門跡(もんぜき)寺院とは、皇室一門や公家の方が出家して住職を務める寺院のことをいい、古くより皇室と関わりのある格式高い寺院とされています。
「門跡」とは元来、「門葉門流」の意味で、開祖の正式な後継者のことを指す言葉でしたが、平安時代に宇多天皇が仁和寺で出家し、御室(おむろ)を造営して住み、それを「御室門跡」と称して以来、皇族や公家などが出家して寺主となる寺院を「門跡」と称するようになり、格式高い寺院を表す称号へと変化しました。
この記事では、主な門跡寺院をご紹介するとともに、門跡寺院での納骨や供養の情報を載せています。
東叡山 輪王寺(りんのうじ)
東京都台東区にある天台宗の寺院。天台宗別格大本山「寛永寺」の境内地だった上野公園内にあり、両大師、開山堂(慈眼堂)とも呼ばれています。
日光山 輪王寺(りんのうじ)
栃木県日光市にある天台宗の寺院。「輪王寺」は日光山中にある寺院群の総称で、東照宮・二荒山神社の境内とともに「日光山内」として国の史跡に指定され、「日光の社寺」として世界遺産に登録されています。
圓満院(えんまんいん)
滋賀県大津市にある天台宗系の単立寺院。圓満院門跡とも呼ばれています。
青蓮院(しょうれんいん)
京都府京都市東山区にある天台宗の寺院。青蓮院門跡、旧粟田御所とも呼ばれています。
毘沙門堂(びしゃもんどう)
京都府京都市山科区にある天台宗の寺院。正式名称を「護法山 安国院 出雲寺」といい、山科毘沙門堂、毘沙門堂門跡とも呼ばれています。
曼殊院(まんしゅいん)
京都府京都市左京区にある天台宗の寺院。竹内門跡とも呼ばれています。
三千院(さんぜんいん)
京都府京都市左京区にある天台宗の寺院。三千院門跡、梶井門跡、梨本門跡とも呼ばれています。
妙法院(みょうほういん)
京都府京都市東山区にある天台宗の寺院。日吉門跡とも呼ばれています。また、境外仏堂として、蓮華王院本堂(三十三間堂)を所有・管理しています。
聖護院(しょうごいん)
京都府京都市左京区にある本山修験宗(天台宗系の修験道の一派)の総本山寺院。聖護院門跡とも呼ばれ、「聖護院旧仮皇居」として国の史跡に指定されています。
実相院(じっそういん)
京都府京都市左京区にある天台宗系の単立寺院。実相院門跡、岩倉門跡とも呼ばれています。
滋賀院(しがいん)
滋賀県大津市にある天台宗の寺院。滋賀院門跡とも呼ばれ、比叡山延暦寺の本坊(総里坊)でもあります。
仁和寺(にんなじ)
京都府京都市右京区にある真言宗御室派の総本山寺院。 旧御室御所とも呼ばれています。また、「古都京都の文化財」として、世界遺産に登録されています。
大覚寺(だいかくじ)
京都府京都市右京区にある真言宗大覚寺派の大本山寺院。 大覚寺門跡、旧嵯峨御所とも呼ばれ、御所跡地が国の史跡に指定されています。
随心院(ずいしんいん)
京都府京都市山科区にある真言宗善通寺派の大本山寺院。小野小町ゆかりの寺としても知られ、小野門跡とも呼ばれています。
勧修寺(かじゅうじ)
京都府京都市山科区にある真言宗山階派の大本山寺院。山階門跡とも呼ばれています。
三宝院(さんぽういん)
京都府京都市伏見区にある真言宗醍醐派の大本山寺院。真言宗醍醐派総本山「醍醐寺」の歴代座主が居住しており、醍醐寺の本坊的な役割を持っています。境内の多くの建造物が国宝・重文に指定されており、三宝院庭園は国の特別史跡・特別名勝に指定されています。
知恩院(ちおんいん)
京都府京都市東山区にある浄土宗の総本山寺院。正式名称を「華頂山 知恩教院 大谷寺」といい、吉水禅房とも呼ばれています。境内には、国宝の御影堂や三門のほか、多くの文化財指定建造物が建ち並んでいます。