「いいお墓」では、当サイトを利用し、実際にお墓を購入された方々に対して定期的にアンケート調査を行っています。そこで霊園・墓地・墓石のみならず、石材店に対する率直な意見や不満なども含め、たくさんの声をいただき、それらの一部を集計したものを「お墓の消費者全国実態調査」として公開しています。
お墓の消費者全国実態調査とは
「いいお墓」をご利用いただき、お墓を実際に建てられた方を対象に、第9回「お墓の消費者全国実態調査」を行いました。前回調査(2017年)と同様、都道府県別のお墓の購入平均価格やお墓のタイプなどの情報をまとめています。
2018年1月1日から同年12月31日までに「いいお墓」から資料請求・相談され、お墓を購入された方に対するアンケート調査/有効回答数:624件
※回答率(%)は小数点第2位を四捨五入し、小数点第1位までを表示しています。そのため、合計数値は必ずしも100%とはならない場合があります。
第10回調査サマリー
一般墓の平均購入価格は154.2万円
一般墓を選ぶ人が約4割と人気が根強い一方、ニーズの多様化に伴ってお墓の選択肢や常識が大きく変化
都市部への人口集中、少子化・核家族化などの社会的背景を受けて、お墓の種類や持ち方は多様化しています。数十年前は、お墓と言えばいわゆる一般墓がほとんどで、地縁のあるエリアで、直系の家族と入るのが一般的でした。しかし近年では、ライフスタイルや嗜好を取り入れた「その人らしいお墓」を選択される方が急増し、お墓の種類や場所、持ち方だけでなく、墓石のかたちや埋葬方法、一緒にお墓に入る人など、お墓の常識そのものが大きく変化していると言えます。
本調査と昨年実施した同調査を比較しても、お墓選びで重視したこだわりや、購入したお墓の種類に大きな変化が見られました。
お墓を選ぶ際に重視したこだわり 第1位は「お墓の種類」35.6%となり、同率2位の「アクセス」、「金額」の約2倍となった。承継者の有無、墓標(シンボル)の違い、永代供養の方法などは、お墓の種類によって大きく異なることから、重視する人が多い。
また、昨年と比較しても「お墓の種類」を最優先する人は倍増している。お墓の選択肢が増えたことで、ライフスタイルや嗜好に合わせてお墓を選ぶ人も増加していると考えられる。同時に、お墓の承継者不在や、「家族に迷惑をかけたくない」という思いから、永代供養墓や管理不要のお墓など「お墓の種類」を優先せざるを得ないという現実が浮き彫りになったとも言える。
また注目すべきは、昨年の第4位、第5位にランクインしていた「宗教的な条件」や、「地縁のあるエリア」は今回の調査で下落し、「園内の雰囲気」や「霊園の最寄り駅からのアクセス」が浮上した。旧来の慣習とも言える宗教的な条件や地縁のあるエリアを重視するだけでなく、お墓に入る人の心地やお墓参りに行く家族への配慮が感じられた。
購入したお墓の種類については、「一般墓」が41.2%と昨年同様一番人気となった。お墓探しを始める前に購入を検討していたお墓の種類は「樹木葬」が37.3%で1位だったが、実際に購入されたお墓の種類は「一般墓」が1位となった。近年、お墓は多様化しており、一般墓・樹木葬・納骨堂と選択肢が増加している。一般墓は「家」単位で利用されることが多く、先祖代々引き継がれていくお墓であるため、核家族化や単身者の増加、都市部への人口集中などを受けて減少傾向にあり、承継者不要の永代供養墓を選択するケースが増えてきている。しかしながら、実際に現地に足を運んで霊園の様子や墓標(シンボル)を見ることで、一般墓に気持ちが移るケースも少なくないことから、複数の霊園や、種類の異なるお墓に足を運び、比較検討をしてみることが、納得のいくお墓選びにつながることが想定される。
お墓探しを始める前に検討していたお墓の種類と、実際に購入したお墓の種類の差異をお墓の種類別にみてみると、お墓探しを始める前に一般墓を検討していた人の89.7%が一般墓を購入したという結果になり、他のお墓の種類と比較して最も高い水準だった。一般墓は想起しやすい種類のため、イメージ違いが生じにくいと考えられる。対して樹木葬は約7割弱となり、樹木葬を検討していた人の約2割は一般墓に心変わりしていることがわかった。納骨堂を検討していて、実際に納骨堂を購入した人は約8割となった。
お墓探しを始める前に検討していたお墓と、実際に購入したお墓の種類が異なる理由は、1位「より良い条件のお墓の種類が見つかったから」、となった。周囲との衝突や自身の状況にそぐわないことでお墓の種類を変更したケースも一定数みられるが、7割以上が前向きな理由だった。
その他では、「見学したら考えが変わった」「いつでも会いに行ける場所がある安心感を優先したから」といった回答があった。同じ種類のお墓を比較検討することに加え、別の種類のお墓を検討することでより満足度が高い結果となりそうだ。
お墓の種類ごとに購入したタイプを聞いたところ、一般墓では「洋型」のお墓が64.7%、「和型」のお墓は27.8%となった。和型のお墓は伝統的な縦長のお墓を指し、洋型は背丈が低くすっきりとしたデザインになっている。宗教や霊園によっても選択できる墓石のタイプに制限があることがある。最近では、ハート型のお墓やピアノのかたちの墓石など、ユニークな形をしたデザイン墓も注目を集めつつある。お墓といえば、おなじみの縦長の和型を想起することが多いが、お墓の多様化により一般墓だけでみても「和型」「洋型」「デザイン墓」と選択肢が豊富だ。墓石の色も豊富で選択肢が幅広く、墓標(シンボル)の材質も石材だけでなく、ガラスなど使用する人もいる。
