これから川崎市でお墓を建てたいと考えている方、公営の墓地にするか民間の墓地にするか迷っている方に向けて、川崎市の公営霊園をご紹介します。
令和6年(2024年)11月1日~11月30日の期間で「緑ヶ丘霊園」「早野聖地公園」の使用者募集が行われます。
市営霊園にお墓を建てるためには、使用者募集に応募し、当選する必要があります。しかし、市営霊園はとても人気があり募集倍率は非常に高くなっています。
本記事では、川崎市営霊園(緑ヶ丘霊園・早野聖地公園)の霊園情報と令和6年度の募集区画・価格・申込要件、川崎市営霊園の応募の流れについて解説します。また、抽選に当たった場合と外れてしまった場合の後の流れもご紹介します。川崎市営の墓地を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
川崎市営霊園(市営墓地)とは?
川崎市営霊園は、川崎市が運営管理している共同墓地です。霊園や墓地の運営管理は、事実上、地方自治体・宗教法人・公益法人しかできないように行政指針が定められていますが、川崎市営霊園は平成26年4月1日より川崎市が指定した運営指定管理者である川崎市営霊園パートナーズ(代表企業 西武造園株式会社/構成員 横浜緑地株式会社)」が管理運営をしています。
川崎市営霊園は2ヵ所あり、高津区にある緑ヶ丘霊園と麻生区にある早野聖地公園です。この2ヵ所で現在37,000基の墓所が整備されています。
ここからは、緑ヶ丘霊園と早野聖地公園とは、どんな霊園なのかご紹介します。
《市営墓地紹介》緑ヶ丘霊園
緑ヶ丘霊園は昭和18年に開設され、市民に安くて質の良い墓所を提供するとともに、公園緑地としての役割も担っています。JR南武線津田山駅から徒歩5分という交通の便に恵まれていながら、閑静な場所です。市内で随一の桜の名所で、春には数百本の桜が咲きほこり、市民に親しまれています。
見晴らしの良い多摩丘陵に位置しているので、夜景もきれいで、園内には展望台もあります。そのほか、噴水広場、児童公園もあります。墓所脇まで車で乗り入れることができ、高齢の方や車いすの方も気軽にお参りができます。
園内には、遺骨を20年間預けられる立体的納骨施設の「緑ヶ丘霊堂」や、平成31年に完成した承継者不要の「合葬型墓所」もあります。
一般墓所
一般墓所は、一般的な従来型の墓地です。墓碑、囲い、納骨設備などの墓所設備は、利用者の負担で設置する必要があります。
区画は、1㎡、4㎡、6㎡、8㎡の4種があります。1㎡の区画は令和3~4年度に整備が行われた新しい墓所です。
緑ヶ丘霊堂
緑ヶ丘霊堂は、ご遺骨を20年間預けることができる納骨堂です。永代供養ではありません。
合葬型墓所
合葬型墓所は、1つのお墓に多数の遺骨を一緒に埋蔵する墓所です。承継者は不要です。
隣接した墓誌に、お名前を刻字することも可能で、共同の参拝所でお参りを行います。お線香やお花、塔婆を供えることもできます。
緑ヶ丘霊園の基本情報
墓地形態 | ▼墓所25,012区画(平成30年4月1日現在) 一般墓所 ・1区画4平方メートル:11,990区画 ・1区画6平方メートル:11,434区画 ・1区画8平方メートル:306区画 ・その他:1,282区画 |
所在地 | 〒213-0033 川崎市高津区下作延1241 |
アクセス | 【電車・バスをご利用の方】 ▼JR南武線「津田山駅」下車 徒歩約5分 【車をご利用の方】 ▼第三京浜道路、京浜川崎.IC.より約10分 |
開門時間 | 3~9月7:00~19:00 10~2月7:00~17:30 |
霊園事務所 | 電話:044-811-0013 FAX:044-819-4882 |
窓口時間 | 8:30~17:30(12月29日~1月3日を除く) |
