埼玉県さいたま市にあるさいたま市営「青山苑墓地」は平成2(1990)年に開設された比較的新しい市営墓地です。駐車場は62台分あり、電車とバスを使っても最寄り駅から約20分程度で行くことができます。
さいたま市営「青山苑墓地」は、どのような墓地なのでしょうか。
青山苑の最寄り駅からのアクセス
青山苑墓地に行くにはいくつかのルートがあります。
電車とバスを使う方法ですと、JR大宮駅東口またはJR東川口駅北口からバスに乗って行く方法があります。埼玉高速鉄道線浦和美園駅から徒歩で青山苑墓地まで行くこともできるようですが、土地勘があまりなかったため、一番分かりやすい東川口駅から行くルートを選択しました。
最寄り駅(東川口駅)からバスに乗る
JR武蔵野線東川口駅の改札口を出ると、左側に進み北口へ出ます。
北口には埼玉高速鉄道線東川口駅の入口があり、その横にバスロータリーがあります。
ロータリーの手前には総合バス案内の看板があるので、ここでバス乗り場を確認します。
バスロータリーのちょうど反対側が、青山苑墓地に行く国際興業バス「埼玉東営業所」行きが来る2番乗り場でした。
バスは1時間に2本程度なので、あらかじめバスの時間を調べておいた方がいいでしょう。
2番乗り場には埼玉東営業所行きのバス以外に、浦和駅行きのバスも止まるので行き先を間違えないよう注意が必要です。
東川口駅から徒歩数分のところに、コンビニやスーパーがありました。バスを待っている間にお供え物などの買い物をすることができます。
バス停(中野田)を降りて5分ほど歩く
バスに乗って約10分で、青山苑墓地最寄りのバス停「中野田」に到着しました。遠いとは感じない、ほどほどの距離です。
バス停から青山苑墓地までの道が分かるか不安でしたが、交差点の信号のところに青山苑墓地への方向を示す大きな看板があったので助かりました。
交差点の近くにはコンビニがあり、お線香やろうそくが販売されていました。青山苑墓地までの道は住宅街や畑になっていて、車道と歩道はしっかり分かれています。車や人もほとんど通らないので歩きやすいです。
日中は静かでいいのですが、日が落ちるのが早い季節や天気の悪い日などは少し怖く感じるかもしれません。
中野田のバス停から青山苑墓地までは徒歩5分ほど。バスを降りてから青山苑墓地まで1本道なので迷うことはありません。
青山苑墓地の周辺環境
バス停から青山苑墓地まで歩いていると、遠くに埼玉スタジアム2002が見えました。青山苑墓地から埼玉スタジアムまで歩いて10分くらいの距離です。
青山苑墓地入口前には浦和レッズの選手の写真が入った自動販売機がありました。サッカーの試合がある時はこのあたりも混雑するのかもしれません。
青山苑全体の案内
約30年前に9ブロック1139区画の墓地として開設された青山苑墓地。
平成13(2001年)に5ブロック484区画が追加整備され、現在の面積は20116.56㎡、区画の総数は1623区画となっています。
区画の間の通路は石畳で、園全体が統一感のある空間になっています。区画はほぼ番号順に並び、きちんと整備されています。
丘の上にひな壇のように墓地が建てられている区画もありますが、ほとんどの区画は平坦地にあります。
青山苑墓地の中にはまだ桜が残っていました。ちょうど見頃を迎えたツツジも咲いていて、墓地内はまるで公園のような雰囲気です。
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青山苑墓地の区画
青山苑墓地の区画は、第1ブロックから第14ブロックまであります。
第1〜第5ブロック
入口に一番近いのが第1ブロックです。
第1〜第7ブロックまでは、通路を挟んで左右に1つの区画が広がっています。
区画の入口にはさらに見やすい案内図が設置されています。
第1ブロックは和型の墓石が多く、一つひとつの墓地の広さも同一の3㎡サイズです。
進行方向右側には1番〜36番があり、通路を挟んだ左側に37番〜138番までの墓地が並んでいます。
第2ブロックも第1ブロックと同じ広さの墓地が広がっています。
通路の右側に1番〜51番、左側に52番〜171番と並んでいます。第1ブロックより第2ブロックの方が区画数が多くなっています。
第1ブロックと比べると洋型墓石の割合が多いように感じます。
古い卒塔婆が何本も立てられている墓地もありました。
第3ブロックはゆるやかなカーブに沿って区画が広がっています。
ブロックの案内板は、左右どちらの区画にも立てられています。
右側の早い番号の案内板の方は、どの区画でも色あせて見にくい状態になっています。
第3ブロックは1番〜43番が右側、44番〜165番までが左側に広がっています。
第3ブロックでは墓石ではなく、木の墓標が建てられている墓地もありました。
第4ブロックは3ヶ所に分かれています。
通路左側の第3ブロックの隣にあるのが106番〜189番です。
第3ブロックは、これまでと比べて洋型の墓石の割合が高くなっています。
