お墓と税金の関係 – 相続税対策にもなるって本当?

お墓と税金は密接な関係があり、きちんと考えてタイミングよくお墓を購入することで節税対策につながる場合があります。しかし、ご自分のお墓や家族、親族のお墓の購入を検討する際に、税金と結び付けて考える方は少ないと思います。

この記事では、これからお墓を購入しようと考えている方に向けて、とても大切なお墓と税金の情報を紹介します。

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お墓の選び方やチェックポイントがわかる

お墓は税金対策になります

どのようにお墓を購入すれば、節税になるのでしょうか。

そもそもお墓は非課税になる財産です。祭祀財産にあたり、先祖を供養し神を祀るために故人が残した財産になります。

祭祀財産には、系譜・祭具・墳墓の所有権の3種類があり、お墓は墳墓に分類されます。墳墓には墓石だけでなく、墓石がある土地も含まれます。

祭祀財産は民法897条によって定められており、代表的なものにはお墓のほかにも仏壇などがあります。
祭祀財産は、そのほかの相続財産と分けられ、非課税扱いになります。そのため、お墓の購入は税金対策につながるのです。

生前に購入するのがポイント

お墓の税金対策として対象となるのは相続税です。お墓の購入費用は相続税の対象とならない財産に該当します。つまり、お墓の税金対策でポイントとなるのは被相続人となってしまってからお墓を購入するのではなく、生前に土地と墓石を購入することです。相続税が心配なご家族は、税金対策として生前にお墓の購入しておくのが理想的です。

ただし、生前にお墓を購入し、非課税の恩恵を受けるためには、いくつか注意しなければならないポイントがあります。

まずお墓の購入には時間がかかるということです。お墓を購入する際は墓地選びからはじまり、墓石の選定や彫刻、工事など、それなりの時間がかかります。また家族の意向を確認したり、必要な手続きをしたりと予想以上に準備に時間が取られる可能性もあります。お墓を建てて祭祀財産にするのであれば、生前にお墓ができあがっていなければいけませんので、時間的に余裕を持ってお墓を建てる必要があります。

また、お墓は高額なのでローンを組むケースもあります。お墓の平均価格は、永代使用料が約62万円、墓石代が約114万円で合計約180万円と高額です。所有者が亡くなった際、ローンが残っていると、残りのローン額が相続税の対象とみなされます。

亡くなってからお墓を建てる場合

亡くなったときのために、お墓の費用を残しておくと考えている方もいらっしゃると思います。ただし、この場合の費用は現金の扱いになるので、相続財産となり課税されます。

さらにお墓の購入に関する費用は消費税の対象になります。生前に購入しても、これらの消費税が免除されるわけではありませんが、相続税が発生すると、相続税を納めた後にさらに消費税が課税され、大きな負担になります。

具体的には、お墓の購入には永代使用料といって墓地や霊園所有者と契約を結び、永代に渡ってその土地の使用権利を得るために必要な費用と、墓石代そして彫刻、設置工事という墓石工事費がかかります。さらに檀家に入る場合は、入檀料も必要です。そしてその後は、管理費も必要になります。

このうち永代使用料は、土地の購入ではなく使用権の貸付ですので不動産取得税や固定資産税はかかりません。また、永代使用料と入檀料には消費税がかかりませんが、工事費や墓石の購入費用、墓地の管理料は消費税の対象となります。

被相続人は、お墓のためだと思って残した現金であっても遺産であることに変わりはありません。遺産は相続財産として相続人全員で分配する権利が発生します。このような場合、相続人全員がその財産がお墓の購入費用だと考えて意見がまとまっていれば問題ありませんが、1人でも遺産分配の対象となる現金だという気持ちがあると、相続トラブルに発展しかねません。

祭祀財産は祭祀承継者が受け継ぐ

生前にお墓を購入している場合は、お墓は祭祀財産となり祭祀承継者1人に受け継がれるのが一般的です。その際、祭祀承継者について遺言書に残しておくのが理想的です。祭祀財産となっていれば税金対策だけでなく、お墓そのものをスムーズに祭祀承継者に受け継ぐことが可能となります。

一般的には被相続人の希望が残されていない場合は慣習にならいます。また、慣習も被相続人の希望も特にない場合や、後継ぎ問題などが関わるようなケースでは、家庭裁判所が介入することもあります。