【第8回】お墓の消費者全国実態調査(2017年)霊園・墓地・墓石選びの最新動向

お墓の消費者全国実態調査
「いいお墓」お墓の消費者全国実態調査

いいお墓」では、当サイトを利用し、実際にお墓を購入された方々に対して定期的にアンケート調査を行っています。そこで霊園・墓地・墓石のみならず、石材店に対する率直な意見や不満なども含め、たくさんの声をいただき、それらの一部を集計したものを「お墓の消費者全国実態調査」として公開しています。

お墓の消費者全国実態調査とは

いいお墓」をご利用いただき、お墓を実際に建てられた方を対象に、第8回「お墓の消費者全国実態調査」を行いました。前回調査(2015年)と同様、都道府県別のお墓の購入平均価格や墓所の区画面積、お墓のタイプなどの情報をまとめました。

調査方法

2016年1月1日から同年12月31日までに「いいお墓」から資料請求・相談され、お墓を購入された方に対するアンケート調査

お墓診断
小冊子
お墓探しハンドブック

もれなく
全員に

霊園の資料を一括で取り寄せ!

今ならお墓探しガイドを無料でプレゼント

第8回調査サマリー

一般墓の平均購入額181.5万円、永代供養墓は82.3万円

従来型の墓石タイプのお墓(一般墓)の購入額を聞いたところ、お墓購入額(永代使用料と墓石代の合計額)全国平均は181.5万円と前回調査時から約20万円減少しました。
購入にあたって、オプションを吟味し、不要なものを削減する傾向がうかがえます。
また今回、永代供養墓の平均価格が82.3万円と明らかになりました。永代供養墓で300万円以上の層も一定数あり、永代供養墓も低価格だけでなく広くさまざまな価格帯があることがうかがえます。

霊園選択で一番重視した要素、第1位「お墓のタイプ」

「お墓のタイプ(一般墓や樹木葬など)」が「お墓参りにアクセスのよいエリア」や「園内の雰囲気」を抑えて第1位にランクインしました。新しいタイプのお墓への知識・関心が高まり、こだわりをもってお墓探しをしている人が多くいることがうかがえます。

永代供養墓の需要は、お墓のタイプによってさまざま

近年人気の「樹木葬」や「永代供養墓」「納骨堂」などいわゆる「一般墓以外のお墓」を選んだ理由では、「樹木葬」と「樹木葬以外の永代供養墓」でその傾向に違いが出ました。
「樹木葬」では圧倒的に「故人の希望だから」を理由にする人が多く、逆に「価格」を1番の理由にする人はいませんでした。「永代供養墓」は跡継ぎがいない人のためだけのお墓ではなく、その中でも、それぞれのこだわりを持って選ばれていることがうかがえます。

霊園・墓地の購入動向/平均購入額

霊園・墓地選びで抑えておきたい消費者の最新動向データを集めました。

「永代使用料+墓石金額(一般墓)」平均購入額は前年比減。二極化の傾向は和らぐ

お墓購入時にかかる費用で主なものは、土地を使用する料金(永代使用料)と、墓石価格(工事費用含)ですが、そのトータル費用150万円未満の低価格層、150万円~250万円の平均価格に近い層、250万円以上の層で比べたところ、変化は2ポイント程度にとどまる結果となりました。
内訳をみてみると、平均に近い層の中では、150万円~200万円未満の層が5.9ポイント増加するなど、各層の中で低価格側へシフトしていることが見受けられます。これは、価格比較が以前よりも容易になるなどした結果、予算の範囲で費用できるだけ削る傾向が強くなったためと考えられます。

上記傾向は都市部に多く見られ、人口割合が多くインターネットも普及している一都三県ではより顕著に表れています。
200万円~250万円未満の層が6ポイント減少し、150万円~200万円未満の層が9.2ポイントも増加する結果となりました。

また他にも、一都三県とそれ以外の地域の違いとして、150万円未満の低単価層の動向があります。
一都三県では、100万円未満の層が減少しているのに対し、それ以外の地域では増加しています。つまり、一都三県では永代供養墓の増加により、本当に価格を抑えたい層が、一般墓ではなく永代供養墓の購入に流れたものと考えられます。