キリスト教式の墓地もありました。
その隣には第4ブロックの24番〜105番があります。
第4ブロックも洋型の墓石が多く、和型でも比較的新しい墓石も多いように感じました。
第4ブロック1番〜23番は、通路右側にあります。
こちらも墓石の数は少ないものの、洋型の墓石が半数以上でした。
第4ブロックの先には門があります。
外とつながっている道路を挟んだ先に、第5ブロック以降の区画が広がっています。
こちらの門は歩行者や自転車は通れますが、車は入れません。
門を出た道路の先、第10ブロックの隣にも青山苑墓地の駐車場があります。
第5ブロック以降と第4ブロックに墓地がある方は、入口近くの駐車場に停めるよりこの先の駐車場に車を停めた方が便利でしょう。
第5ブロック以降があるエリアへ入るとトイレがあり、その前には第5〜第9ブロックの案内板が設置されています。
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第5〜第7ブロック
第5〜第7ブロックも、これまでと同じく左右に区画が広がっています。
第5ブロックは通路の右側に1番〜24番、左側に25〜96番があります。
洋型の墓石の割合も高く、墓石の色や形も様々な墓石を目にすることができました。
中には音楽好きな方が眠っているのであろう、「楽」の文字と楽器が彫られた墓石もありました。個性的な墓石の多い区画です。
第6ブロックは通路右側に1番〜22番、通路左側に23番〜94番があります。
第6ブロックも洋型墓石や個性的な墓石もある区画になっています。新緑が目にまぶしい、爽やかな雰囲気です。
第7ブロックは大きな桜の木が植えられています。墓地の裏には竹林が広がり、自然豊かな区画になっています。
第7ブロックは墓地と墓地の間の通路もきれいに舗装されています。和型の墓石が多く、落ち着いた雰囲気です。
入口から1本道で続いてきた通路もここまでで終わります。
行き止まりの右側には第8、第9ブロックがあり、左側には第10〜第14ブロックがあります。
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第8〜第9ブロック
第8ブロックは、階段を上がった途中に区画が広がっています。
1番〜90番まで同じ広さの墓地が整然と並んでいます。
1列に25の墓地が並ぶ区画で、コンパクトな印象を受けます。
墓石の種類は和型がほとんどで、墓地内には墓碑が建てられている墓地が多かったです。
第8ブロックの上、階段を上った先にあるのが第9ブロックです。
1番〜80番まで、ひな壇のように1列ごとに5段に分かれて広がっています。
上から1番〜7番、8番〜19番、20番〜35番、36番〜55番、56番〜80番と、下に行くほど墓地の数が多くなっています。
墓地の前にはツツジが咲き、青山苑墓地の中でも特に美しい区画です。
第8ブロックと比べると、墓地と墓地の間にゆとりがある造りになっているように感じます。
第9ブロックを上がっていくと、墓地の数は減り、木々が増えていきます。洋型墓石が増え、さらに美しく雰囲気のいい区画になっています。
階段を下り、第7ブロックの行き止まりの地点まで戻ります。
第7ブロックの隣にあるのが第11ブロック1番〜60番の区画です。
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第10〜第12ブロック
まるで石碑のような墓石もあったかと思えば、洋型の墓石もあります。
第11ブロックには様々な墓石が並んでいるのが分かります。
第11ブロック62番〜129番は、第11ブロック1番〜60番の通路を挟んだ向かい側にあります。
こちらの区画にも年月を感じさせる墓石もありますが、洋型墓石もありバラエティーに富んだ形態の墓石が並んでいます。
第11ブロックの間の通路を入口方面へ向かうように進むと第10ブロックがあります。
第11ブロック62番〜129番の隣にあるのが、第10ブロック22番〜61番です。
こちらのブロックは和型の墓石がほとんどです。
奥には第10ブロック1番〜21番があります。
こちらも和型の墓石が大半ですが、石碑のような墓石や洋型の墓石も目に付きました。
歴史を感じさせる墓石が一番多いブロックだという印象を受けました。
第7ブロックと第11ブロックをつなぐ道まで戻ると、第11ブロックの向かい側にあるのが第12ブロックです。
第12ブロックは1〜39番と40番〜108番に分かれています。第12ブロックは、墓石の種類が先ほどまでとはガラリと変わります。
洋型の墓石の割合がぐっと上がり、球型の墓石などもありました。
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第13〜第14ブロック
第13ブロックは1番〜53番、54番〜113番に分かれています。
第13ブロックは半数以上が洋型の墓石ではないかと思えるほど、洋型墓石の割合が高くなっていました。
