神奈川県川崎市にある2つの市営霊園。そのうちのひとつ緑ヶ丘霊園は、川崎市民からは“津田山墓地”と呼ばれ親しまれてきました。お墓参りに来る方だけでなく、子どもが遊んでいたりのんびりと散歩を楽しまれる方も多く見られます。自然豊かな公園墓地です。
霊園内には一般墓所の他に遺骨を預かってもらえる納骨施設「緑ヶ丘霊堂」もあり、2019年3月には川崎市初の合葬型墓所も併設されました。
霊園内には「ドラえもん」や「パーマン」などで知られる藤子・F・不二雄先生のお墓もあります。
令和4年(2022年)11月1日~11月30日の期間で「緑ヶ丘霊園」の使用者募集が行われます。
詳細は下記よりご確認ください。
緑ヶ丘霊園の概要
墓地形態 | 墓所25,012区画(平成27年4月1日現在) 一般墓所 1区画4平方メートル11,990区画 同6平方メートル11,434区画 同8平方メートル306区画 その他1,282区画 |
所在地 | 〒213-0033 川崎市高津区下作延1241 |
アクセス | JR南武線「津田山駅」下車 徒歩約5分 |
開門時間 | 3~9月7:00~19:00 10~2月7:00~17:30 |
霊園事務所 | 電話:044-811-0013 FAX:044-819-4882 |
窓口時間 | 8:30~17:30(12月29日~1月3日を除く) |
緑ヶ丘霊園の区画・費用
市営霊園の募集時は、霊園ごとに、墓所の種類や募集数、永代使用料、年間管理料などが発表されます。各墓所の区画や永代使用料、年間管理料は次の通りです。
一般墓所 | 区画面積 6平方メートル | 永代使用料 1,500,000円 | 年間管理料 4,200円 |
一般墓所 | 区画面積 4平方メートル | 永代使用料 1,000,000円 | 年間管理料 2,800円 |
緑ヶ丘霊園までの駅からのアクセス
緑ヶ丘霊園は川崎市の北西部に位置し、JR南武線津田山駅から徒歩5分ほどの場所にあります。車なら第三京浜道路京浜川崎.IC.から約10分と、電車でも車でも行きやすい交通アクセスの良い場所にあります。
津田山駅の改札は出口が1つしかないので迷う心配はありません。駅構内と駅出口にはエレベーターもあるので足に自信がない方でも安心です。道路に出たら左方向に進むと踏切が見えてきます。
踏切を渡り川崎市立下作延小学校の前を抜け、通りに沿ってゆるやかな坂を上っていけば津田山口門に到着です。
津田山口門を入ってすぐに見える建物が管理事務所です。管理事務所の前には霊園案内図があります。区画ごとの番号だけでなく、休憩所やトイレの場所も書かれています。
緑ヶ丘霊園の周辺環境
緑ヶ丘霊園に向かう途中、踏切を渡ってすぐの場所に大きなスーパーがありました。お彼岸ということもあり、入口にはお供え用のお花が沢山売られていました。
もちろん店内でお供物やお線香も購入できます。お供え物を現地で調達できるのは便利ですね。
緑ヶ丘霊園への道中には、出店が出ていたりお供えものを取り扱う店舗も多くありました。帰りに返却する必要はありますが、お供え用の花を手桶に入れたものを販売しているお店も何軒もありました。
緑ヶ丘霊園の土地柄
緑ヶ丘霊園の面積は、約59万ヘクタールと広大です。緑ヶ丘霊園という名が表しているように、標高45mほどの丘に墓地が広がっています。
霊園内には「長尾の里めぐり」という看板もあり、花と緑と史跡を訪ねてハイキングも楽しめます。
霊園内には作延城址があり、鎌倉時代には地形をうまく利用した山城だったことがわかります。
取材時、霊園内には桜の木も多くちょうどつぼみが開きかけていました。満開の時期になれば丘全体がピンク色に染まり、例年、大勢の花見客が訪れるそうです。
緑ヶ丘霊園の雰囲気
霊園を訪れるはお墓参りをする人だけでなく、散歩している人や遊んでいる親子連れも多く目にしました。都市公園ということもあり明るい雰囲気の霊園です。
離れた駐車場に車を停めて歩いて墓地まで向かうのではなく、それぞれ自分のお墓がある区画近くに車を停めてお墓参りをしています。足の悪い方やお年寄りでも安心してお墓参りができます。
緑ヶ丘霊園全体のご案内
霊園内は広いので案内図が用意されています。管理事務所の場所、墓地の区画、トイレや休憩所の場所、車が入れる通路まで細かく記された見やすい案内図です。
