千葉県千葉市には2つの市営霊園があります。千葉市若葉区にある桜木霊園は、千葉市中心部からのアクセスのいい霊園です。
昭和14(1939)年の開設以来、千葉市民からは「千葉市霊園」と呼ばれ親しまれてきた桜木霊園。
桜木霊園に実際に足を運び、園内を散策してきました。
桜木霊園の最寄駅からのアクセス
最寄り駅近辺
公共交通機関を使って桜木霊園に行くには、JR千葉駅から京成バスで行く方法と千葉都市モノレールを使って行く方法があります。
今回は霊園のすぐ近くまで行くバスを選択しました。
JR千葉駅の中央改札口を出ると、正面に階段とエスカレーターがあります。これを下りると、千葉都市モノレール千葉駅とバスロータリーがあります。
モノレールの入口右側にバス乗り場の案内図と行き先案内があります。
市営霊園に行くにはバスターミナル9番乗り場から「御成台車庫」行きのバスに乗ります。9番乗り場は案内図から見える位置にあるので、迷うことはありません。
9番乗り場の前には「市営霊園に行かれるお客様へ」という看板も立てられているので分かりやすいです。
桜木霊園入口近辺
市営霊園までは約20分ほどで到着します。バスは市営霊園のすぐ傍で停まります。
バス停を降り、手押しボタンの信号がついた横断歩道を渡れば桜木霊園の入口に到着です。
帰りのバス停は霊園入口の目の前にありますので、バス停を探して迷子になる心配はありません。
桜木霊園の周辺環境
バス停の近くには生花店がありました。
お供え用の花だけでなく、店頭にはお線香も置いてありました。
バス停の先にはコンビニもありますので、ちょっとしたものは現地で調達することができます。
霊園の近くには2017年に国の特別史跡に指定された、縄文時代の貝塚「加曽利貝塚」があります。
「加曽利貝塚」がある加曽利貝塚縄文公園内には博物館もあります。
博物館展示室及び野外施設は無料ですので、お参りのついでに立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
桜木霊園全体の案内
桜木霊園の墓地の総面積は134,469㎡、墓地の区画数は9,000区画以上もあります。
一部坂になっている区画もありますが、基本的に墓地内は平坦地です。
霊園全体の案内図は、入口付近と中央の休憩所の前で見つけることができました。休憩所やトイレの位置も書かれています。
園内には広い道路脇だけでなく、区画脇にも桜の木が植えられています。満開の季節はさぞかしきれいな光景になるのでしょう。
霊園内にはお墓参りをする人だけでなく、犬を連れて散歩されている方やお子さんを広場で遊ばせている方、ロードバイクを走らせている方の姿も見かけました。
お彼岸などの季節ではなくてもそこそこ人通りがあるので、静かな環境ながらもさみしげな雰囲気は全くありません。周辺には学校や住宅街などもあり、いい意味で生活感が感じられる霊園になっています。
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桜木霊園内の区画と設備
桜木霊園の区画
園内はきれいに区画整備されています。区画ごとに広さは違っていますが、区画を示す看板も多いです。
区画広めの1区、2区
霊堂の横にある第2駐車場の近くに1区があり、その奥に2区があります。
1区には歴史を感じさせる墓石もありながら、比較的新しい墓石もありました。
和型の墓石、洋型の墓石、キリスト教式の墓石と多種に渡っています。そして一つ一つの区画が広めになっています。
2区も広めの区画になっています。
市営霊園らしく、2区画もバラエティに富んだ墓石を見ることができます。
天理教の墓地の前には日本キリスト教会西千葉教会の墓地がありました。小さな建物のようになっていて、墓誌には故人の名前が記銘されていました。
同面積区画の29区、30区
2区の隣には29区、その奥に30区があります。29区と30区は、1区2区と同じ高さにある場所と、少し段差がある場所があります。
1区2区と比べるとふた回りほどコンパクトな広さで、墓地はほぼ同じ広さになっています。
30区は霊園の奥へ進んでいくほど段差も大きくなっていきました。
ややコンパクトな4区、6区
29区の向かい側にあるのが4区、30区の向かい側にあるのが6区です。4区、6区共に、通路に面した区画では広めの墓地もありました。
しかし、これまので区画に比べるとだいぶコンパクトな印象を受けます。
整然とした墓所40区
30区の隣は40区。ですが40区に行くには、この急な階段を降りなくてはなりません。
30区側の階段にある階段は片側にしか手すりがありませんでしたが、40区の奥にある階段にはしっかりとした手すりがついていました。
車であれば桜木小学校側の道路から桜木霊園に入ることができます。数台なら車を停められるスペースがありました。
40区は同じサイズの墓地が並んでいます。
和型の墓石が多くを占めていることもあり、非常に整然とした印象を受けます。
丘の上には桜の木々が立ち並び、40区へ向かって枝が伸びています。
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歴史を感じさせる9区、10区
