京都市東山区に位置する、臨済宗東福寺派の大本山「東福寺」
東福寺と聞くと紅葉を思い浮かべる方が多いと思いますが、多くの歴史的建造物や名所があり、紅葉以外の見どころもたくさんあります。
この記事では、お墓の購入を検討されている方に向けて、東福寺の歴史や名所、御朱印、購入可能な寺院墓地などをご紹介します。
東福寺の歴史
東福寺は京都五山に数えられ、三門、本堂、方丈、庫裏などの伽藍を中心に25ヵ寺もの塔頭を有する大寺院です。
山号は「慧日山(えにちさん)」と号し、本尊は「釈迦如来」、開基(創立者)は「九条 道家(くじょう みちいえ)」、開山(初代住職)は「円爾 弁円(えんに べんえん)」とされています。
東福寺という名は、奈良最大の寺院である「東大寺」と、当時盛大を極めた「興福寺」にならって、それぞれの寺院から1文字ずつ取って名付けられました。
京都五山とは
京都にある禅宗(臨済宗)の五大官寺のこと。室町時代の1386年、足利義満によって定められました。「南禅寺」を別格とし、その下に、第一位「天竜寺」、第二位「相国寺」、第三位「建仁寺」、第四位「東福寺」、第五位「万寿寺」が位置しています。
創立者は九条道家、開山は聖一国師
東福寺の歴史は鎌倉時代にはじまります。ときの摂政、九条道家が実に19年の歳月を費やし、九条家の菩提寺として造営しました。造営中に開山として招かれたのは、宋での修行を終えて帰国していた円爾です。円爾は後に花園天皇から「聖一(しょういち)国師」という号を贈られた人物です。
東福寺の名所、見どころ
東福寺には数多くの歴史的建造物や庭園があり、観光としても大変見ごたえがあります。また、東福寺は紅葉の名所としても大変有名で、毎年多くの観光客が訪れます。
三門
国宝の三門は、室町時代の建築です。禅寺の三門としては現存する最古のものです。22mもの高さを誇るその上層には、宝冠釈迦如来と十六羅漢が安置されています。
本堂
本堂は明治14年の火災で焼失しましたが、大正から昭和にかけて再建され、天井画龍図は堂本印象が描きました。本尊の釈迦三尊像は、明治の火災後に塔頭のひとつである万寿寺から移されたものです。
東福寺本坊庭園「八相の庭」
方丈の東西南北を囲むように作られた枯山水の庭園(方丈庭園)は、東福寺の見どころのひとつです。
近代を代表する造園家、重森三玲の作品で「八相の庭」と命名されています。鎌倉期の質実剛健な風格をもとに、近代芸術の抽象的構成を取り入れて、釈迦成道を表現しています。方丈の東西南北に作られた庭は、それぞれの表現が異なる設計でありながら、全体のストーリーが繋がるような構成となっているのが特徴です。
2014年に国指定名勝に登録され「東福寺本坊庭園」と呼ばれるようになりました。
禅堂
禅堂は1347年に再建されたもので、国内に現存する禅堂としては最大で最古です。禅堂は修行僧が座禅などの修行に励む場でした。東福寺の伽藍にはこの禅堂のほか、東司や浴室など、当時の修行僧の暮らしぶりが分かる多くの建物が残されており、重要文化財に指定されています。
三名橋と紅葉
主要伽藍の北側には洗玉澗(せんぎょくかん)という渓谷があり、東福寺三名橋と呼ばれる臥雲橋(がうんきょう)、通天橋、偃月橋(えんげつきょう)が架かっています。
この一帯にはもともと桜が植えられていたそうですが、「後世に遊興の場になる」「修行の妨げになる」などの理由で、桜が切られたと伝えられています。今日では、境内にある約2,000本の紅葉が毎年多くの観光客を集めており、特に通天橋からの眺めは、京都随一とも言われています。塔頭の勝林寺と天得院では紅葉のライトアップも行われています。
