この記事はこんな方におすすめ:沖縄は「ユンヂチ」にお墓を建てる。その理由を知りたい方
- 「ユンヂチ」とは沖縄の閏月。2023年のユンヂチの期間を紹介
- ユンヂチにお墓を建てる理由は、あの世から見えない月だから
- ユンヂチはお墓のリフォームや墓じまいにも適している
沖縄でお墓を建てたり、仏壇を買ったりするのに良いとされているのが「ユンヂチ」
沖縄には本土とは違った伝統的な習慣や習わしが数多くありますが、「ユンヂチ」もそのひとつです。
この記事では、沖縄でお墓事・仏壇事を行う場合に欠かせない、ユンヂチの意味、ユンヂチにお墓を建てた方がよい理由、2023年のユンヂチの期間などについてご紹介します。
ユンヂチとは?
ユンヂチは沖縄の島言葉で、閏月と書いて「ユンヂチ」と読みます。「ユンヂチ」とは、旧暦における閏月のことを言います。
旧暦は新暦に比べて、1年の日数が約11日間短いため、新旧の暦の季節を合わせるために19年の間で7回、旧暦を13ヵ月にして調整します。この増えた1ヵ月が「ユンヂチ」です。
新暦では4年に一回だけ2月29日を設けて暦を調整していますが、旧暦では「ユンヂチ」があるのです。
本来、ユンヂチとは、閏月の1ヵ月のことを指しますが、近年では、月単位ではなく、13ヵ月になる1年を「ユンヂチ」と言うようになってきました。
2023年のユンヂチの期間
2023年は旧暦で1年が13ヵ月ある年、つまり「ユンヂチの年」です。
2023年のユンヂチの期間は以下の通りです。
2023年1月22日(旧暦1月1日)~2024年2月9日(旧暦12月30日)
閏月は、2023年3月22日~4月19日まで(2巡目の旧暦2月)
ユンヂチにお墓を建てる理由
沖縄では、ユンヂチはお墓を建てたり、仏壇を購入したりするのにいい時期だと言われています。
それでは、なぜ、ユンヂチがお墓事や仏壇事をするのにいい時期なのか、ご説明します。
古くからの伝統が残り、行事にしきたりや決まりごとが多い
沖縄では、古くから伝わる伝統が根強く残っています。
年中行事は旧暦に当てはめて執り行われ、行事ごとにしきたりや細かい決まりごとがあります。そのため、ひとつの行事を行うために、準備から行事の執り行い、行事の終わりまで、様々な手間や時間がかかります。
沖縄の人々は先祖をとても大切にしているため、先祖から受け継いだ伝統やしきたりをきちんと守っています。
つまり、沖縄では、お墓を建てたり、仏壇を購入したりする場合、様々な手間や準備が必要なのです。
ユンヂチはあの世から見えない月
古くからの伝承によると「ユンヂチ」の期間は、「日無し(ひなーし)」と言われ、ないものとされ、神様がいるあの世からは見えない期間とされています。
つまり、ユンヂチの期間は、神様の目が届かないため、しきたりや風習にとらわれることなく自由に行動できる時期なのです。
そのため、沖縄の人々は、年中行事ではない、お墓を建てたり仏壇を購入したりする時期は、しきたりにとらわれることがなく、自由な日程で進められる「ユンヂチ」の期間を選ぶことが多いのです。
- 沖縄では、お墓を建てたり、仏壇を購入したりする場合、様々な手間や準備が必要
- ユンヂチの期間は、神様の目が届かないため、しきたりや風習にとらわれることなく自由に行動できる時期
ユンヂチの期間にお墓を建てる
ユンヂチの期間に、沖縄で新たにお墓を建てるなら、まずは、個人墓地か霊園かを選ぶ必要があります。
個人墓地でお墓を建てる
沖縄のお墓と言えば家のように大きな門中墓。門中墓の多くは個人墓地です。「伝統的な琉球墓を建てたい」「家のような大きなお墓を建てたい」という方なら個人墓地が最適です。
ただし、最近では、個人墓地の無縁仏化が問題になっているため、エリアによっては自治体が新しく個人墓地でお墓を建てることを許可しないケースもあります。
霊園でお墓を建てる
沖縄ではひと昔前まで、お墓は公営墓地以外は、ほとんどが個人墓地でした。
しかし、最近では本土と同じように多くの民営霊園が開設され、寺院や霊園でお墓を建てる人も増え、伝統的な門中墓から霊園のお墓に改葬する人も増えてきています。
琉球墓か和型か