購入したお墓の平均価格(永代使用料+墓石価格)

2015年調査2016年調査前年対比
全国201.5万円181.5万円-10%
東日本203.3万円181.4万円-11%
西日本197.1万円181.7万円-8%
東京都217.4万円206.7万円-5%
神奈川県216.8万円201.8万円-7%
千葉県180.7万円174.0万円-4%
埼玉県229.0万円185.0万円-19%

「永代供養墓」平均購入額は82.3万円。300万円以上の高級永代供養墓も

一般に永代供養墓は50万円が相場という声もありますが、永代供養墓の平均購入額82.3万円とそれを上回る結果となりました。
確かに一般墓と比べると価格は低めですが、150万円以上の層も8%あり、300万円以上の永代供養墓もあるなど、高級な永代供養墓にも一定の需要があることが見て取れます。

「樹木葬」平均購入額は74.1万円

樹木葬の購入価格は、永代供養墓の中では比較的低めの傾向で、ボリュームゾーンは「30万円~60万円未満」でした。
しかし200万円以上のものもあり、樹木葬の平均購入額は74.1万円となりました。

「納骨堂など」平均購入額は86.3万円

納骨堂などの平均購入額は86.3万円となり、これら「樹木葬以外の永代供養墓」の平均購入価格は、樹木葬のそれよりも高いという結果となりました。

霊園・墓地の購入動向/お墓探しの状況

お墓探し開始から契約・購入までの期間「平均85.3日」

お墓探しを開始から契約に至るまでの期間を調査した結果、ボリュームゾーンは「1カ月以上3カ月未満」で34.7%でした。
そして、およそ75%の方が、お墓を探し始めてから3カ月の間で契約・購入をしています。

霊園・墓地までの移動時間「平均47.2分」

自宅(または実家など)から墓地・霊園までの移動時間を調べた結果、ボリュームゾーンは「30分未満」でした。「1時間未満」などにも分散されているため、平均移動時間としては47.2分という結果でした。

霊園・墓地の平均見学物件数「2.8カ所」

墓地・霊園の見学物件数のボリュームゾーンは「1カ所」でしたが、最大で15カ所を見学した方もいるなどして、平均見学物件数としては2.8カ所となりました。

また、見学する霊園数が多いほど、購入後の満足度が高くなる傾向が見られました。
多くの霊園を見比べるなど、自分のお墓にこだわりを持って選ぶほうが、最終的な購入後の満足度は高くなるようです。

霊園・墓地選びの本音/決め手となったポイント

霊園・墓地選びで重視するのは「お墓のタイプ」

霊園・墓地を購入するときに重視したポイントとして、今回の調査から内容を一新した以下14項目の中から選んでもらいました。

  • お墓のタイプ(一般墓や樹木葬など)
  • お墓参りにアクセスのよいエリア
  • 園内の雰囲気
  • 金額
  • 宗教的な使用可能条件(宗教不問など)
  • 最寄り駅・バス停からのアクセス
  • 管理状況、管理内容、アフターサービス
  • 地縁のあるエリア
  • 周辺環境
  • 施設や設備
  • 他の購入者の口コミ、評価
  • 施工会社・販売会社の信頼度
  • 経営・管理母体の信頼度
  • その他

お墓選びで重要視したポイントの第1位には、今回の調査より加わった「お墓のタイプ」が入りました。
他方、管理母体や対応・接客に対する関心は過去の調査と同じように低い結果となりました。お墓とその環境が希望に合致していることを重視し、付随するものについては優先順位を低めに設定する人が多いということがうかがえます。

樹木葬を選んだ一番の理由は「故人の希望だから」

また、一般墓以外を選ぶ理由として、お墓の跡継ぎ問題以外にもさまざまな理由で選ばれていることがわかりました。
特に樹木葬では「故人の希望だから」を第1位に挙げる人が多く、ほかの永代供養墓とは違う魅力を感じている人が多いようです。

これからお墓を購入する方へのアドバイス

お墓を建てた経験があるからこそ分かる、お墓づくりの大変さ。お墓づくりの先輩方より、さまざまな経験値に基づく具体的なアドバイスをいただくことができました。ぜひ参考になさってください。