墓地はエリアや区画ごとに案内板が立てられています。広大な墓地内でも自分がどこにいるのかわからなくなってしまうことはありませんでした。
区画だけでなく「○区○側」と示されているので自分のお墓がどこか覚えておけば迷わずたどり着けるでしょう。ただし、墓地は数字の順番通りに区画されているところもあれば、29〜34区のように点在しているところもあるので注意が必要です。
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緑ヶ丘霊園の区画
津田山口門を入り管理事務所の裏手にあるのが24区。そこからゆるやかな坂を上って行くにつれて23区、22区、21区…と数字が小さくなっていきます。24区の道路を挟んだ向かい側には15区があり、こちらも坂を上るにつれて14区、13区…と数字が小さくなっていきます。
このあたりの墓地の広さは12㎡くらいあるのではないでしょうか。墓石だけでなく樹木や墓誌、墓前灯籠なども建てられているのが目に付きます。
12区、11区あたりはさきほどより広い墓地になっています。ひと丘上がるごとに広くなるような印象で、立派な墓地はどこもきちんと整備されています。
9区、10区には、より一層広い墓地が広がっています。一段と目を惹くのが9区にある田園調布教会の墓地。緑ヶ丘霊園は市営霊園なので宗教不問、キリスト教式のお墓も建てられます。
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作延城址を過ぎ休憩所の方へと向かう道路沿いは3区、2区、1区となっています。一区画6㎡の墓地が並び、お墓参りや草むしりなどのお手入れに来ている方を見かけることが増えました。
このあたりまで上ってくると丘の上なので、路上に車も停めやすくなっています。
休憩所を抜けた先は26区、27区、28区…と道路に沿って続いていきます。このあたりには一区画4㎡の墓地が並んでいます。
たくさんの桜の木が植えられた噴水広場も近く、春には桜を眺めながらお墓参りができます。こちらも道路に面しているので、車も停めやすい区画です。
毎年緑ヶ丘霊園では6㎡と4㎡の一般墓地の募集が出ますが、このあたりを歩くとおおよそのサイズや雰囲気がよくわかると思います。
噴水広場を道路沿いではなく、奥に進むと35区があります。
35区は奥に広くなっていて、一区画2㎡の墓地が並んでいます。区画は木々に囲まれていますが、墓石の近くには大きな木がありません。きれいに区画されていることもあり、太陽の光が当たる明るい場所になっています。奥まっているため車の音も聞こえず、とても静かな雰囲気でした。
道路に戻り緑ヶ丘霊堂の方へ歩いて行くと29区があります。29区の奥に30区、さらにその奥には36区があります。
昔ながらの和型の墓石も多く見られますが、新しい洋型墓石も増えているのを感じます。29区の看板の近くには塔婆処理箱が置かれ、古くなった塔婆が何本か入れられていました。
31区の前の道路の桜は植え替えられ、細く伸びた枝にしっかりと花が咲いていました。昔からある古い桜と並んで咲く、細く若々しい桜。緑ヶ丘霊園の歴史や世代の移り変わりといったものを感じさせられます。
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29~34区、36区があるこのあたりの道路は、駐車してしまうと車が通り抜けられなくなってしまいます。噴水広場付近で停めるか、緑ヶ丘霊堂の駐車場に停めるのがよさそうです。
50区は6㎡墓地となっています。これまでの区画では見なかった、墓じまいなどで更地になっている場所がいくつかありました。
続いて合葬型墓所方面へ向かって進んで行きます。
緑ヶ丘霊堂の裏にあるのが65区画です。こちらは洋型墓石が他の区画に比べて目立ちます。墓石の色も明るい石が使われているものが多く、すっきりとした印象です。
65区の奥に66区があり、65区と並ぶ道路に面した場所に67区、69区があります。69区のところで久地口門へ向かう道路と分岐しているので、70区、73〜81区も車を停められる道路に面しています。
合葬型墓所への向かう道路をさらに進んで行くと、道路に面した場所に82区と83区があります。道路も広いので車も停めやすくなっていて、車道と歩道が分かれるので歩行者も車を気にせず歩けるようになります。