沖縄で霊園にお墓を建てる場合、お墓のスタイルを伝統的な琉球墓にするか、本土と同じ和型にするか、選ぶ必要があります。
ただし、伝統的な琉球墓の場合、和型と違って大きなスペースが必要となるため、墓石の大きさや墓地スペースを考慮するとコストが掛かります。
なお、最近では、狭い墓地スペースにも入るような、コンパクトなデザインの琉球墓や、和型と琉球墓を折衷したようなデザインのお墓も増え、選択肢が広がってきています。
誰とお墓に入るか
現存の門中墓に入らず、新しく沖縄でお墓を建てる場合、誰とどのように入るかを考える必要があります。
全国的にはひとりで入る個人墓が増えていますが、沖縄でも個人墓のほか、夫婦墓や兄弟墓、自分達から始まる家族墓も増えてきており、選択肢が広がってきています。
なお、近年の霊園施設では永代に渡り管理や供養をしてくれる「永代供養」を付加してくれるところが多く、無縁仏になってしまう心配はありません。
沖縄には、伝統的な琉球墓や和型の石の墓石が並ぶ霊園、永代に渡って管理してもらえる永代供養墓、樹木を墓標とした樹木葬、納骨室に遺骨を納める納骨堂など、様々なスタイルの霊園・墓地があります。
まずは、お墓を建てる霊園や墓地を探し、実際に見学に行ってみることをおすすめします。
ユンヂチはお墓のリフォームや墓じまいにも最適
ユンヂチは、お墓の建立だけでなく、お墓のリフォームや墓じまいにも最適な時期だと言われています。
お墓は年月が経過すれば劣化や汚れが目立ってきます。しきたりや風習を気にせず日程調整をしやすいユンヂチの期間をよいタイミングとして、お墓のリフォームを検討するのもひとつの方法です。
また、墓じまいや改葬は、なかなか踏み出せない沖縄のお墓事のひとつ。
沖縄では風葬の習慣があり、人々の魂はその体を落ちて地面へと移り、そこから離れないと信じられていました。
現在では火葬が義務付けられているのですが、風葬の歴史により、「墓じまいや改装は不吉だから良くない」「お墓を移動させるとご先祖様が迷子になる」という考え方も残っています。
けれども、現在では、仏教的な観点(閉眼供養や開眼供養のお経によってご先祖様に意向は伝わる)から心配はないと考え、墓じまいや改葬を行う人も増えてきています。
ユンヂチで行う仏壇や位牌の新調
沖縄のお墓事だけでなく、仏壇や位牌の新調にもユンヂチは適しています。
仏壇や位牌もお墓と同じように購入したり買い直したりする際には、開眼供養と閉眼供養が必要になります。
お墓の建立と同様、細かな決まり事やしきたりにとらわれることがなく、自由な日程で進められる「ユンヂチ」の期間に仏壇や位牌を購入するのが、沖縄では一般的です。
位牌の継承「トートーメー」の筋正し(シジタダシ)
沖縄の位牌の継承は、「トートーメー」と呼ばれます。
沖縄のしきたりでは、トートーメーは基本的に父系の血族でなければならず、その上でとても複雑なしきたりが数多くあります。
家の中で何か問題が起こった時、沖縄では「継承の流れを間違えた」と判断し、その継承の血筋を正す「筋正し(シジタダシ)」が行われてきました。
この「筋正し」の時期も、ユンヂチが最適な時期だとされています。
まとめ
沖縄でお墓事・仏壇事を行う最適な期間である「ユンヂチ」
2023年はユンヂチの年です。お墓の建立や改葬、仏壇の購入などをお考えの方は、この時期に行うことを検討してみてはいかがでしょうか。
・2023年1月22日(旧暦1月1日)~2024年2月9日(旧暦12月30日)
・閏月は、2023年3月22日~4月19日まで(2巡目の旧暦2月)
沖縄の「ユンヂチ」についてのよくある質問
「ユンヂチ」とは?
「ユンヂチ」とは、旧暦における閏月のことを言います。
旧暦は新暦に比べて、1年の日数が約11日間短いため、新旧の暦の季節を合わせるために19年の間で7回、旧暦を13ヵ月にして調整します。この増えた1ヵ月が「ユンヂチ」です。
「ユンヂチ」の意味についての 詳細はこちら>
2023年のユンヂチの期間は?
2023年のユンヂチの期間は、2023年1月22日(旧暦1月1日)~2024年2月9日(旧暦12月30日)です。
2023年のユンヂチについての 詳細はこちら>