緑ヶ丘霊園の現地レポートはこちら
《市営墓地紹介》早野聖地公園
早野聖地公園は昭和54年に開設された川崎市営第2の霊園。多摩丘陵の豊かな自然環境を生かした新形式墓所や自然生態保全観察型公園などが整備されています。
園内には7つの池があり、水辺の広場、あずまや、木橋、遊歩道などが整備され、モニュメントとして噴水があります。園内は車道も整備されていて、墓地の近くまで車で行くことができます。
また、通路も広くて平らになっていますので、高齢の方、車いすの方も楽にお参りが可能です。
一般墓所
一般墓所は、一般的な従来型の墓地です。墓碑、囲い、納骨設備などの墓所設備は、利用者の負担で設置する必要があります。
芝生型墓所
芝生型墓所は、等間隔に並ぶ板状の墓所で、個別にお参りすることが可能です。墓石の表面には川崎市民の木である「つばき」が浮き彫りされています。地下納骨施設には6個の骨壺を埋蔵することができます。
壁面型墓所
壁面型墓所は、壁型の墓石が連なっているスタイルの墓所です。個別にお参りすることが可能です。地下納骨施設には6個の骨壺を埋蔵することができます。
集合個別型墓所
集合個別型墓所は、箱型の墓所が横に連なっているスタイルの墓所です。個別にお参りすることが可能です。地上納骨施設には6個の骨壺を埋蔵することができます。
早野聖地公園の基本情報
墓地形態 | ▼墓所13,442区画 (令和3年4月1日現在) 一般墓所 ・1区画4平方メートル:4,858区画 ・壁面型墓所:4,532区画 ・芝生型墓所:2,000区画 ・集合個別型墓所:2,052区画 |
所在地 | 〒215-0016 神奈川県川崎市麻生区早野732 |
アクセス | 【電車・バスをご利用の方】 ▼東急田園都市線「あざみ野駅」または小田急線「新百合ヶ丘駅」から、バス「虹が丘小学校」下車で徒歩9分 【車をご利用の方】 ▼川崎I.C.から約22分 ▼横浜青葉I.C.から約14分 |
開門時間 | 3~9月7:00~19:00 10~2月7:00~17:30 |
指定管理者 | 川崎市営霊園パートナーズ(代表企業 西武造園株式会社/構成員 横浜緑地株式会社) 電話:044-987-7855 FAX:044-322-0807 |
窓口時間 | 8:30~17:30(12月29日~1月3日を除く) |
早野聖地公園の現地レポートはこちら
川崎市営霊園の利用について
川崎市営霊園を新たに利用するには、墓地募集に応募し、抽選会に参加することが必要です。
墓地の申込書は「募集のしおり(申込書)」として毎年作成され、配布場所は各区役所、支所、出張所、霊園事務所などです。
川崎市営霊園の募集区画と価格
令和6年度(2024年度)の川崎市営霊園の募集が開始されます。
募集区画は、緑ヶ丘霊園が一般墓所(1㎡、4㎡、6㎡)、合葬型墓所。早野聖地公園が一般墓所、壁面型墓所、芝生型墓所、集合個別型墓所です。
緑ヶ丘霊園
一般墓所等
種別 | 面積 | 使用料 | 管理料(年額) | 募集数 |
---|---|---|---|---|
一般墓所 | 1㎡ | 250,000円 | 710円 | 270箇所 |
一般墓所 | 4㎡ | 1,000,000円 | 2,840円 | 60箇所 |
一般墓所 | 6㎡ | 1,500,000円 | 4,260円 | 40箇所 |
合葬型墓所
募集区分 | 納骨数 | 使用料 | 管理料(永年) | 募集数 |
---|---|---|---|---|
遺骨申込み | 1体 | 70,000円 | 30,550円 | 80体(80枠) |
遺骨申込み | 2体 | 140,000円 | 61,100円 | 80体(40枠) |
