京都市左京区にある京都市営大日山墓地。「南禅寺」と「東山」という人気エリアに挟まれ、地下鉄の駅から徒歩約15分という好立地にも関わらず静かな環境が魅力です。
自治体が管理しているという安心感、そして費用を抑えられるのもお墓を選ぶうえで大きなメリットとなるのではないでしょうか。
最新の霊園とは違った趣のある、京都市営大日山墓地をご紹介します。
大日山墓地までの駅からのアクセス
最寄り駅近辺
大日山墓地の最寄駅は京都市営地下鉄東西線蹴上(けあげ)駅です。1番出口から出ると道路を渡らず墓地に向かうことができます。
地下鉄出口には周辺案内図があります。
大日山墓地の場所は載っていませんが、日向大神宮を目印にするとわかりやすいです。
最寄り駅から大日山墓地まで
鳥居の先にある、琵琶湖疎水にかかる橋を越えます。琵琶湖疎水は琵琶湖の水を京都に流すために明治時代に作られた水路で、昭和初期までは舟運にも用いられていました。
船が運行できない急勾配部分は台車にのせて線路の上を移動させるインクライン(傾斜鉄道)で運行しており、この場所はその上端の蹴上船溜にあたります。
右岸の奥の方には、レンガ造り旧九条山浄水場原水ポンプ室を眺めることができます。
琵琶湖疎水を超えた先は、大日山墓地の入口まで緩やかな坂道や石段が続きます。杖をつきながら、休み休み上がっていくご高齢の参拝者もいらっしゃいました。
途中分かれ道がありますが、安養寺の脇を通って先に進めば大日山墓地の入口が見えてきます。
大日山墓地入口近辺
蹴上駅から大日山墓地までの道のりは、ゆっくり歩いて徒歩15分ほど。坂道が続いてはいますが、緩やかなのできつさは全く感じません。
森の中を歩くため日陰が多く、お盆の暑い時期でもお参りしやすいのではないでしょうか。
大日山墓地に駐車場はありません。最寄りのコインパーキングを探しても、蹴上駅よりさらに離れた場所になってしまいます。車で来たとしても、地下鉄で来たときと同じ道を通らなくてはなりません。
観光地でもあるため、周辺の道路が渋滞することも考えると公共交通機関の利用がおすすめです。
大日山墓地周辺の様子
大日山墓地周辺には、お線香やお供物などを購入できる店舗は見当たりません。お墓参りに行く前にあらかじめ用意していきましょう。
そのかわり、大日山墓地周辺にはお墓参りのついでに立ち寄りたい散策スポットがありますのでご紹介します。
粟田口隧道 ねじりまんぽ
蹴上駅を大日山墓地と反対方向に進むと、ねじれたように斜めに積み上げたレンガが美しい「ねじりまんぽ」(蹴上トンネル)があります。上からの重みに耐えられるよう斜めにレンガをつみあげてあるのだとか。
上には蹴上インクラインがあります。
蹴上インクライン
南禅寺船溜と蹴上船溜を往復させるために敷設された全長約582mの傾斜鉄道で、現在は国の史跡として整備されています。
両脇には桜並木があり、人気の観光スポットになっています。
大日山墓地の歴史
京都市内に8つある京都市営墓地のひとつ大日山墓地は、平安神宮や南禅寺、京都市動物園などからもほど近い場所にあります。
明治6年の火葬禁止令により、埋葬地を確保出来ない人々に対し京都府が墓地の区画を指定したのが始まりで、明治22年に市制が施行されたときに京都市に移管されたそうです。
墓地として区画・造成されたのではなく、利用者が自然発生的に開拓を行い、霊園として形作られたのだとか。
市民にわかりやすくするため、平成25年度に「共葬墓地」から「市営墓地」に名称が変更されました。
大日山墓地の環境
大日山墓地は自然豊かな環境なのに駅からも歩ける好立地な場所というのは魅力です。
大日山墓地の敷地面積は、22.217㎡。段差があったり木が生えたりしていて、全体的な広さはつかみづらいです。
どの区画にもゆとりがあり、敷地が広すぎてお墓参り行くだけで疲れてしまうということもないちょうどいい広さです。
自然豊かな環境に包まれる
大日山墓地山は高台にあります。多くの木々に囲まれていますが、日当たりも良く鬱蒼(うっそう)とした印象もありません。
大勢の観光客でにぎわうエリアから少し離れただけとは思えないような、静かで厳かな環境が広がっています。
すれ違う参拝者同士が挨拶を交わすアットホームな霊園で、気持ちよく参拝することができます。
緑と光に満ちた落ち着いた雰囲気の中で、故人とゆっくり向き合うことができるのではないでしょうか。
墓所区画の様子
区画によって広さはさまざまですが、周囲を囲ったお墓が少ないこともあり広々とした印象を受けます。
大日山墓地も他の京都市営墓地と同じように、第1区から第4区に区画が分けられているようです。
ですが、墓地内には区画を表示するものは見つけられませんでした。募集時には現地で説明会が行われるとのことなので、そこで広さや区画などの説明と確認ができると思います。
墓地内には墓石が建てられておらず、空いている場所も数多く見られました。
大日山墓地の詳しい料金はこちら
大日山墓地の管理状況
常駐する管理人
大日山墓地は京都市営墓地の中では珍しく管理人が常駐しています。
管理人が不在の際も入口の扉を開けて入ることはできるようですが、照明などはなく足元も危ないため夕方以降の参拝はおすすめできません。
草刈り管理など
