池上本門寺(いけがみほんもんじ)は、東京都大田区にある日蓮宗の大本山です。日蓮聖人本人が入滅した(亡くなった)場所として歴史ある寺院で、参道の桜や重要文化財の五重塔などでも有名です。
今回は、そんな池上本門寺の由緒や見どころと、その池上本門寺の山内にある墓地についてご紹介します。
池上本門寺とは
池上本門寺は、日蓮宗の大本山として、山号を長栄山、院号を大国院、寺号を本門寺とし、古くより池上本門寺と呼ばれてきた由緒ある寺院です。
日蓮聖人が弘安5年(1282年)10月13日に入滅された霊跡といわれ、日蓮宗の14ある霊跡寺院の一つで、日蓮宗七大本山の一つにもなっています。
日蓮宗七大本山とは
日蓮宗の寺院は、その寺格によって「祖山」「霊跡寺院」「由緒寺院」「一般寺院」に分けられています。
祖山は、山梨県南巨摩郡身延町にある総本山「身延山久遠寺(通称・身延山)」で、ここには日蓮の遺言に従い遺骨が埋葬された祖廟があります。霊跡寺院は14ヵ寺あり、その中でより伝統ある7ヵ寺を、日蓮宗の七大本山としています。
- 大本山「小湊山誕生寺(通称・小湊誕生寺)」、千葉県鴨川市
- 大本山「千光山清澄寺(通称・清澄清澄寺)」、千葉県鴨川市
- 大本山「正中山法華経寺(通称・中山法華経寺)」、千葉県市川市
- 大本山「富士山本門寺根源(通称・重須本門寺、北山本門寺)」、静岡県富士宮市
- 大本山「長栄山本門寺(通称・池上本門寺)」、東京都大田区
- 大本山「具足山妙顕寺(通称・顕山)」、京都府京都市上京区
- 大本山「大光山本圀寺(通称・光山)」、京都府京都市山科区
池上本門寺の見どころ
池上本門寺は、東急池上線「池上駅」より徒歩10分、駐車場も完備されたアクセスのよい場所にあります。以下では池上本門寺の見どころを紹介していきます。
参道の桜
池上本門寺の参道には、たくさんの桜が植えられており、春には満開の桜、夏にかけて葉桜が楽めます。日本に多いソメイヨシノや、しだれ桜ではなく、笹部桜(ささべざくら)という品種の桜を見ることができます。
遠州茶道の極意を具現化した「松濤園」
一般公開期間以外では見ることができない「松濤園(しょうとうえん)」は、4千坪の敷地に茶室がいくつも作られ、来賓者が回遊する名園です。
池の周囲には織部井戸・船付場・鶴島・亀島・太鼓橋などが設けられ、滝を楽しめるように滝見橋・松濤の滝なども造られています。
重要文化財「五重塔」
池上本門寺の五重塔は、桃山時代・慶長13年(1608)に建立されたもので、旧国宝指定の重要文化財となっています。
春の時期に、桜と一緒に見る五重塔はとても優雅な佇まいで、参拝する方の目を楽しませてくれます。
御首題(御朱印)
池上本門寺では、いまでも日蓮宗の大本山として、さまざまな布教活動が行われ、お守りや御朱印(お寺に参拝した証)をもらうことができます。最近ではこの御朱印を集めて寺院を回る人も増えているそうです。
なお、日蓮宗寺院のみの証は、御朱印ではなく御首題と呼ばれ、御首題帳にもらうことができます。
池上梅園
池上本門寺の境内ではなく敷地外になりますが、大田区が管理する大田区立公園には、30種350本以上の梅の木が植えられている「池上梅園」があります。毎年1~3月には梅の木が開花し、多くの人で賑わいます。
ホンモンジゴケ
1910年(明治43年)に、共立薬科大学の桜井博士が池上本門寺の五重塔周辺で発見した新種の藻類です。池上本門寺で発見されたことから「ホンモンジゴケ」と命名されました。
五重塔の屋根から流れる緑青部分に生息していて、現在も生息しています。コケリウムを楽しまれている方は必見!といえます。
池上本門寺の年間行事
池上本門寺では、1月の初詣、2月3日の節分など多くの寺社で執り行われている行事のほか、ゴールデンウィーク期間には植木市なども開催されます。8月4・5日には「みたま祭り」と盆踊りが開催され、亡くなった方の冥福を祈ります。10月下旬から11月23日までは七五三で、子供たちの発育円満を祈願します。
また、毎年10月11日~13日の3日間、日蓮聖人の遺徳を偲ぶ「お会式法要」が行われます。
それ以外に、宗派特有の行事として以下のようなものがあります。
- 2月16日「日蓮聖人降誕会」
- 7月7日「盂蘭盆施餓鬼会法要」
- 7月土用の丑の日「ほうろく加持」
- 12月23日「茶筅供養」
《墓所案内》日蓮宗大本山 池上本門寺
池上本門寺にある墓地は、永代使用料と墓石施工価格を含めて1区画200万円から使用することができます(入檀寄付金が別途必要になります)。
五重塔裏や日蓮聖人像奥などのお墓を利用することができ、お墓の周りにスペースのあるゆとり墓所といったタイプのお墓も利用可能です。また、池上本門寺ではペットの供養も受け付けています。
《墓所案内》池上 大坊 本行寺
「池上 大坊 本行寺」は、池上本門寺の境内にある塔頭(山内寺院)の一つです。「大坊」とは、池上本門寺の塔頭・末寺の中の筆頭という意味で付けられています。
本行寺にある墓地は小高い丘の上にあり、落ち着いた雰囲気となっています。区画は199万円(年間管理料7,200円)から使用することができます。
《墓所案内》本行寺 樹林墓地「そせい」
本行寺樹林墓地「そせい」とは、大坊本行寺内にある新しいタイプの墓地です。こちらの墓地は、名前の通り樹木や花を墓標にして、その下に遺骨を納めるお墓です。本行寺により永代にわたって管理してもらえるので、お墓の相続に困っている方でも利用できます。費用は、使用料や管理料などすべて含まれて1人60万円です。
《墓所案内》池上本門寺塔頭 理境院墓苑
理境院墓苑は池上三院家の一つで、池上本門寺の塔頭(山内寺院)となっています。池上本門寺境内にあり、最寄駅は同じく東急池上線「池上駅」、駅から徒歩9分と好アクセスです。
墓地の使用料はお墓のサイズによって異なりますが、105万円~292万円、年間管理料は24,000円です。
《墓所案内》理境院 大田妙樹苑 樹木葬墓地
こちらは理境院墓苑の中にある墓地で、樹木葬のため宗教や宗派が自由で後継者がいなくても墓地を利用できます。1区画に3体納めることができるので家族や複数人の納骨にも対応しています。永代供養50年で70万円~の費用がかかります。
《墓所案内》池上本門寺塔頭 真性寺
真性寺は、池上本門寺の塔頭の一つです。一般的な墓地のほかに、水子供養・ペット供養といった供養も受け付けています。また、立地条件のよい新墓地も用意されています。
1区画450万円(年間管理料1万800円)から使用することができます。
《墓所案内》池上本門寺山内 法泉寺墓地
池上本門寺の山内にある墓地です。管理主体の「法泉寺」は台東区元浅草にあるのですが、墓地のみ池上本門寺山内に移転されています。広大な境内の中にあり、緑にも囲まれた静かな墓地になっています。
過去にどんな宗派であろうと、日蓮宗に帰衣すれば、墓地を使用することができ、目安として一般墓地は400万円から使用することができます。