総持寺(總持寺)は、神奈川県横浜市にある曹洞宗大本山の寺院です。境内は約50万㎡もあり、仏殿、大祖堂をはじめとした寺院施設や墓地のほか、幼稚園から大学まで敷地内に有しており、横浜市鶴見区の広域避難場所の一つにも指定されています。
今回は、総持寺の歴史や特徴のほか、年間行事など詳しくご紹介します。総持寺について知りたい方はぜひ参考にしてください。
総持寺とは – 由来と歴史
総持寺は、神奈川県横浜市鶴見区にある曹洞宗大本山で、正式名称を「諸嶽山 總持寺(しょがくさん そうじじ)」といいます。「諸嶽山」とは、山号つまり寺院の別称を表しています。
総持寺の前身は、かつて石川県輪島市にあった真言律宗の教院「諸嶽観音堂」と言われています。
1321年(元亨元年)、霊験あらたかな諸嶽観音堂の住職である定賢権律師は、あるとき夢で瑩山禅師という禅師を迎え入れるように観音様から言われました。そのとき瑩山禅師も同様に、諸嶽観音堂に行くよう夢でお告げがあり、そこで瑩山禅師が諸嶽観音堂に入院したことが総持寺のはじまりとされています。
同年、諸嶽観音堂が現在の「諸嶽山 總持寺(総持寺)」という名前に改名され、その翌年には後醍醐天皇より「曹洞賜紫出世第一の道場」の綸旨を受けて官寺、大本山となり、曹洞宗を公称するようになりました。
しかし1898年(明治31年)、火事によってお寺の大部分が焼けてしまったため、1911年(明治44年)に現在の神奈川県横浜市鶴見区に移転されました。
石川県輪島市の旧地は、もう一度建て直されて「総持寺祖院」と改称され、大本山總持寺の別院となりました。
総持寺は曹洞宗の大本山ですが、福井県吉田郡永平寺町にある「永平寺」も曹洞宗の大本山とされています。これは、永平寺を作った道元禅師が仏教の教えを中国から日本に伝え、総持寺の瑩山禅師がそれを全国に広めて、曹洞宗の礎を築いたからと言われています。そのため曹洞宗は、総持寺と永平寺の両院を大本山としています。
総持寺の座禅会
総持寺は「禅の根本道場」として有名で、毎月座禅会を開催しています。
参禅には、事前予約が必要な月例参禅(午後1時受付開始~3時30分頃解散)と、予約なしで参加できる晩天参禅(午後5時15分受付開始~7時頃解散)があります。
ただし先着100名までですのでご注意ください。予約をすればさまざまなコースで、より長い時間修行することができます。
禅の一夜というコースは、土曜日の午後4時30分から日曜日の午前9時頃までになっており、普段の生活から離れて静かなときを過ごすことができ、自己と見つめ合う時間を作ることができます。
団体での参禅もでき、団体のコースには追加で写経や、精進料理を組み込むこともできます。
それぞれのコースで、参加費や持参するものが異なりますので、詳しくは総持寺の公式サイトなどでご確認ください。
総持寺で行われる主な年間行事
1月の初詣から始まり、2月の節分には毎年約2,000人もの人々が訪れ、俳優などの著名人も参加します。年男・年女の方は希望すれば、著名人と一緒に豆まきをすることもできます。3月から6月は、春の彼岸会(仏道精進の1週間)や修行僧による講義などが行われ、7月には御霊祭りという夏祭りが開催されます。御霊祭りでは、ご先祖などの親しい方の魂を供養し、盆踊りや打ち上げ花火を楽しむことができます。8・9月には夏期参禅会や秋の彼岸会、11月には「つるみ夢ひろば」という地域イベントが開催されます。
総持寺の御朱印
御朱印とは、お寺に参拝した証にお寺からいただける印影です。最近では、この御朱印を集めるためにお寺巡りをする人も増えています。
総持寺の御朱印は、一般的な文字だけのものと、絵入りのものがあります。絵入りのものは特に人気が高く、多くの人がこの御朱印をもらいに訪れます。
総持寺で御朱印をもらうには、総受付である香積台(こうしゃくだい)に行きます。ここで御朱印帳を購入することもできます。
御朱印をもらえる時間は、午前10時~午後4時30分です。通常の御朱印は300円で、御朱印のほかにお守りも購入できます。
総持寺の中にある学校
総持寺では、總持寺保育園、精舍児童学園、三松幼稚園、鶴見大学附属中学校・高等学校、鶴見大学、を経営しています。精舍児童学園では、さまざまな理由により適切な養育を受けられない子どもたちを保護・養育しています。
学校でも総持寺らしさが出ている行事があります。たとえば御霊祭りでは、全校生徒がお供物を持ち寄りご供養します。幼稚園では年末はお坊さまと一緒にお餅つき、2月は總持寺での豆まきなど。中学・高校では1月の耐寒参禅会が恒例行事となっています。
《墓所案内》大本山 總持寺(総持寺)
総持寺には、境内墓所もあります。きれいに区画分けされており、なだらかな起伏のある広大な墓地です。俳優の石原裕次郎氏、実業家の浅野総一郎氏や政治家の芦田均氏など、各界の著名人のお墓があることでも有名です。
総持寺の墓所は、仏教徒であり總持寺の護持に協力できる方であれば誰でも利用できます。申し込みをするには、總持寺檀信徒としての入檀手続きと墓地使用許可の申請をする必要があります。
墓地を利用するのに必要な費用は0.54平方メートルの墓地で、永代使用料120万円、年間管理料1,200円です。1平方メートルの墓地は永代使用料200万円、年間管理料2,400円です。
交通アクセスは、JR京浜東北線「鶴見駅」西口より徒歩約7分、京浜急行線「京急鶴見駅」より徒歩約10分です。
まとめ
神奈川県横浜市にある曹洞宗大本山・総持寺は、禅の修行ができ、多くの著名人や信仰者からも慕われています。総持寺に興味を持たれた方はぜひ一度、総持寺を訪れてみてはいかがでしょうか。