小平霊園は、東京都が運営・管理を行う都立霊園のひとつです。
小平霊園には、都立霊園では初の樹木葬(樹林・樹木墓地)があります。
小平霊園の樹木葬にかかる費用の目安は、樹木型が遺骨1体あたり19万1,000円、樹林型が13万4,000円(粉末状の遺骨であれば4万4,000円)。都内でお墓を建てる場合、永代使用料と墓石工事費を合わせると100万円以上かかる場合が多いことを考えれば破格ともいえる金額です。
この記事では、小平霊園の樹木葬について、価格や申し込み方法をご紹介いたします。
また、アクセスや小平霊園に眠る有名人も解説いたします。小平霊園をご検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
都立小平霊園 樹木葬の募集情報【申し込み方法・価格】
申し込み方法
例年6月中旬から7月頭まで行われる、使用者募集に申し込みします。
申し込み方法は、インターネットと郵送の2つあります。
①インターネット申込み
都立霊園公式サイト「TOKYO 霊園さんぽ」から申し込みします。
インターネット申込みには、申込者情報の登録が必要です。申込者情報の登録は令和6年6月14 日(金)から可能となります。
②郵送申込み
専用の「申込書」を郵送し、申し込みします。
「申込書」が含まれている「申込みのしおり」は令和6年6月14 日(金)から7月5日(金)まで、次の場所で配布されます。
- 都庁第一、第二本庁舎1階・2階の案内コーナー
- 各都立霊園および都立瑞江葬儀所の窓口
- 都内各区市町村及び千葉県松戸市役所の窓口(配布窓口は、区市町村にお問い合わせください。)
- 公益財団法人東京都公園協会 霊園課(〒160-0021 東京都新宿区歌舞伎町 2-44-1 東京都健康プラザハイジア9階)
ただし、2024年は小平霊園の樹木葬(樹林型合葬埋蔵施設・樹木型合葬埋蔵施設)の募集はありませんでした。
小平霊園の樹木葬をご希望の方は、来年の募集を待つか、同じく都立霊園で樹木葬の募集があった多磨霊園に申し込みするか、小平霊園の近くにあるほかの樹木葬を検討することをおすすめします。
価格
樹林型合葬埋蔵施設の価格
遺骨1体あたり134,000円、粉状遺骨1体あたり44,000円です。
遺骨を粉骨し粉状にする「粉状遺骨」の方が低価格であることが特徴です。
樹木型合葬埋蔵施設の価格
遺骨1体あたり194,000円です。
申し込み条件
遺骨申込 (遺骨がある方)
- 都内に、令和6年7月5日時点までに3年以上継続して住んでいること
- 遺骨に対して、祭祀の主宰者(申込遺骨に対して、将来にわたりご遺骨及び墓所を守っていく方)であること
- 2体用の場合、申込遺骨2体が夫婦(事実婚関係を含む)、パートナーシップ関係、親子又は兄弟姉妹であること
遺骨・生前申込 (申込遺骨のある方で、生前申込もする方)
- 申込者及び存命の埋蔵予定者が、都内に令和6年7月5日時点までに、3年以上継続して住んでいること
- 2体用または3体用の場合、申込遺骨は申込者と夫婦(事実婚関係を含む)、パートナーシップ関係、親子又は兄弟姉妹であること
参照:TOKYO霊園さんぽ
過去の倍率
種別 | 2023年度の倍率 | 2022年度の倍率 | 2021年度の倍率 | 2020年度の倍率 |
樹木型合葬埋蔵施設 | 募集なし | 1.7 | 1.5 | 1.1 |
樹林型合葬埋蔵施設 | 募集なし | 募集なし | 募集なし | 14.4 |
都立小平霊園とは?