開山堂
洗玉澗の北側、通天橋の先に開山堂はあります。別名「常楽庵」とも言い、開山の円爾像が安置されています。金閣(鹿苑寺)や銀閣(慈照寺)とともに「京の五閣」と数えられる楼閣です。
光明院
南側にある塔頭のひとつで、別名を「虹の苔寺」と言います。本坊の方丈庭園を手がけた重森三玲作の庭園があり、「波心の庭」と名付けられています。海に見立てた白砂と苔の上に石を配した枯山水は落ち着いた雰囲気を醸しています。高台には茶亭「羅月庵」があり、そこからの眺めは知る人ぞ知る隠れた名所です。
即宗院
即宗院は境内北東側に位置する塔頭で、薩摩藩の菩提寺です。徳川家へ輿入れをする際に篤姫が立ち寄った寺であり、西郷隆盛が新撰組の追っ手を逃れ、幕府転覆の策をめぐらしたと言われる場所です。
庭園は京都市の名勝に指定され、通常は非公開ですが、紅葉の時期にのみ特別公開されます。
東福寺で拝受できる御朱印
東福寺で拝受できる御朱印についてご紹介します。東福寺にはオリジナルの御朱印帳もありますので、東福寺を訪れた際は御朱印帳とあわせて拝受してみてはいかがでしょうか。
御朱印の種類
通常の御朱印のほかに、季節によって以下のような御朱印があります。
- 通常、拝受できる御朱印
- 期間限定で拝受できる青もみじ御朱印
- 期間限定で拝受できる紅葉の御朱印
通常の御朱印は「大仏賓殿(だいぶつほうでん)」と墨書きされたものがいただけます。
青もみじの季節には、通常版の左上に青もみじのスタンプが押され、紅葉の季節には紅葉(朱色)のスタンプが押されます。
紅葉の季節は墨書きではなく、スタンプの御朱印となります。
御朱印を拝受できる場所
本坊庭園の拝観受付で拝受できます。受付時間は9:00~16:00で、季節により異なります。事前に確認してから訪れるようにしましょう。
《墓所案内》東福寺塔頭 善慧院
善慧院(ぜんねいん)は、およそ500年の歴史がある東福寺の塔頭のひとつで、東福寺駅から徒歩7分とアクセスのよい立地にある寺院墓地です。平成30年1月に永代供養墓の新区画が完成しました。墓地は高低差が少なく、高齢者の方でもお参りしやすくなっています。
《墓所案内》東福寺塔頭 天得院
桔梗の寺として知られる天得院は、東福寺駅から徒歩7分にあります。杉苔で覆われた枯山水の庭と、四季折々の花が楽しめる自然豊かな寺院です。石碑建立を望まない方には、共同納骨場所が利用できます。1区画の永代使用料は85万円~となっています。
《墓所案内》東福寺塔頭 即宗院
東福寺の最深部にある臥雲山即宗院(がうんざんそくしゅういん)は、東福寺駅から徒歩13分のところにあります。境内に墓地がありますが、檀家以外の方も入ることができ、宗派も問われません。一般墓地のほかに、樹木葬墓地「自然苑(じねんえん)」もあります。
《墓所案内》東福寺塔頭 荘厳院
荘厳院(しょうごんいん)は、東福寺の南西にある塔頭です。東福寺駅より徒歩15分と少し歩きますが、周辺は住宅や保育園などがある静かな環境です。墓地内はバリアフリー設計になっており、高齢者や小さな子ども連れでもお参りしやすくなっています。一般墓所の永代使用料は80万円~です。
まとめ
禅宗の大寺院、東福寺は長い歴史を持っています。歴史的建造物など重要文化財や、鎌倉・室町時代の絵画や古文書なども数多く所蔵されており、まさに由緒ある名刹です。
そして塔頭(子院)の寺院墓地は広く門戸が開かれており、一般墓所のほかに樹木葬や合同納骨できる墓地もあります。墓地をお探しの方は、ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。