霊園について(交通アクセス、園内の雰囲気、周辺環境など)

「一般墓」を選んだ方

お墓を買うなど一生に一度のことなので、思いきって場所にたくさんお金を使いました。話し合いをする中で家族の絆が強まり、老親も嬉しそうにしていたので良かったです。

両親の代理で資料を請求しました。いくつかの墓地も検討しておりましたが、実際に足を運んでみて、環境の良さや宗派にとらわれない自由さを、両親共々気に入りました。また、担当してくださった方の丁寧かつ的確なアドバイスに、安心してお墓を決める事ができました。
私自身お墓なんてまだまだと思っていましたが、将来的な事もあり、両親と私たち夫婦で両家墓にする事にしました。

お墓の形、色で雰囲気がずいぶん変わるのだと思いました。自分の個性が出ていていいお墓が買えました。

「樹木葬」を選んだ方

樹木葬というと、木の下に合祀されるのかと想像しておりましたが、個人の骨壺を収納するスペースと立派な墓標を作っていただき、故人も喜んでいると思います。都内の墓も複数見学しましたが、やはり広々とした空間が気持ちの良いこちらの墓苑を選んでよかった、と思います。

嫁いだ二人の娘を持つ両親にとって、墓守りの負担が少ないお墓が希望でした。母が亡くなりお墓探しに直面した時に娘の私達はお参りできるお墓がいいと実感していたところ両方の希望を備えたお墓に出会えました。

苑内は花で埋め尽くされており、四季折々の花に囲まれて非常に美しく癒される場所になっています。担当の方には細かい疑問にも懇切丁寧に答えていただき、安心しました。またご住職の奥様ともお茶をいただく機会があり、気さくにお話を伺うことができました。

「納骨堂などの永代供養墓」を選んだ方

昔ながらのお墓しか見学予定じゃなかったのですが、見学してみて中のキレイさ等、納骨堂の良さが分かってよかったです。

永代供養墓なので見学は不要かなとおもっていましたが、周りの環境はパンフレットではわからないので一度は足を運んだほうがいいいです。

お墓は遠いといずれ足が向かなくなるでしょうし、高齢者にはお墓参りの度に水をかけたり拭いたりの掃除も困難になるでしょうし、雨天時に滑って転ぶと骨折して寝たきりになる恐れもあります。その点、こちらはお墓周りの掃除も必要なさそうですし、お墓参りで雨に濡れる心配もありません。歩くのが大変なら、タクシーでも1メーターです。近いのが一番だと思います。
大きくて立派なお墓であることよりも、交通の利便性や施設・設備を重視する方が頻繁に足を運べるお墓を選べて良いような気がします。

石材店について(選び方、設計・施工など)

お墓のデザイン等はある程度イメージを固めておくと良いと思います。契約時に無料でオプションをつけてもらえたりする感じで、有利に話をすすめていけるような感じがします。

改葬を検討し始めて色々と調べたら、既存の墓所の撤去費用もプラスでかかるということと、手続等もあるということで、大変というか面倒なこともありました。
既存の墓所に撤去費用でいくらかかるのかを先に確認しておくと、費用面や手続に必要な書類等がわかってくると思います。相場と言われている金額より低かったので助かりました。

価格・予算について

いくつか比較検討して、青光苑に決めましたが、永代使用料よりも、墓石を取り扱う提携会社様によって、費用全体が大きく異なってくることがわかった。

カタログやパンフレットに表記された価格だけに注目するのではなく、法要やお布施等、費用をトータルで見積もったほうが良いです。

(場所によっては)永代供養一括支払いなので、相続継承者が絶えたとしても、その後の管理費用負担がありません。故にその不履行による撤去や合祀の問題は生ぜず安心です。

その時だけで考えるのではなく購入してからの必要になる費用など色々な事、先々のことを考えて決断されるのをおすすめします。

単純に現地までの距離や移動手段だけでなく、移動に費やす費用や労力を考慮したほうが良い。

購入した石材店は、消費税や字彫り代、墓石の据え付け代も込みの価格でしたが、別途請求される所もあるので、注意したほうがよいと思います。

永代供養墓には入れるお骨1体につき幾らとかかる場合(入るスペースの確保の問題)やプレートに入れる文字や内容によって費用が必要です。やはり良い場所は早く契約済みになります。