案内図の上では、40区の向かいにあるのが9区、その隣が10区です。どちらも桜木霊園の歴史を感じさせるような墓石が多いです。
通路側には広めの墓地もありましたが、ほとんどは同一の広さになってるようです。
1部区画が階段状に下がっていく22区~24区
先へ進むと第3ロータリーがあり、第3ロータリーの手前側に広がっているのが22区〜24区です。
青色だった区画を示す看板の色がオレンジ色に変わりました。
22区は同じ広さの墓地が2列ある小さな区画です。休憩所やトイレ、水場が近い区画です。
23区と24区は斜面になっているので、区画の一部が階段状に下がっていく区画です。
22区よりも23区の区画が広く、23区よりも24区の方が広い区画となっています。
22区〜24区ブロックと隣のブロックの間の道は広めなので、墓地の近くまで車で乗り入れることができます。
駐車している車があっても、十分すれ違うことができる広さなので安心です。
23区と24区の間は縦のだけでなく横の通路も広くなっているところがあり、さらに奥まで車で入れます。お盆やお彼岸の時期でも、車を停める場所に悩まされることはなさそうです。
23区と24区には、22区と比べると2倍〜4倍の広さを持つ墓地もありました。
古今が融合する19区、21区、25区
22区〜24区ブロックの隣は19区、21区、25区。
22区の隣が19区、23区の隣が21区、24区の隣が25区となっています。
こちらのブロックも22区〜24区ブロックと同じように、奥に行くほど区画や墓地が広くなっています。
24区、25区あたりの区画は、歴史を感じさせる卒塔婆が何本も建てられている墓地もありました。一方で、洋型の新しい墓石の墓地が並んでいたりもしました。
古くからの墓所が目立つ18区、20区、26区
19区、21区、25区の奥には18区、20区、26区があります。
こちらの区画もこれまでと同じような作りになっていますが、22区〜24区などの区画と比べると、この地に建てられて何十年も建ったような墓石が多いように感じます。
26区の奥は斜面になっていて、斜面や坂の下にも墓地が広がっています。
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桜並木が美しい27区と28区
20区と26区の通路を挟んだ向かい側には27区と28区があります。
広い通路の両側は大きな桜の木が立ち並ぶ桜並木になっています。
27区は桜木霊園の端に位置しているので、これまでの区画に比べると開放的な雰囲気になっています。
27区の墓地の広さは統一感がありません。広い墓地もあれば、墓地が同じ広さに統一されたエリアもありました。
27区の先にある28区は、墓地が斜面に広がっています。
墓地前の通路は舗装されていませんが、芝生のようになっています。
桜並木を抜け28区へ来ると、さらに明るい雰囲気を感じさせます。
墓地の横は住宅街が広がっていて、歩行者や自転車なら外からも入れる門がありました。
住宅街に隣接する37区
28区の奥には37区があります。
住宅街の目の前にあり、新しめの墓石が立ち並んでいるエリアもありました。
こちらも歩行者や自転車なら通れる門がありました。
平坦地に広がる33区、36区
再び坂を上り、ロータリーにつながる道路に戻ります。
今度は緑色の看板になり、33区と36区が広がっています。
この辺りは周りに木もなく、同じ広さの墓地が整備されて並んでいます。古い墓石も新しい墓石も入り交じった区画です。
第3ロータリーの先にある38区、32区、35区
36区の向かいにあるのが38区です。
27区、28区、37区と同じ赤紫色の看板ですが、第3ロータリーからまっすぐ進んだ先にあります。
33区と36区の隣にあるのが32区と35区。
こちらもほとんどは33区と36区と同じ広さの墓地が並んでいるのですが、道路に面した区画では区画の中でも広めの墓地もありました。
名刺受が目立つ31区、34区
32区と35区の奥には31区と34区があります。こちらの区画も同じ広さの墓地が整然と並んでいます。
このあたりの区画で目に付いたのが名刺受です。
右側の柱には、お墓参りに来ていただいた方が名刺を入れられるよう、名刺受が設置されている墓地が目立ちました。
また、左側の柱には、表札のように細かい区画と名前が表札のように書かれています。
34区の奥は階段になっていて、降りた先にも墓地が広がっています。舗装されていないので雑草が目立ちます。
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道路の対面に民営霊園が臨める39区
31区の隣にあるのが39区。39区も34区と同じように、階段を降りた先にも墓地が広がっています。
階段上の墓地は、階段下の墓地よりも広めになっています。
道路を挟んだ向こう側に見えるのは民営霊園です。
さまざまな広さの区画が混在する12区、14区〜17区
少し道を戻り31区まで戻ると、向かい側に広がるのが12区、14区〜17区です。
12区は14区15区に隣接する縦に広がる区画で、14区の奥に17区があります。17区の先に通ってきた18区、20区、26区があるという位置関係です。
