お墓・墓石は、経年劣化や地震、雨風などの影響で年々傷んでいきます。劣化や痛みがひどいと修理では間に合わず、新しいお墓を建立しなければならないことも。目地のひび割れや墓石の欠け、土台のずれなどを見つけたら、できるだけ早く修理を依頼するのが大切です。
この記事では、お墓・墓石の修理内容とかかる費用、補修の流れなどを解説します。
墓石修理の内容とお墓を直す時期
お墓・墓石修理の主な内容
修理場所 | 修理内容 |
---|---|
目地 | 欠け・ひび割れ・劣化など |
墓石 | 欠け・ひび割れなど |
土台(墓石) | ずれ・傾き・倒壊など |
お墓で主に修理が必要になるのは、目地と墓石、土台の3つ。目地・墓石は欠けやひび割れ、土台はずれや傾き、倒壊などによって、修理が必要になるお墓がほとんどです。
目地の欠け・ひび割れ・劣化などの修理
目地とは、お墓・墓石に使われている石と石の隙間部分。防水や耐震のために、「コーキング」と呼ばれる薬剤で目地の隙間を埋めるのが一般的です。
目地は、経年劣化で縮小し、ひび割れたり欠けたりします。目地が劣化していると、割れや隙間から雨水が入り込み、墓石にまでひびが入る危険性があるので、注意が必要です。
墓石の欠け・ひび割れなどの修理
墓石は、お墓の主体となる部分で、欠けやひび割れによる修理がもっとも多いです。お墓は屋外に設置されることが多く、暴風や雨水の浸食によって、墓石が欠けたりひび割れたりします。
墓石にひびや欠けがあるのに放っておくと、墓石の状態はどんどん悪くなります。ひび割れが地震や台風の振動で大きくなり、墓石に大きな亀裂が入るかもしれません。
土台(墓石)のずれ・傾き・倒壊などの修理
お墓の土台とは、墓石を支える基礎となる部分。東日本大震災以降、日本では地震が多く発生するようになり、振動で墓石がずれたり、傾いたり、倒壊したりするお墓が増えています。また、墓石にずれや傾きがあると、墓石が徐々に動いて、土台から落ちたり倒れて割れたりするかもしれません。
墓石のずれ・傾き・倒壊などには、墓石ではなく、土台が原因になっているお墓もあります。お墓の土台から修理するとなると、費用が高額になりやすいです。さらに倒壊して修復できないほどの状態だと、新しくお墓を建てる必要があり、より大きな費用がかかります。
お墓・墓石の修理は早めの判断が大切
お墓は、亡くなった家族の遺骨を納めて供養する大切な場所。建立後すぐにひびが入ったり倒れたりする心配はないですが、何年も何十年も経過すると、徐々に風化して墓石が欠けたりひびが入ったりします。また、地震の揺れや台風の強風が原因で、墓石が傾いたり倒れたりする可能性もあるため、お墓参りに行くときはお墓に問題がないか確認するようにしましょう。
墓石にひびや欠けがあるのに放っておくと、墓石の状態はどんどん悪くなります。もし墓石が大きく傾いていたり、ひびや欠けを放置して割れてしまったら、墓石を修理できません。修理できないほど墓石が傷んでしまうと、新しくお墓の建て替えが必要です。墓石の修理なら数万円から数十万円だった費用が、お墓の建て替えになると数百万円と高額になる可能性もあります。お墓にひびや欠け、割れなどの問題を見つけたら、修理が簡単に済むうちに直すのがベストです。
お墓・墓石の修理にかかる費用
修理内容 | 費用相場 |
---|---|
目地のひび割れ | 約3万円~5万円 |
墓石のひび割れ | 約3万円~20万円 |
墓石のずれ | 約3万円~30万円 |
墓石の傾き | 約10万円~30万円 |
墓石の倒壊 | 約30万円~100万円 |
お墓の修理には、目地・墓石に入ったひびの補修、墓石のずれ・傾きの補整などがあります。
お墓・墓石の修理費用は、目地のひび割れは約3万円~5万円、墓石のひび割れは約3万円~20万円、墓石のずれは約3万円~30万円、墓石の傾きは約10万円~30万円、墓石の倒壊は約30万円~100万円が目安です。ただし、お墓や墓石、墓地の状態によって費用相場は変わるので注意しましょう。
目地の欠け・ひび割れ・劣化などの修理費用
お墓の目地の補修は、比較的簡単で低料金な修理です。お墓の墓石の目地が経年劣化して、接着面に隙間ができていたり、ひび割れていたりする場合は、空いている隙間をコーキング剤で補修します。一般的に、目地補修にかかる修理費用は約3万円〜5万円です。
墓石の欠け・ひび割れなどの修理費用