お墓を建てる心構えについて

お墓は必要になってからの購入では時間もなく、複数の候補と比較したり効果的な駆け引きもできないまま高い買い物をする事になります。一生のうちに何度も購入する物ではない分、しっかりと時間をとって検討する事をお勧めします。

新しい様々なタイプの墓地ができていて選択の幅が広がっていると思います。まず元気な時から自分の希望をよく考えておくことが大事だと思いました。

ネットやパンフレットを見た印象ではわからないこともあるので、現地を訪れた時の印象が一番大事だと思いました。

今後、墓とどう関わっていきたいか、はっきり決めてご自分のイメージに近いところをピックアップして見に行かれたらと思います。

個人の墓石店よりも、信用あるところに相談・購入する事が安心。

お墓は今、いろいろな種類があり、お墓を守る人のライフスタイルや将来の子どもたちにどう負担をかけないようにするか等、よく考えて選ぶ時代だと思いました。

将来承継者がいなくなったら?と予算が少ないけれどお墓を購入できないのでは?と心配ばかりでしたが、思いきって相談したら、お墓のプロのおかげでわりとすんなり決まりました。

購入に当たっての優先条件を決定し、その条件に合う可能な限り多くの霊園を見学するべきだと思います。最低金額は決まっているようですが、石の種類による上乗せ分については交渉の余地があります。

生前に購入する場合、管理費を考慮しないとならないので、維持費がかかるのがネックです。また、永代供養と言ってもある年数で合同に移される場合もあり、ずっと同じ場所で埋葬されたい場合は注意が必要です。自分の希望条件とお墓の場所の条件がなかなか合う場所がありませんでしたが、多少交通の便が悪くても私の場合はお墓に対する条件を優先しました。

お墓に対する考えは各ご家庭によって違うし、夫婦でも思いが違うこともあるのでよく話し合って納得して決めたほうが良い。将来夫婦の収まるところが決まりホッとした。心落ち着く場所に購入出来て嬉しい。和尚様も良い方で時間を見つけては訪れたい場所になった。

お墓の購入前に必ずやっておいた方がいいこと

パンフレットやネットで見るのと、実際に現地を見るのとでは大分イメージが違いました(規模や全体の雰囲気、交通事情等)

納骨を急がずに、色々な霊園や墓地を見学した方がいいと思います。家族などで意見が異なる場合もありますが、やっぱり今後お墓を見守る人の意見を尊重して欲しいですね。

何度もお墓に通い、どんな小さな質問や疑問も担当者に聞き、わからないままにしないことが大切と思いました。

お墓に入ったあとのことを考えて購入した方が良いです。

パンフレットだけでなく、見地に車や電車、バス等で実際に見学して、内容をよく検討することが大事だと思います。併せて石材店のアドバイスを参考にして我が家に最適な場所や予算に見合うお墓を選ばれると良いと思います。

カタログやパンフレットに表記された価格だけに注目するのではなく、法要やお布施等、費用をトータルで見積もったほうが良いです。

自分の世代のことだけではなく、将来のお墓の管理者(子供)の負担を考えて購入すべきだと思います。また、物件選びは、実際に足を運んで比較するべきです。

調査結果とともに、購入経験者の生の声からも、多様化・細分化する消費者の実態を読み取ることができます。霊園・墓地を探されている方、これからお墓を建てる方、ゆくゆくお墓が必要になると考えている方など、多くの方の参考になれば幸いです。

取材依頼/掲載情報に関するお問い合わせ

当調査内容に関するご質問、掲載や取材の希望については以下までお問い合せください。

株式会社鎌倉新書/広報・PR担当
Mail:pr@kamakura-net.co.jp

当調査データの無断転載を禁じます。すべての著作権は株式会社鎌倉新書または情報提供者に帰属します。また、当調査データを利用したい場合は事前にご相談ください。