1948年に開園した都立小平霊園は、東京都小平市・東村山市・東久留米市の3市にまたがる広大な公営霊園です。
総面積65万3,000㎡のうち、約半分が墓所、残り半分が樹木や草地となっており、緑あふれる自然豊かな環境が魅力です。季節毎に咲く花木も多く、春には桜やハナミズキ、夏にはサルスベリ、秋にはモミジやイチョウ、冬には梅などが咲き、四季折々の風景が楽しめます。
朝晩や休日などには散歩を楽しむ人や子どもたちなども多く見られ、地域の人々の憩いの場となっています。
都立小平霊園への交通アクセス
都立小平霊園の最寄り駅は、西武新宿線「小平駅」です。小平駅は西武新宿線「西武新宿駅」から約30分と、都心からのアクセスも良好です。
小平駅北口で降りて左側に進むと、すぐに「小平霊園」と書かれた小平霊園参道の入口が見え、参道の脇には多くの石材店が立ち並んでいます。
この参道をまっすぐ進むと、5分ほどで都立小平霊園の正門にたどり着きます。
都立小平霊園の園内マップ
都立小平霊園は、中央部の36区画が一般墓地となっています。そのほか、東側の5区画に芝生墓地、正門を入って右側に合葬式墓地と小型芝生墓地、北側の新青梅街道沿いに壁型墓地、中央参道を左に入ったところに樹木・樹林墓地が設置されています。
正門からは幅員50mほどの中央参道が600mほどあり、園内の区画は、桜やケヤキ、松などの並木がある100m四方の園路で区切られています。
小平霊園の園内には、いたるところに水汲み場やベンチなどが配され、お墓参りしやすい環境が整っています。
都立小平霊園に眠る有名人
小平霊園には多くの有名人が眠っています。ここではその一部をご紹介します。
野口雨情
詩人、童謡・民謡作詞家。多くの名作を残し、北原白秋、西條八十とともに、童謡界の三大詩人と謳われました。
壺井栄
日本の小説家・詩人。主に一般向小説および児童文学(童話)を主領域に活躍した作家で、戦後反戦文学の名作として後に映画化された『二十四の瞳』の作者として知られています。夫は詩人の壺井繁治です。
宮本百合子
18歳で『貧しき人々の群』を発表し天才少女と注目されました。米留学後、結婚したが離婚、その経緯をまとめた『伸子』を発表。その後ソ連を訪れ日本共産党に入党。宮本顕治と結婚[4]。再三検挙されながらも執筆活動を続けました。戦後は『歌声よ、おこれ』を書いて民主主義文学運動の出発を宣言、『播州平野』『風知草』『二つの庭』『道標』などを書きました。日本の左翼文学・民主主義文学、さらには日本の近代女流文学を代表する作家の一人です。
小川未明
「日本のアンデルセン」「日本児童文学の父」と呼ばれ、浜田広介と坪田譲治と並んで「児童文学界の三種の神器」と評されました。
柳宗悦
民藝運動の主唱者である、日本の美術評論家、宗教哲学者、思想家。名前はしばしば「そうえつ」と読まれ、欧文においても「Soetsu」と表記される。 宗教哲学、近代美術に関心を寄せ白樺派にも参加。芸術を哲学的に探求、日用品に美と職人の手仕事の価値を見出す民藝運動も始めた。著書に『手仕事の日本』(1948年)、『民藝四十年』(1958年)など。
宮本顕治
戦前の非合法政党時代からの日本共産党の活動家であり、戦後、1958年に党の書記長に就任してから40年間、日本共産党を指導しました。参議院議員(2期)を務め、日本共産党書記長、同委員長、同議長を歴任。国会に議席を持つ国政政党の党首でありながら、国会議員ではなかった時期があります。
そのほかの有名人
ご紹介したほかにも、多くの有名人が小平霊園に眠っています。
「今和次郎」「大山郁夫」「杉山金太郎」「萩原延壽」「伊藤整」「角川源義」「杉山元太郎」「山本七平」「鹿内信隆」「松島詩子」「古賀さと子」「有吉佐和子」「頼近美津子」「加藤周一」といった方々のお墓があります。
都立小平霊園の口コミ