15区も先ほど通ってきた19区と同じ列にあり、15区と19区の間に16区があります。
14区は13区の向かい側でもあります。
12区、14区〜17区の区画の看板は茶色です。
こちらの区画は、ある程度広さが統一されている区画とかなり広めになっている区画とが混在しています。
市内にある私立学校の創始者の墓地があったり、生前に申込みされた墓石に赤字でご夫婦のみのお名前が記銘された墓地などもありました。
墓石に区画が記された墓所が点在する7区、8区
15区の隣に11区、その奥に7区と8区があります。
区画を示す看板の色は緑です。
このあたりの墓地では、表札のように区画が書かれた墓地が目立ちます。
ですが、31区辺りのように名刺受は設置されていませんでした。
自然に囲まれた5区、3区
5区は道路に面した角地の区画などかなり大きな墓地も目立ちました。
霊園全体で見ると和型の墓石がほとんどだった桜木霊園ですが、中には個性的な墓石もありました。
やはり区画ごとに墓地の雰囲気も異なりますので、周りの墓石や雰囲気に合わせて墓石を建てる方が多いのでしょう。
3区の奥は外の道路に面しています。この辺りでは犬の散歩に訪れている方を何組も見かけました。
道路が舗装されている部分と草が生えている部分とがあるので、散歩やジョギングをされている方もいました。
3区は他の区画に比べるとしっかりと緑に囲まれている印象を受けました。
園外の並木道の緑も美しいですが、園内の桜にも囲まれているので自然豊かで落ち着いた雰囲気になっています。
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桜木霊堂
管理事務所の先にあるのが、遺骨を一時預かりする「桜木霊堂」です。
桜木霊堂の横の第2駐車場は車椅子スペースが3台、一般駐車場は30台ほど停められるようになっています。
桜木霊園合葬墓
桜木霊堂からも近く、門からまっすぐ進んだ第2ロータリーの手前にある建物が「桜木霊園合葬墓」です。
遺骨は建物内にある納骨棚に30年間安置された後、合祀しされ永年に埋蔵されることになっています。
桜木霊園合葬墓にはお線香やお花を供える場所が3ヶ所用意されています。
献花の桶がいっぱいになり次第献花の回収を行っている、と記された張り紙がありました。
桜木霊園の設備
桜木霊園の門を入ってすぐ左にあるのが管理事務所です。
休憩所は第3ロータリーの近くにあります。
休憩所の前にトイレがあり、自動販売機も設置されています。
屋根がついた休憩所は1ヶ所でしたが、園内のところどころにベンチはありました。
区画ごとに少なくとも1ヶ所は水道、水桶やバケツ、ゴミ箱、火付処が用意されています。
広い区画ならば複数ヶ所に水道やゴミ箱が用意されています。
また、園内には古い卒塔婆を回収してくれるところが複数ヶ所ありました。
ゴミは千葉市の分別に合わせて捨てられるよう、空き缶やペットボトルも入れられるゴミ箱も設置されています。
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桜木霊園全体の雰囲気
園内は道路がしっかり整備されています。霊園内には駐車場がありますが、停めている人はあまりいません。
霊園内の道路は広く、自分のお墓のすぐ近くに車を停めることができます。広い園内を歩き回る必要はありません。
お彼岸を過ぎた平日の午前中、10組ほどの方がお墓参りにきていました。
空いていることもあり、車を墓地のすぐ近くに停めている方がほとんどです。
お墓参りだけというより掃除をしたり草むしりをしたりと、きちんとお墓のお手入れをされている方が多く見られました。
園内を一周しましたが、荒れ果ててしまった墓地を目にすることはありませんでした。
数日前に備えられたと思われる供花やお線香があったり、さみしさを感じさせないよう華やかな造花が備えられている墓地もありました。
大切にされている墓地が多いように感じました。
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桜木霊園の使用者募集について
桜木霊園は一般墓地も合葬墓も毎年募集が行われています。
2019年8月に170区画の募集がありましたが、2019年12月と2020年1〜3月にかけても追加募集が行われています。1年以上継続して千葉市内に住んでいることや、すでに遺骨を所有していることなど条件があります。
返還墓地ですので、広さはある程度選べても場所を選ぶことはできません。
合葬墓の近々の募集は令和2年5月に行われ、6月に抽選が行われました。
合葬墓は1人用、2人用の生前予約の枠があることから、こちらの方が高倍率になっています。
一般墓地も合葬墓も、当選した後に資格審査を受けないと使用許可が下りません。一般墓はその後に区画の抽選が行われます。
また納骨堂である桜木霊堂にも、遺骨を所持していることをはじめいくつか条件があります。霊堂は一斉募集ではなく、電話で申し込みをして使用可能になり次第連絡がくるシステムです。
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