これまではほとんど目にしなかった空き区画ですが、13区ではいくつか空き区画がありました。
第14ブロックは敷地内に低木が植えられています。
敷地外にもたくさんの木々が生い茂っているので、森の中にいるような閑静な雰囲気が感じられます。
区画は1番から23番、24番〜73番までに分かれています。洋型墓石が多い印象の13ブロックよりも、さらに洋型墓石の割合が高くなっています。空いている区画も第13区より多くあるようでした。
青山苑墓地は区画の広さも統一され、どの区画もすっきりとした印象でした。
しっかりと管理された花や緑が、穏やかな雰囲気を生みだしています。
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納骨堂
エントランス脇の管理事務所に隣接する、教会のようにも見える建物が納骨堂です。
納骨堂は、お墓を購入するまで遺骨を一時的に預かってくれる施設です。
申し込みは随時受け付けてくれますが、空きがない場合は予約のみとなっています。
また、納骨堂の各階には墓地を利用する方も使える常設の法要祭壇があります。
法要も行える和室が2部屋用意されています。
無縁者墓地「やすらぎ」
第14ブロックの隣には無縁者墓地「やすらぎ」があります。
四方を壁で囲われているので、中は一層静かで落ち着いた空間になっています。掃除も行き届き、花も供えられているのでさみしげな雰囲気はありません。
青山苑の設備
管理棟
青山苑墓地へ入ってすぐ、正面左側にあるのが管理棟です。門の横には守衛室があります。
あずまや(休憩施設)
青山苑墓地内には12ヶ所のあずまやがあります。
あずまやは屋根のある休憩所で、水道や水桶、ゴミ箱、ほうきやちりとり、バケツと雑巾が置かれています。灰皿も用意されているので喫煙所も兼ねているようです。
あずまやはほとんどのブロックごとに設置されているので、遠くまで歩いて道具を借りに行く必要はありません。屋根が目立つので、一番近いあずまやがどこにあるか、園内を見渡せばすぐわかります。
トイレ
青山苑墓地内にトイレは2ヶ所あります。
どちらも男女別になっていて、2ヶ所のうち1ヶ所は車椅子も入れるトイレが用意されていました。
展望台
第9ブロックを上がった一番上には展望台があります。あずまやと違い水桶などは用意されておらず、ベンチとゴミ箱のみです。
ひな壇になった墓地の景観を眺めることができます。
第9ブロックにお参りに行った際の休憩にはちょうどいいと思います。
駐車場
墓地内には駐車場が2ヶ所あります。第1〜第3ブロックあたりにお参りに行く方は、入口の近い管理棟と納骨堂の裏にある駐車場が便利です。
第4〜第14ブロックへ行く方は、第10ブロックの近くにある駐車場が便利です。
青山苑全体の雰囲気
平日の午前中ということもあり、お墓参りに来ている方はあまりいませんでした。
近くに住んでいる方が自転車でお墓まで来ているようで、正面の入口からではなく第4ブロック近くの門から出入りされていました。園内は第8、第9ブロック以外は段差もないので自転車でも来やすそうです。
植えられている樹木や園内の清掃など、管理がしっかりしているのが分かるきれいな墓地です。春は桜やツツジ、新緑が楽しめますが、秋には紅葉も楽しめるでしょう。
自然たっぷりというのとはひと味違う、管理された美しさが魅力の青山苑墓地です。
青山苑墓地の募集について
青山苑墓地は平成22(2010)年度に募集が行われましたが、それ以降募集は行われていません。墓地の広さは同一で、一区画3㎡でした。
さいたま市の市営墓地で募集が行われているのは2020年4月現在、見沼区にある「思い出の里市営霊園」のみです。毎年募集が行われている「思い出の里市営霊園」は、変動があるものの、芝生墓地で約19〜44倍、一般墓地で約17〜32倍ほどの高倍率になっています。
青山苑墓地は環境もよく、思い出の里市営霊園よりアクセスもいいことから、募集が行われればこちらもかなりの高倍率が予想されます。
さいたま市の市営霊園の募集は、さいたま市報とさいたま市ホームページで告知されます。
応募資格は、さいたま市に住民登録があり、1年以上居住している方などいくつか規定があります。
令和元(2019)年度は、8月1日に募集内容が発表されました。9月1日~13日までに郵送で申込み、公開抽選は11月25日に行われました。
青山苑墓地についても、募集が行われる場合は同時期になると思われます。
青山苑墓地の今後の募集状況について知りたい場合は、さいたま市役所保健福祉局に問い合わせるのが確実でしょう。市のホームページにはお問い合わせフォームがありますので、気軽に問い合わせることができます。
市営墓地とは思えない洗練された雰囲気を持つ青山苑墓地。気長に募集を待つしかありませんが、待つ価値のある墓地ではないでしょうか。
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