一般墓をご購入された方の口コミをご紹介します。
都立だから安い、、というわけではないんだな。というのが最初の印象です。都立の安心感と、立地や雰囲気を考えると、費用には見合ってるのかなと思います。
小平駅から近く、霊園内の道路も広いので、自家用車で自分のお墓のすぐ側まで行けます。 歳をとっても通いやすく、便利だと思います。
日当たりや水はけは良いと思います。夏は日陰が少ないので暑いとは思いますが、、 霊園内はとても広くて最初は迷ってしまうことも。 緑が多く、のびのびとした雰囲気です。
管理事務所でバケツなどの貸し出しあり。トイレや水場もちゃんとあります。 会食所や法要施設は皆さんお墓を建立してもらった墓石屋さんに手配してもらうのかな、と思います。 霊園の入り口にたくさん墓石屋さんやお花を売るお店が並んでいます。
管理事務所の方の感じは良いです。隣接するお墓が放置気味で草がはみ出してきていて心配だったのですが、相談すると「言ってくれたらいつでも対応できますよ。」とのことでした。 実際すぐに対処してくれました。 清掃や野焼きなども見かけ、管理は都立らしく行き届いでいる印象です。
小平霊園の募集要項【令和6年度(2024年)】
募集区画
①一般埋蔵施設
一般的な平面墓地の形式で、区画割りされた土地を貸し付けるもの。墓石などは自分で設置する必要があります。使用料と年間管理料は、面積によって変わります。
面積 | 使用料 | 年間管理料 | 募集数 |
---|---|---|---|
1.85~5.85 ㎡ | 1,561,400~4,937,400 円 | 1,500~4,500 円 | 95区画 |
②芝生埋蔵施設
芝生を敷きつめた平坦地に、等間隔に埋蔵施設を配置したもの。区画は分けられていますが、囲いなどを設置することはできません。
面積 | 使用料 | 年間管理費 | 募集数 |
---|---|---|---|
4.0㎡ | 3,504,000 円 | 3,720 円 | 5区画 |
③合葬埋蔵施設 (2号基)
一つのお墓に多くの遺骨を共同埋蔵する施設。年間管理料不要、生前申込可。使用許可日から20年間、個別保管後に共同埋蔵する「一定期間後共同埋蔵」と、納骨時に共同埋蔵する「直接共同埋蔵」の2種類があります。2024年は、「直接共同埋蔵」のみ募集が可能です
区分 | 収蔵数 | 使用料 | 募集数(体) |
---|---|---|---|
直接共同埋蔵 | 1~3体用 | 遺骨1体あたり53,000 円 | 全300体 |
今回は募集されませんでしたが、小平霊園には他に3つの区画があります。
- 壁型埋蔵施設 :一般埋蔵施設と同じく、一般的な平面墓地の形式で、区画割りされた土地を貸し付ける墓地です。墓石などは自分で設置する必要があります。
- 樹林型合葬埋蔵施設 :樹林の下に多くの遺骨を一緒に埋蔵する墓地です。お参りする際には、献花台で手を合わせます。
- 樹木型合葬埋蔵施設 :樹木の下に遺骨を個別に一体ずつ埋蔵する墓地です。樹林墓地が合祀・合葬であるのに対し、樹木墓地は個別埋葬であるのが特徴です。
募集期間/手続きの流れ【令和6年度(2024年)】
申し込み | 6月14日(金)~7月5日(金) | インターネットもしくは郵送で申し込みます。 |
受付番号の通知 | 8月頃 | インターネットで申し込みした場合はメールで、郵送で申し込みした場合ははがきで受付番号が通知されます |
抽選 | 8月16日(金) | 都庁で公開抽選会が実施されます。結果は、翌日都立霊園の公式サイトなどに掲載されます。 |
抽選結果の通知 | 9月2日(月)以降 | インターネットで申し込みした場合はメールで、郵送で申し込みした場合ははがきで抽選結果が届きます。 |
書類審査 | 9月頃 | 申込資格を満たしているかの確認のため、書類審査が行われます。 |
