浄土真宗の墓じまい・永代供養はどうする?費用や流れ、注意点を解説

浄土真宗の墓じまい・永代供養はどうする?費用や流れ、注意点を解説
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  • 浄土真宗の墓じまいでは閉眼供養の代わりに「遷仏法要」を行う
  • 浄土真宗の墓じまいにかかる費用は、35万円~150万円が相場
  • 浄土真宗は永代供養の概念がないが、寺院や霊園によっては選択が可能

浄土真宗では、故人は死後すぐに成仏すると考えられているため、永代供養の概念がありません。ですが、永代供養墓のある寺院や宗教不問の霊園に納骨すれば、浄土真宗でも墓じまい・永代供養をすることは可能です。

この記事では、浄土真宗のお墓の特徴から墓じまいの費用相場、具体的な手順まで解説します。

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浄土真宗のお墓とは?なぜ永代供養の概念がない?

浄土真宗では、お墓は故人や先祖を慰め成仏を願うのではなく、「極楽浄土へ旅立った故人を想いながら阿弥陀様への信仰心を新たにし、仏縁を結ぶ場所」とされています。故人は死後すぐに成仏して極楽浄土へ旅立ち、そこで生まれ変わるという教えであるため、お墓は故人の魂や霊が宿る場所ではないと考えられています。

墓じまいの前に確認!浄土真宗のお墓の特徴

浄土真宗のお墓には、他の宗派とは違う次のような特徴があります。

墓石の正面に家名を刻まない

他の宗派では、一般的に墓石の正面に「〇〇家先祖代々之墓」「○○家之墓」などと刻みます。しかし、浄土真宗では故人の霊はすでに極楽浄土に行ってしまいお墓にはいないので、「阿弥陀様どうかお救いください」という意味の念仏「南無阿弥陀仏」、または先に逝かれた故人や先祖に「同じ極楽浄土で再び会いましょう」と告げる意味の「倶会一処(くえいっしょ)」を刻むとされています。もし家名を刻む場合は、二段目の台石や花立てに刻みます。
また、浄土真宗は阿弥陀様ご自身を信仰するため、浄土真宗のお墓には阿弥陀様の分身となる梵字・仏種子を刻んではいけないとされています。

墓誌ではなく法名碑と呼ぶ

お墓の横に故人や先祖の名や戒名を刻む石碑のことを、他の宗派では墓誌や霊標と呼びます。そして浄土真宗では戒名のことを法名というので、それを「法名碑」と呼びます。また、お墓に故人の霊は宿っていないため、「霊位」などの「霊」の文字は使用しません。また、法名碑は必ずしも必要ではありません。

卒塔婆を使用しない

浄土真宗では、故人はすぐに成仏しているとされるので、追善供養という考え方はありません。他の宗派のようにお墓の脇に卒塔婆を立てて卒塔婆供養をしないので、卒塔婆を立てるための卒塔婆立も必要ありません。

五輪塔や宝塔を建てない

五輪塔とは、お墓のそばに建てる先祖の霊をまとめて祀る塔のことです。浄土真宗では先祖の霊を塔で祀る必要はないため、五輪塔を建ててはいけないとされています。また、阿弥陀様のみを信心すべきということで、地蔵像や観音像、宝塔なども建てるべきではないとされています。

墓相や吉凶占いにこだわらない

浄土真宗では、阿弥陀様がすべてをお決めになるという教えなので、お墓の方位や形、色などが吉凶を左右するという墓相などは気にしないとされています。

開眼法要がなく建碑式を行う

浄土真宗では、お墓を新しく建てた際に行う法要のことを「建碑(けんぴ)法要」または「建碑式」と呼びます。浄土真宗では霊魂の概念がないので、他の宗派のようにお墓に魂を入れるという意味の「開眼法要」や「お性根(おしょうね)入れ」、「お魂(たましい)入れ」などは使いません。

大谷本廟・大谷祖廟へ分骨する

浄土真宗では、お墓への納骨についても独特の慣習があります。
喉仏の骨を分骨して、本山に納骨するのです。浄土真宗本願寺派は大谷本廟、真宗大谷派は大谷祖廟という、浄土真宗の開祖・親鸞が眠る廟所へ納骨します。他の宗派では「分骨すると成仏できない」といわれていますが、浄土真宗の往生即身仏の教えからすれば気にすることはない、ということです。

