お彼岸で意外と悩まれる方が多いこと、それは「ぼたもち」と「おはぎ」。そもそも「ぼたもち」と「おはぎ」の違いとは何か、そして、お彼岸で食べるべきなのは一体、どちらなのか……両者の違いを論じた記事は多数ありますが、ありすぎてよくわからないという状況に陥る方も少なくないようです。
そこで今回は、「ぼたもち」と「おはぎ」の見分け方に関する諸説と、結論どう違うのかをまとめました。
単刀直入に、これが結論!
春のお彼岸(3月)では「ぼたもち」
秋のお彼岸(9月)では「おはぎ」と呼ぶ
「ぼたもち」と「おはぎ」は結論、同じものですが、それぞれの季節に咲く花によって名称が異なります。
春に花が咲く「牡丹(ぼたん)」を由来として、春のお彼岸で食べるものは「ぼたもち」と呼び、秋に花が咲く「萩(はぎ)」から、秋のお彼岸で食べるものは「おはぎ」と呼ばれるようになりました。ちなみに、夏は「夜船(よふね)」、冬は「北窓(きたまど)」と呼ばれます。
また、以下では諸説についても説明していきます。
諸説1「大きさが違う」
大きいものを「ぼたもち」
小さいものを「おはぎ」と呼ぶ
牡丹(ぼたん)は、花が大きく豪華なので、どかっと大きいのが「ぼたもち」。一方、萩(はぎ)の花は、小さくしとやかな感じなので、上品な小ぶりのものが「おはぎ」という説です。
諸説2「材料の米が違う」
もち米で作られたものを「ぼたもち」
うるち米で作られたものを「おはぎ」と呼ぶ
本体(あんこではない餅の部分)を構成している、主たるお米の種類が異なり、「ぼたもち」はもち米、「おはぎ」はうるち米がそれぞれ使われているという説です。
しかし、料理レシピによっては、材料に「白米」「十六穀ごはん」といった、もち米もうるち米も使用しないものも多くあり、作り手や状況によって材料は異なるのでそのたびに名称を変えるのはやや大変に思えます。
諸説3「手加減が違う」
(もちのつき方が)容赦ないものを「ぼたもち」
(もちのつき方が)容赦あるものを「おはぎ」と呼ぶ
もち米をお餅になるまでついたものを「ぼたもち」と呼び、まだ粒が残る程度についたものを「おはぎ」と呼ぶという説です。
諸説4「あんこが違う」
こしあんを用いたものを「ぼたもち」
つぶあんを用いたものを「おはぎ」と呼ぶ
餅本体ではなくその周りにつける「あんこ」の違いによって呼び名が変わり、こしあんを用いているのが「ぼたもち」、つぶあんを用いているのが「おはぎ」という説です。
これは、あんの材料となる小豆の収穫時期に由来すると言われます。小豆は秋に収穫されるため、秋に食べる「おはぎ」は、採れたての小豆が使われ、粒のままでも皮も柔らかく美味しく食べられるため、つぶあんを用いるとのことです。春になると小豆も時間が経って固くなるため、春に食べる「ぼたもち」にはこしあんを使うというわけです。
また、「ぼたもち」は牡丹の花のように、こしあんのつるりとした感じ、「おはぎ」は萩の花のように、あずきのつぶつぶした感じ(おもちのつき加減も粒が残っている)という説もあります。
まとめ
春のお彼岸(3月)では「ぼたもち」(牡丹餅)
秋のお彼岸(9月)では「おはぎ」(御萩)と呼ぶ
ちなみに、春のお彼岸には「ぼたもち」ということを瞬時に思い出させてくれる、中島みゆきの名曲もあります。
https://www.e-ohaka.com/guide/column/4393/