合葬型墓所の裏手にあるのが87区。こちらは周りに高い木が少なく、開放的で明るい雰囲気になっています。こちらの区画でも洋型墓石が目に付きます。
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87区の奥に88〜91区があり、道路を挟んだ向かい側に84〜86区があります。
合葬型墓所の前へ戻り久地口門に向かって進んで行くと、ここからはゆるやかな下り坂になっています。
合葬型墓所の隣にあるのが116区。6㎡の墓地が広がっています。
このまま下り坂が続いていくと思いきや、92区に行くにはなかなか急な坂を上らなくてはなりません。車は軽自動車なら入れないこともなさそうですが、道路に停めて歩いた方がよさそうです。
他の区画で手桶が用意されているのは見ませんでしたが、92区では水場に手桶がいくつか置かれていました。
さきほどの道路に戻り、久地口門へ向かいます。道路に出てゆるやかな坂を下っていくと右手には111〜114区、左手には115区があります。
115区は4㎡墓地です。和型の墓石が大半ですが、キリスト教型の墓石もありました。このあたりは高い木々に囲まれていることもあり、鳥のさえずりが聞こえたり他の区画よりのどかな印象。このあたりから久地口門までは徒歩2、3分程度です。
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緑ヶ丘霊園の施設
緑ヶ丘霊園には案内図によると5ヶ所の休憩所があります。案内図にはない休憩所もいくつかあり、霊園内のあちこちにベンチも用意されています。
「音楽のまち・かわさき」だけあり、こんなにかわいらしいベンチもありました。
霊園内にトイレは6ヶ所あります。写真の噴水広場のトイレは昔ながらのトイレという感じでしたが、昨年完成した合葬型墓所近くのトイレは新しくとてもきれいでした。
噴水広場に売店がありますが、桜が開花する時期のみの開店です。自動販売機はありますが、あらかじめ用意しておいたほうがいいでしょう。
霊園内にはゴミ箱も用意されています。可燃ゴミは袋に入れてコンテナの中へ、ペットボトルや空き缶、空き瓶はカゴに捨てられます。除草した草はビニール袋に入れて出す決まりになっています。お墓の周りで除草した袋を自宅に持ち帰らずに済むのは助かります。
区画ごとに水道もありました。ゴミ箱の場所と一緒に、あらかじめ確認しておくのがよさそうです。
また、園内を見回すとお花やお線香が供えられているのは見かけましたが、食べ物や飲み物が備えられているのはほとんど見かけません。霊園内ではお供え物は持ち帰ってくださいと注意書きがあり、しっかり守られているようです。
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緑ヶ丘霊園の納骨堂
緑ヶ丘霊堂
霊園内の中央付近にある緑ヶ丘霊堂は、墓地の空きを待っている方などが遺骨を預けることができる納骨施設です。津田山駅から約1,200m、徒歩15分程度の丘の上にあります。
祭壇の正面には、お線香やお花を手向けることができるよう参拝所が設けられています。お盆やお彼岸の時期には混雑することも多いようで、広めのスペースが用意されています。
緑ヶ丘霊園の合葬墓
無縁合葬墓みどりの丘
無縁合葬墓みどりの丘は、古墳のような見た目が特徴的な無縁納骨堂です。津田山駅から緑ヶ丘霊堂へ向かう途中にあります。
無縁納骨堂
もうひとつの無縁納骨堂は噴水広場の近くにあります。こちらは昔ながらの納骨堂といった印象で、キレイな花が供えられていました。
合葬型墓所
合葬型墓所は緑ヶ丘霊園内で一番新しい施設です。川崎市が利用者や市民の意識調査を行ったところ、承継者がいらない合葬型墓所の需要があり2019年3月に完成しました。合葬型墓所の平均当選倍率は8.70倍と、こちらもかなりの高倍率となっているようです。
合葬型墓所の裏手には墓誌があり、希望すれば故人のお名前を刻字できるそうです。完成してから約1年ということもあり、まだまだ墓誌は余裕がある状態でした。
緑ヶ丘霊園の抽選倍率
川崎市の市営霊園でも人気も知名度もあり、立地も雰囲気もいい緑ヶ丘霊園。2019年度の募集では倍率は22.75倍とかなりの高倍率です。
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