浄土真宗の墓じまいでは閉眼供養が不要

通常は墓石の解体をする前に「閉眼供養」を行うのが一般的ですが、浄土真宗の場合は魂を入れる・抜くという概念が無いことから閉眼供養を行いません

浄土真宗の墓じまいでは、閉眼供養の代わりにや「遷仏法要」や「遷座法要」と呼ばれる儀式を行います。その違いは読経供養で読むお経の違いだけなので、施主の手順は閉眼供養とほとんど同じです。
お布施についても閉眼供養と同じで、読経のお礼としてお布施をお渡しするのが通例となっています。

浄土真宗の墓じまいにおける費用相場

墓じまいするにあたって、やはり気になるのが費用ではないでしょうか。
浄土真宗の墓じまいは他の宗旨や宗派と比べてどうなのか。

結論を言いますと、浄土真宗と他の宗旨・宗派による墓じまい費用の違いはほとんどないと言えるでしょう。
それよりも墓地の面積や周辺環境、お墓撤去後の供養方法により金額は大きく変動します。

墓じまい費用の内訳表

墓じまい費用の総額は、およそ35万円~150万円です。

墓じまいは墓石を撤去して終わりではなく、取り出した遺骨を新しい納骨先に納める必要があり、墓石の撤去費用だけでなく新しい納骨先を用意する費用もかかります。

浄土真宗の墓じまいにおける費用の内訳

墓じまいにかかる費用の内訳を確認しましょう。実際にかかる費用の内訳は、大きく分けて以下の3つです。それぞれについて解説します。

1:お墓の撤去に関する費用(30~50万円)

お墓の撤去にかかる費用は30~50万円が相場です。以下の表は主な内訳です。
なお浄土真宗では閉眼供養の代わりに遷仏法要を行いますが、その違いは読経供養で読むお経の違いだけなので、お布施も閉眼供養とほとんど同じです。

                    
お墓の撤去にかかる費用費用の目安
墓石の撤去費用10〜30万円
遺骨のメンテナンス費用1〜2.5万円
遷仏法要のお布施3〜10万円
離檀料10〜20万円
遺骨の運送費用※距離によって異なる

2:行政手続きに関する費用(数百円~1000円)

墓じまいをするときは、役所や墓地の管理者から数種類の書類を交付してもらう必要があります。

自治体や管理者によっては金額は異なりますが、発行時に数百円から1,000円程度の手数料が発生しますので、あらかじめ問い合わせて確認しておきましょう。

3:新しい納骨先に関する費用(30~100万円)

既存のお墓から取り出した遺骨を納めるため、新しい納骨先を用意する必要があります。
納骨先によって大きく費用が異なります。ここでは、それぞれの納骨先の費用の目安を紹介します。
なお、浄土真宗には永代供養の概念がありませんが、永代供養墓などを持つ浄土真宗のお寺や宗教不問の霊園で納骨するなどで永代供養にすることも可能です。

       
納骨先費用の目安
永代供養墓30万円~100万円
納骨堂80万円~100万円
樹木葬60万円~80万円
散骨5万円~30万円
手元供養数万円~数十万円

浄土真宗の墓じまいはどう行う?具体的な方法と流れ

浄土真宗の墓じまいには閉眼供養がありませんが、それに代わる「遷仏法要」を行います。
浄土真宗の墓じまいの流れ、必要な手続きについて確認していきましょう。

  1. 親族で話し合いをする
  2. 墓地管理者へ墓じまいの旨を伝える
  3. 新しい納骨先を決める
  4. 墓石撤去を依頼する石材店を決める
  5. 改葬許可申請の手続きを行う
  6. 遷仏法要を行う
  7. 遺骨の取り出し、墓石の撤去
  8. 改葬先に遺骨を納める

1. 親族で話し合いをする

墓じまいをするときには、最初に親族へ相談は済ませておくと安心です。お墓を継いでいるのが自分だとしても、お墓は家族を象徴する意味もあります。煩わしいと思わずに、1人ひとりの墓じまいに対する意見に耳を傾けるようにしましょう。

2. 墓地管理者へ墓じまいの旨を伝える

親族の間で墓じまいをすることの合意が取れたら、お寺あるいは霊園に墓じまいの旨を伝えましょう。スムーズに事を進めるためにも、あらかじめ電話などで相談しておくことをおすすめします。後述しますが、埋葬(納骨)証明書は、現在のお墓の管理者に交付をしてもらいます。