遺骨+生前 | 遺骨1体+生前1体 | 140,000円 | 61,100円 | 140体(70枠) |
生前申込み | 1体 | 70,000円 | 30,550円 | 70体(70枠) |
生前申込み | 2体 | 140,000円 | 61,100円 | 130体(65枠) |
早野聖地公園
一般墓所等
種別 | 面積 | 使用料 | 管理料(年額) | 募集数 |
---|---|---|---|---|
一般墓所 | 4㎡ | 660,000円 | 2,840円 | 30箇所 |
壁面型墓所 | – | 1,403,000円 | 7,330円 | 9箇所 |
芝生型墓所 | – | 1,304,000円 | 7,330円 | 12箇所 |
集合個別型墓所 | – | 717,000円 | 4,170円 | 19箇所 |
川崎市営霊園の申し込みに必要な資格
市営霊園を利用する方の宗教・宗派は問われませんが、遺骨がある場合とない場合で、それぞれの要件を満たしていることが条件となります。
一般墓所等
各項目共通
- 墳墓の祭祀を主宰する立場にある方
- 川崎市営墓地の利用許可を受けていない方
- 印鑑登録が可能な年齢に達している方
資格1. 遺骨がある場合
次の要件をすべて満たす必要があります。
- 次のいずれかに該当している方
・遺骨が自宅にある方
・川崎市緑ヶ丘霊堂の利用者の家族の方
・川崎市緑ヶ丘霊堂に預けている遺骨の配偶者あるいは子(血族に限る) - 川崎市に1年以上在住している方
資格2.遺骨がない場合
次の要件をすべて満たしている必要があります。
- 資格1の1に該当しない方
- 川崎市に5年以上在住している方
合葬型墓所
各項目共通
- 川崎市に1年以上在住している方(緑ヶ丘霊堂に遺骨を預けている方は除く)
- 川崎市営墓地の利用許可を受けていない方
- 印鑑登録が可能な年齢に達している方
遺骨申込み及び遺骨+生前申込み
- 次のいずれかに該当する方
- 遺骨が自宅にある方(死体(胎)埋火葬許可証が自宅にある方)
- 緑ヶ丘霊堂に遺骨を預けている方
- 遺骨を川崎市営墓地以外の墓地及び納骨堂に埋蔵、収蔵されている方
- 申込遺骨の祭祀の主宰者である方
生前申込み
生前申込み2体目の方は、原則として申込者の配偶者又は第2親等内の血族である方
申込期間と受付
申込期間
令和6年11月1日(金)~ 令和6年11月30日(土)
※郵送のみの受付となります(11月30日(土)消印有効)。
募集のしおり(申込書)の配布
- 配布期間:令和6年10月25日(金)~ 令和6年11月30日(土)
- 配布場所:各区役所、支所、出張所、行政サービスコーナー、情報プラザ、公文書館、各区役所道路公園センター、夢見ヶ崎動物公園、霊園事務所、早野聖地公園事務所、かわさき北部斎苑、かわさき南部斎苑
抽選会の開催(公開)
応募者数が募集数を上回った場合は、抽選会が実施されます。
- 日時:令和7年1月9日(木) 午前10時~
- 場所:エポック中原 ホール
抽選結果のお知らせ
抽選結果は、抽選会当日に会場、翌日に霊園事務所で掲示され、市ホームページにも掲載されます。また、令和7年1月16日(木)以降、申込者全員に郵送で通知されます。
川崎市営霊園の抽選に当たったら?/お墓を建てるまでに必要なこと
川崎市営霊園の抽選に当たったらお墓さがしが完了ではありません。使用者募集の当選は、あくまで墓地使用の権利を得ただけです。
一般埋蔵施設であれば整地工事・囲障の設置・墓碑の設置、芝生埋蔵施設であれば墓碑の設置などが必要となってきます。設置には詳細なルールが決められておりますので注意が必要です。
では、使用許可証が交付が交付されたらどのようにお墓を建てたらよいでしょうか?