墓石にひびや欠けが入っている場合は、どこにどのようなひび・欠けが入っているのか、どういう修理になるのかで費用が大きく変わってきます。ひびが墓石の中まで入っていたり、亀裂が大きかったりすると修理が難しく、墓石の建て替えが必要になるかもしれません。
墓石のひび割れの修理費用は、約3万円〜20万円。ですが、ひびの状態や修理の判断が難しいため、石材店に見積もりをとってから頼むのが安心です。
土台(墓石)のずれ・傾き・倒壊などの修理費用
重い墓石がずれていたり、土台に傾きが発生したりしている場合は、墓石の修理だけでなく、業者による移動が必要です。また墓石のずれが大きいと、墓石の組み直し作業をしなければなりません。
墓石のずれの修理費用は約3万円〜30万円、墓石の傾きの修理費用は約10万円〜30万円、墓石の倒壊の修理費用は約30万円〜100万円が目安。墓石(土台)の修理を依頼するときは、費用の負担が大きいので注意しましょう。
お墓の外柵修理にかかる金額
外柵(がいさく)とは、お墓のある区画・墓所を囲んでいる石枠のこと。墓所区画の境目をわかりやすくするためにあり、あの世とこの世の境界を表しているといわれているお墓の付属品です。お墓だけでなく、お墓を囲んでいる外柵も、年数が経つとだんだん傷みが生じてきます。外柵にひびやずれ、傾きなどがあるときは修理が必要なので、お墓と同じように石材店へ依頼すること。
外柵のひび割れ修理は、ひびをコーキングで補修すれば作業が終わります。ただし外柵自体の劣化が進んでいると、新しい外柵に付け替えなければなりません。外柵の部分的な補修で済むなら約2万円〜3万円の料金におさえられますが、全体的な修理では工事の金額が大きくなります。
地震や台風でお墓の外壁が傾いたとき、墓石も傾いていると大きな工事になりがちです。墓石の傾きまで修理する必要がある場合は、お寺に連絡して遺骨を預かってもらってから、お墓の土台と外柵の修理を行います。墓石を外してコンクリートの土台を打ち込み、お墓の組み替えをするので金額も大きくなります。お墓の外柵・土台を修理するときは、どのくらいの料金になるか見積もりをとってから頼むようにしてください。
お墓・墓石の修理のお布施相場
お墓の修理をするとき、墓石を移動・撤去したり、新しいお墓を建てたりすると、菩提寺の僧侶による供養が必要になるかもしれません。墓石を撤去するときは閉眼供養(魂抜き)、お墓が完成したときは開眼供養(魂入れ)と呼ばれる法要を行い、お坊さんに読経してもらいます。
閉眼法要や開眼法要を行ったら、僧侶にお礼としてお布施を渡すのがマナー。一般的なお布施の相場金額は約1万円〜5万円なので、用意しておきましょう。また、僧侶が自分で会場まで来た場合は「御車料」、法要の会食に参加しない場合は「御善料」も別途必要です。
お墓・墓石修理の流れと依頼先
- STEP1お墓を建立した石材店の確認
お墓修理の依頼先は、お墓を建立した石材店が基本です。
- STEP2石材店へ連絡
お墓を建立した石材店がわかったら、修理の依頼をします。
- STEP3お墓・墓石修理にかかる金額を確認
石材店のお墓・墓石の状態を確認してもらい、見積もりを取得します。
STEP1:お墓を建立した石材店の確認
まずは、修理を依頼したいお墓を建てた石材店がどこなのか確認します。お墓を建立した石材店なら、構造や材質を把握しているので、お墓の修理も頼みやすいです。
ただし、先祖代々継承している昔からのお墓だと、建立した石材店がわからないかもしれません。お墓を建てた石材店がわからないときは、事情を説明して他の石材店に修理を頼みます。また、お墓の修理費用をおさえたいなら、複数の石材店を比較検討するのもひとつの方法です。
STEP2:石材店へ連絡
お墓を建てた石材店がわかったら、連絡してお墓・墓石の修理を依頼します。
STEP3:お墓・墓石修理にかかる金額を確認
お墓の修理費用は基本的に高額なので、修理を依頼するときは石材店から見積もりをとって金額を確認しておくと安心です。お墓の壊れている部分や状態をしっかりと伝えて、どのような修理内容になるか、費用がいくらになるかを先に確認します。
お墓の土台や墓石の倒壊などの大きな修理は、見積もり内容と金額に納得してから頼むこと。お墓の修理代金が高額になって、後悔しないように気をつけましょう。
お墓・墓石の修理は自分でできる?
