墓地に「固定資産税」はかかるの?知っておきたい「お墓と税金」について

固定資産税とは、土地・家屋・償却資産などの固定資産に対してかかる税金のことです。お墓の購入を検討するときも、固定資産税をはじめ、その後かかってくるかもしれない税金の心配をされる方も多いことでしょう。

お金と税金は切っても切り離すことはできません。固定資産税やその他の税金とお墓の関連性について正しい知識を得て、いざというときに困らないようにしておきましょう。この記事では、墓地に固定資産税はかかるのか、知っておきたい「お墓と税金」について、詳しく解説していきます。

墓地に固定資産税はかからない

墓地に固定資産税はかかるのでしょうか。結論から申し上げますと、墓地に固定資産税はかかりません。

固定資産税とは、土地・家屋・償却資産に対してかかる税金のことです。家などの固定資産を購入すると、4月ごろに市役所から納付書が届くため、忘れずに支払わなくてはなりません。

お墓を建立する際は、墓地の区画を購入して墓石を建てることになりますが、通常は墓地の「永代使用権」を購入するだけであり、土地の所有権は霊園側にあります。墓地区間の使用権、つまり永代使用料を霊園に支払っただけであるため、固定資産にはならないのです。

また、登記上の地目が「墓地」の場合、固定資産税は課されないといった法律が存在します。これらを踏まえて、墓地の区間を使用する権利を得ただけなので、評価額も明記されません。

墓石にも固定資産税はかからない?

では、墓石には固定資産税がかかるのでしょうか。

家屋に固定資産税がかかるように、墓石にもかかるイメージをもたれがちですが、墓地に建っている墓石も固定資産税からは除外されています。墓地・墓石に関しては、固定資産税がかからないことをしっかり把握しておきましょう。

所有地にお墓を建てることはできる?

「自分の家の庭にお墓があればいつでもお墓参りできるな」「自分の所有する土地にお墓を建てたいな」と考える方もおられるかもしれません。では、すでに固定資産税の対象となっている所有地に、お墓を建てることはできるのでしょうか。この答えは、いいえです。自分の所有地にお墓を建てることは、法律で禁止されています。

「墓地、埋葬等に関する法律(墓埋法)」の第4条に、「埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行ってはならない」とあります。自分の所有地であっても、勝手にお墓を建てることはできないのです。必要とされる許可を取れば不可能ではありませんが、そのほとんどが宗教法人か公益法人に限定されていますので、原則としては認められていないということを覚えておきましょう。

相続税はかからない!売買はできない!

相続税とは、相続する遺産の金額が大きい場合にかかる税金のことです。お墓といえば高価なイメージがありますが、相続財産に含まれるのでしょうか。

お墓や仏壇など、日常礼拝をしているものは「祭祀財産」と呼ばれ、相続財産には含まれません。位牌や仏具なども祭祀財産です。相続税法では、「霊びょう及び祭具並びにこれらに準ずるものには、課税しない」と明記されています。したがって、相続税が課されることもありませんのでご安心ください。

一方で、贈与税も相続税と同じように気になるところですが、こちらはどうでしょうか。贈与税とは、個人から財産を受け取ったときにかかる税金のことです。実は、贈与税には祭祀財産を除外する法律がありません。こうした点から、生前贈与に関しては、贈与税が課税される場合があるので注意しましょう。

永代使用権は売買できない

墓地の区間を使用する権利のことを「永代使用権」といいます。永代使用権の相続にかかる費用は、「権利を得る費用」であるため、消費税や固定資産税がかかることはありません。

そして、永代使用権の売買は法律で禁止されています。

相続にあたってお墓を手放す場合は、所定の手続きを行って墓じまいをするようにしましょう。

納骨堂にも固定資産税はかからない?

お墓には、固定資産税がかからないことが分かりました。固定資産税は、墓地や墓石のほか、寺院や礼拝堂など「宗教活動のため」にあるものにはかかりません。では、「宗教不問」の納骨堂はどうでしょうか。

納骨堂は税法上非課税ではありますが、その運営が宗教活動としてみなされるかどうかがポイントになります。以前の判例では、「宗教不問の納骨堂は宗教活動に非該当」という見解が出されたこともあるのです。

特に注意したいのは、自動搬送式の納骨堂です。実際の裁判で、エレベーター式納骨堂スペースは固定資産税の課税対象であるという判例が出されたこともあります。この判決のポイントは、運営者が宗教法人に販売委託された仏壇や仏具を販売する株式会社であり、納骨者の宗教も不問だったことでした。地方税法第348条第2項第3号に、「宗教法人が専らその本来の用に供する宗教法人第三条に規定する境内建物及び境内地」に当たらないと判断されたのです。

このように、例外的に固定資産税がかかるケースも存在します。しかし、購入者や納骨者が直接納税する必要はありません。費用のなかに固定資産税が上乗せされている場合があるかもしれませんが、購入者や納骨者に影響はありませんのでご安心ください。

駐車場にも固定資産税がかかる?

宗教法人法第3条により、参拝客に対する無料の駐車場(土地)には、固定資産税はかかりません。

では、有料の駐車場の場合はどうでしょうか。これは、地方税に関することで各市町村により判断が異なりますが、寺院などの宗教施設の近隣にあっても、有料であれば課税対象となります。この違いは、営利目的(商売)とみなされるかどうかにあります。

実際に墓石にかかる税金とは?

お墓には固定資産税をはじめ、相続税などもかからないことが分かりました。しかし、墓石購入時には「消費税」がかかります。

消費税がかかるもの

消費税がかかるものは、墓石を購入する際の石材費・工事費、霊園に毎年支払う管理料の3つです。石材費と工事費を「墓石費」ともいいますが、墓石は家の購入同様、消費税がかかることを覚えておきましょう。しかし、寺院墓地で管理料を「護持会費」として徴収している場合は、消費税も非課税となります。

納骨堂や樹木葬にかかる消費税

墓石を購入しない納骨堂や樹木葬でも、一部消費税のかかるものがあります。諸費用などに含まれる、墓石代わりに埋めるプレートの彫刻代や骨壺の料金がこれに該当します。

管理不足などで固定資産税がかかる場合も!

基本的には、地目が「墓地」である場合には固定資産税はかかりません。

ただし、お墓の管理が不十分であり、荒れ地になってしまったら「雑種地」とみなされ、課税対象になるおそれがあります。その土地が墓地ではないと判断されてしまうと、固定資産税が課税されることがあるので気をつけましょう。

墓地と固定資産税について理解しよう

固定資産税をはじめとした「お墓と税金」について、簡単にまとめると以下のようになります。

  • お墓には固定資産税がかからない
  • お墓に相続税はかからないが、贈与税はかかる場合がある
  • 所有地にお墓を建てることはできない
  • お墓の売買はできない
  • 納骨堂には固定資産税がかかることがあるが、購入者が手続きすることはない
  • 墓石にかかるのは、主に消費税である

税金のことを考えると、頭が痛くなるかもしれません。それでも、お墓の購入を検討するにあたり、税金との関係性もしっかり理解しておくことが大切です。

お墓はその後の承継などもあるため、家族と話し合って準備・検討を進めていくようにしましょう。

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