お墓に刻む文字にも変化がみられる。家名(○○家の墓、先祖代々の墓など)を刻む人が71.0%と最多ではあるが、「愛」や「心」、「Thank you」など、故人へのメッセージを刻む人も増加している。
樹木葬は庭園タイプが57.8%で1位だった。庭園タイプは都心部に多く、シンボルツリーや花木を植え、ガーデニングが施されている。都心部にあるため霊園自体はコンパクトな印象を受けることもあるが、四季折々の花と景色を楽しめることが魅力だ。
納骨堂は「自動搬送式」が58.2%と一番人気だった。自動搬送システムを導入した納骨堂で、遺骨が参拝スペースまで自動的に運ばれ、駅近くに位置するケースが多い。天候に左右されず、個別の参拝スペースが確保されていることもあるため、お墓参りの利便性が高い。
自宅からお墓までの主な交通手段は、1位「車」65.2%、2位「電車」24.2%、3位「バス」4.6%となった。エリア別に見てみると、関東地方以外のエリアでは約8割が「車」という結果だったが、関東地方では「車」は57.2%とその他エリアと比較すると低く、「電車」が29.7%と平均値よりも高くなった。お墓選びで最も重視したこだわりにおいても「霊園の最寄り駅からのアクセス」が5位にランクインしていることからもわかるように、都心部においては最寄り駅からのアクセスもお墓を選ぶうえで優先順位の高いポイントといえる。
自宅から購入したお墓までの所要時間は、1位「10分~20分未満」が22.8%で最多となり、平均所要時間は39.7分という結果になった。お墓選びで最も重視したこだわりにおいても「アクセス」は2位となっており、9割以上が自宅から1時間以内の場所にお墓を購入していることからも、気軽にお墓参りに行ける場所にお墓を購入することが見てとれる。
一般墓・樹木葬・納骨堂の平均購入価格を種類別にみていくと一般墓は154.2万円、樹木葬は72.9万円、納骨堂は94.0万円となった。
一般墓の平均購入価格は昨年を約19.9万円下回った。その要因として、都心部では区画あたりの面積がコンパクト化しているため土地使用料が下落していることや、一般墓よりも安価な樹木葬や納骨堂などの永代供養墓との価格競争が生まれるケースなどが考えられる。
樹木葬・納骨堂の永代供養墓は昨年と比較してほぼ横ばいの結果となった。需要増加を受けて、樹木葬や納骨堂は続々と新規オープンしており、最寄り駅からのアクセスや園内の雰囲気など条件面で拮抗していることから、価格に変動がないと推測できる。
改葬について調査を行ったところ、お墓購入者全体のうち13.8%が改葬のためにお墓を購入したことがわかった。改葬前と改葬後のお墓の種類を聞いたところ、「一般墓を永代供養墓に改葬」した人が最多で59.3%に上った。
また、2位の「改葬前も改葬後も一般墓」と回答した人は32.6%となり、改葬経験者の9割超が、改装前に一般墓を保有していたことになる。
先祖代々のお墓の承継者不在や、お墓参りのアクセスの悪さから現在の居住地付近へと改葬するケースが増えていることが予測される。
<調査結果まとめ ― 鎌倉新書 広報担当より>
少子化や核家族化、単身世帯の増加、地方の過疎化と都市部への人口集中、地縁・血縁の希薄化など様々な社会的背景によって「家族のかたち」は大きく変化し、家族を同じお墓に埋葬し、一つの墓を子孫が守っていく従来のスタイルから、お墓の在り方も進化しています。
石を墓標(シンボル)とした従来型のお墓は、その形を変えることなく時代を超えて存在してきました。しかし、時代の変化とともに先祖代々のお墓の承継が困難になるケースが増加し、「家」に紐づくお墓だけではカバーすることができないため、ここ数年でお墓の多様化が急速に進み、お墓の種類や持ち方、埋葬方法などを自由に選択できるようになりました。従来型の一般墓だけでなく、承継者不要の樹木葬・納骨堂もお墓の選択肢として定着してきていることがわかりました。
また、業界のトレンドともいえる「改葬・墓じまい」を選択する人も年々増加しており、今回の調査では、13.8%が改葬のためにお墓を購入していることがわかりました。中でも、一般墓を所持していた人が改葬後は永代供養墓を購入したケースは全体の約6割に上り、お墓の承継者不在が深刻な問題であることが浮き彫りになりました。厚生労働省の「衛生行政報告例」によると、その数は10万件を突破しました。永代供養墓は一般墓と比較し安価なケースが多いですが、このような承継者問題により選ばれているパターンも目立ちます。
多死社会を迎える日本でさまざまな状況に置かれる人がいる中で、「自分らしさ」を考えていくことが増えるでしょう。また「子どもに迷惑をかけたくない」という思いから「終活」の一環として、自身でお墓の生前購入(寿陵)をする人も増加傾向にあり、今後ますますお墓に対するニーズの多様化が進むことが予測できます。
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