石材店に建立を依頼する
お墓を建てるためには石材店を探して、建立をお願いする必要があります。公営霊園には指定された石材店がないため、自分で自由に石材店を選ぶことができます。
しかし、お墓を初めて建てる人は「どこにお願いしたらいいのだろう」とお悩みになることでしょう。石材店によって、価格も対応も異なります。また、石材店はお墓を購入するときだけでなく、建立した後も修繕や法要などでお付き合いが長く続くことになります。そのため、できうる限り信頼のできる石材店を探す必要があります。
石材店を選ぶときは、次のポイント押さえておきましょう。
- こちらの要望や状況をきちんと聞いたうえで、意向をくみ取った提案をしてくれる
- 石材や墓石について専門的な知識を持っている
- 明確な見積書を提示してくれる、契約書をきちんと交わしている
- 石材店が手掛けたお墓の見学ができる(建立3年以上のお墓をみせてくれるとなお安心です)
- しっかりとしたアフターサービスがある
- お墓の近くに店舗や展示場がある
- 過度な値引きをしない、安易な値引き交渉に応じない(応じる場合は手抜き工事や元々の価格設定を高くしている可能性があります)
石材店の選び方についてもっと詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。
また、いいお墓では石材店の紹介も行っています。石材店をお探しの方はこちらから検索できます。
川崎市営霊園の抽選に外れてしまったら?/お墓の見つけ方
抽選に外れてしまった場合は、川崎市営霊園にお墓を持つことができません。お墓さがしを急いでいない場合は、翌年の募集を待つことができるでしょう。ただし、お墓を早く建てる必要がある場合はどのようにしたらいいのでしょうか?ここでは、お墓の見つけ方・探し方について解説します。
周辺の民営霊園・寺院墓地を見てみる
公営霊園以外に目を向けてみると、多くの民営霊園・寺院墓地があることがわかります。川崎市営霊園をお探しの方は、費用が抑えられることや自治体が管理していて安心感があるなどの理由から選んでいるのではないでしょうか。
川崎市営霊園の永代使用料は、緑ヶ丘霊園の一般墓所が1㎡:250,000円、4㎡:1,000,000円、6㎡:1,500,000円。早野聖地公園の一般墓所が4㎡:660,000円となっています。一方、川崎市では、墓石代込みで300,000円から一般墓のご案内が可能です。
また、民営霊園や寺院墓地では、永代供養ができる納骨堂も比較・検討することが可能です。
川崎市の民営霊園や寺院墓地は、下記からお探しいただけます。
川崎市営霊園をご希望の方におすすめの川崎市の霊園
川崎市営霊園の当選に漏れてしまった方、申込要件に該当しなかった方におすすめしたい、川崎市で人気の霊園をご紹介します。「いいお墓」でお申し込みの多い人気霊園です。ぜひ、ご検討ください。
川崎市で人気の一般墓(墓石のお墓)はこちら
川崎市で人気の永代供養墓はこちら
川崎市で人気の樹木葬はこちら
川崎市で人気の納骨堂はこちら
手元供養
あまり知られていませんが、遺骨をお墓やお寺に納骨しない場合は、どこに保管をしても問題はありません。そもそもお墓を建てることに必要性を感じない、自宅に遺骨を保管しておきたいとお考えであれば、手元供養を検討してみてはいかがでしょうか。
川崎市営霊園についてのよくある質問
川崎市営霊園とはどんな墓地?
川崎市営霊園は2ヵ所あり、高津区にある緑ヶ丘霊園と麻生区にある早野聖地公園です。
緑ヶ丘霊園は、JR南武線津田山駅から徒歩5分という交通の便に恵まれた霊園。市内で随一の桜の名所としても知られています。園内には、一般墓所のほか、遺骨を20年間預けられる立体的納骨施設の「緑ヶ丘霊堂」や、平成31年に完成した承継者不要の「合葬型墓所」もあります。
早野聖地公園は、自然環境を生かした新形式墓所や自然生態保全観察型公園などが整備された霊園。一般墓所のほか、芝生型墓所や壁面型墓所、集合個別型墓所など多彩な墓所があります。
川崎市営霊園についての 詳細はこちら>
川崎市営霊園の令和6年度(2024年度)の募集区画と価格は?
令和6年(2024年)11月1日~11月30日の期間で「緑ヶ丘霊園」「早野聖地公園」の使用者募集が行われます。
募集区画は、緑ヶ丘霊園が一般墓所(1㎡、4㎡、6㎡)、合葬型墓所。早野聖地公園が一般墓所、壁面型墓所、芝生型墓所、集合個別型墓所です。
川崎市営霊園の募集区画と価格についての 詳細はこちら>
公営霊園は「永代使用料」のみを表記しています。これはあくまで土地の使用料のみで、他にも墓石を建てる「墓石費用」と定期コストとして「墓地管理費」を支払う必要があります。
一方、民営霊園や寺院墓地では表記の仕方はさまざまです。「永代使用料」のみを表記している霊園もあれば、「永代使用料」+「墓石費用」を表記しているところもあります。お墓の種類によっては、「永代使用料」+「墓地管理費」+「墓石費用」のすべてを総額として表記している場合もあります。価格の内訳はきちんと確認しておきましょう。