草刈り等の管理は、京都市により定期的に行われています。それでも墓石の周りの草が気になる場合は、除草した草をゴミ袋に入れてゴミ箱に捨てることができます。
最近は墓石を建てるときに雑草が生えてこないように対策をしてくれる石材店が多いです。一通り墓地を見た感じでも、比較的新しめのお墓では雑草が生えていないところが多かったです。
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大日山墓地の設備
園内の設備状況
大日山墓地には水汲み場とゴミ箱があります。
墓地内にある小屋には、お墓参り用のバケツや掃除道具などそれぞれ用意した道具を置いておくことができました。
墓地内ではしきびが販売されています。しきびのみの販売で、お線香や自動販売機などもありません。駅前にも買うところはありませんでしたので、お供え用の花やお供物などと同じくあらかじめ用意しておく必要があります。
園内の通路
駅から大日山墓地へ向かう道と、園内の広い通路は舗装してあります。細い通路などは未舗装の部分も多いという印象を受けました。
また、階段や坂道など段差も多くあります。ヒールの高い靴やサンダルなどは避け、歩きやすい履物で行くのがおすすめです。
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大日山墓地使用者募集について
募集の告知と申し込み
大日山墓地の使用者は、不定期に募集されます。現在新たな造成は行われていないため、返還された区画が対象になります。直近では平成27年には100区画程度の募集がありました。
市民しんぶん(全市版)及び京都市のホームページで募集が告知されますので、大日山墓地にお墓を持ちたいと考える方はまずは市に問い合わせをしてみてはいかがでしょうか。
区画ごとに広さや形などが異なるため、利用の申し込みは日時が指定された見学会が行われ、その日に現地で行われます。自分の目で確かめてから場所を選べるので、申し込んだ後イメージと違っていたということがなく安心です。
使用者の決定は先着順となりますが、募集開始時に申し込み区画が重複した場合は抽選となります。
申し込み資格
市営墓地のため宗旨宗派は自由。指定の石材店もありません。
京都市内在住で、住民票により居住が確認できる方(法人は不可)などの制約があります。また、すでに市営墓地を使用されている方は申込みすることはできません。
なお、京都市市営墓地条例施行規則第8条により、使用許可後1年以内に石材やコンクリートなどで使用する墓地の区画を明示する必要があります。
費用
使用登録時に納める墓地使用料は1㎡あたり10万円~25万円で、京都市営墓地の中でも低価格となっています。他の霊園や寺院墓地で探すと1聖地100万円を超えるところも多い中、費用を抑えてお墓を持てるというのは大きなメリットとなります。
また、毎年納付する墓地管理料は1㎡当たり1,900円とこちらも低価格です。生前にお墓を準備しておきたい方や、子どもや孫の代に維持費の心配をかけたくないという方にも向いているのではないでしょうか。
大日山墓地の墓地使用料は、第1区が250,000円、第2区が200,000円、第3区が150,000円、第4区が100,000円となっています。
墓地の区画が第1区から第4区までのいずれに該当するかは市長の決定による、と市のホームページに記載がありました。
募集状況
大日山墓地は毎年募集を行っていませんが、同じ市営墓地の深草墓地(伏見区)や清水山墓地(東山区)は令和2年にも募集が行われています。募集期間は令和2年2月3日~同年7月31日までとなっています。
深草墓地や清水山墓地の申込みは、抽選ではなく先着順となっています。
空き区画がなくなり次第受付を終了と書いてありますが、現在も空きがあるようです。市のホームページには、空いている区画の場所や申込み方法など情報が公開されています。
大日山墓地についての情報は市のホームページにもほとんどありません。大日山墓地の募集について知りたい方、市営墓地をお探しの方はまずは市に直接問い合わせてみるのが確実です。
募集状況
大日山墓地は毎年募集を行っていませんが、同じ市営墓地の深草墓地(伏見区)や清水山墓地(東山区)は令和2年にも募集が行われています。募集期間は令和2年2月3日~同年7月31日までとなっています。
深草墓地や清水山墓地の申込みは、抽選ではなく先着順となっています。
空き区画がなくなり次第受付を終了と書いてありますが、現在も空きがあるようです。市のホームページには、空いている区画の場所や申込み方法など情報が公開されています。
大日山墓地についての情報は市のホームページにもほとんどありません。大日山墓地の募集について知りたい方、市営墓地をお探しの方はまずは市に直接問い合わせてみるのが確実です。
大日山墓地周辺は風光明媚な観光名所も多くあり、四季折々の風景を楽しむことができます。駅からの道のりも緩やかな坂道なので、天気の良い日はハイキング気分が味わいながら気持ちよくお墓参りできるのではないでしょうか。
森の中にある静かな大日山墓地。京都市在住で費用を抑えてお墓を持ちたいという方は、選択肢の1つにしてみてはいかがでしょうか。
大日山墓地の詳しい料金はこちら