- 地震があったときは、余震が収まって安全を確保してからお墓を点検に行く
- お墓が地震で倒壊したら、まずは墓地管理者と建墓した石材店に連絡する
- お墓の地震対策として墓石の耐震・補強工事と定期的なメンテナンスが大切
世界における地震の約10%が日本近辺で発生する「地震大国」の日本。もし地震によってお墓が倒壊したら、どのように対処すればよいのでしょうか。
この記事では、お墓が地震で倒壊したときの流れや修理にかかる費用、地震対策などを紹介します。
お墓が地震で倒壊したら?修理までの流れ
お墓の修理の流れは次の通りです。
- STEP1お墓を破損状況を点検
揺れや余震が収まり、安全を確保してからお墓の点検をしましょう。地震の発生直後は、数十㎏~数百㎏ある墓石も余震で倒壊するため、非常に危険です。大きな地震であれば、発生から1か月は待ってお墓の状態を確認してください。
- STEP2墓地管理者に連絡
お墓が倒壊していたら、墓地の管理者に連絡してください。周辺のお墓や道路に影響がある場合は、あわせて伝えましょう。
- STEP3建墓した石材店を確認・石材店に連絡
お墓を立てた時の書類などから、どこの石材店へ依頼したのか確認しましょう。お墓を建立した石材店の方が、構造や材質を把握しているため、修理もスムーズです。
- STEP4修復費用の確認・修理の依頼
お墓の修理費用は基本的に高額なので、修理を依頼するときにおおよその金額を確認しておくと安心です。壊れている部分や様子を伝えてどのような修理内容で費用がどの位になるのかを先に確認します。一から立て直しなど、大きな修理の場合には、見積もりをとって内容と金額に納得してから頼むようにして、高額な修理代金に後悔しないように気をつけましょう。
祖父母やその前の代から続いている昔からのお墓の場合には、どこの石材店を利用したのか分からないことがあります。利用した石材店が分からない時には、他の石材店に修理を頼みましょう。
地震で壊れたお墓・墓石の修復費用
お墓の修理には、墓石の継ぎ目に入ったひびの補修、墓石のずれ・傾きの修正などがあります。施工内容によってかかる費用は変わってきます。
墓石の継ぎ目のひび割れ
墓石は、複数の石を組み合わせて作られてます。石と石の継ぎ目(目地)の補修は、比較的低料金で修理できる部分で、一般的に3万円~5万円程かかります。継ぎ目の隙間を、コーキング剤で補修します。
墓石のひび割れ・欠け
墓石がひび割れしていたり、欠けていたりする場合は、程度によって費用が大きく変わってきます。ひびが中まで入っているなど修理が難しい場合には、一から建て替えになる可能性もあります。どちらの場合でも、見積もりをとってから頼んだ方がよいでしょう。
墓石のズレ・傾き・倒壊
墓石のズレ、傾きを直す場合は、一般的に10万円~30万円程かかります。大きなずれの場合には墓石の組み直しも必要となってくるため、追加で料金がかかります。
墓石が完全に倒れている場合は、墓石に大きなひびが入り、修復できないことあります。このケースでは、一からの建て替えが必要になります。墓石はとても重いため、自分で直そうとせず、石材店へ依頼するのが安全です。
外柵がひび・ズレ・傾き
外柵とはお墓のある区画を囲んでいる枠のことです。外柵にもヒビやずれ、傾きなどの問題がおきていると修理が必要になります。部分的な補修だけで済むときには、2万円~3万円程度の料金におさえられますが、全体的な修理では工事の金額が大きくなります。
地震で倒壊したお墓を修理しないとどうなる?
お墓は、亡くなったご家族の遺骨を納めて供養を行うための大切なものです。墓石に問題がおきているときにそのまま放っておくと、墓石の状態がどんどん悪くなっていきます。
例えば、墓石のひび割れを放置してそのままにしておくと、その後の地震の振動でヒビが大きくなり、修理費用がさらに高くなる可能性があります。墓石の建て替えになると、数万円から数十万円で済むはずだった費用が数百万円と高額になるかもしれません。
いずれのケースでも、早めに修理することで、料金を安く抑えることができます。お墓に問題を見つけたら、修理が簡単に済むうちに早めに直したほうがよいといえます。
お墓が倒れる地震の震度は?震度4以上が目安
最近は、墓石を台座に固定したり、継ぎ目に地震ゲルを施したりと、地震対策しているお墓が多いです。ですが、先祖代々引き継いでいる古いお墓は、耐震施行されていないかもしれません。
耐震工事をしていないお墓は、震度4以上の地震が起こると墓石が倒壊する可能性が高いです。実際に、最大震度7を記録した東日本大震災や能登半島地震では、竿⽯が倒れたり、上台・中台・芝台がズレたりしたお墓が多く見られました。
お墓の地震対策は?墓石の固定や耐震・補強工事
お墓の地震対策では、地震の揺れで墓石が倒れたりズレたりしないように施行します。代表的な地震対策は、竿石と台座を1本の心棒で一体化させ、固定する方法。また、墓石の継ぎ目に耐震用のシリコンゲルを設置し、振動を分散・吸収する方法もよくとられています。
さらに、お墓の状態を定期的にチェックして、メンテナンスしておくのも重要です。屋外にあり、常に日光や風雨にさらされているお墓は、経年劣化で墓石がひび割れたり傷んだりします。お墓が劣化した状態で地震がくると、ダメージがより大きくなるため、墓石の点検とメンテナンスは定期的にしてください。
地震でお墓が倒壊したら建墓した石材店へ連絡
お墓の修理は、ご先祖の遺骨を納めている大切なお墓を維持していくために必要な作業のひとつです。地震でお墓が倒壊してしまった場合には、まずはお墓を建てた石材店へ連絡してください。依頼が決まった際には、どれくらいの金額がかかるのか、事前に確認しておきましょう。
お墓を建てた石材店が分からない場合は、ほかの石材店へお問い合わせするのがおすすめです。
地震によるお墓の修理に関するよくある質問
Q.お墓を建立した石材店がわからないときはどうすればいい?
祖父母やその前の代から続いている昔からのお墓の場合など、どこの石材店でお墓を建立したわからないときには事情を説明して他の石材店に修理を頼むようにするとよいでしょう。
Q.お墓の修理にはどのくらい費用がかかりますか?
部分的な補修であれば2万円~5万円程度ですが、全体的な修理では高額の費用が発生する場合もありますので、大きな修理の場合には、見積もりをとって内容と金額に納得してから依頼するとよいでしょう。