お墓・墓石の修理は、基本的に石材店に依頼するのが安全。ですが、目地の小さなひび割れや隙間を埋める簡単な修理なら、自分でも対応できます。
目地の修理に必要な道具は、墓石用のコーキング剤、ヘラ、タガネ、マスキングテープ、手袋など。修理道具を揃えたら、お墓の修理をはじめる前に、必ずお墓に合掌礼拝してください。
合掌礼拝したあとは、まず目地から古いコーキング剤を剥がしましょう。コーキング剤はもちろん、目地の間にあるゴミや水分も除去しておいた方が仕上がりがキレイです。コーキング剤を剥がしたら、マスキングテープを貼って、コーキング剤を充填してヘラで伸ばしていきます。最後にマスキングテープを剥がして、余分なコーキング剤をふきとって完了です。
ただし、あまり慣れていない方だと、コーキングに失敗したり墓石に傷をつけたりしてしまうかもしれません。無理に自分でお墓を修理しようとせず、難しいときは石材店に依頼するのが賢明です。
お墓・墓石修理のよくある疑問
Q.お墓を建立した石材店がわからないときはどうする?
祖父母やその前の代から続いている昔からのお墓は、どこの石材店で建立したかわからないかもしれません。お墓を建てた石材店がわからないときは、事情を説明して他の石材店に修理を頼みます。
Q.お墓・墓石の修理にかかる費用は?
お墓・墓石の修理は、場所や状態によって費用が大きく変わります。目地や墓石のひび割れなど、部分的な補修なら約3万円~5万円ですが、墓石の傾きや倒壊といった大きな修理だと、約10万円~100万円もの費用がかかる可能性があります。お墓の大きな修理をするときは、石材店に見積もりをとって内容と金額に納得してから依頼しましょう。
Q.墓石のコーキング補修にかかる費用は?
コーキング補修とは、石と石の境目である目地から古いコーキング剤を剥がし、新しいコーキング剤を注入する修理。コーキング補修にかかる費用は約3万円~5万円ですが、ひび割れや欠けが大きいとコーキング補修だけでは対応できない可能性があるので、注意が必要です。
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お墓の修理は、ご先祖様の遺骨を納めている大切な場所を維持するために必要な作業。先祖代々お墓を継承して何十年も経つと、墓石が劣化したり破損したりするかもしれません。
お墓の修理は、墓石の状態によって難易度や費用が変わります。墓石のひび割れや欠け、傾きなどの問題を見つけたら、できるだけ早くお墓の修理を依頼するのが大切。お墓・墓石の修理費用は基本的に高額なので、お墓を建立した石材店で見積もりをとって金額を確認しておきましょう。
また、お墓・墓石の修理費用をおさえたいなら、複数の石材店から見積もりを取得するのもおすすめ。「いいお墓」では、最大3社の石材店を比較できる「墓石の無料見積もり」サービスを提供しています。修理したいお墓やお客様の情報を入力するだけで、簡単に墓石の一括見積もりが取得可能。スマホやパソコンからすぐに申し込めて、無料で利用できます。
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