3. 新しい納骨先を決める

墓じまいをするときには、遺骨をどのように供養するかを考えなければいけません。主な方法としては、「永代供養墓」「納骨堂」「樹木葬」などの方法があります。後述しますが、受入申請書(永代供養許可証)は、新たな納骨先のお寺・霊園の管理者に交付をしてもらいます。

4. 墓石撤去を依頼する石材店を決める

次に、墓石の撤去作業をお願いする業者を選びます。お寺側・霊園側が石材店を指定していないのであれば、複数の石材店で見積もりを取るとよいでしょう。

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5. 改葬許可申請の手続きを行う

遺骨をほかの場所に移すときには、改葬許可証が必要になります。必要な書類をそろえて、市町村に改葬許可申請を行いましょう。

墓じまいをした後に遺骨をほかの場所で供養するときには、改葬許可申請の手続きをしなければいけません。このときに必要となる書類は「埋葬(納骨)証明書」「受入証明書(永代供養許可証)」「改葬許可申請書」の3点です。

埋葬(納骨)証明書
埋葬(納骨)証明書は、現在のお墓の管理者に交付をしてもらいましょう。なお、公営霊園の場合は各市町村が窓口となっている場合もあります。
受入証明書(永代供養許可証)
受入申請書(永代供養許可証)は、新たな納骨先のお寺・霊園の管理者に交付をしてもらいます。散骨や手元供養を行う場合は、どのような手続きを踏めばよいのかを事前に市町村に問い合わせておきましょう。
改葬許可申請書
「改葬許可申請書」の内容は各自治体で異なる場合が多いです。「改葬許可申請書」を取り寄せて様式を確認するほか、最近では、自治体のホームページからデータを取得できるケースもありますので該当する市区町村のサイトを確認してみましょう。

埋葬(納骨)証明書と受入証明書(永代供養許可証)が用意できたら、改葬許可申請書を記入して3点セットで提出しましょう。
改葬許可証は、遺骨を取り出すために必要になります。なお、改葬許可証が発行されるまでには時間がかかることがあるので、余裕をもって手続きを行うようにしてください。
改葬許可証は遺骨の数だけ必要です。お墓には複数の遺骨を埋葬していることもあるので、1つの遺骨につき1つの改葬許可証を用意しましょう。

6. 遷仏法要を行う

前述した通り、浄土真宗の墓じまいでは、閉眼供養の代わりにや「遷仏法要」や「遷座法要」を行います。僧侶を手配して読経してもらい、法要後はお礼としてお布施をお渡ししましょう。

7. 墓石を撤去する

遺骨を取り出してから墓石の撤去を行い、お墓があった場所を更地にして、その土地をお寺あるいは霊園に返却します。
ご遺骨の取り出しは自分で行うことも可能ですが、墓石の解体工事を担当する石材店に依頼するのが通例です。土葬の遺骨は、土を落としてから火葬を行なわなくてはいけないので注意が必要です。

8. 改葬先に遺骨を納める

新しい納骨先に遺骨を納めます。納骨時には、墓地管理者に「改葬許可証」を提出します。

墓じまい(改葬)を行う業者をご紹介

墓じまい(改葬)は完了するまでの手続きも多く、必要な費用も不透明なところが多いのが実態です。まずは、複数の業者から見積りをとることで費用の全体感を把握しましょう。

全国1,000件以上の石材店と提携している「いいお墓」では、お客様のご要望に合わせて、最適な墓じまい業者を紹介いたします。

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浄土真宗の墓じまいをお考えなら「いいお墓」へ

浄土真宗の墓じまいでは閉眼供養の代わりに「遷仏法要」を行います。
また永代供養という考え方もありませんが、永代供養墓などを持つ浄土真宗のお寺や宗教不問の霊園で納骨するなどで永代供養のお墓を利用できます。

浄土真宗の墓じまいも一般的な墓じまいと同様に、親族やお寺との話し合いから実際の納骨まで必要なステップがいくつもあります。1つ1つのステップを丁寧に行うことで、後悔のない墓じまいをすることが可能です。

スムーズな墓じまいのために、今回ご紹介した手続きの流れやポイントなどを参考にしていただければと思います。