使用料・管理料を納入 | 11月頃 | 書類審査を通過したら、納入通知書が送付されます。期限までに、指定の使用料と管理料を納入します。 |
使用許可証の交付 | 12月頃 | 期限までに、指定の使用料と管理料を納入したら、墓地の使用許可証が交付されます。 |
申し込み条件
一般埋蔵施設、芝生埋蔵施設に申込みをする場合
- 都内に、令和6年7月5日時点までに5年以上継続して住んでいること
- 一度も埋蔵(葬)、収蔵したことがない遺骨を持っていること
- 遺骨に対して、祭祀の主宰者(申込遺骨に対して、将来にわたりご遺骨及び墓所を守っていく方)であること
合葬埋蔵施設に申込みをする場合
遺骨申込 (遺骨がある方)
- 都内に、令和6年7月5日時点までに3年以上継続して住んでいること
- 遺骨に対して、祭祀の主宰者(申込遺骨に対して、将来にわたりご遺骨及び墓所を守っていく方)であること
- 2体用の場合、申込遺骨2体が夫婦(事実婚関係を含む)、パートナーシップ関係、親子又は兄弟姉妹であること
遺骨・生前申込 (申込遺骨のある方で、生前申込もする方)
- 申込者及び存命の埋蔵予定者が、都内に令和6年7月5日時点までに、3年以上継続して住んでいること
- 2体用または3体用の場合、申込遺骨は申込者と夫婦(事実婚関係を含む)、パートナーシップ関係、親子又は兄弟姉妹であること
参照:TOKYO霊園さんぽ
申し込み方法
申込期間(令和6年6月 14 日~7月5日)内に、下記のいずれかの方法により、申し込みます。
申し込みは、1人1か所の申込みに限ります。電話での申込みは受付していません。
①インターネット申込み
都立霊園公式サイト「TOKYO 霊園さんぽ」から申し込みします。
インターネット申込みには、申込者情報の登録が必要です。申込者情報の登録は令和6年6月14 日(金)から可能となります。
②郵送申込み
専用の「申込書」を郵送し、申し込みします。
「申込書」が含まれている「申込みのしおり」は令和6年6月14 日(金)から7月5日(金)まで、次の場所で配布されます。
- 都庁第一、第二本庁舎1階・2階の案内コーナー
- 各都立霊園および都立瑞江葬儀所の窓口
- 都内各区市町村及び千葉県松戸市役所の窓口(配布窓口は、区市町村にお問い合わせください。)
- 公益財団法人東京都公園協会 霊園課(〒160-0021 東京都新宿区歌舞伎町 2-44-1 東京都健康プラザハイジア9階)
過去の小平霊園の倍率
過去3年間の抽選倍率をご紹介します。
霊園名 | 種別 | 募集数 | 倍率 | 募集数 | 倍率 | 募集数 | 倍率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
2023年度 | 2022年度 | 2021年度 | |||||
小平霊園 | 一般埋蔵施設 | 100 | 4.6 | 93 | 4.8 | 100 | 4.7 |
芝生埋蔵施設 | 10 | 6.5 | 15 | 5.7 | 25 | 3.6 | |
合葬埋蔵施設 | 210 | 39.6 | 800 | 13.2 | 800 | 13.0 | |
樹林型合葬埋蔵施設 | ー | ー | ー | ー | ー | ー | |
樹木型合葬埋蔵施設 | ー | ー | 300 | 1.7 | 300 | 1.5 |
まとめ
都立小平霊園の樹木葬についてまとめました。
都立霊園の募集は、1年に1回しか行われません。申込期間を逃さないために情報収集は定期的に行いましょう。
また、お墓の購入は、一生に一度ともいえる大きな買い物です。数多くあるお墓の中から後悔のない選択をするためには、まずしっかりと比較・検討をすることが大切です。都立霊園を検討している場合も例外ではありません。多くの霊園をチェックしておきましょう。