸」の略だといわれています。
彼岸は極楽浄土とされており、西方の遥かかなたにあると考えられていました。そこで、太陽が真東から昇り真西に沈む「春分の日」と「秋分の日」は、現実の世である此方と彼岸の両方の世界が通じやすくなると考えられたため、「春分の日」と「秋分の日」を含めた前後の日に、ご先祖様の供養をする行事が行われるようになったと言われています。
ちなみに、彼岸の反対、煩悩に苦しむ現実のこの世を意味する此方の岸を、此岸(しがん)と言います。
お盆
日本ではお盆の時期にご先祖様が帰ってくるとされており、故人の霊をお迎えするためのお供えや儀式を行うのが慣例です。そのため、このお盆の時期に多くの人がお墓参りに足を運びます。
また、お盆の時期は地域によって3つに分かれます。
- 新暦のお盆=新盆
カレンダーの7月15日を中日に、7月13日から16日までの期間を指します。 - 月遅れ盆
ひと月遅れのお盆で、8月15日を中日に、8月13日から16日までの期間を指します。
ちょうどお盆休みの時期で、この時期に合わせて連休をとり帰省する人も多いのではないでしょうか。 - 旧暦のお盆=旧盆
旧暦の7月15日を中日にしたお盆で、その年によって日にちが異なります。
お盆の期間中、いつ行かなければならないという特別な決まりはありません。
地域や宗教などによって違いますが、一般的には「迎え火」を焚いてご先祖の霊をお迎えする7月ないしは8月の13日に行く人が多いです。13日にお墓参りに行けないという方でも、お盆の期間中に行くとよいでしょう。
年末年始
年末年始のお正月休みでお墓参りをするという方も意外と多くいるようです。しかし逆に、お正月にお墓参りは非常識だという話もたまに耳にします。
仏事は各宗派によって習慣が少しずつ違い、さらには地域やお寺、各家庭の考え方によっても異なりますが、仏教の考え方としては特別にお墓参りを避けるべき日というのはありません。そのため、お正月(年末年始)にお墓参りをすることは原則問題ありません。
また、本来お正月には「新年に歳神様と先祖の霊を迎えるため、時間をかけて用意を整える」という意味もあり、むしろお墓参りに行くほうが良いともいえます。お正月にお墓参りすることで、ご先祖に一年の報告と感謝をすることができます。最近では、元日や三が日、または松の内に、新年の挨拶としてお墓参りをされる方も増えているようです。
さらに年末年始は、帰省で地元を離れた方が実家に戻ったり、親せき一同が集まることのできる機会です。地元を離れている方であればなかなかお墓参りもできませんので、このお正月休みの機会を利用してお墓参りに行くと良いでしょう。
お墓参りに行ってはいけない日はあるの?
お墓参りに行ってはいけない日というのは特にありません。仏滅の日にお墓参りをしてはいけないという話もありますが、六曜はもともと中国の風水に起因する内容ですので、仏教行事にはまったく関係がありません。「仏滅」という表記も、元々は「物滅」と表記されていたものを、縁起が悪い日という意味から強引に「仏滅」と当てただけのものですので、気にすることはありません。
お墓参りの時間帯
お墓参りに決まった時間というのは特にありません。一般的には、午前中にお墓参りへ行く人が多いようです。
ただし、霊園や納骨堂によっては開園時間以外のお墓参りができない場合もありますので、事前に確認しておきましょう。
里山タイプの樹木葬などは夕方以降にイノシシなどの野生動物が出没することもあるようですので注意が必要です。また、夜間のお参りは危険が伴うこともあるため、避けた方が無難です。
お墓参りに持っていく物
お墓参りを行う際の持ち物に関しては、お線香、お花、ろうそく、お水、お供え物と下にしく半紙など、数珠、お供え、掃除道具(柔らかいスポンジ・毛の柔らかいタワシ・タオルや雑巾・ほうき・ちりとり・軍手・ゴム手袋・ゴミ袋など)、手桶/柄杓など、お供え物やお墓の手入れのための掃除用具などを持っていきましょう。
まとめ
お墓参りの時期や頻度に決まりはないので、気が向いたときに行って構いません。一般的には、お盆・命日・月命日・春や秋のお彼岸・正月など、法事・法要など仏事に合わせて行く人が多いようです。
お墓参りで亡くなった家族の冥福を祈り、日々見守ってもらうことに対する感謝の気持ちを伝えましょう。
お墓参りについて詳しく知りたい方は、「いいお墓」の以下の記事をご覧ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。