お墓の砂利は、多くの墓地で使われており、墓石の周りに敷かれているものを見かけることが多いかと思います。さまざまな色や大きさの砂利がありますが、それぞれがどのような意味を持ち、砂利を敷くことでどんな効果があるのでしょうか。また、手入れなどを行ったほうがよいのでしょうか。
墓参りに出かけたとき、ご先祖様を気持ちよくお参りできるように、砂利の持つ効果についてもご紹介します。
砂利を敷く意味・効果
お墓の砂利は、墓石が建っている土台のあたりに敷かれているケースが多いのではないでしょうか。砂利を敷く意味・効果には、次のような点が挙げられます。
・見た目がきれいになり、土のままの状態よりも見栄えがよくなる
・雑草が生えにくくなる(生えても草取りが簡単にできる)
・水はけがよくなるので、土にぬかるみができにくくなる
・雨が降ったときに、墓石に泥が飛び散りにくくなり、清掃の手間を省くことができる
これらの点に共通して言えることは、日頃の手入れの手間を減らすことができるという利点です。「お墓から遠方の場所に住んでいる」「仕事などの都合で頻繁にお墓へ行くことができない」など、現代の私たちが抱える悩みを、少しでも解消してくれると言えそうです。砂利が使われるようになりました。
一昔前のお墓には砂利を敷くということはあまり行われていませんでした。諸説ありますが、農業を営むお百姓さんからみると、お金を生み出し、子孫を繁栄させる土台となる土を砂利によって覆い隠すことに、あまりいい印象がなかったともいわれています。
現代では、そのような考えは薄れてきており、各家庭の事情・好みやお墓の形状を鑑みながら、お墓を建てることができます。
砂利の種類
お墓に使われる砂利の種類は、大きく分けて3種類あります。それぞれの特徴を見ていきたいと思います。
砕石
天然の岩石を、機械で細かく砕いて小さくしたもの。全体的に角ばった形をしていて、お墓が落ち着いた雰囲気に仕上がります。
玉砂利
「化粧砂利」と呼ぶ地域もあるそうです。丸みを帯びた大粒の石で、自然石の持つ色合いを兼ね備えています。
砂利
玉砂利と比べて小粒。色のバリエーションがとても豊富で、シャリシャリとした触り心地が人気の理由です。
玉砂利の種類
砂利にもさまざまな種類がありますが、中でも最も一般的に使われている玉砂利について、さらに詳しくご紹介します。玉砂利にも、いくつか種類がありますが、よく使われる玉砂利には次のようなものがあります。
五色玉砂利
黒や白・緑・赤など、何色かの玉砂利を配合したものです。粒の大きさは、7mm~20mmほどです。
白玉砂利
和・洋どちらのタイプのお墓にも使うことができます。納骨室の中で使われることも多いです。白い石灰石を砕いて作られていて、爽やかな印象を与えてくれます。
黒玉砂利
先にお話した2つの砂利よりも少し大きめの砂利で、艶があるタイプとないタイプに分かれます。高級感が出て、落ち着いた雰囲気を醸し出すことができます。
どの砂利を使うかは、個人の好みやお墓の形式、墓地の環境などと合わせて決められています。
砂利を敷く量の目安、敷く方法
雑草を生えにくくするために砂利を敷くときは、次の流れで行います。
必要な砂利の量を決める
敷きたい場所の面積を計算して必要な砂利の量を計ります。どのくらい砂利を用意すればいいのかを知るための目安の計算式は、面積(1平方メートル)×厚み・深さ(cm)×20=必要な砂利の量(kg)です。
砂利を購入できる場所はいろいろあり、墓石を扱う石材屋・砂利の専門店・ガーデニングのお店・ホームセンター・ネット通販などの方法があります。
砂利を敷きたい場所にある土を取り除く
砂利を敷きたい場所にある土を深さ5cm以上取り除きます。この深さが深くなるほど、雑草が生えにくくなります。このとき、小石なども一緒に取り除いて、きれいにしておくと、後の作業がしやすくなります。そして、地面を平らにならして固めておきましょう。
除草シートを敷く
除草シートを敷きます。シートを敷かずに砂利を置いてしまうと、砂利が土に埋もれてしまうので、シートはできるだけ使うのがおすすめです。
4.砂利を均等に広げて敷きます。厚みをもって敷かないと、雑草が生えてきてしまう可能性が高くなるので、しっかり敷き詰めるようにします。
砂利の手入れの方法
砂利を敷いてから年月が経つと、日光や雨風、砂などによってどうしても劣化してきてしまいます。
水はけがよくない場所や、雨がたくさん降る地域では、砂利に苔が生える心配があります。少量の砂利なら、バケツと洗剤を使って苔を落とす方法がありますが、かなり時間と手間がかかりますので、砂利を入れ替えるケースが多いです。
また、除草シートを敷いても、砂利の重みで少しずつ土に埋もれてしまうこともあります。この場合は、上から新しい砂利を補充しましょう。見た目の違和感をできるだけ少なくするために、似たデザインの砂利を用意するか、または最初に砂利を少し多めに購入し、残しておくのが確実です。
まとめ
砂利は、お墓の雰囲気を大きく左右します。また原料が石なので、見た目よりもかなり重量があり、砂利の扱いに慣れない状態で自ら作業を行おうとすると重労働になったり、イメージと違うお墓になってしまうことも考えられます。我が家のお墓には、どのように砂利を使うとよいのかなど、話だけでも聞いてみたいと思った方は、ぜひ一度ご相談ください。お待ちしております。